相手ペースに揺さぶられる展開 1次リーグを4位で締める

水球女子

関東学生リーグ戦 5月26日 横浜国際プール

TEAM 1P 2P 3P 4P
早大
日体大 14
▽得点者
鈴木2、奥田、井上、杉本、佐野

 水球女子のリーグ戦4日目。総当たり戦の方式を取る1次リーグの最終日となるこの日は、強豪校の1つである日体大との対戦だ。第1ピリオド(P)から重量感のある攻撃に押され、Pをまたいで6連続失点を許す。早大はシュートの前にターンオーバーでひるがえされる展開が続いたため、ミドルシュートなど思い切った攻撃を仕掛ける。しかしこれもなかなか決まらず、完全に相手ペースで前半を折り返した。意地を見せる早大は、第3Pで着実にゴールを重ねた。左右を繊細に使った連携力あふれるプレーも垣間見え、後半は4得点。最終スコアは6ー14となり、次回対戦に向けて課題も見つかる一戦となった。

懸命に声かけをするGK木口

 手坂心乃(スポ4=千葉・秀明八千代)がセンターボールを手にして試合がスタート。ところが直後の相手攻撃でのパスを食い止められず、先制を許す。そこから一人一人の戻りを遅らせるカウンターにもついていけず、気づけば4連続失点。これが攻撃での焦りにもつながり、『相手のペースに持って行かれた(木口京子、スポ2=京都女)』と振り返るように、果敢に狙ったシュートも決定力に欠けた。こうして第1Pは0-4と苦しい展開で試合は第2Pに移った。

ゴールを狙う井上

 日体大の足は止まることなく、早大がシュートに至る前にインターセプトをかけられターンオーバーされる場面が続く。ようやく4分、右サイドで阿部紗也香(スポ4=埼玉・芝浦工大柏)か相手の反則を誘い、退水(※)により数的有利を得る。そこからパスを回し合い、最後にボールを貫き通したのは佐野陽(スポ1=山口・西京)。『狙っていったので決め切ることができてよかった(佐野)』と安堵した表情で語るこのゴールが、チームにとっても貴重な初得点となった。これが勢いづく契機になるかと思われたが、相手DFに阻まれシュートコースが定まらない。1ー7と差は開いたまま勝負は後半戦に突入した。

ミドルシュートを放つ佐野

 第3Pの開始すぐに、相手の退水から2度のペナルティースローのチャンスを作るも、どちらも失敗に終わる。またその間に2失点を許した。だが5分、奥田麗主将(スポ4=東京・藤村)が右サイドの奥まで泳ぎ切ると、間髪を入れずに鈴木杏梨(スポ2=東京・白鵬)にセンタリング。相手の隙を突いて2得点目を奪った。そして残り40秒からは、杉本華音(スポ2=千葉・秀明八千代)がペナルティースローを成功。さらに直後の相手攻撃をすぐさまカウンターで返すと、右サイドの6メートルライン付近から奥田がループシュート。これが華麗にネットに吸い込まれ、このPを3-3と同スコアに並べた。

1対1の攻防を制する杉本

 なんとか粘りたい最終第4P。しかしゴール前で反則を取られ、2度のペナルティースローを許してしまう。阿部紗也香(スポ4=埼玉・芝浦工大柏)がバックシュートを試みるなど反撃の糸口を探すも、パワーとスピードを兼ね備えた日体大のカウンターアタックについていくことができず、4連続失点。それでも4分半には、セットプレーから井上舞(スポ3=京都・鴨沂)にボールが渡ると、力強く決め入れた。残り30秒には、カウンターのチャンスから鈴木が猛スピードでドリブル。ここで相手に反則があり、ペナルティースローで仕切り直しとなるもこれを確実に決めた。残り4秒からもタイムアウトを取り最後の得点を狙うが、これは至らずにゲームセット。激しい攻防の続いたプールに、試合終了のブザーが鳴り響いた。

相手を振り切ってロングドリブルをする鈴木

 この結果をもって、1次リーグを4位で締めくくった早大。本大会は、6月1日から2次リーグに突入する。順位決定戦に向け、1日の秀明大をはじめ強豪との連戦が続く予定だ。「今までとは違う、できることが増えたと思えるプレーがしたい」(木口)。どんな試合となっても、収穫と課題を明確にできるか。

(記事、写真 中村凜々子) 

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

コメント

佐野陽(スポ1=山口・西京)

ーー積極的にミドルシュートを狙われていた中で、第2Pでの早稲田初得点となるゴールを決められました。あの場面の振り返りをお願いします

 しっかり決めるぞ、という気持ちで行って狙っていって、決め切ることができたのでよかったです。流れを変えるまでには至りませんでしたが、1点目として少し悪い流れを断ち切ることができたかなと思います。

ーー厳しいディフェンスに押され、なかなかパスがつながりきらなかったり、枠に当たったりという場面も多かったと思います。率直に対日体どこが難しかったでしょうか

 やはりパワーがすごくて体格もがっちりしているというところで、ディフェンスしてからオフェンスに行くのが難しく、つかんだり入り込んだりがしづらかったです。

ーー二次リーグで再度当たった際には、どんなことに気をつけていきたいですか

 個人としては、もう少し相手が疲れる位奥まで泳ぎ込むことができたら良いなと思います。あとはもっと打てた場面やきっちり決め切れた場面があったと思うので、来週はミドルシュートを決め切りたいなと思います。

ーー初めての大学リーグですね。どんな思いで臨まれていますか

 少しワクワクしている部分があります。4年生の先輩方が、『1年生のミス全部拾うから』と言ってくれているので、私は失敗してもいいからたくさん点を取ろうだったり、積極的にという気持ちで行けています。

木口京子(スポ2=京都女)

ーー昨日の試合を踏まえて、今日はどんな方針を立てられていましたか

 昨日は私は1、2Pだけ出ていて、そこで5点差もつけられてしまって負けて、というところで個人的にすごく悔いの残る試合でした。なのでもっとできることがあったかな、などと今日は考えながら来ました。昨日よりも強い相手だったので、攻め気の強いプレーをしないと何も変わらないだろうなと思ったりして、学生リーグということもあって割り切っていったところでハマった部分があったかなと思います。

ーーディフェンス面でもオフェンス面でも大きな声で方向性を示す姿が印象的でした。チームの守備、攻撃をそれぞれどのように振り返られますか

 守備はやはり、攻撃の流れをそのまま受け継いでしまって、相手のペースに持って行かれているところがありました。早稲田の強みは、相手のペースを崩して自分達の流れにもっていけるところで、これまでの先輩方はそうされてきたと思います。ディフェンスもオフェンスも相手の流れを断ち切れるようになったら、今日の相手にも勝機は見えてくるようになると思います。

ーー来週以降に向けた意気込みをお願いします

 来週からは二次リーグが始まって、また昨日今日の相手と対戦できる機会が来ます。その試合ではもちろん勝つことは目標ですが、今までと違うプレーをして、今週よりもできることが増えたな、と思えるようにみんなで頑張っていきたいと思います。