2人の決勝進出者は目標のベストに及ばずも、最多6人が予選通過/大会3日目

競泳

 6日間の日程で組まれている今回の日本選手権も、半分の日程を終えた。決勝進出者や表彰台に上る選手が続々と現れる早大水泳部。3日目は今大会で最多となる7種目に14人が出場し、予選を6人が通過するなど充実の1日となった。

★亀井が得意種目で決勝進出! 目標の自己ベストには届かないが堂々の4位

調子が上がらない中、結果を残した亀井

  亀井涼子(スポ2=東京・淑徳巣鴨)は前日の女子100メートル背泳ぎでB決勝7位。得意の50メートル背泳ぎでは、さらに上位を目指したいところだ。予選5組のレースでは浮き上がりに失敗したという亀井。それでも持ち前の力強いストロークで、ぐいぐいとスピードを上げ進んでいく。決勝に進むため、自己ベストを目指したが0秒4ほど及ばない。それでも予選の組では2位、全体では6位につけて決勝進出を決めた。

  決勝進出者全員が28秒台という混戦の中、亀井の今季の日本選手権最後のレースがスタートした。自己ベストを出して表彰台を狙うという中で、予選で手間取った浮き上がりの部分を修正。ほぼ横一線でレースが進む状況でも、周りの選手を過度に意識することなく、自身の泳ぎを貫こうと努めた。結果は予選からきっちりタイムを上げ、28秒69。表彰台まであと0秒13の4位だ。自己記録を上回れば、確実にメダルに手が届くタイム差だっただけに、言葉の端々に悔しさをにじませた。泳ぎの調子をピークに持ってこられないまま、迎えた日本選手権。亀井は自身の競技日程を全て終え、「満足のいく大会ではなかった」と語った。次の大きな大会と見据える日本学生選手権(インカレ)で、亀井が納得できる泳ぎが見られることを期待したい。

★田中は二日連続で決勝へ! 疲労の残る中、奮闘

 前日の男子200メートル自由形では、自己新記録で銅メダルを獲得した田中大寛(スポ4=大分・別府翔青)。この日は男子100メートル自由形に出場した。予選6組目に登場すると、50メートルのターンを全体2位の23秒34で折り返し、プラン通り攻めのレースを展開する。後半は前日の疲れから少しペースを落としたものの、前半での積極的な泳ぎが功を奏し、全体7位で決勝進出を決めた。昨年の日本学生選手権(インカレ)で、田中と共にこの種目の1位を争った須田悠介(スポ4=神奈川・湘南工大)も7組目で出場。前半にやや出遅れた須田は後半で思うように巻き返せず、B決勝に回った。

前日に続いての決勝進出

  「最低でもベスト」という目標を設定して臨んだ決勝。やはりここでも、鋭いスタートからテンポの速い泳ぎで攻勢をかける。予選で力みがあったという田中は、余計な力を入れないように意識した。予選から順位を上げることはできなかったが、僅かながらタイムは上げることに成功した。目標とするベストタイムには届かなかったが、連日のレースの疲労の中で予選からタイムを下げなかったのは収穫の一つだ。またこの決勝では松元克央(ミツウロコ)が日本記録を更新。トップの選手の泳ぎを肌で感じるレースとなっただろう。

  男子200メートルバタフライでも、早大勢が躍進した。予選で山本拓武主務(スポ3=千葉・成田)と新開誠也(スポ1=鹿児島情報)がそれぞれ自己ベストを更新してB決勝に進出。両選手ともB決勝ではタイム、順位ともに上げることはできなかったが、日本選手権の舞台でしっかりとこれまでの成果を披露した。

予選で自己ベストの山本

(記事 新井沙奈、写真 荒井理沙)

結果

◇決勝

女子50メートル背泳ぎ

亀井涼子 28秒69 【4位】

男子100メートル自由形

田中大寛 49秒44 【7位】

◇B決勝

男子200メートルバタフライ

新開誠也 1分58秒78 【3位】
山本拓武 2分01秒10 【8位】

女子50メートル背泳ぎ

柴田菜摘 29秒09 【5位】

男子100メートル自由形

須田悠介 50秒03 【6位】

◇予選

男子800メートル自由形

林大輝 8分15秒55 【30位】

女子200メートル自由形

船越彩梛 2分02秒33 【17位】
二宮歌梨 2分02秒34 【18位】

男子200メートルバタフライ

新開誠也 1分57秒78 【9位】自己ベスト
山本拓武 1分59秒03 【16位】自己ベスト
入江崇也 2分04秒50 【50位】

女子50メートル背泳ぎ

亀井涼子 28秒91 【6位】
柴田菜摘 29秒00 【9位】

男子100メートル自由形

田中大寛 49秒50 【7位】
須田悠介 50秒01 【15位】
菅野遼  51秒04 【35位】

男子200メートル個人メドレー

田丸敬也 2分02秒24 【17位】
長牛太佑 2分02秒70 【19位】

女子200メートルバタフライ

松﨑りん 2分15秒83 【27位】

コメント

田中大寛(スポ4=大分・別府翔青)

――今日の結果はどのように感じていますか

 最低でもベストということを目標にしていたので、悔しい部分はあります。それでも予選からタイムを上げましたし、200メートルのレースの疲れがあった中でも、タイムを落とすことなくやれたのはまだ一つ良かったかなと思います。

――予選レースで50メートルのターンが23秒34で全体2位という早いタイムでしたが、それはプラン通りでしたか

 そうですね。得意のスピードを活かして、前半から積極的いって後半耐えるという感じで考えていました。予選に関しては200メートルの疲れがあってなかなか上手く上がりきらなかった部分がありましたが、決勝は少し修正して予選よりは上手くやれたかなと思います。

――決勝のレースではどんな部分を意識していましたか

 前半から早く行くというところはもちろんありましたが、予選で少し力みがあったので力んでしまわないように意識しました。本当に少しの差ですが、いい方向に働いてくれたと思います。

――50メートル自由形に向けて意気込みをお願いします

 メインにしていた100メートルと200メートルが終わったので、気持ちを楽にして自己ベストを目指して頑張りたいと思います。

亀井涼子(スポ2=東京・淑徳巣鴨)

――今日のレースは振り返っていかがですか

 昨日今日とあまり調子が良くなくて、その中でもベストからプラス0.1秒のタイムで泳げたのは、良かったと思います。本音を言えば自己ベストを出して表彰台に上がりたかったというのはありますが、合格点ではあるかなと思います。

――予選のレースで意識していたことはありますか

 決勝に残ることを目標にしていて、ベストに近い28秒5台を出せば決勝に行けるかなと思っていたので、そのタイムを意識していました。

――決勝ではどのようなレースプランを考えていましたか

 予選で浮き上がりに失敗してしまったので、そこを改善しようと思っていました。あとは周りに惑わされずに自分の泳ぎをすることを考えていました。

――亀井選手個人の日程は全て終えましたが、自身にとってどんな大会になりましたか

 もちろん大事な大会で、ユニバーシアードの代表も狙っていたのですが目標にも届かず、満足のいく大会ではなかったかなと思います。

――これからのシーズンに向けて意気込みをお願いします

 次の大きな大会はインカレなので、自分の満足のいくような結果を残すことと、チームにもちゃんと貢献できるように頑張りたいと思います。