4日間にわたるジャパンオープンも最終日。この日は女子50メートルで今牧まりあ女子主将(スポ3=長野・飯田)、女子100メートルバタフライで松本信歩(スポ3=東京・東学大付)が決勝に進んだ。両者ともに日本トップ選手などを相手に健闘したが、それぞれ7位とまずまずの成績にとどまった。冬場は大きな大会はないが、それを越えると世界水泳の代表権がかかる日本選手権がある。今回得た課題を解消するべく、さらなる成長に期待する。
★今牧女子主将は得意種目で7位
ホイッスルと同時に飛び込む今牧女子主将
日本学生選手権(インカレ)以降の新体制で女子主将となった今牧まりあ(スポ4=長野・飯田)が、女子50メートル自由形に挑んだ。自己ベストの更新が目標だったが、直前まで泳ぎの調子が上がらず不安があったと言う。実際に予選では飛び込みの時点で若干出遅れたが、後半に勢いを取り戻して7位で通過する。決勝にはスタートの反応とタッチの合わせ方を改善して臨んだ。
決勝には日本選手だけでなく、韓国やオーストラリア出身の選手も参戦。スピード決着するこの種目の特性上、最後のタッチまで分からない横一線の混戦となった。今牧女子主将は予選よりもタイムを0.1秒伸ばしたが、結果は7位。インカレで出した自己ベストには及ばず、課題を残す結果となった。
「(インカレに比べると、)テンポが上がりきっていない。」とレース後に振り返った今牧女子主将。今シーズンの目標である自己ベストの更新のため、今回出た課題を冬の間に消化する。そして、新年度にはさらなる強さを身につけた今牧女子主将が見られるのだろう。
★松本も7位「さらに強くなる」
前を追いかける松本
前日の200メートル個人メドレーで銅メダルを獲得した松本信歩(スポ2=東京・東学大付)。しかし、今回はもう一つの得意種目であるバタフライでも2種目に出場。この日は100メートルに臨んだ。前日には「予選で16位以内に入れるように」と語っていたが、後半で盛り返して予選7位のタイムを残し、2種目目となる決勝進出を果たすことができた。
決勝では自己最高となる58秒台を目標に掲げて臨んだ。しかし、ここまで6レースを戦った松本の疲労は大きく、前半は決勝進出では最下位となる8位。予選では「思ったよりも頑張れた」と話していた後半の泳ぎも伸びず、一人を抜くにとどまり予選と同じ7位と言う結果となった。
過酷な4日間を戦い抜いた松本だったが、7レースで自己ベストが1回も出なかったことを反省点として挙げた。冬場の練習については、「目標は定まっているので、それに向けて鍛練するだけです。さらに強くなります。」と力強く答えた。さらなるレベルアップの先には、福岡で行われる世界水泳がある。そこに、日本を背負って戦う松本の姿はあるのだろうか。
(記事・写真 芦沢拓海)
結果
◇決勝
女子50メートル自由形
今牧まりあ 25秒64【7位】
女子100メートルバタフライ
松本信歩 59秒35【7位】
◇B決勝
男子50メートル自由形
田中大寛 22秒79【3位タイ】
須田悠介 22秒95【8位】
男子200メートル背泳ぎ
村上汰晟 2分00秒11【2位】
米山毅 2分01秒16【5位】
◇タイム決勝
男子800メートル自由形
長牛太佑 8分12秒66【17位】
金星洋将 8分25秒19【36位】
女子1500メートル自由形
小原天寧 2分13秒61【15位】
◇予選
男子50メートル自由形
須田悠介 22秒84【12位】
田中大寛 22秒91【15位】
菅野遼 23秒08【22位】自己新記録
男子200メートル背泳ぎ
米山毅 2分00秒35【9位】
村上汰晟 2分00秒92【13位】
村上賢之慎 2分02秒91【18位】
男子200メートル平泳ぎ
松田藍青 2分16秒59【38位】
男子100メートルバタフライ
山本拓武 53秒98【23位タイ】
女子50メートル自由形
今牧まりあ 25秒86【7位】
船越彩梛 26秒77【46位】
女子200メートル平泳ぎ
斎藤千紘 2分34秒80【49位】
女子100メートルバタフライ
松本信歩 59秒48【7位】
コメント
今牧まりあ女子主将(スポ3=長野・飯田)
――今回の50メートルの目標は
自己ベスト更新です。
――調子はいかがでしたか
泳ぎの調子があまり上がっておらず少し不安がありました。
――予選の泳ぎを振り返ってください
ここ最近ではいいテンポ感で泳げた方だったが課題のスタートで周りと差をつけられました。
――決勝までにどのような調整をしましたか
スタートの反応の改善とタッチの合わせ方の改善を行いました。
――今回の決勝の泳ぎを振り返ってください
今日の予選よりは全ての要素を改善することはできたが、まだスタートやパワーの出力などの課題が残りました。/p>
―-インカレの時の泳ぎと違った点はありましたか
インカレ時よりもテンポがまだ上がりきっていない点です。
――冬の間に、何の練習に重きを置くつもりですか
スタートとパワー発揮です。
――今シーズンの個人的な目標を教えてください
自己ベストを更新し続けることです。
松本信歩(スポ2=東京・東学大付)
――レースの内容の前に、今回はバタフライに多くエントリーしているように思えたのですが、意図は何でしょうか。
バタフライも得意種目だからです。
――まず予選の泳ぎはいかがでしたか
出せる力をすべて出しました。思ったよりも後半も頑張れたので良かったです。
――前日に16位以内には入りたいと言っていましたが、決勝に進めたことについては
嬉しかったです。
――どのような目標で決勝に臨みましたか
58秒台で泳ぐことです。
――決勝での泳ぎを振り返ってください
後半がうまく泳げず、予選からあまりタイムをあげられなかったことが反省です。
―-今回のジャパンオープン全体を通して、自身の泳ぎはいかがでしたか
疲労があるなか、7レースよく泳いだと思います。
――今大会を通じて良かった点、悪かった点は何ですか
良かった点は疲労があるなかでも自分のベストをつくせたことで、よくなかった点は1種目もベストがでなかったことです。
――この冬はどのような練習をしていきますか
目標は定まっているので、それに向けて鍛練するだけです。さらに強くなります。