東京選手権3日目のこの日はいよいよ男女シングルスが開幕し、1~3回戦が行われた。男子は2回戦から出場した竹岡純樹(スポ3=青森山田)、平野晃生(スポ2=山口・野田学園)が快勝。女子も1回戦から加藤夏海(社3=秋田商)が勝ち上がり、共に4回戦へと駒を進める。ダブルスではランク入りの8組が出そろい、早大からは上村慶哉主将(スポ3=福岡・希望が丘)・平野組と阿部愛莉(スポ2=大阪・四天王寺)・徳永美子(スポ2=福岡・希望が丘)組が名を連ねた。
第3ゲームで22-20の激闘をものにし、勢いそのままに5回戦へと進出した竹岡・硴塚将人(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)組。ことしの全日本選手権ベスト8の強豪ペア、張一博・高木和卓組(東京アート)を迎え撃った。力強いドライブで積極的に攻め、第1ゲームを先取。第2ゲームは5-11で返されたものの、再び接戦に持ち込んだ。左右に大きく揺さぶられるが食らいつき、硴塚の鋭いバックハンドやネットミスを誘って逆転。ところがわずかに及ばず、このゲームをジュースの末に落としてしまう。第4ゲームも竹岡のチキータなどで得点を重ねていくが、8-8で並んだところから3連続ポイントを許して惜敗。ゲームスコアこそ1-3となったが、「しっかり練習をしていい準備ができれば、関東学生選手権とかも上を狙っていけるのではないか」と竹岡が振り返ったように、手応えを感じられる内容になった。
5回戦で強豪相手に奮闘した竹岡・硴塚(左)組
女子シングルスでは、加藤の勢いが止まらない。2回戦、ゲームカウント1-1で迎えた第3ゲームを11-4で快勝したものの、第4ゲーム序盤はなかなかペースをつかめない。一時は2-8と大きく離されてしまった。それでも4連続得点で流れを取り戻すと、一気にその差を縮め、ついに逆転。3回戦でも第1ゲームを競り勝つと、第2ゲームは強気のプレーで突き放し、そのまま相手を寄せ付けず11-3でものにした。ファイナルゲームでは互いに点を取り合う展開になったが、「どんどんコースを突いてみたり攻めたりしていくことができた」と振り返ったように加藤は最後の最後まで攻めの姿勢を崩さず、ストレートで下した。
勢いに乗る加藤
あすはダブルスの決勝までと、シングルスのランク決定戦までが行われる。昨年は果たせなかったダブルスのランク入りを二組も果たし、早大勢の勢いは上々だ。大会4日目のシングルスには、シードを含め男女各4名が登場する。強豪ぞろいの今大会で、どこまでエンジの意地を見せられるか注目したい。
(記事 橋本望、写真 熊木玲佳、大浦帆乃佳)
結果
▽男子シングルス
2回戦
◯竹岡3―0金(朝日大)
◯平野3―0阿部(JR東日本高崎)
3回戦
◯竹岡3―0中野(大阪桐蔭高)
◯平野3―0亀石(協和発酵バイオ)
▽女子シングルス
1回戦
◯田中3―0石山(金城大)
◯加藤3―1平井(就実高)
◯鎌田3―1槙尾(百十四銀行)
2回戦
◯加藤3―1工藤(青森大)
●田中1―3小室(筑波大)
●板尾1―3山下(オークワ)
●鎌田1-3加藤(十六銀行)
3回戦
◯加藤3―0下山(日本航空高)
▽男子ダブルス
4回戦
◯上村・平野組3―1澤口・宝利組(JR北海道)
◯竹岡・硴塚組3―1坂野・高杉組(中大)
●高田・坂内組1―3松浦・中林組(原田鋼業)
5回戦
◯上村・平野組3―1松山(愛工大名電高)・?田(愛工大)組
●竹岡・硴塚組1―3張・高木和組(東京アート)
6回戦
◯上村・平野組3―1田中・田添響組(専大)
▽女子ダブルス
4回戦
○阿部・徳永組3-1鷲塚・古川組(東京富士大)
●佐藤・庄司(専大)組0-3平・松本組(サンリツ)
●板尾・加藤組0―3林・前瀧組(東京富士大)
5回戦
○阿部・徳永組3-0加藤知・加藤杏組(十六銀行)
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コメント
高田直騎(スポ4=福岡・希望が丘)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
相手は全日本選手権で強い相手に勝っているペアだったので、とりあえず思い切ってプレーしようと意識して臨みました。
――具体的な対策はありましたか
自分は全日本選手権で左の選手とミックスダブルス対戦していて、サーブが特にうまいということを分かっていたので、レシーブを気を付けてしようということを話しました。
――どのゲームも競った展開になりましたが
第1、2ゲームは特に出だしでリードしていて後半になって追いつかれてという展開でした。後半に追いつかれた時に二人とも焦ったプレーをしてしまったので、そこが敗戦につながったかなと思います。
――昨年と同じ結果に終わりましたが、結果自体はどう感じていますか
去年に比べて練習量が少なかった中、自分たちのやれることはやれたのではないかなと思います。そんなに悔いはないです。
――早大の選手として戦うのはこれが最後でしたが、4年間を振り返っていかがですか
そんなに大きな結果は出なかったのですが、早大卓球部として試合に出させてもらって本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
――後輩たちはこのあとも試合が続きますが、メッセージをお願いします
ベンチコーチなど、早大の選手が残っている限り自分のできることを最大限したいです。後輩にとってはここが一つの通過点というかいろいろ試せる機会だと思うので、より多くの技術や戦術を試して勝たせられるように頑張ります。
竹岡純樹(スポ3=青森山田)
――まずきょうのダブルスを振り返っていかがですか
初戦の中大ペアはこの先も対戦する可能性があるので、今回勝てて良かったです。
――第3ゲームで22-20までもつれたときはどのようなお気持ちでしたか
ゲームカウント1-1だったので、落としても次と次のゲームを取れば勝てると思ってあまり気にしてはいなかったです。
――競り勝てた要因は何だったと思いますか
8-10のときに相手の良いロングサーブを、しっかり待って硴塚(将人、スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)が決められたのでそれが良かったと思います。
――2戦目は強豪が相手でしたが、どのようなお気持ちで試合に臨まれましたか
相手は実力者だったんですけど、そういうことはあまり意識せずにやれたらいいなと思っていました。第1ゲームを取れて、ちょっといけるかなと思ったんですけど、競り合いをものにできませんでした。
――ドライブで積極的に攻めていた印象を受けました
守っていても勝てないと思っていました。張選手(一博、東京アート)はブロックがうまいので、フォアを狙って打っていこうと思っていました。
――きょうの2戦を終えて収穫はありましたか
硴塚が大会前サフィール国際オープンに行っていたのであまり練習ができなかったんですけど、それでもここまでできたので、しっかり練習をしていい準備ができれば関東学生選手権とかも上を狙っていけるのではないかと思います。
――シングルスはご自身で振り返っていかがですか
一戦目は朝日大の中国人選手が相手で今までに見たこともありましたし、対策はできていました。
――今大会のシングルスの目標を教えてください
次の4回戦で強い相手と対戦するので、そこで勝ってスーパーシードにも勝ちたいです。
――あすに向けて意気込みをお願いします
この大会が関東学生春季リーグ戦(春季リーグ戦)に向けた最後の大きな大会なので、しっかり勝っても負けても春季リーグ戦に向けていい準備ができるようにしたいです。
加藤夏海(社3=秋田商)
――ダブルスの試合を振り返って
第1ゲームから第3ゲームまで点数が競っていて、そこでレシーブに苦しむ場面があって。それで相手が上にいってしまったかな、と思いました。私たちがリードしている時に凡ミスしたりしたので、ちゃんと(点を)入れていれば勝てた試合でもあったので悔しかったです。
――第3ゲームではタイムアウトを取っていましたが、どんなことを話されたのですか
レシーブがお互いに苦手というか不安要素だったので、「こういうふうに入れてみよう」「やりやすいように」っていうのを話し合っていました。
――シングルスの試合について
一試合目は相手もどんどん打ってきて、自分が硬くなっちゃったんですけど、第2ゲームから立て直して自分のプレーができたのでよかったです。
――勢いに乗っていたように見えました
結構自分のボールと合っていて、どんどんコースを突いてみたり攻めたりしていくことができたので良かったと思います。
――この大会に向けて強化していたことは
1月の全日本選手権では1回戦で負けてしまって、そこでレシーブと、自分のサーブからの展開で自分のパターンにもっていけなかったので、レシーブとサーブ3球目は力を入れていました。でも、今大会でも2回戦でサーブがうまい選手と対戦してミスが出ちゃって。なかなか修正が効かなかったので、今後の課題かなと思います。
――あすへの意気込みをお願いします
2球目になると自分の卓球ができなくなってしまうので、そこは強気の心を忘れないで、今まで練習したことを出し切ってプレーしたいと思います。