山本、佐藤共にベスト8で幕閉じる

卓球ダブルス

 東京選手権もいよいよ最終日。今大会好調を維持してきた山本勝也主将(スポ3=石川・遊学館)は、7回戦で専大の厚谷武志を破りベスト8。同じく佐藤風薫(スポ2=岡山・就実)も6回戦で中村薫子(日立化成)に対して苦戦しながらも勝利を収め、ベスト8で東京選手権を終えた。

 「攻撃って大事だなって思いました」と佐藤は笑みをこぼす。ルーキーイヤーの時、粘り強いカット主戦型で戦う佐藤は全日本大学総合選手権・個人の部で2位という結果を残し、鮮烈なアピールをした。しかしそれ以降、相手選手からカットを研究されなかなか思うような戦い方ができなくなる。きょねんは新型のカットを追い求めるも、完成まで至らず、勝ち星を重ねられない苦しいシーズンを送った。もどかしさを抱えながら臨んだ今大会。「攻撃への展開につなげられるかたちができてきた」(佐藤)と新カットが機能する。粘りのカットに加え、新たな武器である積極性のスマッシュでポイントを重ねた。自分の戦い方を再構築し、長いラリー戦を制した佐藤は逆転勝利を挙げる。準々決勝戦となった田口瑛美子(正智深谷高)との試合では、競ったゲームを取り切れず、ことごとくゲームを奪われる。1ゲームは取り返すもそれが精いっぱい。ベスト8で終えることとなったが、「最終日に残れたのは初めてなので満足です」(佐藤)と笑顔がはじけた。

積極的なプレーで見事ベスト8入りを果たした

 一方の山本勝也は、これまでに何度も対戦成績のある厚谷武志(専大)との7回戦。「最近も対戦していて、勝ったり負けたりでしたが、きょうの試合ではすごく良いかたちで運べた」(山本)。この試合では連打が光る。ある程度リラックスした状態で臨めたからこそ、力まずにフォアを打ち続けることができた。果敢な攻めが相手を寄せ付けず、ゲームカウント4-0と圧勝。攻めだけでなくブロックもうまく入り、守備の面でも強さを見せた。春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)でも戦う可能性があるだけに、良い弾みになったに違いない。続く準々決勝の相手は東京アートの張一博。「相手の球をうまく返せずに相手の展開になってしまった」(山本)と、張のことを一枚上手であったと振り返えった。ブロックが固いからこそ自ら打たずに相手のミスを誘おうとするが、相手の球にうまく対応できずポイントを重ねられる展開に。その後、1セットを奪い取るも勝利には至らず。「ベスト8を目指してやってきた」と山本は目標を達成し、安堵の表情を浮かべた。

スマッシュが決まりガッツポーズをする山本

 春季リーグ戦で活躍が期待される、佐藤、山本が共に一回り成長しベスト8となった今大会。「優勝しか狙っていないので、明大を倒して優勝したい」(山本)、「皆で切磋琢磨(せっさたくま)して優勝に向けて頑張ります」(小道野結、スポ3=神奈川・横浜隼人)。照準はすでに合っている。男女共に頂点を目指し、春季リーグの舞台をエンジに染める――。

(記事 豊田光司、写真 藤川友実子)

結果
▽男子シングルス

7回戦

○山本4-0厚谷武志(専大)

準々決勝

●山本1-4張一博(東京アート)

▽女子シングルス

6回戦

○佐藤4―3中村薫子(日立化成)

準々決勝

●佐藤1―4瑛美子(正智深谷高)

コメント

山本勝也主将(スポ3=石川・遊学館)

――ベスト8という結果について

組み合わせが他の人に比べて良かったということもあってベスト8を目指してやってきていたので、まずはベスト8に入れて良かったなと思います。

――1試合目についてお伺いします。この試合は特に強気で攻めている印象でした

オープン試合なので力が抜けて連打できるというのもあって。いつもなら力が入って1発で終わってしまっていたのが、今回は連打できました。

――専修大の選手が相手ということで、リーグ戦でも当たる可能性のある選手でしたがその部分は何か意識はしましたか

そうですね。最近何回も対戦していて、勝ったり負けたりだったのですが、きょうの試合ではすごく良いかたちで運ぶことができたのですごく自信になりました。

――具体的に良かったプレーなどはありますか

相手に攻められたときにいつもは固くなってしまってブロックがなかなか入らないのですが、相手に打たれたときでも落ち着いてプレーできたことが良かったと思います。

――準々決勝についてお伺いします。逆にこの試合では押されている印象でした。相手のどのような部分が強いと感じましたか

相手がすごくブロックが固くて、こっちが打っても打っても決まらないと思っていたので、相手に打たせようと思って序盤から入っていったのですが、相手が打ってきたボールをこっちがうまく返せずに相手の展開になってしまいました。

――1試合目と違ってうまく出し切れなかったプレーはどのようなものでしょうか

相手が左の選手で少しやりづらい部分はありましたが、サーブレシーブでは自分の中ではうまくできたと思っていたのですが、ラリーになってミドルに詰められた時に難しい展開になってしまいました。

――試合後選手の皆さんを集めてミーティングをされていましたが、どのようなことを話したのですか

今大会の反省を生かして春リーグにつなげるということと、水曜日から部内リーグが始まるのでそれに向けてみんなモチベーションを上げていくようにということを話しました。

――お話にも出ましたリーグ戦への意気込みをお願いします

このチームではもう優勝しか狙っていないので、明大を倒して優勝したいと思います。

佐藤風薫(スポ2=岡山・就実)

――初戦長いラリーでの試合を制しての勝利でした

自分でも勝てるとは思ってなかったので、嬉しかったです。

――かなり長いラリーだったとは感じましたが

自分なりにいつもより我慢して、入れることを意識しました。

――第5ゲームではリードされた中で、一気に8点を取り、セットを奪いましたが、何か試合中に変化はありましたか

相手にも自分が負けている時点で、プレッシャーを与えられていたのではないかと思います。そこからこちらのペースにもって行くこともできたので、良かったです。

――自分で組み立てながら、最後にスマッシュで決めるという形がうまく決まった試合になったと思いますが

打っていこうとは思っていたので、結構いつもより前についていました。相手のイボの変化に引っかかっていましたが、最後は結構対応できるようになったので、そこが良かったと思います。

――きょねん1年間はカットを研究されて、かなり苦戦されたと思いますが、ことしの東京選手権でベスト8になれたのに一番変化した部分はありますか

攻撃って大事だなって思いました。2年生のときは結果が全然出なかったので、吹っ切れたというか、思い切ってできた状態だったのかなと思います。

――シード出場でも挑戦者という気持ちでしたか

何もない状態だったので、プレッシャーとか関係なく戦えたと思います。

――新しいカットは見つかりましたか

だいぶ攻撃への展開につなげられるかたちができてきたと思います。

――完成に近づいていますか

あとはもうちょっと低く入ったら、相手もやりにくいのではないかなと思います。

――ベスト8という結果は率直にどうでしょうか

最終日に残れたのは初めてなので、もう満足です。

――2試合目は第1、2セット共にデュースにもつれながら落としてしまいましたが

中村(薫子、日立化成)さんは異質型で、前のほうで球に対応していて、2試合目の選手はドライブで最初、(相性が)合わなくて、デュースで2セット落として、メンタル的にも厳しくなって(笑)。3セット目は普通に負けちゃって、4セット目はもう吹っ切れたというか。それで1セット取れましたが、あとは体力だったかなと思います。

――4セット目はタイム後の連続ポイントが光りましたが、監督から何かアドバイスがありましたか

とりあえず入れていけという感じで、入れていきましたが、もう相手のペースになってしまっていましたね。自分でもどうしたら良いかわからない状態でした。

――カット主戦型の佐藤選手にとっては、相手はやりにくかった

結構押されていたので、やりにくかったです。最初の相手との差が激しくて、対処しきれずに終わってしまった。

――最初の選手と一番違った部分は

最初の選手はイボで、前に球を止めてくるタイプで、2試合目の選手はドライブでガンガン来て、球が伸びてきたりして苦戦しました。

――ボールのスピードなども違ったりしたのではないですか

そうですね。初戦で競って勝って、良かったという部分が出てきていたとも思います。

――試合後はベンチに座って長い間、監督と話されていましたが

試合を振り返ってのこととか、今後のことなどをどうするかなどを話していました。

――3年生として迎える春季リーグ戦が近いですが

ことしは1勝したいです。