【連載】インカレ直前特集『DARE』第5回 佐藤千夏×小原天寧

競泳

 今回は佐藤千夏(スポ4=埼玉・埼玉栄)と小原天寧(スポ1=東京・目黒日大)の二選手へのインタビューだ。日本選手権では3つのメダルを獲得するなど好調だった佐藤。競技人生最後の全国大会で有終の美を飾れるか。一方の小原は早慶戦を機に徐々に調子を上げている。

※この取材は9月22日に行われたものです。

「積極的に挑戦していかないと自分の目標に届かない」(小原)

――他己紹介として、お互いのエピソードなども交えながら紹介してください

佐藤 関わりがあまり無くて難しいですが、同じ400メートルの選手です。私と違って800メートルではなく200メートルと、400メートルを中心に泳いでいる選手で、実力も備わっています。これはたぶん400メートル以上あるあるなのですが、400メートルはある一定の時期からタイムが止まり始めるという話をお互いにしていて、「ベストが出ない時期が長くて辛いね」という話をしていました。そういったところに共感を持っています。今まで400メートル、800メートルの選手は2つ上の先輩にいらっしゃったのですが、800メートル中心の選手でした。なかなか200メートルと400メートルをやる選手が今まで早稲田にいなかったので、すごく頼りになる選手です。

小原 私は東京出身で、佐藤さんが埼玉出身ということで、関東の高校の試合などでずっと泳ぎを拝見していました。すごく速くて憧れの存在です。早スポさんの記事も読ませて頂いて、共通点もあるのかなと思っていました。

――共通点というのは、具体的にどのようなところですか

小原 佐藤さんがトレーナー志望だということをお聞きしていて、私もトレーナーになりたくて早大を選んだのと、佐藤さんが入っているゼミに私も入りたいと思っています。

――佐藤選手はご存じでしたか

佐藤 知らなかったです(笑)。

――お2人は3歳差ですが、まだ特別に交流はできていない状況ですか

佐藤 私が学内練習にあまり参加できていない状況なので、顔を合わせる機会が月に1回の合同練習くらいになってしまっていて。かつ早慶戦など学校での試合にもあまり出られていないので、面と向かっての交流はまだ少ないのかなと思います。難しい時期なので少ないのかなと思いますが、それでも水泳部内で週に1回やっているレクみたいなものがあって、まだ同じチームにはなっていないのですが、部員全員の顔を見られるので、必要最低限のコミュニケーションは取れているのかなと思います。

小原 たしか一度だけ女子ミーティングで一緒になりました。

佐藤 そうだっけ(笑)。あれ、話したのはその時だっけ。

小原 たぶんその時ですね。

――先ほどトレーナー志望というお話がありましたが、卒業後はトレーナーの道に進もうと思っていらっしゃるのですか

小原 はい。卒業後は鍼灸師の資格を取って、スポーツに関わっていければ良いなと思っています。

佐藤 私は鍼灸と理学療法で迷って、結局理学療法です。

――理学療法を志望した理由はありますか

佐藤 予防ができるということです。理学療法士は、予防とリハビリの専門、運動療法の専門なので。治療も大事ですが、その後の予防やリハビリも重要になるので、再発予防や怪我の予防もできるので、理学療法を選びました。

――小原選手が鍼灸のほうを選んだのはどうしてなのですか

小原 もともと体に痛みが出たときに鍼灸師の先生に見て頂いて良くなった部分が多くて、可能性を感じて、鍼灸師を志すようになりました。

――入学して1年たっていませんが、練習と学校生活の両立には慣れてきましたか

小原 最初は、家から所沢キャンパスまで2時間かかるので、往復だけで結構疲れてしまって、練習がうまくできない状況でした。最近は慣れてきて、しっかり練習できるようになりました。

笑顔で話す小原

――夏休み中にお2人がはまったことや、やってみたことはありますか

佐藤 『原神』というゲームをスマホで始めました。夏休み前から始めていましたが、夏休み中はずっとそのゲームしかやっていないです。スマホの電池消費はだいたいそのゲームです。すごく楽しくて、RPGのゲームがもともと好きで、はまっちゃって毎日やっています。

小原 これと言って始めたことはあまり無いのですが、関ジャニ∞のビデオを見ていました。昔から好きで、よく見ています。

――ここからは練習のお話も伺います。夏休み中学内ではグループに分かれて練習されていると伺いました。お2人は、学外の練習も含め、今どのようなかたちで練習されていますか

佐藤 変わらずという感じですかね。8月末頃に水泳部が活動をストップしてしまったときに、ちょうど私の練習場所もストップしてしまって、9月からもう一度スタートだったのですが、それを省いたら変わりないです。強いて言うなら、前までは週に1回学内練習に参加していたのですが、それができなくなったというくらいで、それほど大きな変化は無いですかね。

――月に1回の合同練習は今も続けているのですか

佐藤 一応今月やっていましたが、私はスイミングスクールの方から、コロナの感染状況もあって「行ってほしくない」と言われて参加できませんでした。

――小原選手はどのようなかたちで練習されているのですか

小原 今月合同練習に参加させてもらって、それ以外はスイミングスクールでいつも通りの練習が続いています。スイミングスクールのほうは変わりなくやれています。

――この夏休み中に力を入れた練習や修正された点はありますか

佐藤 調子が上下して、良い時と悪い時の差が激しい選手だったので、できる限りその幅を狭めようと思ってやっていました。なぜ調子が上下するかとなったときに、泳ぎが一気に崩れたり、それを修正できなかったりという課題がありました。なので、どんなにタイムが遅くても、疲れていても、できるだけ一定の同じような泳ぎで、かつ崩れてもできるだけ短い時間の中で、すぐにコーチに頼るのではなく自分の力で修正していくという動きだけは欠かさずやっていました。

――フィジカル面をメンタル面でサポートしていくという感じですか

佐藤 そうですね、そんな感じですね。

――小原選手はいかがですか

小原 私は早慶戦に出たときに、今の状況が穴だらけというか、体力的にも完全な状態ではないと思ったので、最初は泳ぎ込みから開始しました。今は少しずつスピードを上げていこうという所ですね。

――早慶戦でかなり課題が見えてきたのでしょうか

小原 そうですね。前半のタイムがずっと課題だと思っていたのですが、前半で焦ってしまって、前半のタイムもあまり良くないのに、後半のタイムも伸びてこないというレースになってしまいました。なので、まずは後半しっかり保たせる所からやり直そうと思い始めました。

――早慶戦はなかなか普段通りの開催とは行かなかったと思いますが、佐藤選手は試合内容をご覧になりましたか

佐藤 一応一通りは見たという感じです。なんか寂しいなと思っちゃいました(笑)。特に男なんて伊東(隼汰、社4=東京・早大学院)だけだったから、よくやっているなと思っていました。

――小原選手は出場してみていかがでしたか

小原 今までも早慶戦はずっと動画などで見せて頂いていました。その通りではなかったですが、ワセダのジャージを着て試合ができることを幸せに思いました。

「トータルで粘り強さを発揮したい」(佐藤)

――ここまで日本選手権やジャパンオープン、早慶戦などの大会がありましたが、今季全体を振り返っていかがですか

佐藤 日本選手権はまずまずの結果というか、トータルの成績で考えると、過去1、2くらいの良い結果だったのですが、目標のタイムに届かなかったりとか、一番調子が良い状態で泳ぎたい種目に合わせられなかったりしたので。調整がなかなかうまくいかないのが私の課題でもあったのですが、その中でも1週間近くの長い期間を泳ぎきれたのは、集大成ではあったのかなと思います。ジャパンオープンは、選手権が終わった後にメンタル面が崩れてしまって、あまり練習が積めていなかったこともあって、出場予定の種目をほぼ棄権して400メートルだけに絞っていました。練習を積めていなくて、かつ心の面も整っていない中でのタイムだったら、フィジカル面では問題なかったのかなという感じです。

小原 私は今シーズン、想定よりも試合に出られませんでした。全部で3試合なのですが、ジャパンオープンと早慶戦の結果を見ると、タイム自体は安定してきているという印象です。今までは波がすごく激しくて、調子の悪いときのタイムがすごく良くなかったので、最低限で抑えるということができるようになっていると感じています。ただ、やはりベストを狙っていたので、そこは難しさを感じるシーズンになったかなという印象です。

――佐藤選手は先ほどメンタル面のお話がありましたが、ジャパンオープン後はどのようにメンタル面を調整、立て直していきましたか

佐藤 こればっかりは自分でどうにかできるレベルではなくなっていたので、早大の医科学クリニックで昨年の10月末頃からメンタル面の相談はずっと続けていて、体調の方にも出てきてしまったので内科にもお世話になったりしました。そういったサポートを全面的に受けながら、ちょっとずつちょっとずつ戻していったという感じでした。

――改めて、インカレでの出場種目とその具体的な目標を教えてください

佐藤 私は個人種目が400メートルと800メートルの自由形で、たぶんリレーは400メートルと800メートルのリレーになると思います。400メートルでいつも表彰台に上れずにいて、日本選手権で上ってもインカレで5番、6番というのもざらにあるので、まずは初日からしっかり合わせていくのが一つです。あとは初日が1日で4レースあって、一番タフな山場という感じなので、そこを乗り越えるための対策を今練っているところです。いかに疲労を早く回復させるかということを課題に初日を乗り越えようと思っています。個人種目の目標としては、400メートルは表彰台以上、3番以内です。800メートルも表彰台狙いです。今のエントリーのランキングだとどちらも4番目なので、どちらも表彰台狙いでいきたいと思います。タイムはどちらもベストを出したいなというのがあります。日本選手権の400メートルはベストタイムではありましたが、正直高1から0.5とかしか伸びていないですし、800メートルに関しても高校生からベストが全く出ていないので、どちらも最後はベストタイムで終わりたいなと思っています。

小原 出場種目は200メートルと400メートルの自由形と、たぶん800メートルリレーになります。目標としては、エントリーの順位がかなり下の方で、まずベストを出さないと何も始まらないという位置なので、最初の種目ということでベストを出してチームを勢いづけられたらなと考えています。また、できれば得点にも絡んでいければなと思っています。

――小原選手は初めてのインカレとなりますが、大会にどのような印象をお持ちですか

小原 インターハイまでとはまた違う華やかさというか、選手の皆さんが輝いているように昨年まで見えていたので、すごく楽しみです。

――佐藤選手は最後のインカレとなりますが、インカレにはどのような思いをお持ちですか

佐藤 インカレで引退の予定なので、実質最後のレースになると思います。いつも何かしら泣いて終わっているので、今年こそはみんなで笑って終わりたいなと思っています。そのためには良い結果が必要になってくるので、それまでに調整をしっかりしていこうと思います。

――女子総合4位が目標ということですが、そこに向けて現在のチーム状況をどのように捉えていますか

佐藤 直接会えない中でも、主将の牧野(紘子、教4=東京・東大付中教校)がなんとか統率を取ってまとめてくれているので、女子だけで見たらチーム力は落ちていないと思います。むしろ仲が良いというか、まとまりが出ているかなと思います。

小原 私は4月からこのチームに入ってきて、なじめるか不安でしたが、牧野さんはじめ先輩方がたくさん話しかけてくれたので、少しずつなじめてきたのかなと思っています。チームとしてはかなり良い方なのではないかなと個人的には思っています。

――意識している選手はいらっしゃいますか

佐藤 私は日大の小堀倭加ちゃんと近大の難波実夢ちゃんです。オリンピアンですよね(笑)。後輩で速いし、一度でいいから勝ちたいなというのはあります。あと同い年でいうと神奈川大学の望月絹子ちゃんとは、以前800メートルでなぜか同着という恐ろしいレースをして、「もうちょっと余裕を持ったレースをしたい」とお互いに話していました。この3人と一緒に頑張って引っ張って行けたらと思います。

小原 やはり自分のレベルを上げないと周りの選手と競っていけないので、まずは自己ベストというのが自分の中では大きいですね。

――コロナ禍で大会が減っている中、モチベーションの管理が難しい時期はありましたか

佐藤 あったと言えばあったというか。試合が少ない分1試合の重みがすごく増してしまって、その試合に対する不安はありました。大きな試合に限らず地元のローカルな試合でも、自分の種目以外に出ても久しぶりの試合で緊張しすぎていました。地元の試合だと自分の種目ではなくても負けちゃだめという雰囲気があるので、そういった重みがここ2年くらいはあります。逆に大きな試合の方が気は楽かなという感じはあります。

小原 試合が少ない分、自分の今の立ち位置や課題が見えにくい部分がありました。練習中でもできるだけレースに近い競技用の水着を履いてタイムを測ったりはしていたのですが、それでもやはり見えていない部分があって、レース前はすごく不安な気持ちになっていました。

インカレで競技引退となる佐藤

――インカレに向けて、現在ご自身の課題だと感じている点はどのような点でしょうか

佐藤 体力面ですかね。過去に3回出ているにも関わらず、「完全に乗り切った」と胸を張って言えるような結果ではなかったので、タフなレースを乗り切れる体力と、途中で心折れそうなときがあったりするので、そこが課題です。

――その課題を改善するために何か対策していることはありますか

佐藤 今までやっていなかったセルフケアを始めました。今まで全然ストレッチとかやっていなかった人間なのですが、昨年腰を痛めたのもあって、痛いのも嫌だし疲労感が残るのも嫌だなと思って、昨年腰痛が取れたあたりから続けています。あまりサプリメントも好きではなくて使っていなかったのですが、必要性を感じたときには積極的に使うようにしています。少しでも疲労やケガのリスクを減らすようなことは最近し始めています。

――メンタル面については、具体的な改善策は見つけられましたか

佐藤 一応という感じですが。レースの時に自分の雰囲気を作れなかったり、周りが気になってしまったり、周りが調子良くて大丈夫かなと不安になったりとか、泳ぎながら追いつけるか不安になったりするのですが、レース前に周りが気にならないようにメンタル相談でマインドコントロールのようなものを決めています。それが日本選手権ではうまくいったので、それを継続しようかなと思っています。

――具体的にどのようなことを行っているのでしょうか

佐藤 特別なことではないですが、考えすぎる人間なので、レース前は泳ぎのことやアップ中のことなど考えすぎてしまうので、心を無にするというか何も考えないように招集所で歌を歌っています。古いタイプのiPodを買ってイヤホンをして音を爆音にしながら歌っています。決勝とかでも1人で歌っているので笑われるときもあるのですが、結構普通の音量で歌っています。でも、歌うことが好きというところから派生させていて、自分の好きなことをしているので、ある意味ストレス発散にもなっています。無駄なこと、余計なことを考えないという点では、自分に合っています。歌を歌うことにした理由が、中3のときに海外試合で会ったアメリカの選手が、招集所からレースで笛が鳴る直前まで踊るんですよ。その子は400メートルの選手でずっと海外試合を一緒に泳いでいて、2年前のユニバーシアードでもいて、しかも毎回隣で泳ぐんですよね。相変わらずヘッドホンをして踊っていて、自分の世界を作れていてすごいなと思って。それを思い出して、私は歌が好きだから歌おうと決めました。

――ちなみに何を歌っているか伺っても良いですか

佐藤 結構曲を入れ替えていて、できるだけハイテンポでリズムの良い曲にしています。今はジャンルもバラバラで、j-popも入っているし、ボーカロイドの曲も入っているし、アニメの曲も入っています。いろいろですね。

――小原選手は、課題だと感じている点はありますか

小原 前半の入りの方です。今シーズンの試合を振り返ってみても、これではベストが出ないなというラップを刻んでしまっていたので、そこのタイムを上げていくというのは課題にしています。

――克服するために何か練習で意識されていることなどはありますか

小原 タイムを上げよう上げようと思ってそれだけを意識してしまうと、後半その分落ちてしまうことや、逆にはまらないというか空回りしてしまうことがあるので、しっかり自分の泳ぎを固めながら前半入っていければなと思って練習しています。

――お2人の現在の調子を教えてください

3320

佐藤 ちょっと、という感じなのですが、おとといくらいに無理矢理泳ぎを直してそこから少しずつ上がっている感じです。今痛めている部分があったりするのですが、泳ぎの面では全然問題ないので、まだあと2週間くらいあるのでちょっとずつ調子を上げていければなと思います。

――現在痛みがあるのはどの部分なのでしょうか

佐藤 左のふくらはぎの部分です。小さいころに肉離れをやってから何度も何度もくせづいている部分で、泳ぎでなったというよりは、体力作りで練習前に走っているときにやってしまいました。でもそこまで問題はなく、ここからは試合も近くて走る予定はないので、回復するだろうと思っています。

――小原選手は調子はいかがですか

小原 私も完璧な状態ではないのですが、ここから2週間くらいしっかり調整をしていって、できるだけ良い状態でインカレに臨めたらなと思っています。

――チーム内の注目選手を教えてください

佐藤 1、2年生かな。特にまりあ(今牧まりあ、スポ2=長野・飯田)と信歩(松本信歩、スポ1=東京・東学大付)は50メートル自由形で、初日からトップバッターの2人なので注目しています。1、2年生は天寧ちゃん含めて実力のある、ベストを出せばもっと上に行けるという選手がいるので。同期は心配ないし、1個下もそこまで心配していないのですが、みんなにのびのび泳いでほしいです。

小原 私は4年生ですかね。入学してミーティングや学生レクを重ねるうちに、4年生のインカレに向けての気持ちが伝わってきているので、4年生のみなさんに良いかたちでインカレを終えていただければなと思っています。

――4年生との印象的なエピソードはありますか

小原 入学前からお世話になっていた先輩もいましたし、最初の合同練習で右も左も分からない私に積極的に話しかけてくださったのは4年生だったので、優しくて素敵な方々だなと思っています。

――ご自身の注目してほしいポイントもお願いします

佐藤 粘り強さに注目していただければと思います。中長距離というのもあるし、長距離の種目は誰が粘り強いかで勝敗が決まるようなものなので。

小原 まだ1年生で初めてのインカレということもあり、とにかく積極的なレースができればいいなというふうに思っているので、そのあたりに注目していただきたいと思います。

――いつも対談では色紙に言葉を書いていただいているのですが、今もし色紙を渡されたら何を書きますか

佐藤 『粘る』ですかね。さっき言った1つのレースの粘り強さもそうだし、やはりインカレって厳しいんですよね。日程は短いのにレース数はしこたま入れられるので。そういうトータルでも粘り強さを発揮できたらなという意味で『粘る』という言葉にします。

――なかなかメンテナンスは難しいですか

佐藤 難しいですね。特にこの1、2年は、どの大会でもケアに制限があったり、試合そのものに制限があったりしました。制限が無いと開催できないし、開催できている分まだ幸せなのですが、それでも難しい部分は増えてきています。その中でどう立ち回るかという順応性も試されていると思います。

――大会でのケアの部分でコロナ下で変わったというのはどの点なのですか

佐藤 今回のインカレのように、試合によっては会場にトレーナーさんを入れられないこともあります。あとは今までは時間制限は無かったのですが、1人何分までというのが決まっていたり、どの学校でも2、3人のトレーナーさんがいるものなのですが、1人しか入れなかったりという試合も多かったです。レギュラーメンバーだけでも人数が多いと、トレーナーさん1人では足りない部分も1人で回さないといけないし、ケアをどういう順番でやっていくかというのも、選手もスタッフも難しいのではないかなと感じています。その分、選手のセルフケアが最近は重要になってきていて、どうやって自分の身体を整えるのかという点が結構難しいと感じます。

――それがセルフケアを始めたきっかけでもあったのですか

佐藤 そうですね。自分の要望通りにケアを受けられないことが絶対にあるので、少しでも効率良く時間を削減して休める時間を増やすためにも日頃からやらないといけないなと思っています。

――小原選手は色紙の言葉は思いつきましたか

小原 さっきの話と重複してしまうかもしれないのですが、『挑戦』で。積極的に挑戦していかないと自分の目標に届かない位置にいるというのは頭では分かっているのですが、最後まで積極的にレースをして、良いかたちで終えられたらなと思っています。

――最後に改めてインカレに向けての意気込みをお願いします。

佐藤 一応引退試合と決めてはいますが、続けるか辞めるかも決まっていない中で、もしかしたら最後の試合になるかもしれません。勝負事に絶対は無いので「絶対勝つ」とは言えないのですが、それでも自分が納得できる結果を出すために、周りの方に支えられることは確かなので、そういった方に感謝をしつつ、自分にできることを精一杯最後までやりきろうと思います。

小原 入学してからここまでたくさんの先輩やスタッフの方に良くしてもらったので、少しでもチームに貢献したいと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 小山亜美)