男女で明暗分かれる結果に

卓球ダブルス

 全日本大学総合選手権個人の部(全日学)から1カ月が経ち、迎えた全日本学生選抜選手権(全日学選抜)。今大会は全日学シングルスで激戦を制しベスト16にランク入りした選手、外国人留学生、そして地元推薦枠の選手を加えて行われる。早大からは、大島祐哉(スポ3=京都・東山)、山本勝也主将(スポ3=石川・遊学館)、小道野結(スポ3=神奈川・横浜隼人)、王雅潔(社2=鳥取敬愛)の4名が出場。初日のきょうは予選リーグが行われ、大島と山本勝があすの決勝トーナメントへと駒を進めた。一方で小道野、王は全敗に終わり、男女で明暗が分かれる結果となった。

★一勝一敗で予選2位通過

山本勝は予選ブロック1試合目に明大の有延をストレートで下した

 強敵に大きな一勝を挙げるも、悔しい予選2位通過となった。男子Eブロックの山本勝は、初戦で前回王者の有延大夢(明大)と対戦。「気を引き締めて序盤から良いプレーができた」(山本勝)と言うように、力強いバックハンドで得点を重ね、序盤から試合の主導権を握る。第1ゲームを11―2と圧倒すると、その後も相手に攻め入る隙を与えずストレートで快勝した。しかし、2試合目は高校時代の後輩である小坂鉱平(関学大)に苦戦を強いられる。「なかなか自分のリズムを取り戻せなかった」と言うようにラリーに打ち負ける場面が多く、0―3と敗北。手の内を知られた相手に完敗し、悔しい予選リーグ2位通過となった山本勝。あすの決勝トーナメントでのさらなる躍進に期待したい。

(記事 加藤万理子、写真 山辺剛士)

★頂点を目指し、順調な滑り出し

順当に2勝し、圧倒的な強さを見せつけた大島

 学生選手権、悲願の初制覇へ好スタートを切った。全日学での悔しい敗戦から1カ月。さらなる強さへの再出発を期した大会後、2度の海外遠征をこなし短い期間の中でも経験を積んできた。そして迎えた今大会、全日学の上位選手に留学生を加えたハイレベルな大会で再び力試しとなる。予選リーグ1試合目は春季、秋季関東学生リーグ戦共に圧勝した大坂亮輔(中大)と対戦。相手の勢いに押され第2ゲームを奪われるが、受け身にならず攻め続けることで勝ち切り、白星をつかんだ。2試合目は留学生選手と初対戦する。事前の対策が功を奏し順調に得点を重ねていくと、持ち味のパワードライブで相手を抑え込みストレート勝ち。順当に決勝トーナメントへ駒を進めた。あすからはさらにレベルが上がり、苦戦を強いられることも必至となる。それでも、「優勝したい」(大島)と目指すのは変わらず頂点のみ。「勝てることを信じてやるだけ」との言葉通り、気持ちの強さを見せて戦い抜きたい。

(記事 村上夕季、写真 豊田光司)

★白星を挙げられず、収穫の多い試合に

全日学2位の小道野はまさかの初日で姿を消す結果に

 「自分のためになる試合だった」。女子シングルスに出場した小道野は、強豪相手に善戦するも勝ち切ることができず予選敗退に終わった。1試合目の相手は留学生。スピードの速いラリー勝負となるが、得点を重ねられず試合を落とす。2試合目は「日本で1番当たりたくない相手」である同大の成本綾海に、1ゲームを先行するも続くゲームで連続得点を決められるなどし、そのまま惜敗を喫す。最終戦も敗れ、3連敗で今大会を終えた。先日の全日学では2位と、今シーズン好調が続いていただけに「自分で気持ちを追い込んでいた」と、勝利への見えないプレッシャーも感じていたのだろう。見つけた課題を克服し、技術の向上を目指していく。次なる試合は1月の全日本選手権。どこまで上を目指せるのか。

(記事 久保田有紀、写真 建部沙紀)

★粘りを見せるも、力及ばず

粘り強いプレーを見せた王だが、勝ち星を挙げることはできなかった

 昨季に続き全日学に出場した王雅潔(社2=鳥取敬愛)は、大きな大会は3カ月ぶりと、試合慣れしていない不安から焦りが見えた。初戦ではボールに力が入り、ネットで跳ね返されるミスを連発。「相手が強いからというより自分のミスから負けた」(王)という言葉通り、精彩を欠いたプレーで0―3と敗戦を喫した。続く2試合目は1ゲーム目で力強いドライブが決まり、このまま勢いに乗るかと思われた。だが、あと1点が取れず10―12で落としてしまう。苦手意識のあるカットマンに影響されミスは続き、この試合も本来の実力を取り戻せず0―3で完敗。3試合目に望みを託すかたちとなったが、この試合も苦戦を強いられる。巧みにボールを操り相手を前後に揺するも、チャンスボールをものにできず0―3で大敗。3試合ともストレート負けと悔しい敗北となった。次こそはカットマンを攻略し、「頭を使った卓球」(王)で勝利をつかむ。

(記事 安藤愛奈、写真 川口真由)

結果

予選リーグ

男子

▽Dブロック 大島 予選1位通過

○大島3—1大坂(中大)

○大島3—0王(岡山商科大)

▽Eブロック 山本勝 予選2位通過

○山本勝3—0有延(明大)

●山本勝0—3小坂(関学大)

女子

▽Bブロック 小道野 予選敗退

●小道野1—3刘(近大)

●小道野1―3成本(同大)

▽Hブロック 王 予選敗退

●王0―3市川(日大)

●王0―3孫(龍谷大)

●王0―3庄司(専大)

コメント

山本勝也主将(スポ3=石川・遊学館)

――全日本学生選抜選手権の初日を振り返っていかがでしたか

一発目の相手が前年度チャンピオンだったので気を引き締めて序盤から良いプレーができたんですけど、2戦目に負けてしまったので、結果的に2位通過になってしまったので、すごく残念です。

――有延大夢選手(明大)との対戦はいつ以来ですか

1回だけあって、2年の時の関東学生選手権でやっていて、その時は勝っています。

――相手の印象としてはいかがですか

すごくボールが速いんですけど、僕のピッチにあまり合っていないようで、結構分は良いと思っていたので、その展開に持っていけました。戦術が良かったので、そういう結果になったと思います。

――2試合目はストレート負けとなってしまいました。うまくいかなかった原因は何だったのでしょうか

高校の後輩だったんですけど、序盤の入りが悪くて、なかなか自分のリズムが取り戻せなかったです。

――あすに向けて意気込みをお願いします

一発目が立命大の石田さんなので、初戦をまず勝って、優勝目指して頑張りたいです。

大島祐哉(スポ3=京都・東山)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

日本で初めてプラスチックボールを用いた大会なので、試合の入り方が難しい部分もあったのですが、何とか1試合目は勝てたのが大きかったと思います。

――海外遠征も多い中、コンディション調整はどのようにされましたか

スウェーデンから帰ってきて1週間程しか時間がなかったのですが、まずは時差を治すことと体調管理が大切だなと思って調整しました。試合勘というのは結構あると思うので、あとは基本練習をして挑めたらいいかなと思いました。

――海外遠征を通して得たものはありますか

やはり海外の選手はいろんな選手がいるので、様々なサーブやレシーブ、ボールを受ける経験になったので、対応力という面で力がついたと思います。

――1試合目は春季、秋季共に関東学生リーグ戦で対戦した相手でしたが、どのような試合でしたか

ここまで1ゲームも取られてなかったのですが、きょう2ゲーム目を取られてしまい、思ったよりも相手が思い切ってきたなという印象でした。こちらも受け身にならず攻めていけたので、良かったと思います。

――2試合目の選手は対戦されたことはありましたか。また、対応策は

ありません。でも大坂選手(亮輔、中大)との試合を見ていて、こういう選手なのだなというのは分かったので、うまく戦えました。

――先程もおっしゃっていたプラスチックボールについて、大島選手自身はセラミックボールとの違いをどのように感じていますか

少し回転量が落ちるというのと、よく割れるというのもあります。一番大きいのは、まだボールとしての質が低いので、ぶれたり跳ねたり、沈んだりということが多いです。

――2日目はレベルの高い戦いが続くと思いますが、意気込みをお願いします

抽選の結果、準々決勝で丹羽君(孝希、明大)と当たるのですが、勝たないと優勝はできないので、勝てるように準備をしなければと思います。

――具体的にはどのような準備をされますか

もう丹羽君相手には受け身になっても仕方がないので、思い切って向かうことを意識したいです。また、普段から一緒に練習していて、いろいろなことが分かっているので、丹羽くんの戦術の上を行きたいです。可能性は低いかもしれないですが、勝てることを信じてやるだけです。

――改めて、今大会の目標をお願いします

やはり学生の大会でまだ優勝をしていないので、優勝したいですね。

小道野結(スポ3=神奈川・横浜隼人)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうの試合はすごく大きく言うと自分のためになる試合だったかなと思います。

――具体的に課題が見つかったということでしょうか

秋リーグ、全日学とトントン拍子で進んできたので、今回のこの大会で自分のスキルを磨かなければいけないところとか課題がしっかりはっきり見えたかなと。まあ、良くはないですけどいい経験ができたかなと思います。

――試合を迎えるにあたっての調子はいかがでしたか

調子は悪くないし、試合をしても悪くはないと思ったんですけど、ずっと勝ってきたので勝たなきゃとか気持ちの面で自分を追い込んでいたんで気持ちのコンディションが良くなかったかなと。

――全日学選抜ということで、相手もレベルが高い選手だったと思いますが

組み合わせを見てやっぱりきついなと思ったし、成本選手(同大)も日本人の中で一番やりたくないなと思っていた相手とだったので。こういう機会に恵まれて良かったです。

――次回は1月の全日本選手権だと思いますが、意気込みをお願いします

課題はプラスチックボールになるので自分の得点源が逆に弱点になっているので。バック側のレシーブが得意だったんですけど、それが強くいけないようになってずっと不利な展開になったりとか。そういうのが目立ってきているのでそこを直していきたいと思います。

王雅潔(社2=鳥取敬愛)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

この試合に出る選手たちはとても強く、1セットも取れなくて悔しかったですが、自分の全力は出し切れました。自分の中で、カットマンが苦手という意識があり、この試合ではカットマンが2人も居たので、実際にカットマンと対戦して改めて自分の苦手なところを反省し、これからの練習に取り入れたいと思います。

――きょうは全体的に力が入っていたように見受けられましたが、緊張はされましたか

緊張はしました。留学生なので全日学(全日本大学総合選手権個人の部)には出られず、普段は出られる大会が少ないので、今大会のような大きな大会は3カ月ぶりでした。勝ちたいという気持ちからくる緊張というより、久しぶりの大会で対戦相手も強い中で、良いプレーをしたいという思いから力が入ってしまいました。

――ご自身の調子はいかがでしたか

今大会に向けて練習していた今週は、自分としては調子は良いと感じていたのですが、本番になると練習通りにはいきませんでした。

――今大会に向けて、これまでどのような練習をされてきましたか

試合形式の練習や、足が遅いのでフットワークの練習をたくさん取り入れ、サーブから3球目の練習、戦術的なゲームの練習なども行いました。

――今大会で見つかった課題はどのようなものでしたか

きょうの試合では相手が強いからというより自分のミスで負けたところが大きく、チャンスボールでないのに焦って打ってしまうことや、体でボールを追いかけずに手だけで打ってしまうことがありました。サーブが中途半端な長さになってしまい自分の流れがつくれなかったので、サーブの練習をしっかりとしないといけないと思います。

――今後に向けて一言お願いします

もっと頭を使った卓球をしたいと思います。