出場権獲得も課題残る

水球女子
TEAM 1P 2P
早大
CNCびわこ
▽得点者
小路、徳用

※台風接近のため5分2ピリオドの特別ルール

 台風による悪天候のさなか、第90回日本選手権女子最終予選会が行われた。今大会は第90回日本選手権の出場権を懸けた大会であり、二日間にわたって実施。ワセダは初日に3チームと対戦し、2試合に勝利する。続く二日目はCNCびわこを相手に終始ペースを乱され黒星となったものの、出場権を見事手中に収めた。

 大会一日目は強豪・藤村との試合から始まった。5-7と惜しくも負けたものの、差を2点のみに抑え健闘。ここで勢いに乗ったワセダは次の鴨沂クラブとの戦いで11-2と圧勝した。最後は、東日本リーグ戦で負けを喫した因縁の相手である秀明英光高校。「秀明英光高は出身校なので、高校生に負けるのは絶対に嫌だった」と語った田中寧葉(スポ3=埼玉・秀明英光)を含め、チームが一致団結し8-5で勝利。春の雪辱を果たした。

CNCびわこ戦で一時は同点となるシュートを放った徳用

 迎えた二日目はシード権を巡りCNCびわこと対戦。前日の善戦を踏まえて気合は十分だったものの、開始直後に点を入れられてしまい早々にペースを奪われてしまう。流れを引き寄せたいワセダ、開始から1分12秒に徳用万里奈(社1=埼玉・秀明英光)がカウンターからシュートを決め、ペースをつかんだかのように見えた。しかしその後はシュートがなかなか決まらず、チャンスをものにできない。さらに、終了間際に点を許してしまい1-2で第1ピリオドが終了した。続く2ピリオドでは小路安希(スポ2=埼玉・秀明英光)がロングシュートを決め、序盤から攻撃を仕掛けていく。続いて小西晃代(社3=埼玉・秀明英光)もゴールを狙うが相手キーパーに阻まれてしまい、点を取ることができない。それ以降もワセダは得点を重ねることができずに2-4で敗れシード権獲得はならず、総合6位で今大会を終えた。

ロングシュートを決めた小路

 「勝負どころで負けてしまう」と今大会を振り返った固城侑美主将(スポ4=東京・藤村女)。シード権を得ることを目標としていたものの、その目標を達成できることはかなわなかった。しかし、「チーム力は確実に上がっている」と地平達郎監督(昭46政卒=東京・早大学院)は語る。「スピードとスタミナがかなりついてきた」(地平監督)、「ディフェンス面が良くなってきた」(田中)、「(初日の試合に関しては)自分たちのやりたいプレーを自分たちでちゃんとつかめにいけた」(斉藤美奈都、スポ4=茨城・聖徳大取手聖徳女)と各自が今大会を通してチーム全体の成長を実感した。9月の日本学生選手権(インカレ)まで残り1か月。目標は、「優勝」(斉藤)。今夏の練習の重点を「練習試合をしてゲーム慣れをする」(固城)こと、そして「基本となる泳力」(田中)に置き、練習に励む。インカレ優勝の称号を手にするために。

(記事 種村春歩、写真 河野美樹、井口裕太)

コメント

地平達郎監督(昭46政卒=東京・早大学院)
――きょうの試合について、敗因は何でしょうか
試合が始まってすぐにセンターボールを取られて1点入ってしまった。あれがやっぱり大きかったですね。5分2ピリオドという非常に短い時間の試合になったので、先制点を取るのと取られるのでは全く違うので、先制点を取られてしまったということが最後まで響いたのかなという気がします。
――きのうは強豪・藤村に2点差、春敗れた秀明英光高に勝利。きのうの試合を振り返っていかがですか
チーム力は確実に上がっています。きょうは変則試合であまり参考にならないかもしれませんが、スピードとスタミナはかなりついてきています。日本選手権はまだ組み合わせが決まっていませんが、インカレ(日本学生選手権)や日本選手権でどこと当たっても勝負できると思っています。
――春に選手たちは選手間の連携とディフェンスを課題に挙げていました。今大会、その点はいかがでしたか
マンツーマンディフェンスができてきたのかなという気がします。マンツーマンディフェンスはそれなりのスピードとスタミナがないとできません。泳力がついて選手が自分の泳ぎに自信を持てるようになったからマンツーマンディフェンスができるようになってきた。個々の力が上がってくると同時にチーム力も上がってきたということだと思いますね。
――逆に、今大会の課題は何だと思いますか
大きな課題というのはないのですが、ここからの試合は全部8分4ピリオドです。それを泳ぎ切るためのスタミナをつけなきゃいけないと思うので、もう一度泳ぎ込みをしっかりやります。それは選手もわかっているし、そういう指示をしています。これからスイムの練習を多くやっていくことになります。
――インカレに向けて、最後に一言お願いします
少なくとも決勝にはいきます。きょねんは2位ですから、ことしはその上を狙います。

固城侑美主将(スポ4=東京・藤村女)

――きょうの試合を振り返って

チーム的にも個人的にも反省点が多い試合でした。

――試合時間が短縮されたことも影響はあったのでしょうか

それもありますね。

――初日では東日本リーグ戦で負けた秀明英光高に勝利しました

秀明に勝てたというのは大学生として当たり前のことだとは思うのですが、きのうは良かったなと思います。

――6位という結果についてはどう感じていますか

シードを取るという目標を持っていたので。勝負どころで負けてしまう、たとえ秀明に勝てたとしてもこういう大事なところで負けてしまうというのがいまのワセダだと思います。

――夏の強化ポイントは

練習試合をやってゲーム慣れをするというのが大事かなと思っています。

――インカレ(日本学生選手権)では決勝で日体大か東女体大に当たる組み合わせとなりました。そこに向けての対策などはありますか

日体や東女に負けないような体力強化であったり、自分たちがするべき水球ができるような適応力を付けていって、相手を上回れるような水球ができればと思っています。

斉藤美奈都(スポ4=茨城・聖徳大取手聖徳女)

――きょうの試合はどのような意気込みで

きょうは、日本選手権のシード権のかかっている試合だったので、急に5分のピリオドが二つということになってしまったので、コンディションとかは自分たちも良く保たなければいけない、そして絶対に勝たなきゃいけないという思いで試合に臨みました。

――では、個人としてどのような働きをしようと思って試合に出場しましたか

特別に何か決めてる、ということではなかったのですが、いつも通りみんなのアシストをしてバランスをとる、という風にしたいと思っていました。

――きょうの試合では、開始直後に点を入れられてしまいましたが

CNCびわこがそういう風に攻めてくるということを私も忘れてしまっていたので、守
れなかったというのは自分たちのミスですね。

――きょうのチームの調子の具合はいかがでしたか

私たちは学生主体のチームでやっていて、自分たちで気付いたことを自分たちで修正していかなければいけないというチームなので、それをきょう2ピリオドという短い時間の中で、自分たちが気付いた時にはもう遅かったという結果だったので、そういうのをもっと早く自分たちで気付いて、試合の中でどんどん修正していかなければいけないと思いました。

――第1ピリオド(1P)と第2ピリオドの間で時間がありますが、その間に何かチームで話し合われましたか

1Pでは上から打たれていることが多かったので、プレスでしっかりディフェンスしていかなければいけない、という話をしました。

――では、きょうの試合を振り返って、一番の課題点はなんだったと思いますか

きのうはプレスがうまくできていて、相手のペースに持っていかずに自分たちのペースをしっかり掴んだというのが良かった点なのに、きょうはその点があまりできていなかったので、私たちの持ち味のペースというのを自分たちでしっかり掴んでいかなければいけないなと思いました。

――きのうは良くできたとおっしゃっていましたが、きのうの試合で得たもの、つかめたものはありますか

自分たちがプレスして、相手の動きを止めるということがしっかりできていて、カウンターも出来ていて自分たちがやりたいプレーをできていたというのと、退水が多くあって、その中で退水中に一本一本決められたというのがすごく良かった点だと思います。自分たちのやりたいプレーを自分たちでちゃんと掴めにいけた、そういう試合でしたね。

――それを踏まえると、やはりきょうはコンディションが整わなかったことが敗因ですか

2ピリオドという短い時間もひとつの原因ですし、立ち上がりがすごく悪かったので、立ち上がりから自分たちのペースを掴めに行けるようにしなきゃいけないなと思います。

――次は、日本学生選手権(インカレ)が近づいてきますが、どのような練習をなされる予定ですか

体力からしっかりつけていって、日本代表の合宿も増えてきているので、人数が揃わない中やれることはしっかりやっていって全員が揃った時にゼロからのスタートではなく、今の時点からのスタートになれるように取り組んでいきたいと思います。

――今後の改善点は

連携は常に大事ですし、プレスの強化、プレスからのカウンター、など全員が同じ意識を持つことが大事だと思います。

――インカレの目標をお願いします

もちろん優勝です!

田中寧葉(スポ3=埼玉・秀明英光)
――きょうのCNCびわこ戦、どのような試合にしようとしていましたか
天候の問題で4ピリオドの予定の試合が5分2ピリオドになってしまったのを当日のきょう知りました。そんなに時間もないのでこっちも点を取りに行きつつ、ディフェンスもきっちりしようという話をしていました。
――敗因は何でしょうか
一番駄目だったところは、開始早々センターボールを取られた後の当たり出しが遅れて引き気味で相手が来るのを待っていたところで、一発目に相手にシュートを撃たれたところで崩れちゃったのかなと思います。
――短い時間の中で流れを取り戻さなかったということでしょうか
そうですね。
――春はチームとしての連携を課題に挙げていました。その点は今大会いかがだったのでしょうか
きのうの第1試合のディフェンスが駄目だったんですけど、試合を重ねるうちに当たりが強くなってプレスも強くなったので、ディフェンス面ではだいぶ良くなったと思うんですけど、きょうの一発目からそれが出なかったのが負けにつながったんだと思います。
――きのうの強豪・藤村戦では2点差での敗北。振り返っていかがでしたか
藤村の方々は社会人もいるので泳力はワセダのほうが分があると思うので、きのうも2ピリオドまでの試合だったんですけど、スロースタートすぎて最後まで追いつけなかったかんじです。最初のスタートが課題ですね。
――秀明英光高戦は勝利。春の最後で敗れた相手でしたが、振り返っていかがでしたか
秀明英光高は出身校なので、高校生に負けるのは絶対に嫌だと思ってやってきて、8-5で勝てたのでそこは良かったです。
――この大会を通じての課題は出だしということでしょうか
最初のオフェンスもディフェンスも重要さを痛感しました。
――今大会は手ごたえを感じましたか、もしくはまだまだだと感じましたか
両方あると思います。まだまだ課題も多い部分もあれば、この試合を通じて成長した部分もあると思うので、もう一回チームで話し合ってこれからのつなげたいと思います。
――この夏の練習で特に重点を置いていることは
ことしから笛が変わって退水が増えてしまうので、一人がどれだけ泳げるかにかかってくると思うので、水球の練習もそうなんですけど、基本となる泳力に力を入れています。
――日本学生選手権(インカレ)に向けて、一言お願いします
対戦相手も決まっているのでそれに合わせてこれから調整していって、やっとことしから女子の大会もこれまでのエキシビションから正式なインカレになるので、最初のタイトルを獲りたいです。

小西晃代(社3=埼玉・秀明英光)

――きょうの試合を振り返って

当たれるところをきちんと当たれていなかったかなという感じです。プレスでいこうと言っていたのですが、それがしきれていなかったなと思います。

――きのうの試合を終えてきょうはどのような気持ちで臨まれましたか

きのうは秀明でカウンターのスピードのある水球なのですが、びわこに関しては結構ゆっくりとした水球、新潟産大に似た水球でいつもそれにはまってしまっていたので、それに合わせないようにきちんとプレスをしっかりとしていこうとしていました。

――きのう、きょうの試合の中で最も印象的だった試合はありますか

きのうの秀明戦に関しては、自分の母校なのですが、ずっと3年間勝てなかったので、やっと勝てたということがすごく嬉しかったです。

――最近の練習方法についてはいかがですか

練習試合の機会がきょねんに比べて増えたので、それがチーム力というかゲーム力が上がるという点ではすごく良かったなと思います。

――きょうの試合を終えて今後の改善点を挙げるとしたら何ですか

さっき木下先生に言われたのですが、試合中にはこうした方が良いという修正力、自分たちで試合の流れを感じ取ってゲームの流れを変えていくということはできるようにならないといけないのかなと思います。

――きょうは試合時間も普段とは違いましたが

5分が二つだったので、最初からガンガンいこうという話はしていたのですがすごく短いですね。

――最後にインカレ(日本学生選手権)に向けて意気込みをお願いします

インカレは、新潟産大かびわことあたるのでどちらとも今回の試合にしても東日本(リーグ戦)にしても最後負けているので、次はしっかりと勝って決勝へいって、決勝の相手はどこになるかわからないですが、そこでしっかりと勝って優勝したいなと思います。