松本が早大勢唯一のメダルを獲得！　ジャパンオープン３・４日目

　国内最高峰の大会であるジャパンオープンの後半戦、早大勢のレースの様子をお届けする。３日目と４日目を合わせてのべ６人が決勝に進出し、最終４日目には松本信歩（スポ３＝東京・東学大付）が今大会早大勢初の表彰台に立った。

★３日目　今大会早大勢最多の５種目で決勝の舞台に

松﨑は予選よりもタイムを上げて決勝を泳いだ

　早大勢の決勝最初の種目は、前日の予選で５位となり決勝進出を決めた松﨑りん（人１＝東京・日大二）が出場する女子800メートル自由形だ。後半に強みがある松﨑は、前半は後方でレースを進める。中盤に入って次第にそれぞれの選手の差が開き始めると、松﨑は前の選手たちにじりじりと食いついていった。300メートルで１人、350メートルでさらに１人抜いて、６位に。一時は横並びになった３位争いに食い込もうかという位置につけていたがあと一つ届かず、終盤では前を泳ぐ選手たちに引き離されてしまった。予選よりも１秒以上タイムを上げたが、６位でのフィニッシュとなった。

　松本は女子100メートル自由形と女子200メートル個人メドレーに出場し、２種目とも決勝進出した。先に行われた100メートル自由形の予選では６組の３レーンに入り、スタートの浮き上がりから頭一つ抜け出していく。後半は苦しい泳ぎとなるものの順位を落とすことはなく自己ベストでゴール。全体で見ても３位となり、決勝進出を決めた。本職である200メートル個人メドレーでは世界を見据えて、予選からいいタイムで泳ぐことを意識している松本。浮き上がってすぐに先頭を確保すると、他の選手に差を詰められることはありながらも、トップは一度も譲ることなくレースを終え、予選の中では一番いいタイムで決勝に進んだ。夏に参加したユニバーシアード以降「泳ぎ方が分かってきた」と自信をつけてきている100メートル自由形の決勝。スタートから前に出た松本は予選より０秒３速いタイムで３位につけ、50メートルを折り返していく。熾烈な２位３位争いの中に加わっていったが、わずかに及ばず５位に入った。しかし予選の自己ベストからタイムはさらに上げており、自信を裏付けるレースを見せた。そのおよそ50分後に開始された200メートル個人メドレーの決勝では、「100メートルの自由形を全力で泳いだ後に、個人メドレーで何秒で泳げるか」と臨んでいた。スタートからバタフライを泳ぐ最初の50メートルまでは、ほぼ横一線に入り松本も３位に。背泳ぎで前を行く選手から少し離され５位になるが、平泳ぎで少し巻き返して４位でラストの自由形へ。100メートル自由形の疲れも残る中で、予選よりはわずかだがタイムを伸ばして５位でゴール。目標としているタイムには届かなかったが、着実に強化はできているとうなずいた。

　女子50メートル背泳ぎでは亀井涼子（スポ２＝東京・淑徳巣鴨）が、今大会自身初の決勝の舞台に臨んだ。予選では５組の３レーンに入ってのスタート。浮き上がりでわずかに差を取るが、25メートル付近では３位争いに加わっていく。そこから大きく順位の変動はなくゴールし、組３位全体５位で予選を突破した。決勝では笑顔で入場してきた亀井。水面に浮上してから25メートル付近までは、ほとんど横並びでレースが進んでいく。残り15メートルをきったあたりから、じりじりと各選手の立ち位置が浮き彫りになっていき、亀井は全体の中で後方に位置していた。予選よりはタイムを上げたが、力及ばず７位で今大会の競技を終えた。新開誠也は得意の200メートルバタフライで決勝に進んだ。予選は４組の２レーンに登場。スタートからしっかり前方につけ、100メートルを２番手で折り返していく。しかし残り50メートルをきってから、後ろからの激しい追い上げで最後のタッチは組４番手。全体では８位に入り、２年連続の決勝進出を決めた。浮き上がりまでで頭一つほど差をつけられてのスタートとなる。７位で50メートルを折り返すと、そこから徐々に上げていき、100メートルを６位で通過した。後半になると一かきごとの推進力が少し落ちはじめ、150メートルの折り返しでは再び７位に。少しでも追い上げたいところだったが、前を行く選手たちとはかなり差が開いており、順位を上げることはできなかった。

★４日目　今大会初の表彰台は松本

スタートを切る松本

　松本が50メートル自由形で、今大会早大勢唯一のメダルを獲得した。予選３組に出場した松本は、15メートルの規定ラインぎりぎりまで潜水を続け浮き上がりでは先頭に。その後も後続の選手との差を広げていき25秒87で１番にタッチした。全体では３位につけて決勝進出を決めた。日本学生選手権で２位にも入ったこの種目。決勝ではスタートでわずかに前に出て、25メートル付近までトップで泳いでいく。その後４レーンの山本茉由佳（ルネサンス）にかわされるが、ずるずると落ちることはなくそのまま２着。これが今大会早大勢唯一のメダルとなった。

　飯田光達（スポ１＝東京・八王子）は男子200メートル背泳ぎでＢ決勝に進み、タイムを大幅に伸ばして１位を獲得した。予選４組に登場し、スタートでは前に出ることができず50メートルを５番で通過していった。中盤での泳ぎに苦しんでいるという飯田は、100メートルのターンではそこから順位をさらに落として７番となっている。150メートル通過は５番手となり、そのままの順位を保って200メートルを泳ぎ切った。飯田は２分01秒43で16位。B決勝にぎりぎり滑り込んだ。B決勝では最下位での通過ということで８レーンに入った。スタートでは出遅れるが、予選よりもストロークに強さがあった。50メートルを４位で折り返すと課題の中盤へ。予選では順位を落とした場面でも位置を保ったまま、後半の泳ぎに。125メートルあたりからレースを引っ張っていた前の選手をぐいぐいと追い上げていった。残り25メートル付近ではまだ先頭と体半分ほどは差がついていたが、目に見えて差が詰まっていく。タッチの差で飯田がかわし、電光掲示板の一番下の段に「１」着の数字が点灯した。飯田は最下位での予選通過だったが、８レーンから先頭にのし上がったレースとなった。

※掲載が遅くなり申し訳ありません

（取材・編集　新井沙奈、末松花菜）