新入生の活躍光る

卓球ダブルス

 関東学生新人戦の2日目は、男女共にシングルスの3回戦以上が行われた。ワセダからは、前日の試合を勝ち進んだ14名が出場。男子は硴塚将人(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)がベスト4、女子は鎌田那美(スポ1=北海道・駒大苫小牧)がベスト8、金子碧衣(スポ1=愛知みずほ大瑞穂)がベスト16になり、ランク入りを果たした。

 5回戦まで駒を進めた坂内拓也(スポ3=東京・実践学園)は、専大の三部航平と激突。ラリーで粘り強く食らいつくも、相手の両ハンド攻撃に体勢を崩され、返球が大きくそれてしまう。ゲームカウント0-2で迎えた第3ゲームも追う展開になってしまった。そのまま反撃はかなわず、最後はドライブを決められて悔し涙をのんだ。6回戦、準々決勝で白星を挙げた硴塚は、決勝戦への切符を懸けて全日本ジュニア選手権覇者の及川瑞基(専大)と対決。第1ゲームを7点差で落としたものの、「集中しようと思って切り替えた」(硴塚)と振り返ったように第2ゲームはフットワークを生かして応戦。あらゆるコースに打たれてくる球もしっかりと返し、拮抗(きっこう)した状態が続く。サービスエースを奪うなど技術面の強さも発揮したが、紙一重の差で追いつくことができない。第3ゲームもゲームスコア9-9まで持ち込んだが一歩及ばず、ストレートで相手に軍配が上がった。

準決勝で強敵・及川と対戦した硴塚

 女子の5回戦に登場した金子がゲームカウント1-1で迎えた第3ゲーム。好調な滑り出しで6点差をつけ相手を突き放し、このままゲームを勝ち取るかと思われた。ところが、徐々に点差を縮められ、ついには追いつかれてしまう。両者譲らない攻防が続き、ゲームスコアは15-14。ここで3連続ポイントを許し、このゲームを落としてしまった。第4ゲームも相手の流れを止めることができず、金子は5回戦でコートを後にした。一方、4回戦で前日のダブルスで敗れた相手を下し、勢いに乗った鎌田は準々決勝に進出。試合は最終ゲームまで突入する接戦となる。最終ゲームは少し出遅れたものの、すぐに挽回。5点目を先取し、リードで折り返した。ミスが許されない緊張感に包まれる中、スピードの速いラリーにもバックハンドで反応し、鋭いコースに球を放っていく。しかしゲームスコア9-10の激しいラリー戦で、最後は鎌田が放った球が台の外へ落ちてしまった。鎌田はその場にしゃがみ込み、悔しさをあらわにした。

鎌田は準々決勝で惜敗した

 男女合わせて3名がランク入りした今大会。春季関東学生リーグ戦に出場しなかった選手も数多く出場した。「次につながる試合になったと思う」(鎌田)。6月末に控える関東学生選手権は、さらに厳しい戦いになることが予想される。悔しい結果に終わった選手も多かった今回の経験を生かし、納得のいく結果をつかみにいきたいところだ。

(記事 橋本望、写真 稲満美也)

ベスト4入りした硴塚(左)と伊藤・渋谷組

※ダブルスではベスト8以上、シングルスではベスト16以上を『ランク入り』と呼ぶ。

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結果

▽男子シングルス

3回戦

○伊志嶺鷹啓(政経1=沖縄・コザ)3―0東文武(日大)

●工藤佑哉(スポ4=群馬・前橋育英)0―3松本拓海(国学院大)

○中窪康喜(教1=静岡学園)3―0小林陽太郎(日体大)

●村上奨記(社1=岩手・高田)1―3赤羽真人(国学院大)

○坂内3―2大野哲郎(慶大)

●岩渕幸洋(教4=東京・早実)0―3伊藤力斗(日体大)

●泉凱仁(スポ2=秋田)1―3村上知寛(日体大)

○硴塚3―0水野純樹(立大)

4回戦

●伊志嶺0―3渡部亮太(明大)

●中窪2―3佐藤卓央(駒大)

○坂内3―2井手口裕史(法大)

○硴塚3―0岡田理志(東洋大)

5回戦

●坂内0―3三部航平(専大)

○硴塚3―0地﨑大知(日体大)

6回戦

○硴塚3―0宮崎友(法大)

準々決勝

○硴塚3―1佐藤(駒大)

準決勝

●硴塚0―3及川瑞基(専大)

▽女子シングルス

3回戦

○金子3―0鈴木千佳(東女体大)

○鎌田3―0工藤二葉(大正大)

●須黒香澄(法3=東京・早実)1―3坂廼辺華穂(青学大)

●深澤咲子(教3=群馬・樹徳)1―3村山礼美(東洋大)

○伊藤鮎美(スポ1=愛知みずほ大瑞穂)3―2大谷萌(東洋大)

○渋谷京香(文構1=東京・早実)3―1浜田佳穂(東洋大)

4回戦

●伊藤0―3田口瑛美子(筑波大)

○金子3―0椎崎楓花(専大)

○鎌田3―2下山田圭織(日体大)

●渋谷0―3上村碧(日大)

5回戦

●金子1―3中澤紬(中大)

○鎌田3―1荒井美咲(東洋大)

準々決勝

●鎌田2―3瀬山咲希(中大)

コメント

硴塚将人(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最低目標のベスト4はとりあえず達成しました。でも準決勝で対戦した及川選手(瑞基、専大)が同世代の中で強い選手で、向かっていったんですけど、精神的にも技術的にも相手の方が上で、まだまだ差があるなと思いました。

――及川選手と対戦した経験はありましたか

何回かあります。

――その時の結果はどうでしたか

公式戦では2、3回やったと思うんですけど、一度も勝ったことがないです。

――作戦はありましたか

相手はサーブレシーブからうまいので、そこをしっかり対応して、ラリーで点数を取れるか、取れないかで勝負したいなと思っていました。

――第1ゲームは4点獲得だったのに対し、第2ゲームでは9点を取りましたが、そのゲーム間に心境などの変化はありましたか

第1ゲームは様子見ではないですけど、どんな感じか見てみようと思っていたら、途中から点差をつけられてしまいました。なので、次のゲームからは集中しようと思って切り替えました。

――第2、3ゲームを9-11と僅差で落としてしまいましたが

第2ゲームは8-10になったので、取ることができたらいいなという感じでした。第3ゲームは3-7から9-9まで追いついたので、そこは取りたかったです。

――この大会を通じて収穫はありましたか

格下の選手との試合をしっかり落とさずに勝っていけたのは良かったなと思います。

――次の大会に向けて強化したい点はありますか

サーブレシーブや台上の技術など細かい部分をしっかりできるようにしたいです。

金子碧衣(スポ1=愛知みずほ大瑞穂)

――新人戦を終えて、いかがですか

すごく悔しいです。もっと上を目指してやっていたんですけど、まだまだ力が足りないなと実感した試合でした。

――大会前には、単複それぞれ目標は決めていましたか

はい。優勝でした。

――その中でダブルスはランク入り目前で敗れました。ダブルスを振り返っていかがですか

最後に負けたペアはカット・攻撃のペアで、思うようにいかない部分もありました。ボールの選球も自分たちが苦手意識のあるボール(タマス製)になってしまって。普段、そのボールでももちろん練習はしてるんですけど、やっぱり自分たちの得意なニッタクのボールで練習してしまうことが多くて。他の大学はタマスのボールを選ぶところも多くなると思うので、苦手意識をなくすためにもっと自分からタマスのボールで練習しないといけないと思いました。

――シングルスのベスト16という結果についてはいかがですか

すごく悔しいです。シングルスもタマスのボールで試合をして、やっぱりタマスでもっと練習しないといけないと思いました。

――ベスト8決定戦の相手である中澤選手とは、対戦経験はありましたか

はい。1勝4、5敗くらいだと思います。

――負け越している相手とのベスト8決定戦を振り返っていかがですか

自分が先手を取れたときはすごく有利な展開になったので、もっともっとサーブを磨いて、自分の3球目攻撃からラリーに持っていきたいです。サーブは自信を持ってやって、レシーブになったときに2本に1本取れればいいくらいの余裕を持ってできるようにしていきたいです。

――試合後の女子部のミーティングでは監督からどのようなお話がありましたか

このような結果になって、悔しい選手もいると思うけど、関東学生(選手権)も控えているのでまた一から頑張ろうと言われました。あとは、リーグ戦も終わって1週間フリーがあるので、自分で時間を見つけて練習していくようにとも言われました。

――いまお話にもありましたが、1ヶ月後に控える関東学生選手権に向けての修正していきたいところはありますか

サーブ3球目やレシーブ4球目で自分のパターンをしっかり固めていくことです。ラリーになると思うので難しいボールもミスしないで、まずは台に入れることを、普段の練習から1球1球重みを感じてやりたいです。簡単にミスを許さないような練習をしていきたいです。

――最後に、関東学生選手権に向けて意気込みをお願いします

新人戦で負けた悔しさを吹き飛ばせるように、優勝目指して頑張ります。

鎌田那美(スポ1=北海道・駒大苫小牧)

――今大会を振り返っていかがですか

ダブルスもシングルスも、表彰されない結果に終わって、あまり良い結果とは言えないです。でも、リーグ戦で見つかった課題をこの新人戦でさらに実感することができたので、次につながる試合になったと思います。悪い試合ではありませんでした。

――先週まではリーグ戦に出場されていましたが、やはり個人戦はリーグ戦の時と雰囲気が変わりますか

個人戦だと、ベンチにサポートしてくれる人が1人しかいないですし、自分で自分を高めないといけないなと感じます。そういうところで違いますね。

――昨日のダブルスを振り返ってみていかがですか

相手が変則的なダブルスで、その変則的な攻撃に惑わされて、自分たちのペースが乱れてしまいました。そういうところが敗因につながったのかなと思います。もっと自分たちのペースで試合をすることができるようになったら、結果は変わってくるのかなと思います。

――きょうのシングルスではベスト8という成績を残されました。この成績については鎌田選手自身どう思われていますか

正直、目標を達成できなくて、すごく悔しい気持ちはあります。でも、勝った試合と負けた試合、両方で自分のプレーはできていたと思いますし、また課題も見つかったので、これから次の大会に向けて頑張って行きたいと思います。

――見つかった課題というのは

頭を使って試合をすることができていないと実感しています。大学生になると戦術を考えながらプレーをすることが重要で、相手の弱点をついて試合をする戦術力がまだレベルが低いなと感じました。

――4回戦は2ゲームを先取された状況からの勝利、準々決勝もビハインドからフルゲームに持ち込みました。鎌田選手自身、粘りというのはプレースタイルとされているところなのでしょうか

そうですね。粘らないと自分じゃないというか、そこは意識してやっています。でも、それだけでは勝てないので、得点力をつけていこうと思っています。

――リーグ戦と新人戦を終えてライバルと呼べる選手はできましたか

どの選手も勝っても負けてもおかしくないというかレベルが拮抗(きっこう)していると思います。なので、その中で自分たちが抜きんでて強くなれるかどうかだと思います。

――関東学生選手権に向けての意気込みと目標を教えてください

今大会はこういう結果に終わってしまったんですけど、次の大会には多くの先輩方が出場されますし、関東の中でもレベルの高い人たちが出てきて、一段とレベルの高い試合になってくると思います。次はそこで、優勝を目指して頑張りたいと思います。