【連載】『春季関東学生リーグ戦直前特集』 第3回 桜井茂雄女子部監督

卓球ダブルス

 昨年の秋季関東学生リーグ戦で、女子卓球部を見事6年ぶりのリーグ優勝に導いた櫻井茂雄監督(昭45卒)。女子部がこの1年の目標に掲げたのは、春秋関東学生リーグ戦(リーグ戦)制覇とインカレ優勝だ。偉業を成し遂げるため。指揮官の思いを伺った。

※この取材は4月25日に行われたものです。

「自分の試合をやりきる」

対談に応じる桜井女子部監督

――リーグ戦に向けての仕上がりは順調ですか

順調ですが、風邪ひいて休んだりしていた人がいるのでその辺がどうか。まあ、本人たちも気を付けるだろうから。

――今の時期は、どのような練習を積んでいますか

 女子の場合はダブルスが2つありますから、ダブルスは入念にやっているし、そういう指示をしていますね。シングルスの方もだいたい相手のチームの選手も読めますので、それぞれがどうしたらいいか自分たちの課題を持ってやっています。

――ルーキーも入り戦力的にはいかがですか

 リーグ戦でどう使うかは分かりませんが高校時代に実績のある選手ですし、試合のやり方も大学生に混じって対等にできる選手だと思いますのでダブルス、シングルス含めてもレギュラーの中に入れて試合起用も考えていますので。そこまで本人たちが仕上がるかどうかですけど。一応レギュラー選手には入っています。

――小道野(結、スポ4=神奈川・横浜隼人)主将に期待するところは

 まずはキャプテンとしてリーダーシップをとってもらって、当然試合の中でも良い試合というか感動を与えられるような試合を小道野がやれるかどうか。ダブルスも含めて。卓球は、競技そのものは個人戦ですけど、こうやってチーム戦もありますのでチーム戦は1人1人がみんなの代表で。そういう雰囲気を作っていくためにもキャプテンが頑張って良い試合を作っていくということが大切だと思います。

――小道野選手はダブルスでも出場がありますが、そこでも確実に点数を取って

 男子はダブルスが1つしかない団体戦ですけど、女子は2つありますから。当然ダブルスは4人になりますので、小道野に限らずそれなりに勝っていかないと。本人自身も負けてふがいないない試合をすると、しまった。という気持ちになってしまうので、単複出る選手は特に頑張ってもらわないと。自分自身にも、チームにも与える影響は大きいので。そのへんは小道野が4年生最後の年をどのくらい出し切れるかにかかっているので。

――高橋(結女、スポ4=新潟産大附)選手も、最高学年かつ主力選手ですが

 小道野と同じように、ダブルスに出ていてかつ最高学年ですけど、それをあまりプレッシャーに感じずに自分の試合をやり切れる。4年生だからやり切れるとは思いますけどね。今までのような迷いとかはないと思いますけど。そこできっちりやりきってくれれば。高橋もすごく当たると行けるタイプなので乗り切れるかどうかが課題ですね。

――佐藤(風薫、スポ3=岡山・就実)選手も調子が上がってきたと聞いています。監督から見ていかがですか

 きょねんから見たら本人の意識は変わってきているし、練習内容もこちらでいろいろアドバイスしたことを理解しながら自分で練習していますので、去年よりはモチベーション、自分の置かれている3年生というのを意識しているなって。練習内容も今までは、待っているというか言われないと。でも春合宿あたりからそういった意識が良くなっているなと。東京選手権ではベスト8に入りましたのであれはその表れかな。

――それは戦い方の面においてもでしょうか

 戦い方というか、普段の練習で考えて練習しているなと。それは技術的なこともさることながら試合の戦い方も良い方向に行くと思いますので、ぜひ自信持ってやっていってくれればともいます。

――2年生はライバル争いが厳しいかと思いますが、どう引き出そうと思いますか

 そこら辺がチームとしても厳しいところというか、課題。その辺がリーグ戦までに仕上げてあげてくれるかですね。まだ最後の調整とかではないのでいまの段階では何とも言えないですね。それがこれから5月の連休。合宿も含めて。ただメンタル面ではもう上級生に劣らない。自分たちが頑張るという気持ちが伝わりますので、それは大丈夫です。問題はコンディション作りであったり、ピークを上手く試合に持っていけるか。今のところは誰を使うかは決めていませんので、仕上がり具合を見てどこでどういう選手を使うか。2年生に頑張ってもらわないと。もつれたら4番手5番手で勝ち切れるかを判断していきます。

――ルーキーの2人も高校時代活躍されていましたが、その2人を起用するかどうかも状況次第ですか

 そうですね。それも大学の卓球にどのくらい通用するか。大学って言っても戦い方。卓球は相対する競技だから、全体のオーダーを組みながら、この選手には誰を当てたいなとか、いろいろ考えながらやって。相対的なものなので、仕上がり具合によりますけど、ワセダの練習にもなじんでいますし、そんなに引けはとらない。1年生だからと言っても高校時代に一般の選手と交って試合をしてきていますから大体の見当はつきますけど。1年生が頑張ったりすると良い方向に流れたりするんですよ。だから優勝を左右したりはしますね。1年生は怖いもの知らずに思いっきり出してきます。逆に3年生4年生あたりが受け身の試合になったりすることが多いですよ。うちの3年生4年生にはそうならないように頑張ってほしいいし、どんどん勝ち負けを意識せずに最高のプレーをして自分に満足できる、応援してくれる人に最高のプレーをして試合をやってくれればたぶん勝ちに繋がっていって、1年生が頑張ると上級生も自分たちも頑張らなきゃってなるだろうし。

――監督として気を付けて指導していることはありますか

チーム戦で勝たないとだめなので。卓球部の選手紹介の欄を見ても分かるんですけど、試合に出られない人でもチームの目標が書いてありますから。3冠を意識していますので、そこはそれほど言わなくても大丈夫なので。最高のプレーができて試合ができる。勝ち負けは後についてくる結果だと言っているので、それから普段練習の時に勝負を意識する。試合になったら勝ち負けは気にしない、最高のプレーをする。5月の合宿の時もそういうことを再確認していくのでそんなにこの段階では細かいことは。

「歴史を塗り替える」

グランドスラムへの思いを語る

――監督から見て山場となる試合はどこになると思いますか

 1戦目から3戦目ぐらいの出だしが問題になると思いますが、今までのワセダを見て考えると最後の3戦が激戦というかもつれる展開になって、中大、専大、東京富士大になるとは思いますが、前半の日体大が一気に4人実績にある人を補強していますから、穴がない。同じくらいの人をそろえている。その中で自分のプレーができるか。最後の3試合勝たなければなりませんが、日体大との試合内容が、勝って乗っていけるか。後は、山場というか連日なので、常時出ていくと連続なのでコンデション作りをできるかどうか。各代同じ悩みを持っていると思いますので、そこだと思います。

――コンデションによってはオーダー変更も

 単複4-1とかで勝っていけると疲れないわけですが、それがもつれてフルに試合をやるのを早い時期からやると、ネタ切れ感もあるのでそういった意味ではそこが前回優勝してて有利なのかな。さっき言った日体大との試合をすっと勝っていければとかそういう面でも。ちょっと疲れているなとかきついなとかであればダブルスを変えるとか、リスクがたまってオーダーに余裕がなくなる。前半4試合を勝っていけるか。7戦連続ですから組んでいきますけど、今まで良くても。毎回同じ悩みですが。しかし、層が厚くないと何にもいえないですけど。

――キーマンとなる選手は

 キーマンと言ってもダブルス2つあるから。結果的に単複でる選手がカギを握りますね。そこで流れも変わってきますから。勝っていけるか。肉体的には悪くても、メンタル面で上がっていけますからね。単複出る選手が上がっていけるか。小道野、高橋が単複頑張ってもらわないといけないので、2人の頑張りが。他も盛り上がってくれると思います。

――最後に今年度の目標を教えて下さい。

 団体戦の目標はさっき言いました通り春秋のリーグ戦、インカレ優勝。これは私が監督になった時から言い続けています。キャプテンを含めチーム全員がそう思っていますし、個人戦においてはそれぞれ目標が違いますので。代表選手を目指す者もいますし、リーグ戦に早く出たいとか全日本学生に予選通って本戦に出たい。全日本学生の個人に何人代表になるか16人部員にいますから、16人のうち何人代表になれるのか。監督として1人でも多く。今まで最高11人なんですよ、10人以上代表になってほしいし。私としては監督を引き受けた時からワセダ女子ができなかったこと歴史を塗り替えていくことをやろうとしていますので。今までなかったことを目標にやっていくので3試合、特にインカレは優勝したことないので、インカレ初優勝、3大会優勝を悲願にしてやっています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 久保田有紀)

◆桜井茂雄(さくらい・しげお)

1947(昭22)年10月17日生まれ。北海道・北見北斗高出身。1970(昭45)年社会科学部卒。1人1人の話に耳を傾け、選手たちの意見を尊重するという桜井監督。その姿勢こそが、選手たちがのびのびとプレーができる理由なのかもしれません。