日本選手権開幕! 松本は3位で惜しくも代表入りならず

競泳

 第99回日本選手権が4月4日に幕を開けた。7月に福岡県で開催される世界選手権の他、主要な国際大会の選考会も兼ねている今大会。早大の選手は初日から6種目に11人が出場した。

★松本が女子200メートル個人メドレーで3位!

 今年の日本選手権の幕開けを飾る最初の種目は、200メートル個人メドレーだ。この種目を主戦場とする松本信歩(スポ3=東京・東学大付)が、予選から期待通りの泳ぎを見せる。4組目に登場すると、最初のバタフライ50メートルから頭一つ分抜け出す。そして一度つけた差をだんだんと広げていき、トップの順位を維持したままレースを終える。全体では3位の好位置につけて、予選を突破した。

壮絶な代表争いに加わった

 かねてより口にしていた国際大会の代表という目標。その切符が懸かった決勝レースは、東京五輪代表の大橋悠依(イトマン東進)ら実力者と最後まで競りあう熾烈なものとなった。松本は序盤から積極的なレース運びを見せ、得意のバタフライで50メートルを2位通過。昨年の日本選手権では、最後の自由形でスピードを落としてかわされ4位となったが、今回はゴール直前までどう転ぶか分からない展開に持ち込むことができた。しかし最後の最後であと一伸び届かず、結果は2位の大橋と0秒41という僅かな差での3位。悔しさをにじませながら、「悔いのないようにこの大会を終えたい」と語った。世界大会の代表という大きな目標へ、松本は一歩ずつ着実にその距離を縮めている。今大会も、その確かな一歩となったに違いない。

表彰台でメダルを掲げる松本(写真右)

(記事、写真 新井沙奈)

★B決勝には4人が進出。林は自己ベストを大きく更新

 男子400メートル自由形は、林大輝(スポ2=大阪・同志社香里)が15位でB決勝に駒を進めた。予選3組目のレースに出場した林は、序盤6位と出遅れたが、300メートル時点で3位まで順位を上げる。そこから怒涛の追い上げを見せ、予選3組のレースを1位でフィニッシュ。しかしタイムは3分55秒46。自己ベストの3分54秒10まで0秒53届かなかった。自己記録を更新すれば決勝を狙えただけに、悔しさは大きかった。迎えたB決勝では、最初の50メートルを最下位で通過したものの、徐々に順位を上げていき、残り100メートル時点でトップに立ちそのままB決勝1位を獲得。「練習でやってきたことを試合で発揮できるような状態」になってきたと、3分53秒00で自己ベストを2年ぶりに更新し、充実した大会初日を終えた。

林は予選での悔しさをばねに、自己記録をマーク

  女子400メートル自由形では、小原天寧(スポ3=東京・目黒日大)が12位、松﨑りん(人1=東京・日大二)が16位でB決勝に進む。予選1組に出場した小原は、前半から積極的なレース展開で、一度も先頭を譲ることなくゴール。松﨑は、予選3組目に出場。後半に順位を上げ、B決勝に滑り込んだ。B決勝で小原は、100メートルを1位で折り返すが、後半力が及ばず5位でのフィニッシュとなる。松﨑は、前半8位と出遅れていたが、またもや後半に力を発揮した。予選よりタイムを上げ、4位で自身の最初の種目を泳ぎ切った。男子400メートル個人メドレーの予選を16位で通過した飯田光達(スポ1=東京・八王子)。1年生ながら背泳ぎでB決勝2位争いに食い込むが、後半は力が及ばず上位の選手に離され、8位となった。

(記事 寺谷芽生、写真 新井沙奈)

結果

◇決勝

女子200メートル個人メドレー

松本信歩 2分11秒41 【3位】

◇B決勝

男子400メートル自由形

林大輝 3分53秒00 【4位】

女子400メートル自由形

松﨑りん 4分17秒49【4位】

  • 小原天寧 4分18秒13 【6位】

    男子400メートル個人メドレー

    飯田光達 4分23秒45【8位】

    ◇予選

    女子200個人メドレー

    松本信歩 2分14秒28 【3位】
    船越彩梛 2分18秒27 【22位】
    木崎京香 2分21秒25 【39位】

    男子400メートル自由形

    林大輝 3分55秒46 【15位】
    長牛太佑 3分56秒27 【23位】
    山本拓武 3分58秒53 【38位】

    男子50メートルバタフライ

    山口遼大 24秒40 【23位】

    女子400メートル自由形

    小原天寧 4分17秒83 【12位】
    松﨑りん 4分18秒51【16位】

    男子100メートル平泳ぎ

    松田藍青 1分01秒77 【25位】

    男子400メートル個人メドレー

    飯田光達 4分21秒97 【16位】

    コメント

    松本信歩(スポ3=東京・東学大付)

    ――3位という結果についてどう感じていますか

     ずっと2位以上を目標にしてやってきたので、順位は少し物足りなかったなという思いはあります。

    ――予選にはどういった意識で臨みましたか

     いつも予選は予選として考えているので、意識としては組で一番になるということくらいですね。

    ――世界選手権の代表兼が懸かった決勝には、どのようなことを考えて調整していましたか

     決勝の一本で集中して、最大限の力を出せるのが自分の良さだと思っています。なので予選からしっかり気持ちを切り替えて、集中してレースに入れるようにしていました。

    ――今回は国際大会代表という目標はかないませんでしたが、今後への取り組みを聞かせてください

     福岡での世界選手権に出たかったという思いは、もちろんあります。ただ一番大きな目標はパリ五輪に置いてやっているので、そこへ向けて変わらずやっていければと思います。

    ――日本選手権での残り3種目の意気込みをお願いします

     200メートル個人メドレーを本当にメインで考えていたので、他の種目のことはあまり考えていませんでした(笑)。代表選考にからめるところではないにしても、全力で泳ぐだけなので、悔いのないようにこの大会を終えたいです。

    林大輝(スポ2=大阪・同志社香里)

    ――今回はどのようなレースプランで臨みましたか

     いつもより300メートルまでのタイムを上げつつ、ラスト100メートルはギアを上げてスパートをかけるというレースプランを意識して臨みました。

    ――B決勝でのタイムは、決勝では6位相当、自己ベストも上回りました。タイムについてはどう考えていますか

     決勝で6位だったというのは、決勝で泳いだわけではないのであまりしっくりこないのですが、約3年の間ベストが出ていなかったので、自己ベストを出せたことは良かったです。練習でやってきたことを試合で発揮できるような状態に仕上がってきたのだと思います。

    ――残りの種目に向けて意気込みをお願いします

      800メートルは最後に泳いだのが高校3年生の時なので、慣れないですがベストを狙って頑張っていきたい思います。