大島・山本勝組が敗退。シングルスでは2名がランク入り

卓球ダブルス

 大会3日目を迎え、頂点に立つ権利を有していた早大勢はダブルス1組とシングルス5人。中でも最も注目の集まっていた大島祐哉(スポ2=京都・東山)・山本勝也(スポ2=石川・遊学館)組は、まさかの準々決勝敗退。昨年の成績を超えることはできなかった。シングルスでは山本勝、小道野結(スポ2=神奈川・横浜隼人)、佐藤風薫(スポ1=岡山・就実)が涙をのむ結果に終わるも、大島と高橋結女(スポ2=新潟産大附)があすへ望みをつなげた。

カットマンペアに苦しんだ大島(右)・山本勝組

 早すぎる幕切れだった。大島・山本勝組はテンポ良く2ゲーム連取し、そのまま試合をものにすると思われた。しかし相手は世界卓球東京大会の日本代表にも選出されるほどの実力者・塩野真人(平21スポ卒=現東京アート)のいるコンビ。そう簡単に試合を決めさせてはくれなかった。二人の戦術に合わせて相手も戦術を変更。そして、打つボールにも変化を加え攻撃も増やしてきた。カットマンの相手から繰り出されるボールの回転が読み切れない上、それらに対応しきれず小さなミスが重なっていく。次第に主導権は相手に渡りゲームカウント2対3で二人の戦いに幕が下りた。

 シングルスでは大島が1月の全日本選手権男子ジュニアの部王者・吉村和弘(野田学園高)と5回戦で激突した。試合に集中して入ることができたと語る大島は、順調に3ゲーム目まで連取。しかし4ゲーム、5ゲーム目を続けて落としてしまう。そのままフルゲームまで持ち込まれるかと思われたが、大島はここで大学生選手としての意地を見せた。これまで以上にボールを拾い、打ち返し、得点につなげる。マッチポイントを許すも、高い集中力で3連続ポイントを奪いゲームセット。6回戦へ駒を進め、そちらでも見事勝利を収めた。他方で女子は、高橋の活躍が5回戦で光った。シードで出場していた馬克(日立化成)とフルゲームまでもつれ込む接戦を演じる。7ゲーム目の9点目、返されるボールに何度も食らい付き得点につなげたことで勝負は決まった。そのまま得点を重ね、試合終了。高橋の顔に笑顔が咲いた。

シングルスでは順調に勝ち進んだ大島

 最終日まで残ったのは大島、高橋の二人となった。大島の相手はカットマン。強い力で打ち返すことが必要になるため、普段以上に体力の消耗は激しくなるだろう。そして高橋はかつて一度も勝ったことのない相手との勝負に挑む。一つ上の段階へ進めるか、初戦に全てが懸かっている。あすで最終日を迎える今大会。二人の結果はいかに――。

(記事 目黒広菜、写真 加藤万理子、豊田光司)

結果

▽男子ダブルス

7回戦

●大島・山本勝組2—3村松(JOCエリートアカデミー)・塩野(東京アート)組

▽男子シングルス

4回戦

○山本勝3—0南波(野田学園高)

5回戦

●山本勝1—4張(東京アート)

○大島4—2吉村(野田学園高)

6回戦

○大島4—1久住(専大)

▽女子シングルス

4回戦

●小道野3—4小野(日立化成)

○高橋4—1成本(同大)

○佐藤風4—3宋(青森山田高)

5回戦

●佐藤風1—4森園(日立化成)

○高橋4—3馬(日立化成)

コメント

大島祐哉(スポ2=京都・東山)

――ダブルスの試合内容を振り返ってみていかがですか

2対0で良いかたちでリードしてそのまま行きたかったのですが、ただ相手もカットマンなのでそこがやっぱり、うーん…、なかなか打ち崩せなくて。それが敗因ですかね。

――やはり対戦相手がカットマンのコンビというのは戦いづらさがありましたか

そうですね。シングルスだとカットマンというのはそんなに苦手としてないのですが、パートナーが打ったボールというのは回転の量というのが分からないですし、そこが、うーん…。練習でもカットマン二人のダブルスでやることがなかなかないので、試合で合わせるのが難しかったですね。

――2ゲーム目までは良いかたちで試合を進めていましたが、3ゲーム目を落として以降立て直せませんでした。その原因をどのようにお考えですか

やはり相手も僕たちのボールに合ってきましたし、戦術も少し変えて攻撃を増やしてきて、それにうまく僕らが対応できなかったのがポイントかなと。

――今回はミスで失点を重ねている印象がありました。そのことについてはどのように思われますか

やはりボールも合ってきて変化を段々つけられてきて、それに対して合わなかったりなかなか回転が読み切れなかったりしたので、そこが凡ミスなどに見えたんだと思います。

――シングルスの試合内容を振り返ってみていかがでしたか

吉村選手がことしの全日本ジュニアのチャンピオンということで、1試合目にすごく集中していました。良いペースで3対0で入ることができて、4ゲーム目も5対1でリードしていたのですが、そこを取り切れなくて逆に相手にペースがいって3対2になりました。最後の6ゲーム目も苦しかったんですけど、最後僕の方が少し考えて相手の方が少し焦ってくれたかなと思うので…そこの差だけでしたね。

――吉村選手と戦ってみた印象はいかがでしたか

結構下がるな、というイメージでした。台から下がってすごいハンドを振るというイメージが強かったですね。逆に言うと下がってくれるので、そこまで持っていって自分のラリーを前で前でと意識していました。ただ、ちょっと流れが悪くなってから僕も振り切れなくなったりとかして、逆に相手は振り切ってきていたので。まぁ、下がるのが良かったり悪かったりだと僕は思うので、僕としてはそこをうまく突けたかなと思います。

――吉村選手との試合後に首を傾げていましたが、試合内容に納得のいかない部分があったということでしょうか

そうですね。勝ったのですが、やっぱり4対0で勝って自分がもっと実力の差を示す…示すじゃないですけど、それくらいの差がある試合だったと思うんです。そこを勝ち切れなかったというところで、やっぱりまだ僕に甘さがあるのかなと思ってちょっと首をかしげてしまったんですけど、勝てたので良かったです。

――久住選手との試合はいかがでしたか

表ソフトというのは嫌いではないですし苦手意識もないです。そこの苦手意識がなかったので特に困ったということはなかったですね。

――きょうのどの試合においてもどんなボールにも食らい付いてしっかり返し、なおかつそれを得点に結び付けていたことが印象的でした。どのような練習をなさってきたのでしょうか

試合がありますけど全国大会というのは基本的にないので、トレーニングや自分を追い込む練習を多くやってきました。だから動く距離も増えてきましたし拾えるようになったり動けるようになったりというのがあるんじゃないかと思います。

――あすの試合に向けて意気込みをお願いします

予定では村松くん(雄斗、JOCエリートアカデミー)というカットマンの人とまた当たるので、まずシングルスでダブルスとは違うのでしっかり準備します。それでその後も塩野さんが上がってくるかもしれないので、カットマンが連続するとなると体力も必要だと思うので、しっかり休みます。カットをしっかり打てるようにすれば上まで行けるんじゃないかなと思うので、頑張ります。

小道野結(スポ2=神奈川・横浜隼人)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしたか

きょうの相手は神奈川県でよく練習したり、試合させてもらってるんで、お互い馴れ合いだったんですけど、その中でもいつもより自分のプレーに自信を持ってできたので、そこはいい試合ができたなと思います。

――最終ゲームにもつれ込む試合でしたが、そのときの心境はどういうものでしたか

結構それまでずっと駆け引きで、相手が一歩先に新しいことをやってきて、私がそれにちょっと遅れて付いていくというそういう感じで、だから点数取られて、私が追い上げてという感じだったので。6セット目に8−10になって、そこから2本とってそこまでは何とか追い付けたって感じなんですけど、最後は相手が早く変えてきたのに対応できなくて負けちゃったかなと思います。

――敗因は後手に回ってしまったことですか

それもありますし、結局最後まで自分の失点パターンを変えられずにずっと同じミスしてしまったんで、そこが敗因だったかなと思います。

――きのう競っている場面で考えることができたとおっしゃっていましたが、きょうはどうでしたか

きのう競っている時に自分が考えて新しいことやったりしてたんで、それを生かそうと思って、きょうもそれができたんですけど、今回はちょっと相手の方が一歩先にそれをやってきたので、そこがちょっと対応が遅かったので、そこが敗因かなと思います。

――つぎの大会に向けての意気込みをお願いします

ちょっとずつ試合で自分のプレーができるようになっているので、今回の試合で課題も見つかったしまだまだだと思うんで、少し修正して、あと一個か二個くらい上に行けるようにがんばりたいです。

高橋結女(スポ2=新潟産大附)

――順調に勝ち進まれている今大会、コンディションはいかがですか

初戦は2回戦目だったんですけど、その時に緊張してしまって苦しい試合でした。そこから気持ちを入れ替えて試合をしたら良いプレーができるようになったので、そこで切り替えられたのが、やっぱりきょうも勝てたきっかけというか、気持ちの面で良かったと思います。

――今大会に向けて特に強化してきた部分はありますか

サーブレシーブのところで崩れないようにしてきました。特に1人1人相手によって全然違うサーブを出してくるので、練習の時からそれに対応できるように、レシーブからの練習を多く取り入れてきたら今回いい感じにできています。

――馬選手(日立化成)との対戦で最初はリードされていましたが、徐々に苦しい展開となってしまった原因は何だったのでしょうか

最初は相手が自分のブロックしたボールが取りづらい感じだったんですけど、だんだん追い付かれてきた時は相手がそれに慣れてきて、相手もドライブを打つだけではなくミートを入れてきたり、緩急を使ってきたりしていたので、自分が焦って打ちにいったりコースを変えようとしてミスしてしまっていました。最後は、強気でいった方が勝つと思ったので、ブロックだけでなく自分も打ちにいきましたし、ちゃんとコースを突いていけたので良かったと思います。

――あすへ向けて意気込みをお願いします

何回も対戦したことがあって一度も勝てたことがないので、思い切ってやるだけだと思います。