新年度が始まってわずか3日のこの日、第30回東京六大学春季対抗戦が立教大学新座キャンパスのセントポールズ・アクアティックスセンターにて行われた。男女ともに総合優勝とはならなかったが、今回も自己新記録や日本選手権覇権標準記録を上回る選手が多数現れ、充実した大会となった。
☆米山を中心に、自己新記録、日本選手権出場決定続出!
金星(手前)と競り合いを演じる米山
総合優勝こそならなかったものの首位明大と7点差にまで追い上げた男子は、特に米山毅(スポ3=東京・早実)の活躍が目立った。男子100メートルメドレーリレーでは第一泳者として出場、25メートルを過ぎてからペースを上げてトップで後続につなぎ優勝に貢献。さらに100メートル背泳ぎでは日本選手権標準タイムタイムを突破するタイムで2位に入り、1500メートルでは隣のレーンの金星洋将(スポ2=大阪・桃山学院)との激しい競り合いを制し優勝を果たした。その他にも、100メートル自由形、50メートル背泳ぎで須田悠介(スポ3=神奈川・湘南工大)、男子200メートル個人メドレーで田丸敬也(スポ3=大阪・太成学院)、200メートル平泳ぎで白石崇大(スポ4=広島・沼田)などが日本選手権の標準記録をクリアした。さらに100メートル平泳ぎで自己ベストを更新した平河楓主将(スポ4=福岡・筑陽学園)など、自己ベストを更新した果たした選手も大方。目標のインカレ準優勝に向けて、今回得た収穫と課題を生かし、次のステージへと進んでいく。
☆ルーキー亀井・船越が鮮烈なデビューを飾った他、松本が優秀選手賞を獲得!
バタフライを泳ぐ松本
女子はルーキーの亀井涼子(1=東京・淑徳巣鴨)と船越彩梛(スポ1=淑徳巣鴨)が大活躍した。まず400メートルメドレーリレーで第一泳者の亀井がトップでつなぐと、斎藤千紘(商4=東京・早実)、松本信歩(スポ2=東京学芸大付)、船越が首位を譲らず幸先の良いスタートを切る。さらに亀井は50メートルと100メートルの背泳ぎで、船越は50メートルと100メートルの自由形で健闘。それぞれが日本選手権覇権標準記録を上回るタイムを残し優勝、鮮烈なデビューを飾った。一方、上級生もルーキーに負けじと好成績を残した。特に松本は女子100メートルバタフライで57秒48というタイムで優勝。大会記録を0.48秒更新し、大会優秀選手に選ばれた。今回の結果を経て、4月末の日本選手権や集大成となるインカレへ弾みをつけたいところだ。
☆白石がチャレンジレースで日本選手権上旬記録を突破!
日本選手権標準記録突破に挑んだ白石
対抗戦全種目終了後に行われるチャレンジレースには、松浦優美奈(人4=沖縄・開邦)と白石が登場。日本選手権標準記録突破に挑んだ。まず松浦が女子200メートル平泳ぎで挑戦、積極的な泳ぎを見せたが、標準記録にはわずかに0.78秒届かなかった。一方、男子200メートル個人メドレーで臨んだ白石は中盤からペースが落ちるが終盤に巻き返し、標準記録を1.42秒上回り日本選手権出場を決めた。白石が大舞台でも堂々と泳ぐことを期待したい。
集合写真
(記事 芦沢拓海、写真 小山亜美氏)
総合成績
▽男子 2位 ▽女子 2位
個人各賞
女子優秀選手 松本信歩
男子50メートル自由形
中村克(OB) 21秒50 【1位】
須田悠介 21秒52 【2位】
菅野遼 22秒62 【6位】
原空輝 23秒04 【16位】
峯野友輔 23秒97 【28位】
林大輝 24秒20 【31位】
男子100メートル自由形
須田悠介 48秒07 【2位】
菅野遼 49秒03 【4位】
原空輝 49秒94 【8位】
簑田圭太 50秒74 【14位】
中村克(OB) 47秒66 OP
渡辺一平(OB) 49秒04 OP
男子200メートル自由形
原空輝 1分48秒25 【6位】
蓑田圭太 1分49秒00 【8位】
男子400メートル自由形
田中大寛 3分45秒04 【1位】
田丸敬也 3分46秒22 【2位】
米山毅 3分50秒78 【5位】
男子1500メートル自由形
米山毅 15分03秒67 【1位】
金星洋将 15分05秒83 【3位】
武井凛太郎 15分37秒19 【7位】
男子50メートル背泳ぎ
須田悠介 24秒39 【2位】
長牛太佑 24秒86 【4位】
村上賢之慎 2526秒 【6位】
男子100メートル背泳ぎ
米山毅 52秒26 【2位】
田中大寛 53秒47 【4位】
村上賢之慎 53秒85 【7位】
長牛太佑 54秒00 【8位】
村上汰晟 55秒05 【11位】
坂井聖人(OB) 52秒94 OP
男子200メートル背泳ぎ
坂井聖人(OB) 1分54秒40 【1位】
村上汰晟 1分57秒26 【5位】
男子50メートル平泳ぎ
平河楓 27秒20 【2位】
松田藍青 28秒11 【8位】
今野太介 28秒58 【11位】
男子100メートル平泳ぎ
平川楓 58秒67 【2位】
松田藍青 59秒41 【7位】
男子200メートル平泳ぎ
白石崇大 2分07秒95 【6位】
松田藍青 2分10秒40 【7位】
男子50メートルバタフライ
今野太介 23秒92 【2位】
峯野友輔 24秒51 【7位】
中村克(OB) 23秒26 OP
男子100メートルバタフライ
田中大寛 51秒93 【2位】
山本拓武 52秒60 【4位】
今野太介 53秒41 【9位】
金直輝 54秒10 【11位】
浅野健 54秒58 【12位】
林大輝 55秒09 【13位】
男子200メートルバタフライ
山本拓武 1分57秒99 【9位】
金直輝 1分58秒39 【10位】
浅野健 1分59秒53 【12位】
林大輝 2分01秒82 【15位】
男子200メートル個人メドレー
田丸敬也 1分56秒90 【2位】
白石崇大 1分58秒76 【5位】
男子400メートル個人メドレー
平河楓 4分21秒56 【7位】
武井凜太郎 4分24秒26 【9位】
男子4×100メートルフリーリレー
早大(菅野、田中、原、須田) 3分12秒83 【1位】
男子4×100メートルメドレーリレー
早大(米山、平河、須田、田中) 3分28秒90 【1位】
女子50メートル自由形
船越彩梛 25秒43 【1位】
今牧まりあ 25秒57 【2位】
佐々木杏奈 26秒34 【7位】
女子100メートル自由形
船越彩梛 54秒87 【1位】
今牧まりあ 54秒95 【2位】
女子200メートル自由形
船越彩梛 1分59秒81 【2位】
小原天寧 2分00秒46 【3位】
女子800メートル自由形
小原天寧 8分47秒22 【3位】
中道穂香 12分19秒29 【6位】
女子50メートル背泳ぎ
亀井涼子 27秒99 【1位】
中道穂香 40秒07 【5位】
女子100メートル背泳ぎ
亀井涼子 59秒92 【1位】
木崎京香 1分04秒23 【4位】
女子50メートル平泳ぎ
斎藤千紘 30秒86 【1位】
浅羽栞 31秒74 【3位】
女子100メートル平泳ぎ
斎藤千紘 1分06秒88 【2位】
松本信歩 1分08秒62 【3位】
松浦優美奈 1分10秒77 【6位】
女子200メートル平泳ぎ
浅羽栞 2分22秒95 【2位】
松本信歩 2分26秒50 【3位】
松浦優美奈 2分27秒02 【4位】
斎藤千紘 2分30秒02 【7位】
女子50メートルバタフライ
佐々木杏奈 27秒48 【5位】
今牧まりあ 27秒84 【6位】
亀井涼子 27秒91 【7位】
女子100メートルバタフライ
松本信歩 57秒48 【1位】 大会新記録
浅羽栞 1分03秒10 【5位】
女子200メートル個人メドレー
佐々木杏奈 2分15秒50 【2位】
木崎京香 2分17秒60 【4位】
女子4×100メートルフリーリレー
早大(今牧、船越、佐々木、松本) 3分40秒29 【1位】
女子4×100メートルメドレーリレー
早大(亀井、斎藤、松本、船越) 4分01秒06 【1位】
チャレンジレース 女子200メートル平泳ぎ
松浦優美奈 2分26秒43
チャレンジレース 男子200メートル個人メドレー
白石崇大 1分56秒91
コメント
平河楓男子主将(スポ4=福岡・筑陽学園)
――チームとして今回の対抗戦の結果についてはどのように考えていますか
チーム目標であった総合優勝には達成できませんでしたが、チーム内のベスト率が非常に高く良い雰囲気での対抗戦だったと思います。専門種目外に出場する選手が多かったのですが、その中でも明治大学さんと7点差まで追い詰めたことは素晴らしいことだと思います。
――ご自身の結果はどうでしたか
10点満点で言うと7点です。4月末の日本選手権に向けて鍛錬を積み、疲労ある中での試合でしたが100メートルではベストを更新できたので良かったと思います。記録の面ではまだまだ物足りなく思う部分もあり、課題も沢山見つかったので良かったです。
――チームとしては好成績を上げた選手も多かったと思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか
日本選手権の標準記録を新たに突破した選手や自己記録を大幅に更新した選手も沢山いて、チームの雰囲気が高まって行ったのでとても良かったと思います。
――メドレーリレーでは全種目で1位を取りましたが、そのことについてはどのように考えていますか
日本学生記録まであと0.13秒だったので、記録の面では少し悔いが残ります。インカレで優勝を目指しているので、この勢いでインカレまで頑張りたいと思います。
――ルーキーも合流しましたが、彼らについてはどのように考えていますか
ハイレベルな後輩達が沢山入学してくれて、より一層チームがパワーアップした気がします。現時点でもハイレベルな後輩達ですが、まだまだ伸びしろが沢山あると思うのでこれからの活躍に期待大です。
――個人的に今年の目標はありますか
インカレで個人2種目優勝、メドレーリレーで優勝です。
――チームとしての目標はありますか
まずは、早慶戦で優勝すること。そしてインカレで総合準優勝を達成することです。
浅羽栞女子主将(スポ4=東京・八王子)
――今回の団体としての目標と結果についてお願いします。
総合2位を目標にし、達成することができました。
――ご自身の今回の結果はいかがですか
直前の故障があり、思うような練習ができていなかったのですが、最低限チームに貢献することはできたと思っています。
――ご自身としては今大会の結果についてどのような位置づけで臨みましたか
新入生が入り、新しいチームで挑む初めての試合でした。そのため、結果を求める前に、チーム対抗戦の面白さを実感できるよう一本一本をチームのために泳ごうと挑みました。また、今月末に行われる日本選手権につながるレースにしようと考えていました。
――今大会で調子がいいと思った選手はいましたか
金星洋将選手です。
――大学で初めて実戦を迎えたルーキーはいかがでしたか
大学生として初めての大会とは思えないほど落ち着いて、堂々とレースに挑んでくれました。
――チームとして今後の課題はありますか
チームとして出場できる試合が少ない中、多くのコミュニケーションを図りながら絆を強くしていきたいです。その絆は、個々の競技力向上にもつながると確信しています。
――今年の目標をお願いします。
日本学生選手権において、男子準優勝、女子シード権獲得です。