田中が2日続けて決勝へ ジャパンオープン1・2日目

競泳

 日本のトップスイマーたちに加え、海外選手も集まる、ジャパンオープン2023(50m)が開幕した。前半の2日間を終え、早大勢はのべ4人の入賞が決まった。大舞台でトップ選手たちと戦う、早大スイマーの様子をお伝えする。

★ 1日目 田中と松本が決勝進出

実力不足を実感したという田中

 田中大寛(スポ4=大分・別府翔青)は、インカレ(日本学生選手権)で2連覇を果たした100メートル自由形に出場。田中が予選5組の5レーンに入ると、隣の6レーンには同じくインカレで3位の原空輝(スポ2=東福岡)の姿があった。田中がスタートから浮き上がりまででやや前に出ると、前半から積極的にいくタイプの原がそれを追いかける。5人ほどの選手がほぼ横並びで折り返し、後半になると田中が少しずつ前ににじり寄っていく。残り15メートルラインを過ぎたあたりでトップに出るとそのまま組1位でゴール。田中は全体7位で決勝進出を決め、原は組4位、全体16位に滑り込んでB決勝に進んだ。田中の決勝は「実力不足を痛感」するものとなった。状態があまり上がっていないことから、後半に上げるかたちではなく前半から積極的にいくことを意識して臨んだ。自己ベストを出したインカレでのタイムには及ばないが、全体4番目の23秒71で前半を折り返すが、残り25メートルを過ぎたあたりから徐々にスピードが落ちてくる。最後は他の選手にかわされ、タイムは49秒74、8位でのゴールとなった。原も予選からタイムを落とし、8位でB決勝を終えた。

 女子50メートルバタフライに出場した松本信歩(スポ3=東学大付)は、予選で最終6組目に登場。腕の回転数が多くテンポの速い泳ぎで、息継ぎの回数も最小限に抑えて進んでいく。組3位、全体では9位と0秒01差の8位に入り、今大会で早大勢最初の決勝進出者となった。決勝でも予選と同じようにテンポの良い泳ぎで、前半まではこの種目を専門とするような選手たちと肩を並べていた。しかし後半に入って苦しくなってくると、徐々に腕の回転のテンポが落ち、離されていってしまう。7位の選手とは1ストロークほどの差ができ、8位。タイムも予選から伸ばすことができなかった。

★ 2日目 田中と亀井が予選通過 松﨑は5位で翌日の決勝に

 田中は2日目も200メートル自由形で決勝に進んだ。田中が世界選手権代表にも選ばれた本命種目だ。前日の100メートルでの調子を鑑みて、200メートルは前半から飛ばすのではなく200メートル全体で安定した泳ぎにシフトした。予選では最初の50メートルは他の選手よりやや前に出たものの、100メートルの折り返しの段階では組7位につけた。後半に入ると次第に横一線だった選手たちが前後にばらけ、スパートをかける選手も出てくる。田中は組3位争いに加わり、前を泳ぐ選手を追った。最後の50メートルで3位争いの中で頭一つ抜け出し、組3位、全体7位で予選を通った。決勝では最初の50メートルを6番手で折り返し、100メートルでは8位に下がる。150メートルのターンでは粘りを見せて1つ順位を上げるが万全の調子ではない状態の中、最後の50メートルで順位を変えられるほどギアを上げるのは難しく、そのまま7位でのフィニッシュとなった。

亀井は思うような泳ぎは見せられなかった

  100メートル背泳ぎには、早大女子の背泳ぎを引っ張る亀井涼子(スポ2=東京・淑徳巣鴨)が出場。予選の最終5組でのエントリーだ。亀井は浮き上がりまででは全体のやや後方につけていたが、そこから少しずつストロークで追い上げ、50メートルのターンでは3位まで上がってきた。その後順位に大きな変動はなく組3位でゴールしたが、後半に少々失速が目立ち全体順位は11位でB決勝にまわった。B決勝では予選とは異なり、前半から先頭に近いところでレースを展開していく。2番手で折り返すが、タイムとしては予選よりも遅い通過だ。後半も先頭の選手についていくかたちとなったが、残り15メートルあたりから、徐々にストロークがこれまでの伸びを欠くようになる。ゴール直前でかわされた亀井は3位でレースを終えた。今大会に向けて調整は順調だったが、本番のレースでは自分の力を出すことができず、目標としていたインターナショナルの標準記録突破もならずで終わり、苦い笑いを浮かべた。

 女子800メートル自由形では松﨑りん(人1=東京・日大二)が予選5位で決勝に進んだ。松﨑は予選2組目に登場。他の選手が前半から飛ばすのを、後半の疲れてきたところでかわしていくのが松﨑のスタイルだ。前半は組の3番手から4番手のあたりにつけ、だんだんと選手がばらけてくると、2番手争いに参加する展開に。松﨑は折り返しから浮き上がりで前の選手に差をつけられるが、ストロークで追い上げて次の折り返しへとを繰り返しながら、じわりじわりと追い上げていった。残り100メートルを過ぎたあたりで3位に上がると、前の選手のスパートに食らいついていき、そのままゴール。全体では5位につけ、決勝進出を決めた。決勝は翌12月2日に行われる。

※掲載が遅くなり申し訳ありません

(記事 新井沙奈、写真 大村谷芳、荒井理沙)

1日目結果

◇決勝

女子50メートルバタフライ

松本信歩 27秒46 【8位】

男子100メートル自由形

田中大寛 49秒74 【8位】

◇B決勝

男子50メートルバタフライ

山口遼大 24秒29 【6位】

男子100メートル自由形

原空輝 50秒51 【8位】

女子100メートル平泳ぎ

松本信歩 1分09秒52 【7位】

◇予選

女子400メートル自由形

小原天寧 4分21秒95 【21位】

女子50メートルバタフライ

松本信歩 27秒07 【8位】

男子50メートルバタフライ

山口遼大 24秒23 【16位】
山本拓武 24秒78 【35位】

男子100メートル自由形

田中大寛 49秒65 【7位】
原空輝 50秒04 【16位】
新開誠也  50秒98 【46位】

女子100メートル平泳ぎ

松本信歩 1分09秒18 【13位】

男子100メートル平泳ぎ

松田藍青 1分02秒28 【33位】

男子1500メートル自由形

金星洋将 15分44秒75 【19位】

2日目結果

◇決勝

男子200メートル自由形

田中大寛 1分48秒79 【7位】

◇B決勝

女子100メートル背泳ぎ

亀井涼子 1分02秒33 【3位】

◇予選

男子50メートル平泳ぎ

松田藍青 28秒65 【41位】

女子200メートル自由形

船越彩椰 2分03秒79 【21位】
小原天寧 2分06秒12 【23位】

男子200メートル自由形

田中大寛 1分49秒18 【7位】
長牛太佑 1分51秒04 【31位】
原空輝 1分51秒10 【33位】
林大輝 1分51秒75 【43位】
山本拓武 1分52秒48【53位】
新開誠也 1分56秒00【68位】

女子100メートル背泳ぎ

亀井涼子 1分02秒48 【11位】
松本信歩 1分03秒61 【27位】

男子100メートル背泳ぎ

村上汰晟 56秒35 【20位】

女子400メートル自由形

松﨑りん 8分44秒74 【5位】
小原天寧 8分51秒65 【11位】

コメント

田中大寛(スポ4=大分・別府翔青)

――予選と決勝の泳ぎをそれぞれ振り返ってください

 新シーズンが明けてからいい調子で強化は積めているのですが、試合前からあまり手応えがない状態が続いていた状態でのレースでした。予選は(1分)49秒6だったので、決勝は49秒前半くらいはほしいなと思っていたのですが、まだまだ実力不足かなと思います。

――そうした状態の中で、どのような部分を意識して決勝に臨みましたか

 今の実力的に後半が上がるとかもつというような状態ではなかったので、しっかり前半からいくということだけは頭において臨みました。

――海外選手と泳ぐ貴重な機会だったと思いますが、収穫はありましたか

 もっと自分が実力をつけて、ベストを出せれば十分戦えるタイムだったと思うので、実力不足を痛感しました。

――200メートル自由形がありますが、どのように臨もうと考えていますか

 100メートルの結果がかなり悪いので、100メートルでは前半をいくというところに頭をおいていましたが、200メートルは落ち着いてトータルでいい泳ぎをしていきたいと思います。

――今大会はどのような位置づけでしたか

 ベストをと思っていたわけではないですが、どこまでベストタイムに近づけるかと考えていました。自分が思っていたよりはまだタイムが遅いので、残念ではありますが切り替えて、出た課題を4月に向けて克服できればと思います。

亀井涼子(スポ2=東京・淑徳巣鴨)

――今日の泳ぎの振り返りをお願いします

 練習の調子が良かったので、あまり納得のいかない感じです。練習でやってきたことを出し切ることができなくて、悔しい気持ちです。

――これまでの調整としては順調にこれていましたか

 そうですね。合宿に行っている間に泳ぎを修正して、調子も上がってきていたのですがうまくいかなかったですね。

――この大会はどのような位置づけで臨んでいましたか

 私の中で結構大事な大会だと思っていました。インターナショナルのタイムを突破することを目標にしていたのですが、かすりもしなかった(笑)。

――今日の結果を踏まえてこれからの意気込みをお願いします

 とりあえず明日50メートルがあるので、自分の得意とするところなのでちゃんと切り替えて頑張りたいと思います。