ジャパンオープン(50m)は3日目に突入した。早大からは6種目に9人がエントリーしていた。前日に自己記録を更新した、亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)が今日も躍進。50メートル背泳ぎでまたも自己ベストを出し、全体トップで予選を通過すると、決勝ではそのタイムをさらに縮めて銀メダルをつかみ取った。さらにメダル獲得の期待もかかっていた松本信歩(スポ2=東京学芸大付)は、得意の200メートル個人メドレーで決勝に進み堂々の3位を獲得した。
★亀井は自己新で2位
決勝で泳ぐ亀井
1種目目から早大勢の活躍が光った。前日に100メートル背泳ぎで自己ベスト更新を果たした亀井は、50メートル背泳ぎに出場。最終5組に登場すると、持ち味と自負するスピードを生かし、全体1位となる28秒56のタイムで自己ベスト更新と共に予選通過を決めた。
決勝では「金メダルがほしい」と目標を予選よりさらに高く設定し、自らを高めていった。意識を高めた分力みが出たが力強いストロークは変わらず、28秒55とまたしても自己ベストで泳ぎ切った。
このジャパンオープンで何度も自己記録を出し、表彰台に上るなど活躍を続けた亀井。しかし、「安心するのではなく本当に狙っている大会で納得のいく結果が残せるように」と慢心はない。その姿勢を象徴するかのように、競技直後の表情に喜びは多くなく「もっとやれる」という貪欲さをにじませていた。その貪欲さが、これから亀井をどのように成長させていくのだろうか。可能性は限りなく広がっている。
亀井(左)は今大会大活躍した
★松本は粘りの銅メダル
得意種目で結果を残した松本
200メートル個人メドレーに出場した松本は、この種目で日本学生選手権(インカレ)を2連覇中で、メダル獲得も視野に入っている。船越彩椰(スポ1=東京・淑徳巣鴨)、木崎京香(政経1=東京・早実)の後輩二人と共に出場し、予選では2分15秒73を出した。松本自身も「決勝に進めると思わなかった」と語るほどの結果で、疲労も溜まるなか、全力で泳いでも自己ベストからは4秒以上遅れ、全体でも7位と少し不安の残る順位での決勝進出となる。
迎えた勝負の決勝は、目まぐるしく順位が入れ替わる展開となった。松本は武器である背泳ぎで一時トップに躍り出るものの、後半は追いかけるかたちに。しかし、「最後まで頑張りきれました」と必死に食らいついていき、2分13秒61のタイムで銅メダルを勝ち取った。
「疲労があるなかでの最大限のパフォーマンスをすること」を目標に掲げていた通り、決してコンディションは良くなかった。そのなかでもきっちりと、銅メダルという結果を出してみせた。今後の目標と語る国際大会の代表選手となるためには、もう一段高いレベルでこのように結果を出していくことが求められる。世界を見据えて、これからも絶えず進化を続けていく姿を私たちに見せてくれるだろう。
銅メダルを掲げる松本(右)
その他には、今牧まりあ(スポ3=長野・飯田)が100メートル自由形でB決勝に進出。しかし予選からタイムを伸ばすことはできず、8位でフィニッシュすることに。結果を確認する横顔にも笑みを浮かべることはなかった。
(記事・写真 新井紗奈)
結果
◇決勝
女子50メートル背泳ぎ
亀井涼子 28秒55【2位】自己新記録
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分13秒61【3位】
◇B決勝
女子100メートル自由形
今牧まりあ 56秒66【8位】
◇予選
男子400メートル自由形
林大輝 3分58秒13【24位】
長牛太佑 3分58秒66【25位】/br>
山本拓武 3分59秒65【31位】
男子200メートルバタフライ
山本拓武 2分04秒62【45位】
男子200メートル個人メドレー
田丸敬也 2分05秒08【34位】
女子100メートル自由形
今牧まりあ 56秒56【15位】
船越彩梛 56秒72【19位】
女子50メートル背泳ぎ
亀井涼子 28秒56【1位】
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分15秒73【7位】
船越彩梛 2分19秒15【29位】
木崎京香 2分20秒00【33位】
コメント
亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)
――銀メダルおめでとうございます。率直な気持ちを教えてください
前日不調だった100メートルから立て直せて少し安心している気持ちはありますが、順位を上げられず悔しい気持ちの方が大きいです。
――今回のレースの目標は何でしたか
メダルを獲得できたこと、自己ベストを少しだけ更新できたことは嬉しいですが、正直に言うと金メダルがもらえるかもしれないと思っていたので悔しい気持の方が大きいです。
――今回の目標は何だったのでしょうか
レース前はメダル獲得、自己ベスト更新が目標でしたが、予選後は金メダルがほしいと思うようになりました。
――予選では全体1位での決勝進出となりました。試合前から良い感覚で泳げていましたか
感触は良かったのですが、レース映像を観るとまだまだ改善できそうな点が見つかりました。決勝では28秒台前半は出るかな、と思いました。
――決勝レースに臨む上で意識したことは何でしょうか
正直初めての一位通過で舞い上がってしまいそうな気持ちがありました。でもそこをぐっと抑えて順位よりも目標タイムを狙って、それを達成した上で順位が着いてきたらいいな、と思っていました。
―-決勝の泳ぎを振り返ってください。
やはり1位になりたいという気持ちが先走ってしまい、力んでしまいました。
――タイムは予選決勝ともに自己ベストですが、それについてはいかがでしょうか
自己ベスト更新できたのは嬉しいですが、狙っていたタイムには及ばなかったので悔しいです。
――出場種目が全て終わりましたが、この大会は亀井選手にとってどんな成果や課題を得た大会になりましたか
ここまでの結果を残せると思っていなかったのでびっくりしています。ただここで良い結果が出たからと言って安心するのではなく本当に狙っている大会で納得のいく結果が残せるようにまた練習していきたいです。
松本信歩(スポ2=東京・東学大付)
――今日の3位という結果について、率直な感想をお願いします
メダル獲得を目標にしていたので、満足です。
――今回の目標は何だったのでしょうか
現状把握と、疲労があるなかでの最大限のパフォーマンスをすることです。
――予選の泳ぎを振り返ってください
全力でした。自分の良いところが出せないレースでした。
――自身の今の調子に鑑みて、予選のタイムと順位についてはどう捉えていますか
組の順位を見て、決勝に進めると思わなかったので残れて良かったです。順位は気にしていません。
――では、決勝の泳ぎを振り返ってください
平凡なレースでしたが、疲労があるなかメダルを獲れたことは収穫です。最後まで頑張りきれました。
――今日のレース得た成果と課題を次にどう生かしたいですか
今回の結果はあまり気にしていません。次のレースに向けて、鍛練しなければと思いました。
――今後の目標は
国際大会の代表選手になることです。
――最終日の明日は100メートルのバタフライですが、意気込みをお願いします
予選で16位以内に入れるように頑張ります。