阿部は代表権獲得へ向けて視界良好!

卓球ダブルス

 大学生のオリンピックとも言われるユニバーシアード。ことしは8月22日から29日の8日間、場所は台北にて行われる。この日は第29回夏季ユニバーシアード代表選手選考会(代表選考会)が行われ、早大からは男子2名、女子4名が出場。全選手総当たりの過酷な試合方式で、男女それぞれ成績上位者2名に与えられる本戦出場権を目指して戦った。6試合もの同士打ちや田中千秋女子主将(スポ3=愛知みずほ大瑞穂)が強豪を倒すなど、初日から熱戦続きだった。

 

 男子リーグの代表選考会は同士打ちから始まった。エースの上村慶哉主将(スポ3=福岡・希望が丘)と全日本選手権(全日本)でランク入りの硴塚将人(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)の早大対決。好調の硴塚はその勢いのままに上村から第1ゲームを奪い、先制する。しかし、「今まで負けたことがなかったので、自信があった」と上村がエースの貫禄を見せ、逆転勝ちを収めた。その後、上村は2勝を挙げて、総合成績3勝3敗と代表権が狙える位置で大会1日目を終了。硴塚は世界ジュニア卓球選手権団体優勝メンバーの松山祐季(愛工大名電高)をあと一歩のところまで追い詰めるも、総合成績0勝6敗と苦い戦績。第7戦以降で、挽回できるか。

 

6敗の硴塚はここから挽回できるか

 

 卒業生の小道野結(平28スポ卒=現アスモ)を含めて、出場選手10名中5名が早大勢の女子リーグ。緊迫した部内戦の中で、異彩を放ったのが阿部愛莉(スポ2=大阪・四天王寺)だった。小道野や佐藤風薫(スポ4=岡山・就実)、田中。歴代の主将たちを相手に、一度もリードを許さない完勝。関東学生リーグ戦など、普段は共にダブルスを組む徳永美子(スポ2=福岡・希望が丘)からも白星を奪い、出場選手中唯一の4戦全勝を挙げた。代表権獲得へ向け、視界は良好だ。また、田中も代表権獲得の射程圏内にいる。激しいラリー戦を制し、全日本大学総合選手権個人の部2位の山本怜(中大)を下すなど、総合戦績は3勝1敗。上々の成績で、女子リーグの2位タイにつけている。

 

4戦全勝の阿部は代表権獲得に向け、視界良好だ

 

 出場選手全員の総当たり戦と、長丁場な今大会。大会1日目を終えて、すでに明暗を分けるかたちとなってしまった。しかし、同世代のトップ選手が集まって、切磋琢磨(せっさたくま)する試合には必ず得られるものがあるはずだ。「全日本大学総合選手権団体の部やリーグ戦のためにも勝ちたい」(阿部)、「厳しい試合をする中で学ぶこともある」(上村)。一戦一戦を戦い抜き、今後につながる大会にしてもらいたい。

 
 
 

(記事 本田京太郎、写真 小川由梨香)

 

 

結果

▽男子リーグ

上村慶哉(3勝3敗)
◯上村3―1硴塚

●上村0―3吉田(愛工大)

◯上村3―1滝澤(明大)

◯上村3―0厚谷(信号器材)

●上村0―3坪井(筑波大)

●上村0―3郡山(専大)

硴塚将人(0勝6敗)
●硴塚1―3上村

●硴塚0―3滝澤(明大)

●硴塚2―3松山(愛工大名電高)

●硴塚0―3及川(専大)

●硴塚1―3吉田(愛工大)

●硴塚0―3田添健汰(専大)

▽女子リーグ

佐藤風薫(0勝4敗)
●佐藤0―3田中

●佐藤1―3池上(東京富士大)

●佐藤2―3小道野(アスモ)

●佐藤1―3阿部

田中千秋(3勝1敗)
◯田中3―0佐藤

◯田中3―0徳永

●田中0―3阿部

◯田中3―1山本(中大)

阿部愛莉(4勝0敗)
◯阿部3―1徳永

◯阿部3―1小道野(アスモ)

◯阿部3―0田中

◯阿部3―1佐藤

徳永美子(1勝3敗)
●徳永1―3阿部

●徳永0―3田中

●徳永0―3中畑(愛工大)

◯徳永3―1田口(筑波大)

 

コメント

▽男子
 

上村慶哉主将(スポ3=福岡・希望が丘)

――本日の試合を全体的に振り返ってみていかがですか

全日本選手権(全日本)を終えてから練習量が落ちてしまっていたので、身体のキレが少し悪かったです。その分、頭を使って、戦術の面で少しでも勝てればなと工夫して試合に臨みました。1日目を終えて、3勝3敗という結果はまだ代表の射程圏内だと思うので、あす以降は全勝したいと思っています。

――戦術面での工夫というのは

いつもはフォアでガンガン攻めていくプレースタイルですが、なるべくバックを多用して、要所で一本取りに行くというプランでした。練習していなかった分、どこか動きが悪い部分があったので…。

――きょうの試合のヤマ場は

第2戦で対戦した吉田さん(雅己、愛工大)との試合ですね。第1ゲームを接戦で落としてしまって、そのまま流れを持っていかれて負けてしまいました。やっぱり、吉田さんに勝てないことにはユニバーシアードの代表にはなれないと思っているので、ヤマ場でしたね。

――具体的な敗因はありますか

相手は打点が低くて、なおかつ打ってくるコースも厳しいので対応できませんでした。そこが敗因です。

――3勝3敗という結果に対して、ご自身でどのような評価をされていますか

きょうは勝ち越して終わりたかったんですけど、少し残念です。

――初戦は硴塚選手との同士打ちでしたが

硴塚に対しては、今まで負けたことがないので対戦前から自信はありました。

――硴塚選手は全日本でランク入りを達成しています。勢いはありましたか

そうですね。今、勢いありますね。きょうは全敗で終わってしまったのですが、こういった厳しい試合をする中で学ぶこともあると思うので、これからまた頑張ってもらいたいですね。

――最後にあす以降への意気込みを教えてください

代表になるためには、これ以上負けられなので、あしたはとにかく全勝を目指して頑張りたいと思います。

▽女子

阿部愛莉(スポ2=大阪・四天王寺)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは部内戦が中心だと分かっていたので少し緊張する部分もあったんですけど、全戦苦しかったんですけど、内容はどうであれ結果勝つことができたので良かったです。

――初戦の徳永選手は互いに手の内を知り尽くしている相手でしたが、やりづらさはありましたか

いつも一緒に練習していて互いにボールには慣れていましたし、試合の流れもずっと競っていたので、どちらが勝つか本当に分からない感じでした。要所で攻められたのが良かったと思います。

――小道野結選手(平28スポ卒=現アスモ)との今までの戦績を教えてください

去年一度負けて、この前の夏くらいに一度勝ったので一勝一敗でした。

――きょう戦ってみていかがでしたか

小道野さんは全日本選手権でもランク入りして勢いがあると思っていたのですが、向かっていけたので良かったと思います。

――ユニバーシアードの代表は狙っていますか

一戦一戦自分のプレーができて、納得できるようなかたちで最後終えられればいいなと思います。

――あすへの意気込みをお願いします

あすは他大の選手とたくさんやることになると思うので、これからのインカレ(全日本大学総合選手権団体の部)やリーグ戦(関東学生リーグ戦)のためにも勝ちたいなと思います。