今季最終戦が閉幕!

卓球ダブルス

 数々の熱戦が繰り広げられた東京選手権も、ついに最終日。今季早大を率いてきた小道野結(スポ4=神奈川・横浜隼人)は6回戦、山本勝也(スポ4=石川・遊学館)は準々決勝で姿を消し、大学でのラストゲームを終えた。一方、3年生以下では唯一のランク入りを果たした阿部愛莉(スポ1=大阪・四天王寺)は、社会人相手に好ゲームを展開。大車輪の活躍を見せたルーキーイヤーを、ベスト8という好成績で締めくくった。

 最高のクライマックスへ。前日の大逆転劇で波に乗る小道野だったが、この日も立ち上がりに苦しみ第1、2ゲームを連取されてしまう。ゲームカウント1-3で迎えた第5ゲームも一時は3-7と大幅なリードを許すが、強気の姿勢を変えることはしなかった。6連続得点などで逆転に成功すると、続く第6ゲームは最終スコア11-2と圧倒し試合はフルゲームに突入。しかし、勝利にはあと一歩届かなかった。終盤に力尽きベスト8進出はならず。4年間を「やり切ることはできた」と振り返った小道野は、エンジのユニフォームを脱ぎ次なる舞台へと歩み始めた。

6回戦でフルゲームの激闘を演じた小道野

 7回戦を無難に勝ち抜き、準々決勝へ駒を進めた山本。昨年を上回るベスト4入りを目指し、藤村友也(愛知工業大)との大一番に挑んだ。互角の攻防で2ゲームずつを奪い合い、勝負のカギを握る第5ゲームを迎える。劣勢を振り払う驚異の粘りでジュースに持ち込むも、勝ち切れず。このゲームを落とすと、流れは完全に藤村に傾いた。第6ゲームは本来の力を発揮できず、最終スコア3-11と力負け。「勝てるチャンスがあっただけにすごく悔しい」。山本の戦いは不完全燃焼に終わったが、その勇姿は確かに後輩たちの胸に刻まれた。

2年連続のベスト8入りを果たした山本

 早大の明るい未来を予感させたのは、ルーキーながらここまで勝ち進んできた阿部だ。6回戦で圧巻のストレート勝ちを収めると、準々決勝ではノーシードながらもスーパーシードの選手を2度も破り勝ち上がってきた劉恩寵(POSCO ENERGY)と対戦した。前の試合同様、攻めのサーブと緩急をつけた的確なバックハンドで得点を量産。相手も簡単には引き下がらず、手に汗握るラリー戦が続いた。試合はフルゲームまでもつれ、最後まで必死に食らいつく。9-10の場面で劉が放ったスマッシュを弾き返すも、ボールはコートの外へ。惜しくも白星を逃したが、1年間で培ってきた強さは本物であると確信させる戦いぶりであった。

巧みなバックハンドで相手を崩した阿部

 「私たちの代よりもいいワセダを作ってもらって、楽しんでほしい」(小道野)。ゴールまで駆け抜けた男女元主将の思いは、阿部をはじめとする次世代の選手たちに託された。一つの時代が終われば、必ず新たな時代が始まる。来季もまた、その担い手たちが再びエンジを輝かせてくれることだろう。

(記事 川浪康太郎、写真 本田京太郎)

結果

▽男子シングルス

7回戦

○山本4―2藤本海統(日鉄住金物流)

準々決勝

●山本2―4藤村友也(愛知工業大)

▽女子シングルス

6回戦

○阿部4―0市川梓(日立化成)

●小道野3―4森田彩音(JOCエリートアカデミー/帝京)

準々決勝

●阿部3―4劉恩寵(POSCO ENERGY)

コメント

山本勝也(スポ4=石川・遊学館)

――昨年と同じベスト8という結果についていかがですか

最終的にベスト8という結果を残せたことはよかったんですけど、最後の試合も勝てるチャンスがあっただけにすごく悔しいです。

――悔しさが大きいですか

そうですね。

――準々決勝の相手だった藤村選手とは対戦経験はありましたか

いえ、ないですね。初めてです。

――サウスポーへの苦手意識はありましたか

最近左の選手と練習することが多いのでかなり対策は練っていたんですけど、(6回戦で対戦した)宇田(幸矢、JOCエリートアカデミー)と(7回戦で対戦した)藤本さん(海統、日鉄住金物流)と左が続いていたので、自信はありました。

――実際に藤村選手と対戦してみていかがでしたか

同じ左でもタイプがみんな全然違うので、そこをもうちょっと追究していかなければいけないなと感じました。

――早大として最後の大会が終わりました。大学4年間を振り返っていかがですか

すごく早稲田大学には感謝しています。ワセダに来ていなかったらここまで成長できなかったと思うので、本当に感謝しています。

――後輩に期待することはありますか

上村(慶哉、スポ2=福岡・希望が丘)が最近すごく成績が出ているので、上村を中心に周りのみんなも頑張って、リーグ戦優勝目指して頑張ってほしいです。

――春からは実業団で活動されますが、意気込みは

1年目がすごく重要だと思うので、ルーキーイヤーでどれだけ成績を残せるかがカギになるので、そこを頑張りたいです。

小道野結(スポ4=神奈川・横浜隼人)

――きのうに続きフルゲームとなりました

きょうも同じように出だしがよくなくて、内容としてはあまりよくなかったなと。

――これが大学でのラストゲームとなりましたが、率直な感想は

いまはまだあまりワセダのラストの試合という実感はなくて、ただ試合が終わったなという感じだったのですが、きょうの試合だけでなく4年間としてやり切ることはできたかなと思います。

――第5ゲーム、第6ゲームは勢いがありました

そのあたりは戦術がうまくはまってくれました。それから、吹っ切って攻めていこうというのがうまく噛み合ったからその2セットはとれたかなと思います。

――第5ゲームのタイムアウト以降流れが変わりましたが、どのようなことを話していましたか

タイムアウトを取る前はどう攻めようとか考えすぎてしまっていて自分のプレーが全然できてなくて、そのあとは色々考えるのではなく最後は自分で振っていこうと思いそれがうまくできたので、そこの切り替えができたと思います。

――最後に、後輩へのメッセージをお願いします

みんなすごく強いし、これからたくさん練習すればたくさん伸びると思うので、私たちの代よりもいいワセダを作ってもらって、楽しんでほしいです。