TEAM | 1P | 2P | 3P | 4P | 計 | |||||
健志台クラブ | 2 | 2 | 6 | 4 | 14 | |||||
早大 | 2 | 2 | 2 | 6 | 12 | |||||
▽得点者 土橋玄3、田中2、樋爪2、土橋奏2、岡田2、眞板 |
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日本学生選手権(インカレ)から約2週間。早大は日本選手権出場に向けて、3日間にわたり浜松市で行われる最終予選会に挑んだ。トーナメント戦であるこの大会。負ければ現体制が終了となる。「絶対日本選手権に出てやろう」(眞板晃生、スポ4=東京・明大中野)とインカレでの慶大戦敗北という悔しさから、チーム全員が最後の追い込みをかけ初戦の健志台クラブに臨んだ。試合は前半いい流れをつくり4-4と同点で折り返す。しかし第3ピリオドで一挙6点を奪われ一気に健志台クラブが優勢に。最終ピリオドで徐々に点差を詰めたが、結果は12―14と僅差で敗北。3年ぶりの日本選手権出場は果たせなかった。
第1ピリオド。健志台クラブに連続2得点を奪われたものの、残り時間1分を切ったところで岡田遼(社1=石川・金沢工)、土橋玄(教3=埼玉・秀明英光)と続けてシュートを決め試合を振り出しに戻す。第2ピリオドはシーソーゲームとなった。土橋奏太(教1=長崎西)が点を決めると相手も直後に入れ返し、残り1分でもう1点追加しリードを奪ったが、またしても健志台クラブに決め返される。この展開でリードは許したくない早大。第2ピリオド残り17秒を集中したディフェンスで守り切り、4-4の同点で後半を迎える。
相手の得点後に悔しさをにじませる谷健太朗(スポ1=東京・明大中野)
第3ピリオド。このピリオドが大きく試合を左右することになる。「失点が続いた流れを変えることができなかった」(中嶋孝行(平13教卒=福岡工)、「相手の作戦変更に対応できなかった」(土橋奏太、教1=長崎西)と監督、選手共に大量6失点を悔んだ。相手に流れがいき、2点目を追加されたところで早大はタイムアウトを挟む。ここで悪い流れを断ち切りたいところだったが、相手の勢いは止まらない。1点、さらにもう1点と決められリードを大きく広げられる。そんな状況の中、残り3分で田中要(スポ3=埼玉・秀明英光)が厳しいディフェンスに屈せずシュートを放つ。ここを2連続で決め、6-10で勝負の最終ピリオドへ。先に点を奪ったのは早大。開始約2分で決まった土橋玄のシュートだった。3点差まで詰め寄りここから反撃といきたいところだったが、続けざまに3失点。またしても離され、なかなかゲームの主導権を握れない。それでも途中、樋爪吾朗(スポ2=埼玉栄)らのシュートで点差を縮め、残り時間ぎりぎりまでゴールを狙うなど最後まで粘りのプレーを見せた。しかしここでゲーム終了の笛が鳴り、結果は12ー14。早大は最終予選会初戦敗退となり3年ぶりの日本選手権出場は叶わなかった。
この試合3得点を決めた土橋玄のシュート
今大会で4年生2人は早大水球部を引退する。眞板主将は今シーズンを「過程の1年だった」と振り返る。関東学生リーグ戦での3位以降、早慶戦、インカレと慶大に敗北し、日本選手権出場も叶うことはなかった。部員数不足で新人戦に出場できなかった昨年の現体制発足時から一転、今年は5人の新入生が入部。「他大学と練習試合ができたりして一気にモチベーションが上がり、最後いい結果を残そう」(眞板)と今シーズンに臨み、練習にも力を入れてきた。それだけに決して満足のいく結果ではなかった。しかしその中でもラストの試合後「やり切った」と思えるほど、試合で結果を残すための取り組みに尽力してきた。くしくも現体制でそれが結果として実ることはなかったが「終わる時に笑顔で終わってほしい」(松丸大紀、教4=福岡・筑前)と後輩たちへ託された。先輩から受け継がれたその思いや姿勢を、今度は新チームが結果につなげてみせる。
(記事 飯塚茜、佐鳥萌美 写真 飯塚茜、馬塲貴子)
※掲載が遅くなり申し訳ありません。
コメント
中嶋孝行(平13教卒=福岡工)
――試合前はどのようなお話をされましたか
インカレが終わってからやれることはやったので、悔いのないようにやりましょうという感じです。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
3ピリオド目の失点が全てだったんですけど、あの流れを変える術をもう少し何とかできたかなというのは正直あります。やっぱりあそこで4点くらい取られているはずなので、そこの流れをしっかり断てなかった点が敗因かなと思います。
――前半は接戦でしたが
最後まで接戦になるかなと思っていたので、そこに関しては特に良い悪いはないです。
――今シーズンのチームの成績はどう総括されますか
去年はあまり良くなかったので1つでも上にいけるように、と思っていたんですけど僕が監督になってから成績としては一番悪かったです。日本学生選手権(インカレ)で去年よりは上に行きたかったですし、日本選手権の予選に関しても、しっかり本戦は出たいなと思っていたので、結果としては目標に至らなかったなと思っています。
――今年のチームはどのようなチームでしたか
人数の多い1年生も頑張ってくれていたと思います。良い点も悪い点も含めて、良い経験ができたかなと思うので、眞板君という大きな柱は抜けますが、そこはまた新しい1年生が入って、みんなでカバーしていかなきゃいけないなと思いますね。
――新しいシーズンに入ると思いますが、今後はどのようなチームを作っていきたいですか
やっぱり試合巧者になりたいですね。きょうの6失点の時もそうですし、最終的には勝ちというものをしっかり収められるように、1点差でも良いので試合をコントロールしたいです。メンバーの数ははいきなりこれから10人、20人増やしていくというのは厳しい話かなと思うので、今いるメンバーで何ができるのかというのを我々スタッフも含めて考えて、ゲームコントロールのできるチームにしたいなと思います。
眞板晃生主将(スポ4=東京・明大中野)
――インカレから約2週間後での試合でしたが、そのことについてはどのように思われますか
例年だとインカレから3日間オフがあって一旦休憩をしてその期間に電池が切れて、なあなあになってしまうんですが今年は敗北もあって、「絶対日本選手権に出てやろう」っていう気持ちで毎日8000メートルくらい泳いで、死ぬ気で練習してました。みんな悔しかったので、全員で追い上げました。だから結果的には2週間後でよかったのかな、と思います。
――きょうの試合を振り返っていかがですか
第1ピリオドと第2ピリオドで4ー4となかなかいい流れで来ていたのにも関わらず、勝負の3ピリオド目で気が抜けてしまいました。休憩を挟んでから少し気が抜けてしまったんですかね。1年生の足がつってしまったというのもあって交代したりしていたんですけど、そこはカバーできていたので、やっぱり打たせちゃいけない、という部分を打たせてしまったのは敗因だと思いますね。
――この大会で引退となりますが、実感はありますか。
多分、これからじわじわ来ますね。寮に帰ったら来ると思います。実感はじわじわ来るとして、先ほども言った通り最後死ぬ気でやることはやってきたので、あまり悔しいという気持ちはないですね。その悔しい思いをしないために練習してきたので。あとはもう、来年以降後輩たちに頑張ってもらうしかないですね。
――満足ですか
満足、とは言い切れないですが、やり切りました。
――今シーズンを振り返っていかがですか
4年生が抜けてから春までは、5人という人数が足りない状況で、紅白戦すら普段の練習ではできませんでした。ひたすらスイムと巻き足と、無人のゴールにシュートを打つなどの基礎練習をやってきて4月に1年生が入ってからは他大学との練習試合も含めての練習をできるようになったので、ぎりぎりのモチベーションが一気に上がって今年一生懸命練習して、「いい結果を残そう」という気持ちになりました。例年とは比べたくないんですけど、僕が在籍していたどの年よりも一生懸命に練習してきたっていう自信はあります。だからこそ結果がついてきていないことに、他にやり様もあったのかなと思っています。結果に関しては、頑張ってきた過程というものには満足しています。メンバーが少ない状況でもどんな時も諦めずに体力を限界まで追い込んできたので、『過程の1年』だと思います。短期間で努力が報われなくても、長期的には絶対報われると思うので。1年生に伝えきれたであろう不屈の精神というか、そういうものは後輩たちにしっかりと宿って、2年生でも3年生でも、最上級生になっても受け継いでいってほしいと思います。
―早大での四年間の水球生活はいかがでしたか
率直に言ってとても早かったです。高校の時は、月に1回しかオフがなく、機械的に学校と練習を繰り返していたので毎日がすごく長く感じたんですけど、大学に入ってからは、もちろん楽だったわけではないですが、自分たちで考えながら練習して、かつ高校よりは自分の自由な時間があったので、充実していました。だから時間が経つのが早かったです。振り返ってみると、入寮してきた時がつい最近に感じます。本当にあっという間だなと思います。中高とは違って次のステージがなく、水球人生とはお別れなので寂しいですね。本気でやる水球は終わりです。
――1年間主将としてどの様なチームづくりを目指していましたか
フィジカル面で言えば、どの選手と組んでも負けないチーム、一人一人が負けることのないチームを目指していました。個の強さですね。メンタル面では、不屈の精神を目指してきました。誰かが見ていなくても自分で頑張れる強さです。学生主体でやっている分、自律性を究極まで引き延ばすチームを目指していました。
――後輩たちへ最後にひとことお願いします
来年はもう勝ってください(笑)。勝っていい思いをしてください。僕が1年生の頃は、インカレで4位になり日本選手権にも出場していい思いをさせてもらっているので、僕ができなかった分来年は自分たちで頑張って、努力した果てにあるいい思いをしてもらいたいです。結果が残らないと結構辛いこともあると思うんですけど、最後、いい思いをして終わるために努力しているので、そこを最後しっかり味わってもらいたいです。
――きょうの試合をどのような気持ちで見守っていらっしゃいましたか
インカレで慶大に負けたことが、みんな悔しくてたまらなかったので、2週間みっちり練習してやることはしっかりやったので、あとは結果を出すだけだなと思いました。
――今年はどのようなチームだと感じましたか
良くも悪くも1年生が主体のチームだと思いました。上級生が各学年2人しかいないので、どうしても1年生に頼らないといけない状況が多いチームだったのでそこが1年生の成長にもつながる部分もありますし、大学の水球に慣れていないという経験不足もありますし、頼らないといけない分弱さも出たかなと思います。
――最上級生が去年より少ない2人という点についてはいかがでしたか
一番上が2人しかいないというのは、全体を支える人も2人しかいないのでどうしても全体をカバーしきれないということがあるかと思っていたのですが、実際そんなことはなく眞板主将が全体を引っ張りそれにどうしても付いて来れそうにない選手を、僕が下から支えられていたのかは分からないんですけど(笑)。でもそういう構図はできていたと思います。
――早大で四年間水球をやってきていかがですか
僕の四年間は波乱万丈でした。1年生の時はなかなか出場機会に恵まれなくて2年になって試合に出始めたという時にけがをして、そこから選手としてではなく選手を見守るという立場での関わり方になって。最初は分からないことだらけだし悔しいしすごく戸惑いとかもあったんですけど、チームの人たちが自分を一員として認めてくれて支えてくれたことに対して感謝しています。やっぱりけがをしたところで寮を離れなくて良かったなと思います。波乱万丈ではあったんですけれども、最終的にはいい四年間だったなと思います。
――最後に後輩たちへメッセージをお願いします
終わる時に涙で終わるのではなく笑顔で終わってほしいと思います。そうなるためにはそれなりの努力も必要だと思いますし、うまくいかないこともあると思うんですけど、最終的にどう終わるかを大切にしてほしいと思います。
土橋奏太(教1=長崎西)
――きょうの試合の流れを振り返っていかがですか
きょう勝ったらあすから何試合できるので、そこはちゃんと意気込みを持って臨みました。対策をしっかり取って1、2ピリオドではちゃんと出せたんですけど、3ピリオド目から相手が作戦を変えてきて、それに対応しきれませんでした。諦めずに自分たちがやってきたことをやった結果、点差は縮められたんですけど、負けてしまって悔しいです。
――3ピリオドでの失点の最大の原因はなんだと思われますか
僕たちの進行ミスだったり、カウンターというところですね。1、2ピリオドで相手チームが僕たちの試合を研究してきて、戦い方を変えてきたのに僕たちが対応できませんでした。具体的には、前半は相手が攻めきていたんですが、後半から少人数で攻める様にしてきていました。
――では、2ピリオドまでの試合進行はいかがでしたか
ミーティングで確認してきたことをしっかり出せてはいました。それを3ピリオド以降でも続けられたらよかったです。
――今年のチームを振り返っていかがですか
僕は今年入学してきたんですけど、自分が思っていたよりも練習が多くて、キャプテンの眞板さんがとても厳しい方で、例年に比べても厳しい練習をやってきました。だからこそ選手が自信を持って各試合に臨んでいたと思いますし、試合中もそれ以外の時間もとても楽しかったです。
――どの様な時が楽しかったですか
練習はきついんですけど、終わった後にみんなで談笑したり、寮でゲームしたりしていた時間ですね。