2日目は金星と斎藤が決勝の舞台を踏む/日本選手権2日目

競泳

 世界レベルの選手たちも横浜国際プールに集った日本選手権も2日目を迎えた。WUSTからは男子1500メートル自由形で金星洋将(スポ2=大阪・桃山学院)が、女子50メートル平泳ぎで斎藤千紘(商4=東京・早実)が決勝に進出した。

★金星が強者揃いの1500メートル決勝に挑む

 決勝の舞台に最初に登場したのは金星だった。金星は前日の予選で、9位とはわずか0.2秒の僅差で8位となり、滑り込む形で決勝に進出することができた。昨年にケガをしてしまい、半年間全く泳ぐことができなかった金星。それでも日本選手権までに1500メートルを泳ぎ切ることができるまで回復し、ましてや決勝にまで進むことができたのは金星にとって大きな意味があるレースとなった。

1500メートルを泳ぎきった金星

 「予選のタイムを上回る」ことを目標に臨んだ決勝。予選の翌日という過酷なスケジュールながらも金星は、予選とほぼ変わらないペースで泳ぐ。ところが、竹田渉瑚(オーエンス)をはじめ、多くの選手が序盤から日本記録にも迫る積極的な泳ぎを見せたため、金星は早くも上位争いから脱落する。「1500メートルを2本泳ぎ切るというところまでは体力が戻っていなかった」金星は結局、優勝した竹田とは38.4秒離され8位。タイムも予選を3秒59下回った。

 決勝の雰囲気について、「夢見心地」と答えた金星。レベルの高さを見せつけられたが、8位という結果よりも全力を出し切ることができたことを収穫としている。悔しさもあるが、今回得たことを教訓とし、さらなる成長につなげていきたい。

 

★斎藤は善戦するも表彰台を逃す

 今回の日本選手権に、「自信が持つ学生記録を更新する」と大きな目標を掲げた斎藤。予選を4位で通過したが、その泳ぎは自身が満足いくものではなかった。「31秒前半は出たかなと思っていた」が、実際は31秒50。感覚とタイムにずれが生じており、焦りと不安を感じていた。それでも決勝までの時間を使って、予選で出た課題を明らかにし、改善することを心がけた。

決勝ではわずかにタイムを上げたが、表彰台には惜しくも届かなかった

 「力まずに入って粘る」という意識を持って臨んだ決勝。途中までは日本記録保持者の青木玲緒樹(ミズノ)ら優勝候補と肩を並べるように快調に泳いでいたが、終盤に相手と引き離される。タイムは予選よりも上げることができたが、3位の髙﨑有紀(日清食品)には0.05届かず4位。昨年10月の短水路日本選手権に続く表彰台とはならなかった。

 表彰台に届かなかった原因について斎藤は、「持久力というよりも泳ぎ方に問題がある」と語った。ただ、決勝のレース中に課題を発見できたこと、そして不調の中でも課題を修正できたことを収穫としたいとも語っている。日本選手権では、まだ2種目を残している斎藤。今回の反省を活かして、表彰台に立つ姿を期待したい。

(記事・写真 芦沢拓海)

結果

◇決勝

男子1500メートル自由形

金星洋将 15分42秒23(8位)

女子50メートル平泳ぎ

斎藤千紘 31秒45(4位)

◇B決勝

男子200メートル自由形

田中大寛 1分49秒27(2位)

男子50メートル平泳ぎ

平河楓 28秒26(3位)

◇予選

男子200メートル自由形

田中大寛 1分49秒20(9位)

林大輝  1分51秒24(27位)

原空輝  1分56秒27(40位)

男子50メートル平泳ぎ

平河楓  27分92秒(12位)

松田藍青 28分86秒(33位)

男子100メートル背泳ぎ

米山毅 56秒22(21位)

女子200メートル自由形

船越彩椰 2分03秒45(19位)

女子800メートル自由形

小原天寧 8分56秒00(13位)自己新

女子50メートル平泳ぎ

斎藤千紘 31秒50(4位)

女子100メートル背泳ぎ

亀井涼子 1分02秒86(17位)

松本信歩 1分03秒25(25位)

女子400メートルメドレー予選

佐々木杏奈 5分07秒24(22位)

コメント金星洋将(スポ2=大阪・桃山学院)

――日本選手権の雰囲気はいかがだったでしょうか 

やはり他の大会とは雰囲気が違うと感じました。 自分自身がこの舞台に立てているという喜びを感じたり、またこの舞台に帰ってきたいと感じることができる、そんな雰囲気でした。

――予選をどのように振り返りますか 

良い感じで泳げたのではないかと思います。私は昨年怪我をしてしまい半年間ほぼ全く泳ぐことができず、その間試合にも出場できませんでした。復帰後半年近くで1500mをしっかりと泳ぎ切ることができ、決勝にも進出できたということは私にとって非常に大きな意味のあるレースにできたのではないかと考えます。

――決勝はどのような目標で臨みましたか

予選のタイムを更新することを目標に臨みました。中盤のペースをなるべく落とさないことを課題に設定していました。

――決勝の雰囲気はこれまでと違ったものだと思うのですが、どうだったでしょうか

夢見心地という言葉がぴったりだと思います。あの舞台で泳げたことを本当に幸せに思います。

――決勝の泳ぎを振り返ってください 

1500mを2本全力で泳ぎ切るというところまで体力が戻りきっていないことを痛感しました。

――今回の経験を、今後にどのように活かしたいですか 

このような大舞台で結果の良し悪しに関わらず全力を出し切ることができたという自負を持って今後競技に取り組むことができると思います。

斎藤千紘(商4=東京・早実)

――今回の目標は何だったのですか 

学生新を更新することでした。

―― 予選の泳ぎを振り返ってください

レース中の感覚がそこまで悪くなかったので31秒前半は出たかなと思っていました。感覚とタイムが一致していなかったので、焦りや不安が残りました。

――決勝のレースプランはありましたか 

予選では25mまでのタイムはベストの時と変わらなかったので、決勝は力まず入り粘るレースプランを想定していました。予選と決勝の間で課題を探して、できる限り改善することに集中しました。

――決勝での自身の泳ぎを振り返ってください。

35mまではよかったですがラストで周りと引き離されてしまい、持久力というよりかは泳ぎ方に課題があるのかなと思いました。 レース中に課題を意識できるほど冷静に泳げたことは良かったと思います。

――タイムは予選を上回りましたが、これについてはどうお考えですか 

たった0.05秒上げただけなので誤差ではありますが、上手くいかない中でも課題を見つけて少しは修正できたので前向きに捉えています。

――今後のレースへの意気込みをお願いします 

今大会はあと2種目残っているので、調子が良くない中でもできることは全てやってベストを尽くしたいと思います。今後のWUG、インカレでは今回の反省を活かして活躍できるように準備していきたいと思います。