インカレも大会3日目、最終日に向けてさらに得点を伸ばしたい早大勢からは田中大寛(スポ3=大分・別府翔青)と松本信歩(スポ2=東京学芸大付)が金メダルを獲得した。さらにメドレーリレーでは男女ともに2位に輝き、前日の4×100メートルフリーリレーに続く好成績を残した。現在男子は206.0点で4位、準優勝に向けて最終日にさらなる結果が求められる。そして女子は164.0点で4位、目標のシード権死守どころか3位以内も見えてきた。
☆王座奪回、後半の大逆転で田中が金メダル獲得!
レース後、田中は人差し指をチームメイトに掲げ喜びを表した
男子200メートル自由型では王座奪回を目指す田中大寛(スポ3=大分・別府翔青)が登場。なお、同じく登場した林大輝(スポ1=大阪・同志社香里)と原空輝(スポ1=東福岡)の両ルーキーはB決勝に進んだが、そこでそれぞれ7位と8位とインカレの洗礼を浴びた格好となった。
決勝では田中は序盤に飛び出すが、以降はペースが上がらずに前半100メートルを4位で折り返す。レース自体は50mごとに首位が入れ替わる接戦に。しかし、田中の真骨頂は最後の50mだった。150m終了時点で2位に順位を上げた田中は、首位の石崎慶祐(日大)との差を詰め、最終盤に逆転。ゴールし、優勝がわかった瞬間、田中はチームメイトに対し人差し指を掲げて喜びをあらわにした。
前回の悔しさを晴らしたが、タイムは不本意なものだったと場内インタビューで語った田中。翌日行われる100メートル自由形も制し、二冠達成なるか。
(記事・写真 芦沢拓海)
金メダルを掲げる田中(中央)
☆松本、圧倒的な泳ぎで連覇成る
連覇を決めた松本はチームメイトに向けて手を振った
女子200メートル個人メドレーには、連覇を狙う松本信歩(スポ2=東京学芸大付)と木崎京香(政経1=東京・早実)、船越彩椰(スポ1=東京・淑徳巣鴨)の3人が出場。松本は以降のレースに備え体力を温存する作戦を取り、全体3位で危なげなく予選を通過し決勝に駒を進めた。1年生は2人ともB決勝に進んでポイント獲得に貢献したが、特に木崎は自己ベストを1秒以上更新しての予選通過だった。
前回女王として迎えた松本の決勝。前半は得意のバタフライと背泳ぎだが、後続にあまり大きな差をつけることができない。それでも平泳ぎで体半分ほど抜け出すと、追いすがる2位の石原愛依(神奈川大)を自由形で振り切って、最後は体一つ分の差をつけて連覇を果たした。さらに自己記録も更新。これまでの自分を超えて、新しい松本を示したレースとなった。
(記事 新井沙奈 写真 芦沢拓海)
松本はまだ2年生、今後の活躍も楽しみな存在だ
☆男子では白石が決勝に進む
決勝に進んだ白石
松本が連覇を果たした200メートル個人メドレー。その直後に行われた男子の200メートル個人メドレーで白石崇大(スポ4=広島・沼田)が決勝に進んだ。予選では強化していたというバタフライと追い込みの自由形がうまくいったのか、自己ベストを更新する泳ぎで予選を8位で通過する。しかし、決勝では最初のバタフライを終えた時点で順位争いから脱落。そのまま浮上できずに予選と同じ8位という結果となった。
また、白石とともに同競技に出場した田丸敬也(スポ3=大阪・太成学院)と長牛太佑(スポ2=京都外大西)がB決勝に進み、それぞれ4位と6位。着実に得点を稼ぎ、チームに貢献した。
(記事・写真 芦沢拓海)
☆メドレーリレーは男女ともに銀メダル!
女子のメダル獲得は7年ぶり(写真左から亀井、浅羽女子主将、松本、今牧)。
この日最後の種目は4×100メドレーリレー。早大は男女とも決勝進出を決めており、特に男子は2位という好位置での通過だった。
早大女子は決勝で序盤から攻めのレースを展開していく。背泳ぎを専門とする亀井涼子(スポ1=東京・淑徳巣鴨)が2位で平泳ぎの浅羽栞女子主将(スポ4=東京・八王子)につなぐと、ここで早大は逆転し1位に躍り出た。浅羽が後半でさらに差をつけて松本にバトンを渡す。これがこの日4つ目のレースだった松本だが、力を振り絞って少しずつ後ろとの差を広げていく。最終的には今牧まりあ(スポ3=長野・飯田)が中京大に競り負けて2位となったものの、2015年以来となる表彰台にのぼった。
カメラに向かって「W」ポーズをする男子メドレーリレーの4人(写真左から村上汰、平河男子主将、田中、須田)
この日最後のレースとなった男子のメドレーリレーは、会場を大いに盛り上げた。早大男子は決勝から2人の選手を投入し、王座奪還を狙っていた。第一泳者の村上汰晟(スポ1=兵庫・明石南)が折り返しで2位につけるも、後半の50メートルで4位となってしまう。しかし平河楓男子主将(スポ4=福岡・筑陽学園)がしっかりと巻き返して、この日個人での優勝もあった田中へ2位でつなぐ。田中は前半の50メートルで1位に立ったが、後半で五輪にも出場した本多灯(日大)にかわされてしまった。最終泳者の須田悠介(スポ3=神奈川・湘南工大)が必死に追いかけたが、あと一歩及ばず惜しくも2位となった。
(記事 新井沙奈 写真 芦沢拓海)
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結果
◇決勝
男子200メートル自由形
田中大寛 1分48秒42【1位】
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分11秒04【1位】自己新記録
男子200メートル個人メドレー
白石崇大 2分02秒44【8位】
女子400メートルメドレーリレー
早大(亀井、浅羽、松本、今牧)4分03秒02(8位)
男子400メートルメドレーリレー
早大(村上汰、平河、田中、須田)3分26秒23(2位)
◇B決勝
男子200メートル自由形
林大輝 1分51秒72【7位】
原空輝 1分51秒99【8位】
男子100メートルバタフライ
山本拓武 53秒59【3位】自己新記録
女子200メートル個人メドレー
船越彩梛 2分18秒51【1位】
木崎京香 2分20秒19【7位】
男子200メートル個人メドレー
長牛太佑 2分02秒20【4位】
田丸敬也 2分02秒25【6位】
◇予選
女子200メートル自由形
小原天寧 2分05秒37【3位】
男子200メートル自由形
田中大寛 1分49秒29【1位】
林大輝 1分50秒91【10位】
原空輝 1分51秒59【14位】
男子100メートルバタフライ
山本拓武 25秒56【3位】
女子200メートル個人メドレー
松本信歩 2分16秒23【3位】
船越彩梛 2分18秒87【12位】
木崎京香 2分18秒99【13位】自己新記録
男子200メートル個人メドレー
白石崇大 2分01秒36【8位】自己新記録
田丸敬也 2分01秒85【10位】
長牛太佑 2分02秒39【15位】
男子1500メートル自由形
金星洋将 15分47秒41【16位】
武井凛太郎 15分56秒95【21位】
女子400メートルメドレーリレー
早大(亀井、浅羽、松本、佐々木)4分07秒98(8位)
男子400メートルメドレーリレー
早大(村上汰、平河、山本、菅野)3分38秒24(2位)
コメント
田中大寛(スポ3=大分・別府翔青)
―― 2年ぶりの金メダルですが、率直な感想は
本当に嬉しいです。今年はタイムにこだわらず、勝ちにこだわって勝てたので狙い通りのレースができました。
――後半から追い上げましたが、レースプラン通りだったのでしょうか
ラスト50m勝負になると思っていたので、150mまでは自分のレースをして、ラスト50mは周りを意識して頑張りました。
――優勝インタビューでタイムは不十分と話されていましたが、順位とタイムどちらを重要視していたのでしょうか
まあタイムも確かに欲しかったですけど、インカレはタイムより順位なので、レース自体は満足してます。
――メドレーリレーでは2位でした。チームとしてはこの結果をどのように振り返りますか
本当にすごいよかったと思います。4人全員がベストを尽くせた結果だと思います。
――明日の意気込みをお願いします
すごく緊張はしますが、その緊張を思いっきり楽しんでやりたいと思います。
松本信歩(スポ2=東京学芸大付)
――二連覇ということで、率直な感想をお願いします。
2連覇することが目標だったので、嬉しいです。
――予選はタイムは伸びなかったようですが、その後のレースを見据えてということだったのでしょうか
私は予選と決勝を別物であると考えているので、予選は決勝に進出することだけを考えて泳ぎました。リレーも含めて4レース泳ぐので、レースごとの力配分を考えていました。
――決勝は圧倒的なタイムで自己ベストを更新しましたが、これについては
欲を言えば2分10秒台を出したかったですが、ベストを更新できたので良かったです。昨年の前半飛ばす展開とはまた違ったレース展開で優勝でき、良かったです。
――メドレーリレーは2位でしたが、チームとしてはどのように振り返りますか
皆で力の限りを尽くした結果だと思います。メダルが取れて嬉しいです。予選を泳いでくれた選手、応援してくれた方々の力あってこそだと思います。
――明日の意気込みをお願いします
800mリレーがあるので、最後の力を振り絞って全力で泳ぎたいと思います。最終日も早稲田の活躍を見てほしいです。
白石崇大(スポ4=広島・沼田)
―― 順位について、率直にどうですか
決勝に残ることは目標としていたので、一つの目標はクリアできたのですが、決勝でタイムを落としたのが実力不足だなと思いました。
――予選で自己記録を更新しましたが
自己記録を0.3秒更新ということで、強化していた最初のバタフライと追い込みの自由形がうまくいったのかなと思います。
――決勝の泳ぎはどうでしたか
思ったより緊張しなくて、周りが見えていたので楽しめたレースだなと思います。
――予選と本戦いずれも自己ベストを出すこともできました
明日はメイン種目の200メートル平泳ぎがあるので、それも決勝に残って早大に貢献したいと思います。