関東学生選手権3日目。男女シングルス3回戦から始められたきょう、シード選手を含む早大勢が数多く活躍した。その中でも、山本勝也(スポ2=石川・遊学館)が、昨季の同大会王者である王凱(専大)を下してランク入りを果たすという快挙を成し遂げる。山本勝の他に、激戦を突破した4名がランクに入り、あしたの最終日に駒を進めた。
王との激しいラリー戦を制した山本勝
素晴らしい大金星を挙げた。4回戦から登場した山本勝。王との対戦まで、1ゲームも落とすことなく順調に勝ち上がっていった。「自分のやることをしっかりやれば勝てる」(山本勝)。その言葉通り、おじけづくことなくサーブから果敢に攻め、第1ゲームを先取する。王の粘り強い返球には苦しめられたが、常に互角以上に食らいついていた。そして、迎えた第5ゲーム。互いに点を返し合う大接戦の中、ゲームポイント5-5で山本勝が長いラリー戦に打ち勝つと、主導権を握る。その後3連続ポイントも決めて第5ゲームも見事手中に収め、ゲームカウント3-2で勝利。元関東学生チャンピオン相手に実力を出し切った。男子では、山本勝に加えて大島祐哉(スポ2=京都・東山)も危なげなく勝ち進み、ベスト16に名を連ねた。
ルーキーながらベスト16入りを果たした栗原
女子も熱い戦いを繰り広げる。ルーキーの栗原加奈子(スポ1=北海道・札幌大谷)は、初出場ながら堂々としたプレーを見せつけた。5回戦では、熱戦の第4ゲームを17-15というスコアで制し、ゲームカウント3-1で快勝。栗原、小道野結(スポ2=神奈川・横浜隼人)、高橋結女(スポ2=新潟産大付)の3名がベスト16に残った。一方、敗退してしまった選手も大いに健闘した。森美紗樹(スポ3=高知・明徳義塾)のランク決定戦は、フルセットに持ち込まれる、一進一退の攻防戦。最終ゲームでは、競った場面でも強い姿勢で攻撃に徹したが、あと一歩及ばず、15-13で惜敗した。しかし、「悔しい経験がないと次に進めない」(森)と語るように、次につながる好試合であったことは間違いない。
山本勝の快進撃、ルーキー栗原の躍進など、きょうの試合では多くの収穫を得ることができた。あしたの最終日では、ついに決勝戦までが行われる。強豪を撃破し、調子は「すごく良い」と語る山本勝をはじめ、全員が優勝を狙える位置にあると言えるだろう。秋季関東学生リーグ戦(リーグ戦)も占う大会であるだけに、それぞれが頂点を目指さなければならない。
(記事 大水渚、写真 加藤万理子)
結果
▽男子シングルス
6回戦(ランク決定戦)
●藤原康明(社2=埼玉・狭山ヶ丘)1-3神巧也(明大)
○山本勝3-2王
●高田直騎(スポ1=福岡・希望が丘)1-3山崎傑(埼玉工業大学)
○大島3-1飯野弘義(専大)
▽女子シングルス
5回戦(ランク決定戦)
●佐藤風薫(スポ1=岡山・就実)0-3刘莉莎(専大)
○高橋3-0大井奈都美(大正大)
○栗原3-1富田真凛(中大)
●中尾優子(人4=岐阜・富田)0-3富川亜加里(大正大)
●平舩亜美(社4=岩手・大野)0-3大森玲奈(筑大)
○小道野3-1瀬下真優(専大)
●飛永亜希(スポ4=福岡・中村学園女)1-3姜赫煜(大正大)
●森2-3多田光希(中大)
※本日行われたランク決定戦以上を掲載。ランクが決定するのは、シングルスではベスト16からである。(ダブルスはベスト8)また、今大会でランク入りしたものは関東学連の推薦を受け、今年度の全日本大学総合選手権個人の部へ出場することができる。
コメント
山本勝也(スポ2=石川・遊学館)
――王選手(専大)との試合を振り返って
全セット競っていた中で、3ー2で勝ち取ることができたので、すごく嬉しいです。
――昨季の王者との対決でしたが、どのような戦略で臨みましたか
相手の手の内は結構研究していて分かっていたので、あとは自分のやることをしっかりやれば勝てると思っていました。
――例えばどのようなことですか
相手は台上でのプレーがうまくて、そこの部分で勝負しようとしてくるので、こっちは上回転サーブを多くしました。あと、相手は結構自分のフォア面を攻めたがるので、それを上手く対処できれば勝てると思っていました。
――5ゲーム目で競っていたときは、どのようなことを意識しましたか
5セットは本当に接戦になると分かっていたので、やることをやるだけだと思っていました。
――自身の調子はいかがでしたか
だんだん上がってきて、いまはすごく良いです。
――きょうの王選手の印象はいかがでしたか
決まったと思っていたボールでもなかなか決まっていなくて、何度も何度も返ってきてすごく辛い試合だったのですが、最後は打ち抜くことができてよかったです。
――あしたに向けた意気込みをお願いします
きょうで一応ランクには入れたのですが、目標は優勝なので、それに向けて頑張りたいと思います。
森美紗樹(スポ3=高知・明徳義塾)
――きょうの試合を振り返って
きょうは初戦からリーグ戦にも出ている結構強い相手で、すごく研究もしていたので1戦目は良かったです。2戦目も研究していたんですけど、その分自分も研究されていたなという感じでした。高校の時も試合したことがあったので、そういうのを含めて調べられているなという感じもありました。同級生で仲も良いのでやっぱりお互い負けたくないという気持ちもあったんですけど、それでもどっちもが最後まで一歩も負けなかったので、競った良い試合ができたかなと思います。
――競り合う場面でもどうして強気でプレーができたのでしょうか
いままで勝ったり負けたりという経験が何回もあったんですけど、やっぱり攻めないと、守ってばかりじゃ負けてばかりですし、もし負けたとしても次につながるプレーじゃないなというのがあって。きょうも結果は負けてしまったんですけど最後何本か良いプレーもできたので、こんなところでうじうじしている場合じゃないのでリーグ戦に向けて良い経験になったかなと思います。悔しい経験がないと次に進めないかなというのもあるので、全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)も9―11で負けて、きょうも13―15で負けてあと1本が何か足りないというのがあるので、もっと勉強します。
――具体的にどういったところを強化していきたいですか
技術的には、やっぱりフォアでは結構攻めるようになったんですけど自分の戦型が異質で普通の人と違ってボールが落ちるので、それを嫌がられてバック側に絶対集められるので、バックに集められてきたのをフォアに回って打たないといけないと思います。いまこの試合でもし勝っていたとしても次にはつながらなかったと思うので、この試合やインカレで負けて、フォアに回っていくという課題が見つかりました。
――今後の目標をお願いします
一番近い大きな大会が秋季リーグ戦で、4年生の方とできる最後の大会です。秋季リーグ戦もインカレも悔いの残るような試合ばっかりだったので、どの試合もすごく競っていたんですけど、どうしてもあと1本が取れないというのがワセダの課題ですし自分の課題でもあるので、その1本を皆で考えながら秋季リーグ男女優勝したいです。11月にある全日学でも、きょねんランク決定戦まで行って負けたというのがあるので、シングルス、ダブルス共にランク以上、メダルも取れるように頑張りたいと思います。