長い冬を越えていよいよ初の公式戦、東日本リーグ戦が開幕した。最上位のA1グループに所属する早大は、総当り方式で日大、全筑波大、ブルボン柏崎と決勝進出を争う。初戦の相手は日大。新チームの初陣を勝利で飾りたいところだったが、第3ピリオドに逆転されると流れを引き戻すことは出来ず。13-17と勝ちきることはできなかった。
ロングシュートを狙う武田
試合を優位に展開するために欲しい先制点、奪ったのは早大だった。第1ピリオド開始早々チャンスを作ると、今季主将を務める戸張真寿(スポ3=埼玉・秀明英光)がゴール左隅に豪快なバックシュート。これでリズムに乗ると、外から武田望(スポ3=県立富山北部)がロングシュートを決め、着実に加点していく。第2ピリオド終盤では味方の退水(※)から攻め込まれることもあったが、GK高島丈司(社1=東京・明大中野)が好セーブを見せリードを保ったまま前半を折り返した。
だが、後半に入って歯車が徐々に狂い始める。カウンターから得点を許すと立て続けに4失点。猛攻を止められず、試合を振り出しに戻されてしまう。早大も決定機は作るものの、得点を挙げることはできずに第3ピリオドを終えた。同点で迎えた最終ピリオド、2点を取られ10-12とされる苦しい状況のなか相手の退水からチャンスを得ると、早大はタイムアウトを要求する。この場面で深川幹徳(スポ1=福岡工)がゴール左からのシュートを見事に決めこのまま勢いづくかと思われたが、直後に連続失点を喫し勝負あり。最後まで狂った歯車を戻すことは出来なかった。
シュートを放つ深川
力を出し切れず悔しい結果となった初戦。「だんだん全体的に焦り始めた」(高島)と後半にミスが多く出たことが失速の要因となってしまった。また、「自分的には退水じゃないと思っても退水してしまった」(深川)との言葉通り、今季からのルール改正にどれだけ対応できるかも今シーズンの戦いのなかで重要となっていくだろう。決勝進出のためには勝利が必須条件となる。まずはあしたの試合で、リーグ戦一つめの白星を目指す。
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事 角田望、写真 田島光一郎)
結果
●早大 13-17 日大
コメント
中嶋孝行監督(平13年教卒=福岡工)
――今季初戦、終えてみて感想はいかがですか
選手には言うつもりはないのですが、一つ大きく流れが変わったと思うポイントがあって。3ピリオド目くらいに見切りカウンターで相手の左利きの選手に決められたところ。ああいうのが一つあると、がたがたっと崩れてしまいますね。そこで思ったのは、ディフェンスの意識が足りないのかなと。もちろん点取りゲームなので点を取らないといけないのですが、いかに失点を抑えるかなので。そこらへんを自分らで気づいているのかは分かりませんが。
――チームの仕上がりはどれほどでしょうか
まだまだゼロくらいですね。
――退水の数に関しては、今季からのルール改正も影響しているのでしょうか
それもあるのかもしれませんが・・・。でも、きょうの試合、うちのチームに関しては退水の数としてはあまり変わってないんじゃないですかね。今までとそう変わらないとは思います。
――試合の中で、ルールが変わった影響は感じますか
いや、あまりまだ実感はないですね。
――あす以降の試合に向けては
見ていて各々が自分のやりたいことだけをやっているようなところがあるので、そこはチーム競技なのでこれから変わってくるか、きょねんみたいな終わり方になるのか。それは彼ら次第なので。落ち込んでいるような雰囲気になっているんだろうけど、とは言えそんなことは言っていられないので。そこを自分らで意見を出し合って切磋琢磨するのか、今後が楽しみだと思いますけどね。
――これからの修正点としては
彼らの練習量としては、個人的にはできていないと思っているので、まずはそこです。それとやっぱり、選手交代できないというのはずっとワセダのカラーなのですが、きょうはまだ退水が頻発するような試合ではなかったけど、もっと笛が早い試合になったときにチームとして戦えるのかというところ。なんとか底上げしていきたいと思います。
深川幹徳(スポ1=福岡工)
――きょうの試合を振り返って
練習でやってきたことができなかったです。後半なぜかグダグダになってしまって。得点は13点で良い得点のとり方が出来たのでそこは良かったんですけど、失点が多すぎました。
――新チーム初の公式戦でしたが、どうでしたか
やっぱりGKの加藤廉也(スポ4=埼玉栄)さんが日本代表でもあって大きな存在だったので、そこに頼っていた部分が今回出たのかなと思います。課題がたくさん出たので、これから頑張りたいです。
――ルール改正について実際にプレーしてどうでしたか
<そんなに特に変わったことはないと思いますけど、笛が早くなったとは感じて。自分的には退水じゃないと思っても退水してしまったので、そこは直していきたいです。
――あしたへの修正点は
ミスが多かったので、まずはそこを減らしたいです。ミスを減らして、そして失点を減らすことが第一です。
――あしたに向けて一言お願いします
あしたの相手は日本代表の大きい選手がいて、その選手主体でやってくると思うんですけど、臆することなく一人ひとりが意識してみんなで守ってやっていきたいです。
高島丈司(社1=東京・明大中野)
――シーズン初戦でした。どのような意気込みで臨みましたか
初戦は日大でいつも負けていないので、大差をつけて勝とうという気持ちでいったのですが、結果がこれだったので申し訳ないです。
――前半は早大ペースだったと思いますが、いかがですか
前半は決めるところで決めていたイメージがあったのですが、後半は決めるべきところで外したりして、逆に相手のカウンターでやられてしまったことが良くなかったかなと思います。
――守りの方はいかがでしたか
今日の試合は2年生の瀧川峻也(スポ2=京都・鳥羽)さん出ていなかったので、結構普段よりもうまくいかなかったです。あんまり良くなかったですね。
――具体的にはどのようなところがうまくいかなかったですか
攻めの退水で焦りが出て、パスも通るはずのないところにしてしまい、それでパスミスでカウンターとかですね。だんだん全体的に焦り始めたというか。あと、退水がルールが変わってすごくかさんだので、主力の人とかを一旦あげたりだとかしなくてはいけなくて、そこを突かれてしまいました。日大の方が層が厚いので。
――あすの試合に向けての修正点はありますか
カウンターの時のカバーだとか、退水で詰められるところは詰めるとか、ディフェンスが下がるところは下がるとか、そこらへんをもう一度確認して臨みたいと思います。