全日本選手権(全日本)も終盤に差し掛かった4日目。ついに、松平健太(人4=青森山田)が初登場した。丹羽孝希(明大)と組む男子ダブルスでは4、5回戦をゲームカウント3―1、4―0、男子シングルスでは4回戦を4―0で勝利。早大勢は松平と、同じく男子シングルス4回戦でストレート勝ちを収めた大島祐哉(スポ2=京都・東山)の二人が、あすへと駒を進めた。
ついに登場した松平
世界選手権パリ大会(個人戦)では自身初のベスト8入りを果たした松平。その後のアジア選手権では表彰台に上るなど、今季実力を発揮し続けている。ことし5月に行われる世界選手権東京大会(団体戦)代表にもいち早く内定。今大会の優勝候補としても呼び声が高い。前回大会ではダブルスで見事、頂点にまで上り詰めた。2連覇が懸かる中で挑んだ2戦は、いずれのゲームも競り合う展開となる。しかし「いつも通り」と松平。ポイントを取られつつも力の差を見せつけ、しっかりと勝利した。シングルスでは、カットマンを物ともせず圧勝。初日を終えて「卓球自体は悪くない」(松平)と振り返った。あす以降に向けて、さらにコンディションを整えていく。
11月の全日本学生総合選手権個人の部(全日学)でランク入りを逃した悔しさを胸に、大島はこの全日本に向けて練習に励んできた。大会2日目からは、山本勝也(スポ2=石川・遊学館)とのダブルスに出場。きのうは久住昭博(専大)・後藤卓也(日大)組との接戦を制し、いい流れで4日目を迎えた。きょうの4回戦では高校総体優勝ペアの田添健汰・上村慶哉(希望が丘高)に敗れてはしまったものの、シングルス初戦となった4回戦は4―0と完勝。「ランク入り、ベスト16に最低でも入る」(大島)ことを目標に、順調にあすへと勝ち進んだ。
ランク入りを目指す大島
この日はシードの平船亜美(社4=岩手・大野)・小室奈緒(スポ3=栃木・真岡女)組や、きのう熱戦に打ち勝った佐藤風薫(スポ1=岡山・就実)など早大勢が次々に姿を消した。あすは男子ダブルス決勝、男子シングルスのベスト8までが行われる。国内トップレベルの選手が集うこの大舞台で、勝ち残った松平と大島は、どのような戦いをしてくれるだろうか。
(記事 加藤万理子、写真 加藤万理子、久保田有紀)
結果
▽男子ダブルス
4回戦
○松平・丹羽組3―1堀大志・渡辺裕介組(明徳義塾高)
●山本勝・大島組0―3田添健汰・上村慶哉組(希望が丘高)
5回戦
○松平・丹羽組3―0吉田海偉・野邑大陽組(DIOジャパン)
▽男子シングルス
3回戦
●坂口0―3安藤康寛(岐阜信用金庫)
●高田1―3御内健太郎(シチズン)
4回戦
○松平4―0太嶋佑人(信号機材㈱)
○大島4―0石田健太郎(立命大)
▽女子ダブルス
3回戦
●中尾・小道野組 不戦敗 小西杏・森まりな(DIOジャパン)
●平舩・小室組2―3酒井春香・松本優希(ミキハウス)
▽女子シングルス
5回戦
●佐藤風0―4加藤美優(JOCエリートアカデミー)
コメント
松平健太(人4=青森山田)
――ダブルス2試合を振り返っていかがでしたか
いつも通りの僕たちのダブルスのプレーをして、いつも通り1回戦は競っていたりしたんですけど、しっかりと勝てたことはすごく良かったです。
――いつも初戦の方では競ってしまうとのことですが
早い段階ではいつも競るんですけど、結構そういう試合を経験しているので焦ることなくできてはいるんですけど、やっぱり全日本となると怖いっちゃ怖いです。でもやっぱりそれでも勝てているということは実力の差が少しでも僕たちの方が上なので、そういうところが出せて良かったです。
――シングルスはいかがでしたか
シングルスはカットマンだったんですけど、動画とかを見て研究して、しっかり対策通りできました。
――カットマンに対して苦手意識はありますか
そんなに対戦したことないので、なんとも言えないんですけど、別に嫌いではないです。
――試合を終えてみて、ご自身の調子はどう感じましたか
卓球自体は悪くないので、あとはもう体のコンディションを少しずつ調整しながら上げていかないと、やっぱりだんだん相手も強くなってくるのでそれに合わせて体もしっかり仕上げていきたいなと思っています。
――あした以降に向けて
あしたはダブルスの優勝が決まって、シングルスはベスト8までいくので、ダブルスは優勝を目指して、シングルスは最終日に残れるように勝ち上がりたいです。
平舩亜美(社4=岩手・大野)
――試合を振り返っていかがですか
やっぱり勝ちたかったなというのが率直な気持ちです。
――失点を重ねてしまった原因は
最初はやっぱり探り合っていたところもあったので、私が思い切っていけなかったり、小室も思い切っていけてない部分があったので…。でも2、3セットからは思い切ってやろうといういうことだったのでそこは直せたんですけど。最初から最後までレシーブで結構迷ってしまっていて、そこで決め切れなかったかなというのはあります。
――全日本に向けてどういうことを意識して練習してきましたか
私は引退してからあんまり練習をしていなかったんですけど、パートナーが年下なので恥ずかしい試合はできないなと思ったので。引退してからなので、何をうまくしようというよりは、自分の調子を上げようと思って練習してきました。試合に入る前も結構調子が良かったので、そこに関しては良かったと思います。
――東京選手権に向けて見つかった課題はありますか
やはりレシーブで決め切れなかったり、というのが大きいですね。相手も競って迷ってきたらサーブも思い切り長く出してきたり、サーブレシーブの引き出しが多かったので、そこを私と小室ももう少し何かできたら1回勝つというカベは越えられるかなと思います。