日本卓球界の精鋭がしのぎを削る第19回ジャパントップ12。今大会は、全日本選手権(全日本)シングルスベスト8、および日本卓球協会の推薦選手を加えた12名のみが出場できる。早大の松平健太(人4=青森山田)は予選リーグを突破すると、準決勝では岸川聖也(ファースト)にストレート勝ち。水谷隼(DIOジャパン)との決勝戦でも積極的な攻撃でリードを奪い、2連覇へと王手をかけた。しかし、勝負どころでミスが相次ぎ、ゲームカウント3—4で敗北。あと一歩及ばず、悔しい準優勝に終わった。
力強いフォアドライブが光った松平
1月の全日本でシングルスベスト16、2月のカタールオープンでは初戦敗退と、ことしに入ってから本来の力を発揮できずにいた松平。だが、「しっかり調整した」(松平)という今大会でのプレーは、復活を印象付けた。予選リーグ初戦は第1ゲームこそ落としたものの、冷静な試合運びで快勝する。続く予選リーグ2戦目は、今大会4度の優勝経験を誇るベテラン吉田海偉(DIOジャパン)と対戦。相手の勢いに押され苦しい展開となったが、後半立て直しフルゲームに持ち込んでの粘り勝ちとなった。準決勝では岸川と激突。世界選手権東京大会(団体戦)代表同士の対決となったが、攻め入る隙も与えず圧巻のストレート勝ちで、昨年と同様に決勝戦へと駒を進めた。
点を取られて悔しい表情の松平
決勝戦では、全日本王者・水谷との激しい攻防が繰り広げられた。松平は力強いフォアドライブでバックサイドに球を集め、得点を重ねていく。徐々にペースをつかみ、第5ゲームを終えたところでゲームカウント3―2。優勝まであと1ゲームに迫るも、第6ゲームでミスを連発し、勝負は最終ゲームへと持ち越された。5連続得点を浴びるなどリードを許す展開となったが、なんとか8―8まで追い付いたところで「変化を付けよう」(松平)としゃがみ込みサーブを繰り出す。しかし2本のサーブとも思い通りにいかず、一気にマッチポイントまで追い込まれた。1点を返すも、9―11で敗北。2連覇まであと一歩届かなかった。
フルゲームの末、惜しくも敗れた松平。3年ぶりの対決となった水谷について「変わらず、ただ強い」(松平)という感想を述べた。世界選手権東京大会(団体戦)まで残り2カ月を切る中、「悔いがないよう練習をしっかりやって、悔いがない状態で試合に臨みたい」(松平)と意気込んでいる。また今回、世界選手権代表選手がベスト4を占めており、改めて強さを証明する大会ともなった。悔しい準優勝となったが、今回得た課題を糧に、再び世界の舞台で活躍する姿を見せてほしい。
(記事 加藤万理子、写真 三井田雄一、目黒広菜)
水谷(DIOジャパン)(右)と松平
結果
▽男子シングルス
予選リーグCグループ
○3―1吉田雅己(愛工大)
○3―2吉田海偉(DIOジャパン)
準決勝
○4―0岸川聖也(ファースト)
決勝
●3―4水谷隼(DIOジャパン)
コメント
松平健太(人4=青森山田)※囲み取材より一部を抜粋
――率直な感想を聞かせてください
悔しいですね。リードしていたので、勝ち切れなかったというのはやはり悔しい原因ですね。
――最後8—8でしゃがみ込みサーブを2本打ち返されてしまいました
8—8で普通のサーブを出しても、きれいにレシーブされていたので、どこかで変化を付けようと思いました。しゃがみ込みサーブをずっと出していなかったので、チャンスかなと思って出しましたけど全部台から出て、先に攻められる展開になってしまったので、まだまだ練習が足りないなと思います。
――もう少し短く出せていれば
僕の思い通りになっていたと思います。
――競った試合でしたが、水谷選手との対戦はいつ以来ですか
3年ぶりくらいですね。
――久しぶりに対戦した水谷選手はいかがでしたか
3年前と変わらず、ただ強いという感じです。
――試合前はどういう気持ちでしたか
久しぶりの対戦だったので、楽しみな気持ちはすごくありました。
――自分の中ではナイスゲームと言えるのではないでしょうか
負けてナイスゲームといったらあれなので。やっぱり勝ちたかったので、調子は悪くなかったですけど、もっともっとできる、自分ならもっとやれると思います。次また頑張ります。
――中東の試合よりも体が動けているのかなと思いましたが
ただ帰ってきて、しっかり調整したので、中東のツアーは僕自身全然調子も良くなくて駄目だったので、それが元に戻った感じです。
――残り2カ月切った世界選手権まで、どのような準備をしていきたいですか
これからずっと合宿が続くので、大会が始まるまでに悔いがないよう練習をしっかりやって、悔いがない状態で試合に臨みたいと思います。それだけです。
――ジャパントップ12は昨年優勝されて、今回は準優勝でしたが
誰もが優勝したいと思うので、僕もその1人なので、優勝できなかったことはすごく悔しいですし、またらいねん出場してリベンジできるように頑張ります。
――世界卓球に出場する4人がベスト4に今回入りました
選ばれた5人みんな強いので、こうやって(出場した)4人中4人が上位に入ったのはいまの強さを証明している良い大会になったと思います。