インカレもついに最終日。100メートル自由形では田中大寛(スポ3=大分・別府翔青)が200メートル自由形に続く2冠を達成。須田悠介(スポ3=神奈川・湘南工大)も2位に入り、ワンツーフィニッシュを達成した。総合得点は男子は332.0点を獲得、目標の準優勝には届かなかったが2年ぶりの3位。さらにシード権獲得を目指していた女子は225.0点で、ここ10年で最高の4位と大健闘。「101%」を目指したシーズンはここで幕を閉じた。
☆田中、100メートル自由形も制し2冠王者に 須田も2位でワンツーフィニッシュ!
優勝した田中(左)はこれが最後のレースとなった今野と健闘を讃えあった
このインカレで最大の結果を残したといえるのが、男子100メートル自由形だろう。200メートル自由形を制している田中大寛(スポ3=大分・別府翔青)に加え、50メートル自由形でそれぞれ2位と3位に入った須田悠介(スポ3=神奈川・湘南工大)、今野太介(スポ4=山形・羽黒)が出場。高得点が期待される中、予選では全員が快調な泳ぎを披露。自己ベストを記録した今野が3位に入ったほか、須田が2位、田中が5位で通過し、全員が決勝に進む事に成功した。
決勝では接戦となる中、田中と須田が躍動した。50メートルをそれぞれ1位、2位でそれぞれ折り返す。「緊張を楽しむことができた」(田中)、「本来の力の120%を出すことができた」(須田)と言う二人の同級生の対決を制したのは、前半トップのまま逃げ切った田中。これで前日の200メートル自由形に続く優勝を果たした。須田も田中には敗れたものの、自己ベストを記録し今大会4つ目の銀メダルを獲得。今野は7位と及ばなかったものの、早大勢でワンツーフィニッシュを達成した。ルーキーイヤーから活躍を続ける田中と昨年二種目での予選落ちから急成長した須田。互いに高め合う二人の、来年以降の活躍も楽しみだ。
(記事・写真 芦沢拓海)
同級生が共に高い結果を残した
☆ルーキー亀井が決勝に進出し5位入賞!
レース終了後、亀井は悔しさも滲ませた
女子100メートル背泳ぎには亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)が出場した。予選は「空回りして、自分の持ち味を出せなかった」と言うが、最後まで粘りを見せ、ルーキーながら見事にA決勝進出を果たした。
午後の決勝では前半から積極的な泳ぎを見せ、自己ベストにあと0.05秒まで迫る1分02秒17をマーク。しかし、3位表彰台まであとわずかということもあり、「かなり悔しい」5位となった。それでも初のインカレという大舞台で、200メートル背泳ぎでB決勝進出、4×100メートルメドレーリレーでは第一泳者として自己ベストをマークするなど、堂々と泳ぎ切った。レース後は、「チーム一丸となって一つの目標に向かう」インカレは「団結感を感じ、声援が力になった」と充実した表情で語った。来年以降の活躍にも期待が膨らむ。
(記事 加藤志保、写真 芦沢拓海)
★男女両主将が優勝はならずも、3位でW表彰台!
浅羽女子主将(右)はレース後、戦友の今井と抱擁を交わした
女子200メートル平泳ぎには浅羽栞女子主将(スポ4=東京・八王子)をはじめ、斎藤千紘(商4=東京・早実)、松浦優美奈(人4=沖縄・開邦)の3人が出場。浅羽が予選から自己ベストに迫るタイムをマークし、A決勝進出。一方、自己記録を更新した斎藤はB決勝進出を果たしたが、松浦は惜しくも予選敗退に終わった。
A決勝で浅羽は、隣を泳ぐ今井月(東洋大)と序盤から競り合いを見せる。しかし、150メートル付近から徐々に離されると、その後は宮坂倖乃 (明大)にもかわされ、3位でゴール。目標としていた優勝には届かなかったが、現役ラストレースで自己ベストを更新するなど、最後のインカレを笑顔で終えた。
銅メダルを掲げる浅羽女子主将
前を追いかける平河男子主将
男子からは平河楓主将(スポ4=福岡・筑陽学園)、白石崇大(スポ4=広島・沼田)、松田藍青(スポ1=愛知)の3人が出場した。7組目に登場した平河は序盤からかなりのハイペースで飛ばすが、終盤はやや泳ぎが硬くなり、この組2位。全体6位で決勝進出を決めた。一方、決勝進出を目指した白石は全体14位でB決勝に回る。また、自己ベスト更新とB決勝進出を目標に掲げていた松田は、中盤まではいい泳ぎを見せたが、ラスト50メートルで粘りを見せることができず、予選敗退に終わった。
今大会の個人最終種目として行われたA決勝のレース。佐藤翔馬(慶大)が前半から積極的な泳ぎを見せ、平河も必死に食らいつくが、徐々にその背中は遠くなる。最後は、佐藤と同じ慶大の深沢にも逆転され、3位でのフィニッシュに。浅羽女子主将同様、悲願の優勝とはならなかったが、現役生活、そして最後のインカレを表彰台で締めくくった。
最後まで戦い抜いた平河男子主将
(記事 加藤志保、写真 芦沢拓海)
男女ともに悔しい順位に終わる (男女800メートルフリーリレー)
昨年この種目2位と大躍進を遂げた早大女子。予選は、松本信歩(スポ2=東京学芸大付)、小原天寧(スポ2=東京・目黒日大)、船越彩椰(スポ1=東京・淑徳巣鴨)、今牧まりあ(スポ3=長野・飯田)のオーダーで臨む。第一泳者の松本がトップで後続につなぐなど見せ場は作ったが、後半に伸び悩み、全体13位。目標としていたA決勝進出はならず、B決勝へ。B決勝では予選からオーダーを変え、小原、船越、松本、佐々木杏奈(スポ4=神奈川・日大藤沢)で挑んだ。第一泳者の小原が5位と着実につなぐと、続く船越が前との差を詰め、3位まで順位を上げる。圧巻だったのは第三泳者の松本だ。先行する新潟医療福祉大と法大を抜くと、ラスト50メートルでさらにギアを上げ1位でアンカーの佐々木へ。佐々木も後ろからの猛追を振り切り、1位でゴール。予選からタイムを3秒近く上げると同時に、チームに貴重な8点をもたらした。
レース終了後に抱き合う男子チーム
一方、昨年5位と悔しい思いをした早大男子。予選は簑田圭太(スポ4=大阪・太成学院)、長牛太佑(スポ2=京都外大西)、山本拓武(スポ2=千葉・成田)、田中大寛(スポ3=大分・別府翔青)のオーダーで臨み、7分22秒16の全体3位で危なげなく突破。決勝では、山本に代わってルーキーの林大輝(スポ1=大阪・同志社香里)を投入するなど予選から大幅に泳順を変えて挑んだ。レースは、第一泳者に本多灯を起用した日大が最初から飛び出す展開に。早大は近大や明大、中大などと熾烈(しれつ)な2位争いを繰り広げ、勝負はアンカー対決に持ち越された。しかし、アンカーに起用された簑田が徐々に2位争いから離される苦しい展開に。最後まで必死に粘り、予選からわずかにタイムを上げたものの表彰台は遠く、昨年と同じ悔しい5位でのフィニッシュとなった。
(記事 加藤志保、写真 芦沢拓海)
関連記事
田中が2年ぶり、松本が2年連続の金 メドレーリレーでは男女共に2位に輝く/日本学生選手権3日目 男女両主将が100m平泳ぎで悔しい2位 4継は女子3位、男子2位でメダル獲得!/日本学生選手権2日目 インカレ開幕! いきなり3人が表彰台に立つ好スタート/日本学生選手権1日目
結果
総合成績 | ||||
---|---|---|---|---|
男子 | 女子 | |||
順位 | 学校名 | 得点 | 学校名 | 得点 |
1位 | 日大 | 475.5 | 中京大 | 391 |
2位 | 明大 | 394 | 神奈川大 | 302 |
3位 | 早大 | 322 | 東洋大 | 269 |
4位 | 近大 | 318.5 | 早大 | 225 |
5位 | 中大 | 264 | 近大 | 222 |
6位 | 中京大 | 205 | 日大 | 208 |
7位 | 日体大 | 111 | 明大 | 183 |
8位 | 慶大 | 104 | 新潟医福大 | 147.5 |
※シード権獲得校のみ掲載
◇決勝
男子100メートル自由形
田中大寛 49秒33【1位】自己新記録
須田悠介 49秒39【2位】自己新記録
今野太介 50秒40【7位】
女子100メートル背泳ぎ
亀井涼子 1分02秒17【6位】
女子200メートル平泳ぎ
浅羽栞 2分25秒66【3位】自己新記録
男子200メートル平泳ぎ
平河楓 2分11秒09【3位】
男子800メートルフリーリレー
早大(長牛、田中、林、蓑田)7分21秒01【5位】
◇B決勝
男子400メートル個人メドレー
田丸敬也 4分22秒24【3位】
女子100メートル自由形
船越彩梛 56秒31【3位】
今牧まりあ 56秒63【5位】
男子100メートル平泳ぎ
村上汰晟 55秒52【1位】自己新記録
米山毅 56秒15【7位】
女子200メートル平泳ぎ
斎藤千紘 2分31秒35【4位】
男子200メートル平泳ぎ
白石崇大 2分13秒33【3位】
女子800メートルフリーリレー
早大(小原、船越、松本、佐々木)8分15秒84【1着】
◇予選
女子400メートル個人メドレー
木崎京香 5分08秒04【26位】
男子400メートル個人メドレー
田丸敬也 4分25秒72【15位】
女子100メートル自由形
今牧まりあ 56秒93【15位】
船越彩椰 56秒96【16位】
佐々木杏奈 58秒60【31位】
男子100メートル自由形
須田悠介 49秒72【2位】
今野太介 49秒73【3位】自己新記録
田中大寛 49秒84【5位】
女子100メートル背泳ぎ
亀井涼子 1分02秒75【8位】
男子100メートル背泳ぎ
村上汰晟 55秒62【11位】自己新記録
米山毅 56秒08【16位】
村上賢之慎 56秒95【25位】
女子200メートル平泳ぎ
浅羽栞 2分26秒65【2位】
斎藤千紘 2分31秒92【16位】自己新記録
松浦優美奈 2分32秒54【18位】自己新記録
男子200メートル平泳ぎ
平河楓 2分12秒02【6位】
白石崇大 2分13秒29【14位】
松田藍青 2分15秒03【29位】
女子800メートルフリーリレー
早大(松本、小原、船越、今牧)8分18秒79(13位)
男子800メートルフリーリレー
早大(蓑田、長牛、山本、田中)7分22秒16(3位)
コメント
今野太介(スポ4=山形・羽黒)
――決勝の順位について率直にお願いします
今大会は1フリ(100メートル自由形)で決勝に残るというのが目標だったので、順位は落としてしまったんですけど、得点を稼ぐことができたので、最後早稲田に貢献できたので良かったです。
――予選では自己ベストを更新されましたが、振り返っていかがですか
やっぱり50秒を割らないと決勝に残れないと思っていたので、そこはちゃんと自己ベストを更新して最後4年生の意地を見せられたので良かったです。
――決勝では早大勢が3人残りましたが、それについてはいかがですか
やっぱり短距離のフリーは、早稲田が日大の次に強いので、稼げるところで点数を稼いでおかないと、目標の準優勝には届かないので、早稲田としては久しぶりに3人決勝に決勝に残れたので良かったと思います。
――決勝の泳ぎを振り返っていかがですか
決勝でも自己ベストを更新することを目標にして泳いだんですけど、後半力んでしまって、自分が思うようなレースができなかったので、そこは悔しいんですけど、最後4年生として、順位は7位だったんですけど、ちゃんと得点を稼ぐことができたので良かったです。
――最後のインカレはいかがでしたか
他の学年よりも僕たち4年生はインカレを経験しているので、インカレの雰囲気であったり、楽しくできましたし、結果で後輩をカバーできたので、最後のインカレを楽しく終われたかなと思っています。
須田悠介(スポ3=神奈川・湘南工大)
――100m平泳ぎで2位という結果ですが、いかがですか
100m自由形では学生選手権が開催される事前エントリーでは6位だったのですがそれを大きく上回り得点をたくさん取ることができて嬉しく思います。
――予選は2位でしたが、どう振り返りますか
予選は全力で挑みました。ベストタイムからもそこまで変わらないタイムで泳げましたし、決勝につながる良い泳ぎをすることができていたと思います。
――決勝の泳ぎはどうでしたか
思ったより緊張しなくて、周りが見えていたので楽しめたレースだなと思います。
――決勝では田中選手に敗れましたが、自身の泳ぎはどうでしたか
決勝は非常に良い泳ぎができました。ベストタイムも大幅に更新し、本来の力の120%を出すことができたと思います。
――タイムを見た直後にがっかりしたようにも、一方で笑ったようにも見えましたが、どのような感情だったのでしょうか
やはり負けた相手が同期だったことが、悔しくもあり嬉しくもありました。普段から日常生活を共にしている仲間とこんなにも熱く楽しいレースを展開することができ、早稲田がこんなにも強いんだぞと証明する方ができて良かったです。
――4個のメダルですが、須田選手にとって今大会はどのような大会になりましたか
一昨年はレギュラー落ち、昨年は予選落ちで終わって今年こそはと挑んだインカレはこれから成長することができる様々な可能性を感じました。50m自由形では今季日本ランキング1位をマークし、実力がついていることを確認できました。精神面での成長が私には必要不可欠で様々な試合を経験し、更なる高みを目指したいと強く思う試合でした。
田中大寛(スポ3=大分・別府翔青)
――2冠おめでとうございます。率直な感想をお願いします。
本当に嬉しいです。満足です。
――予選は5位通過でしたが、泳ぎはどうでしたか
予選は少しきつくて、少し不安もあったんですが、泳ぎ自体は悪くなかったと思います。
――そこから決勝の間に改善したことはあるのでしょうか
いえ、とくにはありません。もう本当に何も考えず、緊張を楽しむことが出来ました。
――決勝は自己ベストを更新し、最高の泳ぎだったと思いましたがどうでしょうか
そうですね、満足は満足なんですが、やはり課題も見つかるレースではあったので、ほんとにワンステップ上がれたレースだったと思います。
――田中選手にとって、今回のインカレはどのようなレースになりましたか
今回2冠出来たことは、ほんとにこれからに繋がるレースだったと思います。ワンステップ上がれたような気がします。最高に楽しいインカレでした。
亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)
――決勝の順位について率直にお願いします
昨日のタイムで来れていれば、メダルが取れていたので、かなり悔しいです。
――予選の泳ぎは振り返っていかがですか
予選は空回りしてしまって、全然自分の持ち味を出せていなかったので、決勝はしっかり上げようと思っていました。
――予選から決勝で修正したところはありますか
キックが持ち味なんですけど、それがうまくいかなくて、体がふれてしまって、それがタイムが遅くなってしまった原因だと思うので、そこを修正しました。
――決勝の泳ぎは振り返っていかがですか
自分的にはもうちょっとタイムが出ていたかなと思うんですけど、後で映像を見て振り返りたいと思います。
――初めてのインカレはいかがでしたか
チームで一丸となって一つの目標に向かって団結感とかをとても感じましたし、本当にみなさんの声援が力になりました。
浅羽栞女子主将(スポ4=東京・八王子)
――まずご自身の結果について伺います。200メートル平泳ぎの結果はどうでしょうか
調子の良さからはもっとできたと思い、少し悔しいです。
――予選の泳ぎを振り返って
凄く良い前半で行くことができ、プラン通りでした。
――決勝の泳ぎはどうでしたか
力んでしまい、自分の持ち味が出しきれませんでした。
――さらに今井月(東洋大)選手とも抱き合っている光景がありましたが、どのような感情だったのでしょうか
一緒に戦ってきた選手の自己ベストを隣で共に泳げたことにすごく嬉しく思いました。
――チームについて振り返ります、女子は過去10年で最高の4位ですが、これについていかがでしょうか
すごく嬉しいですし、 これはみんなの頑張りがあってこそだと心から思っています。
――特に頑張ったと思われる選手は誰でしょうか
松本選手(信歩、スポ2=東京学芸大付)と亀井選手です。
――チームスローガン「101%」は達成できたと思いますか
はい。みんなが少しずつ頑張り相乗効果が生まれたと思います
――今後の人生の意気込みをお願いします
水泳で培ってきた継続力、チームの素晴らしさを今後の人生でさらに活かしていきたいです。
平河楓男子主将(スポ4=福岡・筑陽学園)
――まずはご自身の結果についてです。200m平泳ぎについていかがですか
疲労感があり思うように泳ぐことが出来ませんでした。
――予選では後半に失速しましたが
その通りです。
――決勝に向けての修正点は何だったのでしょうか
疲労を少しでも軽減すること。ストローク数を調節することを修正しました。
――決勝の泳ぎを振り返ってください
予選よりは可動域も出すことが出来て、悪いなりに良かったと思います。
――決勝後の泳ぎの後は何を思っていましたか
やり切った。悔いはない。そう思ってました
――チームについて振り返ろうと思います。3位という成績はどうでしょうか
準優勝を目標にやってきたので、あと一歩及ばない結果でしたが、昨年に比べ順位を2つ上げれたことはよかったと思っています。
――チームスローガン「101%」を体現できたと思いますか
思います。
――平河男子主将にとってインカレはどのような大会だったでしょうか
メダル数もベスト率も高く、このチーム史上最高の仕上がりだったと思います。