日本選手権4日目は3種目に8人の早大選手が登場。決勝進出者こそ現れなかったが、男子200メートル背泳ぎでは3人がB決勝のレースに進み競い合った。自己ベストの更新も相次ぎ、今後へ期待の膨らむ一日となった。
★男子200メートル背泳ぎで早大勢3人がB決勝へ! 村上汰は2度の自己新
男子200メートル背泳ぎには、米山毅(スポ4=東京・早実)、村上賢之慎(スポ3=熊本西)、村上汰晟(スポ2=兵庫・明石南)、飯田光達(スポ1=東京・八王子)が早大から出場した。予選の早大勢トップ通過は米山。最初の50メートルを27秒台と速いタイムで入り、その後は30秒台のラップタイムを保って1分59秒91でゴールした。その米山から0秒03差で村上汰がつける。村上汰はこれまで一度も切れなかった2分台の壁を日本選手権の舞台で突破。そして予選通過最後の枠に滑り込んだのが、ルーキーの飯田だ。予選で同着の選手がもう一人いたため、B決勝進出をかけてスイムオフに出場することに。そのレースでは浮き上がりで差をつけられ、常に先行されてしまう。しかしストロークで勝る飯田がだんだんと差を詰め、ゴール直前でかわしてB決勝進出をつかみ取った。
予選で最初に登場した村上賢は16位の飯田から0秒27遅れ、予選通過とはならなかった。
予選、B決勝ともに自己ベストの村上汰
B決勝進出者8人の中に、早大選手の名前が三つ並んだ。米山は予選と同じく序盤から積極的に行き、3位で最初の50メートルを通過。同じく4位での通過となった村上汰は、予選とほぼ同じタイムでの折り返しだった。飯田は浮き上がりでついた差をあまり縮められず、この時点で8位。米山は手の回転数が多く速いテンポで泳ぐ一方、村上汰は大きなストロークで一かきごとに前に伸びていく。100メートルのターンで村上汰が3位に浮上。ここから村上汰は後半100メートルのラップタイムを予選より大きく上げていった。150メートル通過時にもう一つ順位を上げ、「最後の150メートルからの50メートルをばてずに上げることができた」と、村上汰がラストスパートをかけた。1位からは体一つ分以上の差をつけられたが、目標の1分59秒台前半でのフィニッシュに充実の表情がうかがえた。米山も最後まで3位争いに加わるが、タイムを伸ばせず5位。飯田はこの日3レース目の疲れを見せながら、最後まで粘って予選から順位を一つ上げ、レースを終えた。この日早大勢から決勝進出者は出なかったものの、背泳ぎ陣が層の厚さを感じさせるレースを見せてくれた。
★小原が自己ベストで2種目目のB決勝進出
連日のレースの疲労を感じさせず、ベスト更新
女子800メートル自由形には、長距離の自由形を得意とする小原天寧(スポ3=東京・目黒日大)が出場した。大会4日目にして3種目目のエントリーとなり、疲労も懸念された。しかし、スタートから力強いストロークで加速し、体のぶれも少なく水面を滑るように泳いでいく。150メートルほどまで果敢に攻めていき、全体5位のタイム。そこからの200メートルでは、50メートルごとのラップタイム自体はそれまでと比べてやや落ちるが、タイム差が大きくても0秒03と安定した泳ぎを見せる。苦しくなる後半にはラップタイムも前後したが、34秒台に落とすことなく最後まで泳ぎきり、自己記録を更新。予選組5位、全体は12位で、1日目の400メートル自由形と合わせて、自身2種目目のB決勝に駒を進めた。
(記事 新井沙奈、写真 渡辺詩乃)
結果
◇B決勝
男子200メートル背泳ぎ
村上汰晟 1分59秒14 【2位】自己ベスト
米山毅 2分01秒48 【5位】
飯田光達 2分02秒26 【7位】
◇スイムオフ
男子200メートル背泳ぎ
飯田光達 2分00秒94 【1位】
◇予選
女子100メートル自由形
船越彩梛 56秒54 【17位】
二宮歌梨 57秒15 【24位】
今牧まりあ 57秒20 【25位】
男子200メートル背泳ぎ
米山毅 1分59秒91 【11位】
村上汰晟 1分59秒94 【12位】自己ベスト
飯田光達 2分01秒02 【16位】
村上賢之慎 2分01秒47 【20位】
女子800メートル自由形
小原天寧 8分48秒93 【12位】自己ベスト
コメント
村上汰晟(スポ2=兵庫・明石南)
――レースの振り返りをお願いします
今まで2分を切れなかったのですが、予選から59秒台が出て良かったです。レースプランから見てもいい感じに泳げていたので、B決勝は自信をもって自分の泳ぎができたかなと思います。
――予選でのレースプランは具体的にどういうものでしたか
どうしても後半がきつくなってくるので、最初の100メートルをどれだけ楽に58秒台で入れるかを考えていました。うまく入れれば2分も切れるかなと思って、泳いでいました。
――予選レースの手応えは良かったですか
そうですね。最後の150メートルからの50メートルをばてずに上げることができたので、それがB決勝でもできたと思います。
――B決勝レースの前はどんな準備をしていましたか
泳ぐ前にレースの展開を自分の中で考えていました。目標としていた59秒台前半を実現できて良かったです。
――50メートル背泳ぎに向けて意気込みを聞かせてください
全体のランキング的に今16番、17番あたりで、上位の選手たちもタイムが集まっていてベストを出せれば決勝も狙えると思うので、頑張ってベストを出したいと思います。