次世代の主力が躍動

卓球ダブルス

 全日本大学総合選手権個人の部(全日学)から1か月が経過し、ことしも全日本学生選抜卓球選手権大会(全日学選抜)が開催された。今大会は全日学シングルスでベスト16入りを果たした選手、外国人留学生、そして地元推薦枠の選手らがここ愛知に集い、2日間にわたって激戦が行われる。早大からは、上村慶哉(スポ2=福岡・希望ヶ丘)、王雅潔(社3=鳥取敬愛)、阿部愛莉(スポ1=大阪・四天王寺)、徳永美子(スポ1=福岡・希望ヶ丘)の4選手が出場し、初日のきょうは予選リーグが行われた。王は強豪相手にストレート負けを喫し1日目にして姿を消す形となったが、上村、徳永、そして阿部の3人は1位通過で決勝トーナメントへと駒を進めた。

 初戦、上村はこれまで1度も勝利したことがない中大の大坂亮輔との一戦に臨んだ。序盤は狭い体育館の音の反響に戸惑うが、徐々に適応。さらに、いつも苦戦する相手の特殊なサーブにも冷静に対処し、簡単には引き離されない。最終ゲームも9-9と最後まで勝敗が分からない張り詰めたゲームとなるも、最後は気持ちで勝利を収め、勢いをつける。続く試合もフルゲームにまでもつれる大接戦になるが「1試合目で1度も勝ったことがない相手に勝利できたのが大きかった」(上村)と負けている状況に焦ることなく立て直し、勝利をもぎ取った。きょうの試合を通して今までのプレースタイルとは違った逆回転サーブを主体としたプレーができていたという。あすは新たな武器で目標とするベスト4にどこまで近づくことができるか。

予選リーグ2勝で決勝に進出した上村

 女子シングルスでは主力1年生2人が異彩を放った。まず阿部は高校の先輩である同大の成本綾美と対戦。成本は昨年の今大会でベスト4という好成績を収めた実力者だが阿部は終始自分のペースで試合を運び、ストレートで下した。続く近大の刘笑利との第2試合も積極的なバックフォアでの攻撃で圧倒し決勝トーナメントへの切符を手に入れた。徳永もこの1か月で集中的に強化してきたバックハンドや得意のフォアハンドで果敢に攻め、順調に勝ち数を重ねる。しかし、淑徳大の佐藤優衣との対戦では何度も連続得点をしゲームの流れをたぐり寄せようとするが「攻撃力が上で打ち抜かれることが多かった」「実力が足りなかった」(徳永)と力の差を肌で感じたと振り返る。あすのトーナメントでこの悔しさを晴らしたいところだ。

初出場ながら決勝トーナメントに駒を進めた徳永

 全日学選抜に初出場の下級生3人だが自身の持っている力を十分に発揮し、各ブロックにおいて1位通過を果たした。強豪ひしめくこの大会で決勝トーナメントに勝ち残ることができたということは選手個人の自信にもつながるだろう。きょうの結果に満足することなく、新世代の主力たちがあすも躍動する。

(記事 本田京太郎 写真 橋本望、豊田光司)

結果

▽男子予選リーグ

Gブロック

◯上村慶哉3-2加藤由行(愛工大)

◯上村慶哉3-2大坂亮輔(中大)

▽女子シングルス

Aブロック

●王雅潔0-3鈴木李茄(専大)

●王雅潔0-3伊藤佑里子(中大)

Dブロック

◯阿部愛莉3-1刘笑利(近畿大)

◯阿部愛莉3-0成本綾海(同志社大)

Hブロック

◯徳永美子3-2王佳玉(龍谷大)

●徳永美子1-3佐藤優衣(淑徳大)

◯徳永美子3-0廣木亜弥(愛工大)

コメント

上村慶哉(スポ2=福岡・希望ヶ丘)

――どんな目標を持って今大会臨みましたか

今大会の目標は全日学(全日本大学総合選手権)でベスト16に入ったので、大学2年生としてベスト4を目標にして、もちろん優勝は目指さないといけないですけど、その中で最低ラインを設定しています。

――初出場ですが緊張はありましたか

体育館のやりづらさがあったりして、他の体育館より狭い分いつもより感覚が違ったりして、戸惑いましたが、最後はしぶとく勝てたので良かったです。

――音の反響でしょうか

狭いと音が響かなかったりとか台の変化が激しかったりして、やりにくかったりしました。

――同じブロックの相手を見てどう感じましたか

他のところに比べても強かったと思います。僕が苦手とする中大の大坂選手とか1回も勝ったことがなかったので、1試合目にそこで勝てたのが大きかったと思います。

――相手のサーブに苦しめられていたように感じましたが大坂選手との試合を振り返って

フォア前に攻められていたので、そこを気にせずに、最後のセットは出だしからいけたのが良かったと思います。

――続く愛工大の加藤選手との対戦はいかがでしたか

ラリーがすごく強い選手で、僕もラリー主体のプレーなんですけど、そこで押されていて途中どうしていいかわからなくなったりしましたが、サーブから3球目やレシーブから早い展開で点を取ることを意識しました。

――きょう自分の活かせた武器は何でしたか

ロングサーブが効かなかったので、その中でいかに短いサーブでコートを大きく使っていくかということを意識して、逆回転のサーブが最後は主体となってプレーできるようになったので、いままで逆回転主体にできなかったので、そこは少し成長できたかなと思います。

――あしたまでにロングサーブを修正したい

そうですね。修正していかないといけないです。

――あしたの初戦の相手は誰ですか

中大の定松で高校の時の同級生なので、お互い手の内知り尽くしているので、あとは思い切ってやるだけです。

阿部愛莉(スポ1=大阪・四天王寺)

――きょうの試合を振り返って

会場が地元の愛知県で親戚や家族がたくさん応援に来てくれている中でいい試合をできたのが良かったです。

――全試合を通して好調に見えました

自分としては良かったと思います。全体的に身体の力が抜けていて相手にふられても、いつもより1本多く返せて、しつこく試合ができていました。

――初戦の相手は四天王寺高校の先輩でしたが

結構意識しました。でも、試合になったら、自分のペースで試合することができていました。最後の3ゲーム目は危なかったんですけど、何とか試合中に立て直すことができました。

――全日本大学総合選手権個人の部(全日学)が終了してからの1か月間はどのような取り組みをなされていましたか

全日学が終わってからケガしてしまってて、1、2週間くらいろくに練習できていませんでした。なので、身体の調整を1番に考えてその期間は過ごしていました。

――あすへの意気込みをお願いします

あしたは本当に強い選手しかいないので、向かっていく気持ちを忘れずに最後まで全力で戦っていきたいです。

徳永美子(スポ1=福岡・希望ヶ丘)

――今大会に向けどのような点を強化してきましたか

バックハンドがフォアに比べて弱いってわかっていたので、バックハンドを強化して失敗しても振ろうと思っていました。

――佐藤(優衣、淑徳大)選手との試合を振り返って教えてください

佐藤選手とは何回もやっていて秋季リーグ戦でも競っていたのですが、相手のが攻撃力が上で打ち抜かれることが多かったです。

――3試合目はカットマンとの試合でした

高3のインターハイで1回負けていて、ちょっと嫌なイメージはあったんですけど、大学に入ってカット打ちを強化してきてその成果を生かせました。

――予選リーグは2勝1敗でした、この結果をどう捉えましたか

結果的には1位だったんですけど、佐藤さんにも負けたし実力は足りないかな。

――あすへの意気込みをお願いします

みんな強いので思いきって試合しようと思います。