ジャパンオープン(50m)の2日目、早大勢からは斎藤千紘(商4=東京・早実)が得意の50メートル平泳ぎで決勝に進出。自己最高の2位を目指したが、10月の日本選手権(25m)に続く3位となった。また、この日は亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)と小原天寧(スポ2=東京・目黒日大)が自己ベストを更新した。
★斎藤が通算5度目の3位
スピードレースを戦った斎藤
10月の日本選手権(25m)で学生新記録を樹立した斎藤は、前回叶わなかった2位以上、そして自己ベストを目指しジャパンオープンを戦った。前日の100メートルではまさかの予選落ちと振るわなった斎藤だが、今回は「しっかり朝から体が動くように準備した」と万全の状態で臨むことができ、予選では見事1位通過。目標の世界水泳を見据えるスピードスイマーが、目標に向けて弾みをつけた。
しかし、「緊張感を持って」臨んだ決勝は悔しい結果となった。短期決戦となる50メートルでは少しのミスが命取りとなる。そこで斎藤は浮き上がりがうまくいかず、そこで力が入ってしまった。大崩れをすることはなかったが、結果は3位。これで銅メダルは通算5回目となる。タイムも予選から落としてしまい、納得いくものではなかった。
今回も高い壁を感じさせられたが、世界水泳の選考は春。まだわずかながらも時間はある。それまでにさらにレベルアップし、世界への切符をつかみ取る。
表彰台で笑顔の斎藤
★亀井が自己ベストを記録
自己ベストを更新した亀井
日本学生選手権(インカレ)で5位に入った亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)だったが、泳ぎのスタイルを大きく変えて臨んでいた。練習もタイムこそ良かったものの、しっくりこない感じがあったと言い、決して本調子ではないと思っていた。しかし、実際はB決勝での自己ベストの更新。強化したスピードを上げる練習が功を奏したと言えるだろう。しかし、課題がなかったわけではない。予選ではスタートで足を滑らせた結果、0.03秒差で決勝進出を逃した。それ以外にも、亀井自身は前半のスピードを課題に挙げていた。今回の経験が、亀井を更なる飛躍に導くだろう。
それ以外では、今大会では小原天寧(スポ2=東京・目黒日大)が、決勝進出こそ逃したが女子800メートル自由形で自己ベストを更新。女子では数少ない長距離専門のスイマーが、成長の跡を見せた。
(記事・写真 芦沢拓海)
結果
◇決勝
女子50メートル平泳ぎ
斎藤千紘 31秒35【3位】
◇B決勝
男子100メートル背泳ぎ
村上汰晟 55秒87【3位】
女子100メートル背泳ぎ
亀井涼子 1分01秒36【1位】自己新記録
◇予選
男子200メートル自由形
長牛太佑 1分51秒04【27位】
田中大寛 1分51秒22【28位タイ】
林大輝 1分51秒72【42位】
男子100メートル背泳ぎ
村上汰晟 55秒86【15位】
米山毅 56秒22【23位】
村上賢之慎 57秒17【40位】
男子50メートル平泳ぎ
松田藍青 28秒60【34位】
女子200メートル自由形
船越彩梛 2分02秒70【18位】
松本信歩 2分04秒22【32位】
女子400メートル自由形
小原天寧 8分55秒18【15位】自己新記録
女子100メートル背泳ぎ
亀井涼子 1分01秒89【9位】
女子50メートル平泳ぎ
斎藤千紘 31秒04【1位】
コメント
斎藤千紘(商4=東京・早実)
――3位という結果について、率直な感想をお願いします
前日不調だった100メートルから立て直せて少し安心している気持ちはありますが、順位を上げられず悔しい気持ちの方が大きいです。
――今回のレースの目標は何でしたか
自己ベスト・学生記録更新して2位以上です。
――調子はいかがでしたか
悪くなかったと思います。
――予選を1位通過しました。予選の泳ぎを振り返ってください
前日の100メートルの失敗を踏まえて、しっかり朝から体が動くように準備したのでいい泳ぎができたと思います。
――決勝にはどのような気持ちで望みましたか
4月の選考会を想定して緊張感を持って望みました。
―-決勝の泳ぎを振り返ってください。
浮き上がりを失敗してそこから力んでしまいました。
――タイムはどうでしょうか
予選から落としてベストからも遠ざかってしまったので良くないです。
――世界水泳に向け、どのような点を強化して行きたいですか
脚力と体幹の強化に努めたいです。
亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)
――自己ベストを更新されましたが、感想は
練習の調子を見ていても今大会で自己ベスト更新はむずかしいかな、と思っていたので驚きました。
――インカレ以降、どのような練習を積んできたのでしょうか
インカレの後、泳ぎをかなり変えたのでそれを定着させる練習と、スピードの向上に取り組みました。
――ここまでの調子はどうでしたか
直前の練習のタイムは良かったのですが、泳ぎがしっくりきていない感触がありました。大会に入ってタイムと泳ぎが噛み合ってくるようになりました。
――レース自体を振り返ります。予選の泳ぎはいかがでしたか
スタートで足が滑ってしまい、正直61秒台が出ると思っていなかったのでタイムを見たときは驚きました。ただ、もう少し速ければ決勝に進めていたので悔しい気持ちもありました。
――自己ベストを更新したB決勝はどうでしたか
予選で残ったスタートの課題はクリアできたので良かったです。予選よりタイムを上げよう、というよりは周りに惑わされず冷静にレースを行うことに重きを置いていたのでそれをクリアしつつ結果もついてきたので嬉しかったです。
――今回得た収穫、および課題は何でしょうか
収穫は予選で出た課題をその日のうちに消化できたこと、課題はまだまだ前半のスピードが出し切れていないことです。
――明日は50メートル背泳ぎです。意気込みをお願いします。
今日逃したA決勝に残ることがまず1つですが、あまり考えすぎず自分がこれまでやってきたことを信じて自信を持ってレースに取り組めたら、と思います。