得点が入らない・・・インカレ準決勝は強豪に完敗 明日、3位決定戦へ

水球女子
TEAM 1P 2P 3P 4P
早大
秀明大 19
▽得点者
高橋2、杉本2、井上
 

 早大水球女子チームの日本学生選手権(インカレ)が始まった。昨日行われた1回戦・順大戦では、26ー9と大勝。終始リードを守りきり、安定感のある強さを見せた。そして迎えた今日の準決勝。対するは、昨年のインカレで準優勝、また今季の関東学生リーグ(リーグ戦)優勝校である、秀明大だ。そんな強豪相手にも関わらず、第1ピリオド(P)では1ー2と、理想とするロースコアゲームの兆しが見られた。しかし徐々に相手のアーリーな攻撃に飲み込まれていき、失点が重なる。さらにオフェンス面でも、緻密なパス連携からポイントゲッターへ、スムーズに攻撃が流れていた前半に対し、後半はなかなか隙を見つけることができない。結局第3、4Pはともに無得点に終わり、5ー19で敗北。決勝進出の壁は厚かった。

ゴールを見定める杉本

 早大がセンターボールを取り、試合がスタート。すると早速2分、鈴木杏梨(スポ1=神奈川・白鵬女)が自陣から一人でドリブルし、ゴール右まで一気に入り込む。最後は左サイドの杉本華音(スポ2=千葉・秀明大秀明八千代)が的確なパスを受け、先制した。さらにGK石山佳乃(スポ4=埼玉・幕張総合) は、相手が隙を突いてくるようなシュートも力強くつかんで失点を最小限に抑え、1-2で第1Pが終了。

ドリブルする鈴木

 続く第2Pは、打って変わって激しい攻防を見せた。開始30秒で得点を許すが、すぐさまカウンターを展開。右サイドの高橋里佳子主将(スポ4=千葉・秀明大秀明八千代)からボールを受けたのは、またも杉本。勢いよく正面に決め込んだ。そして3分、GK石山からロングパスを受けたのは、井上舞(スポ2=京都・鴨沂)。左サイドからループシュートを決め、技ありの1点をもたらした。しかしこの後2点を献上するなど乱打戦の様相を呈する中、5分。高橋が敵陣で反則を誘い、ペナルティースローのチャンスが訪れる。これを自らきっちりと決め、点差を離させない。さらにこの直後のアタックでは、左サイドの杉本が状況を見極め真横にいた高橋にパス。これを華麗に投げ込み、このPは計4得点。だがラスト1分半に連続でポイントを与えてしまい、5ー9で前半を折り返した。

ペナルティスローを成功させる高橋

 逆転の可能性を残したまま挑む第3P。序盤は両校ともゴールが決まりきらず、スコアボードが動かない。ところが4分、その淡々とした空気を割ったのは秀明大の方であった。まず1点を奪われると、選手を3名交代され、自陣深くまで入り込んでくる時間が長くなる。そこから連続得点を許したことに加え、早大チームは少人数ゆえの体力の消耗も見られてきた。「全員で攻めに行こうという気持ちはあったが、シュートを打っている割に得点に結びつかなかった」(高橋)。ラスト1分には、ゴール前での相手退水(※)からタイムアウトを取ったビッグチャンスもものにできず、0点に封じられたまま5ー12で試合は最終Pへ。

相手に競り勝つ井上

 第4Pではパスカットなど不意を突かれるプレーも増え、やはり猛攻を止められない。素早いカウンターアタックを前に手が出ず、5分までで4点を献上。早大も粘りを見せ、高橋主将を中心に何度もシュートを試みるが、全て弾かれてしまう。5分にセットプレーからゴール正面の杉本にボールが渡る好機もあったが、これも止められた。早大スコアは0の表示が変わらないまま、さらにラスト1分でも3失点を受け、ゲームセット。5ー19と大敗を喫した。

大きな声で指示を出す石山

 強豪との準決勝。圧倒的な決定力を見せつけられ、厳しい試合であったことは間違いない。しかし悲願のメダル獲得に向け、すぐさま明日3日には3位決定戦が控えている。相手となる日体大は今季、リーグ戦で二度対決済み。予選リーグでは勝利を得たものの、決勝リーグで敗北し表彰台を逃した因縁の相手だ。今日の課題となった対応力を修正し、打ち勝てるか。悔しさを晴らす絶好の大舞台で、今度こそ笑顔を浮かべてほしい。

 

 ※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

  

(記事、写真 中村凜々子)

コメント

  

高橋里佳子主将(スポ4=千葉・秀明大秀明八千代)

――キャプテンとして、チームのインカレまでの準備をどう見られてきましたか

 インカレの前に5月から学生リーグという試合があったのですが、そこで全チームと対戦して得た、修正点やよかったところを見直しました。元々組み立てていた戦術をもう一度練り直して、少人数ではあるのですが知恵を出し合いながら準備してきました。

――今日の試合全体を振り返っていかがでしたか

 学生リーグの優勝校である秀明大学さんとの試合だったのですが、1、2Pは失点を抑えて相手の強みであるカウンターをさせないというところを頑張っていました。ですが後半は自分達の疲れもあって、オフェンスの終わり方であったりから、たくさんカウンターを出されてしまって失点が重なりました。

――後半は無得点というところで、攻撃面はどんな状況でしたか

 全員で攻めに行こうという気持ちはあったのですが、なかなかシュートを打っている割に得点に結びつかなかったなと感じています。

――明日の3位決定戦に向けて、意気込みをお願いします

 早稲田大学がメダルを獲得するのは何年も達成できていないことなので、悲願のメダル獲得をしっかりと実現したいと思います。

石山佳乃(スポ4=埼玉・幕張総合)

――4年生、ラストのインカレですが、どのような思いで臨まれていますか

 これまでの4年間でメダルを取ったことがなかったので、最後の年ということもあって、結果を出したいという思いは強いです。

――今日の試合全体を振り返っていかがでしたか

 前半は私達が目標としていたロースコアゲームをできたと思うのですが、後半はなかなか相手の速い攻めだったり1対1の下がりに対応しきれなくて、結果として点差が開いてしまったという反省があります。

――続いて個人面についてお伺いします。かなりの数のシュートを止められていましたが、ご自身で振り返るといかがですか

 みんなからも結構「止まってたね。」と言ってもらったのですが、私自身もそう思っています。特に一発目のシュートを止められたのが自分の中で大きくて、そこからリズムを作れたかなと思います。

――最後に、明日の意気込みをお願いします

 絶対に勝って、銅メダルを獲ります!