第100回日本選手権最終予選会 9月21日 静岡県立水泳場
日本選手権出場をかけて開催される日本選手権最終予選会。上位5チームが日本選手権への切符を掴む今大会。早大の初戦の相手は、三重県の社会人チームOceanBearsだ。初対戦とお互い情報がないまま臨んだ初戦、序盤は拮抗(きっこう)した展開が続いた。しかし、第2ピリオド(P)には、攻撃陣が躍動し、得点を量産。9ー1で前半を折り返す。第3Pも流れを渡さず11―1と10点差をつけ、コールドで勝利を収めた。
ゴールを守るGK加納(凪)とディフェンス陣
中村大智主将(スポ4=埼玉・秀明英光)のセンターボールで試合が幕開ける。開始直後にゴール前へと運ばれたボールをめぐり、両者せめぎ合う中、早大は、退水(※)を誘うことに成功。数的有利な状況を活かし、外周のパス回しから永野冬惺(スポ3=東京・明大中野)が鋭いシュートを差し込んで先制する。しかし、相手もすぐさま得点し、巻き返しを図ると、試合は均衡状態に。カウンター合戦が続く中、第1P中盤、中央後方からの中村の縦パスを左サイドの斎藤昴泰(スポ1=神奈川工)がループシュートで得点。GK加納凪人(スポ3=三重・四日市中央工)の好セーブも光り、相手に得点を許さない。その後、中村が一度ゴールキーパーに止められたこぼれ玉を自らシュートに押し込み、3ー1で第1Pを終えた。
シュートを放つ加納(恒)
続く第2Pは、中村の水面を滑らす華麗なシュートでスタート。良い立ち上がりから、加納(恒)、斎藤が次々に得点を重ね、早大の猛攻は止まらない。開始2分半相手からファウルを誘い出すと中村がペナルティースローのチャンスを着実に得点へ。5分斎藤からのパスを加納(恒)が右サイドから決め切り、さらに6分斎藤がゴール右端を狙うシュートで得点し、多彩な攻撃が繰り広げられた。圧のあるディフェンスで第2Pを無失点に抑え、9−1で前半を折り返す。第3Pも早大の勢いは止まらず開始30秒曵地孝太郎(スポ4=埼玉・秀明英光)から渡ったボールを中村がゴールへと差し込む。流れはそのまま、最後は、中村が右サイドからミドルシュートを決め、10点差をつけてコールドで勝利した。
ペナルティースローを放つ中村
日本選手権出場へ一歩近づいた今試合の勝利。初対戦の相手にも「自分たちのプレーを貫き」(加納(恒))伸び伸びとプレーしている選手たちが印象的だった。次に対戦するのは、関東学生リーグ戦、そして日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)で敗北している専修大だ。今シーズン前半戦の「雪辱を晴らす」「全力プレー」(加納(凪))に注目したい。
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事 指出華歩 写真 指出華歩・中村凜々子)
コメント
加納凪人(スポ3=三重・四日市中央工)
ーー今日の試合に向けて、チームではどのようなお話を共有されていましたか
日本選手権の予選というところで、普段はやらない相手との対戦になりました。僕は三重県の出身なので、昔から知っている憧れの方が多かったのですが、チームとしては初めての相手だったので、自分達のペースに持っていきつつ試合の中で相手の出方を見て修正するような入り方をしました。
ーー今日の試合展開の振り返りをお願いします
立ち上がりでは相手のメンバーを見る限り拮抗(きっこう)するのではないかと思っていて、実際に五分五分でしたが、たまたま相手のシュートが外れたりしたことでこちらに流れが来たのかなと思います。
ーー好セーブが多く見られました。個人のプレーを振り返るといかがですか
しっかり準備をして挑めたことが、結果につながってよかったです。
ーー3Pコールドという結果に至ったポイントはどこだと考えられますか
負けたら4年生が最後というところで、4年生のためにチームを勝たせたいという気持ちを皆が強く持っていたことが、プレーにもつながったと思います。
ーー最後に明日への意気込みをお願いします
相手の専修大学に対して、インカレでは4点差で負けてしまったので、そこの雪辱を晴らすために全力プレーで頑張ります。
加納恒心(スポ2=東京・明大中野)
――今日の試合を振り返っていかがですか
今日対戦したOceanBearsというチームは、初めて戦う相手だったので、何も情報のないまま試合に入ったのですが、それでも自分たちのプレーを貫いていこうとミーティングでは話して、相手に1失点だけでコールドゲームにできたことはすごく良かったと思います。
――個人のプレーを振り返っていかがですか
自分の強みである泳ぎを生かしたカウンターを多く出せたのでそこは良かったかなと思います。ですが、1失点してしまった場面は、自分が関わっていたのでそこは申し訳ないという気持ちがあります。
――試合前チームでどのようなことを共有していましたか
相手のことを何も知らないので、自分たちが今までやってきたことをどれだけ正確にできるかということを詰めてやってきました。
――勝利のポイントは
最初、自分たちの得意とするカウンターができていたのですが、そこでゴールを決め切ることができず、1ピリオド目は、均衡した試合になってしまったのですが、2ピリオド目からそこをしっかり決め切ろうと話し合って、そのまま2ピリオド目に大量得点に繋げられたので良かったと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
明日は、インカレで負けてしまった専修戦なのでインカレのリベンジも含めて、絶対に勝ちたいと思います。