【連載】春季関東学生リーグ戦直前特集『打破』 第1回 金子碧衣×鎌田那美

卓球ダブルス

 昨年の秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ戦)で優勝を果たし、いま勢いづいている早大女子卓球部。そこに新たな風を吹かせるべく、この春仲間入りしたのが金子碧衣(スポ1=愛知みずほ大瑞穂)、鎌田那美(スポ1=北海道・駒大苫小牧)の二人だ。今後、ワセダの戦力として活躍が期待されているこの二人に、これまでの卓球歴や大学生活、春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)に向けた意気込みなどを伺った。

※この取材は4月15日に行われたものです。

文武両道

初めての対談にやや緊張気味の鎌田(左)と金子

――卓球を始められたきっかけを教えてください

金子 両親が卓球をやっていて、母が卓球の指導者の仕事をしていました。初めはテニスをやっていたのですが、母と一緒に練習場に行くようになり、それから卓球に切り替えました。小学校2年生の時に卓球を始めました。

鎌田 母が卓球をやっていて、その影響で兄二人も卓球を始めました。その練習に付いていくうちに面白そうだなと思って、私も始めました。

――本格的に取り組み始めたのはいつ頃ですか

金子 小学校3年生くらいの時です。でも小学生の時はまだ練習量が少なくて、週に2回か3回くらいしかしていませんでした。中学生になって部活動に入ってからは、毎日やるようになりました。

鎌田 私は小学校1年生の時から毎日練習していました。

――今までの卓球歴の中で心に残っている出来事や試合はありますか

金子 高校2年生の全日本選手権の時に、その年に総体で上位に入った同じ年の子に勝つことができて、それで自信が持てるようになりました。

鎌田 中学生の時はクラブに入って個人でやっていました。なので、高校の団体戦ではいろいろ学ぶことができて、総体の団体戦が心に残っています。

――どうしてワセダを進学先に選ばれたのですか

金子 高校生の時に、特進クラスに入って勉強も卓球も両方頑張っていました。大変ではあったんですけど、大学生になっても勉強も卓球もトップクラスのところでやりたいなと思ってワセダを選びました。

鎌田  私は中学生くらいからずっとワセダに憧れがありました。高校には勉強ではなくて卓球で進学したんですけど、勉強も卓球も文武両道でレベルの高いところが良いかなと思ってワセダを選びました。

――文武両道ということですが、勉強の面が卓球に生かされた経験はありますか

金子 高校の時は、普段コツコツやるのが良いとは思いながらもなかなかできなくて、テスト期間はちゃんと勉強していました。卓球で勝ちたいと思うのと同じように、テストでも対抗心というか頑張って上位にいけるようにしたいという気持ちを持つようにはしていました。

新しい環境

新生活について話す金子

――大学生活は慣れましたか

金子、鎌田 慣れました。

――高校までと比べて、部活動の練習に違いはありますか

金子 高校の時は毎日先生も付いていたし、先生に指導していただくことも多かったです。でも大学生になったら、自主的に自分で課題を考えて練習メニューを組み立てるようになりました。高校の時は自分が試合に出るのが当たり前だった状況が、強い先輩たちがいる中で、ミスをしてはいけないという緊張感を持ってできるようになりました。

鎌田 同じように、自分で自立して考えてやらなきゃいけない状況になったので、卓球のことについてよく考えるようになりました。強い先輩からアドバイスをいただくこともあって、勉強になります。

――先輩との関係やチームの雰囲気はいかがですか

金子 1つ上や2つ上の先輩は、高校の時に総体で活躍している姿を見ていたので、身近に話を聞けてうれしいです。合宿とかで会ったことはあったんですけど、そんなに話したことはなかったので、話しかけてくださってうれしいです。

鎌田 高校は3学年しかないので、4年生がいるのが新鮮で、大人だなと思います。

――大学での学業との両立はいかがですか

金子 まだ難しいです。高校では先生が黒板に書いたことをノートに書いていたんですけど、大学は先生が話して、スクリーンが切り替わってしまってというかんじでどうやって勉強したらいいのかまだ分かりません。難しいですけど、いままでに勉強したことのないことを知れるので頑張りたいと思います。

鎌田 難しいけれど、新しいことをたくさん勉強できて良いです。

――お二人はいま寮生活ですか

金子、鎌田 はい。

――寮生活は大変ですか

金子 一人暮らしよりは楽だと思います。高校時代も寮だったんですけど、門限が9時だったのがなくなって自由が増えました。あとはご飯がしっかりしていますね。高校の時は卓球部で学生マンションのような部屋を借りている状況で、寮母さんとかもいなかったので、ちゃんとしたご飯が食べられるのが良いなと思います。

――オフの日はどのように過ごされていますか

鎌田 疲れているときは寝ています。元気があるときは東京を探検しています。

――行ってみて良かった場所はありますか

鎌田 原宿がすごかったです。表参道に初めて行ったんですけど、見ているだけで良かったです(笑)。

――金子さんはオフの日に何をされていますか

金子 疲れているときは、(鎌田選手と)同じで寝ています。おいしいお店を探したり、高校の先輩が関東にもいるので、ご飯に連れて行ってもらったり、東京の案内をしてもらったりとかしています。

――東京に来て驚いたことはありますか

鎌田 全部が全然違います。どこにいっても人が多いのが一番ですかね。

金子 よくテレビで、ここがおいしいとかやっているじゃないですか。そこにすぐ行けるのが良いです。高校は愛知だったので気軽に行けなかったんですけど、調べたらすぐに行けるのがすごいなと思います。

『ワセダ』の重み

ルーキーイヤーから活躍が期待される鎌田

――初めてワセダのユニフォームを着て大会に出られた時はどのような気持ちでしたか

鎌田 ワセダのユニフォームを着るということが力になるというか、伝統のある大学なので責任とか自覚をもってやろうと思いました。

金子 私は神奈川選手権で初めてワセダのユニフォームを着ました。高校の時はいろいろなユニフォームがあったんですけど、ワセダはこれって決まっているので、それが着られたのはうれしかったです。ワセダとして試合に出ているという責任感を感じました。

――春季リーグ戦に向けて個人として強化している点はありますか

金子 この前も試合があったんですけど、自分が思うようなプレーができませんでした。まずは試合で自分の力を出し切ることが一番だと思うのですが、そのためには練習でもっと緊張感を持たなければ試合につながらないと思います。連続で何球入るとか、いつもやっている練習通りというのは難しいと思うんですけど、緊張感を持って、でもちゃんと練習ができる環境を自分でつくっていかなければいけないと思います。

鎌田 東京に来てから、いろいろな大学生と試合をやってみました。高校生の時よりも頭を使って戦術を組み立てたりして、大人の卓球だなと思います。高校の時は何も考えずに打つこともあったんですけど、安定性とか確実性とかが足りないのでそういう点を強化していきたいです。

――リーグ戦でのご自身の役割は何だと思いますか

鎌田 レギュラーに選んでいただいたので、やっぱり出るからには何が何でも勝ちたいです。出られるか分からないんですけど出たときにはしっかり自分のプレーをして確実に勝利できるように毎日意識してやっていきたいと思います。

金子 自分も、レギュラーに選んでいただいたので、しっかりと自分の名前を(オーダー用紙に)書いていただいた時には自分の力を発揮して、勝てるようにすることと、1年生という立場でどんな相手でも向かっていくだけなので、しっかりとチームを勢いづけられるような行動をしていきたいと思います。

――お二人の強みや注目してほしいプレーは何ですか

金子 女子の選手はあまり出さないYGサーブという変わったサーブを持っているので、それをどんどん出していきたいです。1年生ということでまだ警戒されていない部分もあると思うので、他の人がやっていないプレーをどんどん出していきたいと思います。

鎌田 自分は結構攻めるというか、自分から点を狙っていくタイプです。リーグ戦だったら相手もきっと緊張して思うようにいかなくなることもあると思うので、そこで自分が仕掛けて相手にプレッシャーをかけて、点を取っていけたらと思います。

――お二人はダブルスを組まれているとのことですが、大学入学以前に面識はありましたか

金子、鎌田 はい。

――初めて会った時のお互いの印象はどうでしたか

金子 なんか話したよね、後ろの方で。

鎌田 隣いいですか?って(笑)。

金子 合宿があって、その開校式みたいな時に、私が座っていたら隣いいですか?って聞かれました。

鎌田 私は一人で、この人(金子)は友達といたんですけど、自分一人でどうしたらいいか分からなくて、とりあえず一番後ろにいたので声をかけました(笑)。それ以降も、練習試合とかで会う機会がありました。

――実際にダブルスを練習してみて、相性などはいかがですか

金子 やりやすいです。

鎌田 ありがとうございます(笑)。

――ダブルスの練習で意識していることはありますか

金子 私たちは似たようなプレーをするので、返ってくるボールが似ていて、結構打ちやすいというのがお互いにあると思います。まだサーブ、レシーブの種類が少ないかなと思います。

――シングルス、ダブルスに関わらずリーグ戦での目標や意気込みを教えてください

鎌田 優勝するために、しっかり自分の役割を果たして、やるだけかなと思います。

金子 1年生なので、試合に出てもベンチで応援でもしっかり大きな声を出して、チームを盛り上げられる存在になれるように頑張ります。

――ワセダで過ごすこれからの4年間でどのような部分を成長させたいですか

金子 勉強も卓球もしっかりできる良い環境なので、試合でたくさん成績を出して強くなることはもちろん、勉強もしっかりとやって将来につなげられるようにしたいです。人としても成長していきたいです。

鎌田 大変な4年間になるとは思うんですけど、しっかり勉強も卓球も自分が最大限の努力をしてどっちも良い成績を残して、将来の目標とかはまだ決まっていないんですけど、4年間でしっかり成長してきたいと思います。

――最後に、これからの4年間の意気込みを聞かせてください

金子 卓球も勉強もレベルの高い環境でできるので、試合とかで良い結果が出せないときとかもきっとあると思うんですけど、絶対に諦めずに努力して、勉強も卓球も共に結果を残していけるように頑張ります。

鎌田 目標をずっと高く持って、志を持ってやっていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 橋本望)

春季リーグ戦の抱負を色紙に書いていただきました!

◆鎌田那美(かまだ・なみ)(※写真左)

1997(平9)年11月27日生まれ。156センチ。O型。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部1年。右シェーク裏・裏。マイブームは半身浴だという鎌田選手。練習の疲れを半身浴で癒し、『闘魂』を見せつけてくれることでしょう!

◆金子碧衣(かねこ・あおい)(※写真右)

1997(平9)年12月19日生まれ。163センチ。O型。愛知みずほ大瑞穂高出身。スポーツ科学部1年。右シェーク裏・裏。マイブームは東京でおいしいお店を見つけることだという金子選手。おいしいものでパワーをチャージし、ルーキーらしい『チャレンジャー精神』を披露してくれることでしょう!