第100回日本選手権 1.2日目 3月20〜21日 東京アクアティクスセンター
競泳日本一を決める日本選手権が開幕。世界選手権、FISUワールドユニバーシティゲームズ、世界ジュニア選手権の代表選手選考会を兼ねた今大会。オリンピアンが多く名を連ねるなか、早大からは2日間で計10名が決勝、B決勝に進み、2名がメダルを獲得する活躍を見せた。
★村上が自己ベスト更新
100メートル背泳ぎの予選を16位で終え、B決勝に滑り込んだ村上汰晟(スポ3=兵庫・明石南)。B決勝では序盤から大きな泳ぎで戦闘争いに加わる。ターン後もその勢いを落とさず、昨年11月のジャパンオープンで準優勝した柳川大樹(イトマン港北/明大)らを抑え、3位でフィニッシュ。予選からタイムを0.32秒上げ、自己ベストを更新した。
★松本が世界選手権代表内定!
松本信歩(スポ4=東学大付)は、世界選手権出場をかけ、200メートル個人メドレーに臨む。成田実生(ルネサンスSC金町)に次ぐ2位で予選を突破し決勝へ。決勝で標準記録を突破し、かつ2位以内に入れば世界選手権出場が決まる。得意のバタフライで抜け出し、背泳ぎでも首位をキープする。しかし平泳ぎに入ると、後半を得意とする成田が徐々に松本に迫り並んだ。松本は成田にわずかに遅れてターンし、自由形での巻き返しを図るがその差を縮められず。惜しくも銀メダルとなった。日本選手権初優勝は叶わなかったが、標準記録を突破し見事世界選手権の代表内定を果たした。
★青木が銅メダル獲得
最長距離種目、1500メートル自由形タイム決勝に登場した青木虹光(スポ1=群馬・明和県央)。序盤から先頭にくらいつき、世界選手権の標準記録を上回るペースで3位につける。前半は先頭と差を保ち泳ぎ続けるが、700メートルごろから徐々にその差が開いた。4位の選手も迫るなか、青木に特徴的な長距離でも速いテンポを落とすことなく、逃げ切り見事銅メダルを獲得した。

1500メートル自由形タイム決勝を泳ぐ青木
★新開は悔しい決勝
本多灯(イトマン東進)や寺門弦輝(セントラルスポーツ/日大)ら五輪出場経験のある実力者がそろう200メートルバタフライ決勝に新開誠也(スポ2=鹿児島情報)が登場。大きく安定した泳ぎだったが、予選からタイムを上げられず。「決勝の雰囲気にのまれてしまった」と、目標としていたワールドユニバーシティゲームズ代表に届かず、悔しさをにじませた。明日の100メートルで巻き返しを図りたい。

決勝を泳ぐ新開
★加藤は銅メダルも、目標の世界選手権代表獲得ならず
標準記録を突破した各種目2名までが、世界選手権の代表権を獲得できる。加藤は100メートル平泳ぎでの世界選手権代表入りを目標にこの種目に臨む。予選を鈴木聡美(ミキハウス)、青木玲緒樹(ミズノ)に次ぐ3位で通過した加藤。決勝は前半から2人にやや遅れをとるがなんとか食らいつく。後半に追い上げたものの、「体が動かなかった」と振り返り、タイムも1分07秒08と代表入りにあと0.21秒届かなかった。悔しい銅メダルとなったが、明日の200メートル平泳ぎで代表入りを目指す。

代表権を惜しくも逃した加藤
決勝進出者、さらにワールドユニバーシティゲームズへの切符を手にする選手は現れるか。あと2日間、早大勢の活躍に期待したい。

銅メダルを獲得した青木(写真右)

銅メダルを獲得し表彰される加藤(写真右)
(記事・写真 神田夏希)
結果
1日目
◇予選
男子400メートル自由形
飯田光達 3分56秒00【24位タイ】日本学生選手権突破
女子400メートル自由形
松﨑りん 4分14秒09【8位】決勝進出、JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
青木虹光 4分14秒77【11位】B決勝進出、JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
男子100メートル平泳ぎ
松田藍青 1分01秒79【24位】JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分13秒34【2位】決勝進出、JAPANOPEN突破
男子50メートルバタフライ
山口遼大 23秒95【13位タイ】B決勝進出、JAPANOPEN突破
男子100メートル背泳ぎ
村上汰晟 55秒40【16位】B決勝進出、JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
女子100メートル背泳ぎ
亀井涼子 1分02秒39【16位】B決勝進出、JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
水野柚希 1分02秒69【17位】JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
◇B決勝
女子400メートル自由形
青木虹光 4分14秒07【4位】
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分10秒61【2位】
男子50メートルバタフライ
山口遼大 23秒94【4位】
女子100メートル背泳ぎ
亀井涼子 1分02秒56【8位】
水野柚希 1分02秒46【7位】
男子100メートル背泳ぎ
村上汰晟 55秒08【2位】自己ベスト
◇決勝
女子400メートル自由形
松﨑りん 4分12秒26【8位】
2日目
◇予選
男子200メートル自由形
増田莉蔵 1分51秒31【24位】日本学生選手権突破
女子100メートル平泳ぎ
加藤心冨 1分08秒16【3位】決勝進出、JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
女子200メートル自由形
船越彩椰 2分03秒12【17位】JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
男子200メートルバタフライ
新開誠也 1分57秒35【8位】決勝進出、JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
女子50メートル背泳ぎ
亀井涼子 29秒01【6位】決勝進出、JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破
柴田菜摘 29秒46【16位】B決勝進出
水野柚希 29秒90【29位】
◇B決勝
女子200メートル自由形
船越彩椰 2分02秒53【7位】
女子50メートル背泳ぎ
柴田菜摘 29秒40【6位】
◇決勝
女子1500メートル自由形
青木虹光 16分33秒01【3位】
女子100メートル平泳ぎ
加藤心冨 1分07秒08【3位】JAPANOPEN突破、日本学生選手権突破、大学生エリート突破
男子200メートルバタフライ
新開誠也 1分57秒42【5位】
女子50メートル背泳ぎ
亀井涼子 28秒89【5位】
コメント
柴田菜摘(スポ2=東京・早実)
--レースを振り返って
タイムと順位をちょっと上げられたので良かったです。
--どんな目標をもって臨みましたか
自己ベスト更新を常に目標としていて、大学に入って特に大きな大会で自己ベストを出せてこれなかったので、出すのを目指してやってきました。
ーー残りのレースへの意気込み
明日100メートル自由形があるんですけど、50メートルの方はぼちぼちであまりよくなかったので、明日こそは自己ベスト更新を目指して頑張ります。
新開誠也(スポ2=鹿児島情報)
--レースを振り返って
日本選手権の決勝は初めてだったので、雰囲気に飲まれたというか。ユニバーシティゲームズに行きたかったので、言葉が出てこないんですけど残念です。
ーー残りのレースへの意気込み
あと100メートルがあるんですけど、200メートルにかけていた部分もあったので、どんな感じで泳げばいいか今はわからないんですけど、出るからには頑張れたらいいと思います。
加藤心冨(スポ1=埼玉・春日部共栄)
ーーレースを振り返って
前半は自分の泳ぎでいけば、後半追いつけるかと思ったんですけど、前半でちょっとスピードに乗っていないなと感じて。それまでは泳ぎは良かったんですけど、やっぱりターンしてからが上手くいきませんでした。前回青木さんに勝てたときはアドレナリンで勝ったようなものだったので、今回は実力で追いつけなかったかなと思います。
ーーラストは追い詰めていましたが
青木さんは見えなかったけれど、鈴木さんは見えていたので諦めなければ勝てるかなと思ったんですけど、体が動かなかったのを無理やり動かした感じだったので、タイムも1分07秒台であんまりでした。
ー➖次の200メートルに向けて
200メートルの方が可能性はあるので、鈴木さんに「出場されるんですか」と聞いたら「私のことは気にせず頑張って」と言われて。(鈴木さんは)速いかもしれないけれど、200の方が泳ぎ的にも最近は良いかなと思うので、良いタイムを狙って派遣標準記録を切って優勝できたらと思います。