4月3日に始まった日本選手権。3・4日目は浅羽栞(スポ3=東京・八王子学園八王子)や昨年1年生ながら日本学生選手権(インカレ)優勝を収めた田中大寛(スポ2=大分・別府翔青)らが決勝に進んだ。中でも、2日目に行われた女子400メートル自由形で3位となった佐藤千夏(スポ4=埼玉・埼玉栄)が1500メートル自由形で2位となり、日本選手権二度目の表彰台に登った。
☆3日目の決勝には田中、浅羽が出場!
男子200メートル自由形決勝には昨年インカレで同種目制覇を成し遂げた田中が登場。レースは下馬評通り、松元克央(セントラル)が前半から引っ張る展開に。田中は上位争いに何とか食いつき、前半を7位で折り返す。持ち味の後半の強さを生かし、順位を一つ上げて6位でのゴールとなった。
インカレの同種目で力泳を見せた浅羽
女子100メートル平泳ぎには浅羽が出場した。昨年インカレでは同種目で表彰台に登っている浅羽は、準決勝では自己ベストをマークする好調ぶりを見せる。そして、「0.01秒でもベストを更新できたら」と臨んだ決勝。前半から青木玲緒樹(JSS)や宮坂倖乃(明大)が積極的な入りを見せるレース展開に。前半を7位で折り返した浅羽。後半から粘りの泳ぎを見せたかったが伸びを欠き、そのまま7位でのゴールとなった。「(後半は)泳ぎが立ってしまった」と反省した浅羽だが、「200メートルにつながる泳ぎができた」と前向きに振り返った。5日目に予選が行われる200メートル平泳ぎでさらなる飛躍に期待したい。
☆佐藤が再び自己新で表彰台へ!
2日目には400メートル自由形で力泳を繰り広げた佐藤
女子1500メートル自由形には佐藤が出場した。先日の400メートル自由形で3位を獲得し、「とにかく自分らしいレースを」と意気込んでいた佐藤は、2位で予選を通過。迎えた決勝では、序盤から佐藤、森山幸美(SWANS)、青木虹光(明和県央高校)らがレースを引っ張る。「前半から怖がらずに行きたい」という先日の言葉通り、200メートル通過からはトップに躍り出るなど、積極的な泳ぎを見せた。中盤でも佐藤、森山、青木の三選手が横一線で上位争いを繰り広げる展開に。後半からじわじわと距離を広げる森山に対し、佐藤は粘り強い泳ぎで勢いを落とさない。ラスト50メートルでもペースを落とすことなく、そのまま2位でゴール。ベストタイムを大幅に更新し、再び表彰台に登る素晴らしい結果を残した。佐藤が残す種目は、得意とする800メートル自由形。今大会で見せている「自分らしい泳ぎ」でレースを展開することができるか――。
(記事 小山亜美、写真 日本水泳連盟提供)
結果
◇決勝
男子200メートル自由形
田中大寛 1分48秒64【6位】
女子100メートル平泳ぎ
浅羽 栞 1分08秒64【7位】
女子1500メートル自由形
佐藤千夏 16分20秒02【2位】自己新
◇準決勝
男子100メートル自由形
伊東隼汰 49秒93【14位】
女子200メートルバタフライ
牧野紘子 2分09秒84【3位】
男子100メートル平泳ぎ
平河 楓 2分09秒94【7位】自己新
大﨑威久馬 2分10秒66【9位】
白石崇大 2分14秒65【15位】
◇予選
女子1500メートル自由形
佐藤千夏 16分30秒87【2位】
男子100メートル自由形
伊東隼汰 49秒79【12位】
田中大寛 51秒22【29位】
女子200メートルバタフライ
牧野紘子 2分11秒41【6位】
男子100メートル平泳ぎ
平河 楓 2分09秒95【2位】
大﨑威久馬 2分11秒55【8位】
白石崇大 2分12秒31【14位】
コメント
佐藤千夏(スポ4=埼玉・埼玉栄)
――まず、予選の泳ぎを振り返っていかがですか
前日の400(メートル自由形)の疲れもあった中ではまあまあのタイムかな、と思います。
リラックスして泳げた点が特に良かったです。
――決勝はどのようなレースプランで臨まれましたか
怖がらずに前半からいこうと思いました。1500(メートル自由形)の練習はしていなかったので800(メートル自由形)に良い方向でつながるように、と。
――予選から修正した点はどこでしょうか
今回は特別修正した点はなかったですが、強いて言えば、長いストロークで泳ごうとはしました。
――決勝の結果を振り返っていかがですか
目標タイムは18秒だったので2秒足りなくて400(メートル自由形)に続き悔しい思いもあったのですが、最後腹筋が攣りそうなくらい辛かったので、ここがその日の限界だったんだと思います。それでもベストを4秒更新できたので嬉しくもあります。
――2位という結果でしたが、泳ぎを振り返って、反省点や良かった点を教えてください
1000メートルまでは良い位置につけていたと思いますが最後粘りが足りなかったです。それでも400(メートル)と800(メートル)の入りのタイムはいい感じなので、あの感覚を忘れずに次に繋げたいです。
――長水路ベストを大幅に更新しましたが、タイムを振り返っていかがですか
目標タイムには2秒届かなくて悔しいのとベストを更新できて嬉しいのとごちゃ混ぜになってます。でも決して悪くはないので前向きに捉えようと思います。
――今大会二度目の表彰台となりました。調子はいかがですか
徐々に上がってきているかと思います。(今日の)1500(メートル自由形)のダメージが少し怖いですが、やれることをやりたいと思います。
――800メートル自由形に向けて意気込みをお願いします
調子に乗り過ぎず、まずは確実に決勝へ進めます。まずはそこから。特に800(メートル自由形)は(予選)1組目なので、頑張ります。
牧野紘子(教4=東京・東大付中教校)
――準決勝の泳ぎを振り返っていかがですか
予選よりも前半のタイムを上げて27秒前半ではいろうと思って泳ぎましたが、うまくスピードがのらず、中途半端なレースになりました。
――決勝はどのようなレースプランで臨まれましたか
50メートルをベストラップ(27.3秒)で無理なく入り、後半は30秒台で泳ぎきる、57秒台を出せるレースプランでした。
――準決勝から修正した点はどこでしょうか
前半はキックを細かく打ってテンポをあげました。また、ターン後のドルフィンを1回増やしました。
――決勝の泳ぎを振り返って、反省点はどこでしょうか
後半の10メートルの失速が課題です。ターン後浮き上がりからタッチまでのペース配分、力の出し方の問題だと思います。また、ラストは周りの選手と競っている焦りもあり、泳ぎがかたくなってしまったことも関係したかと思います。
――決勝の泳ぎを振り返って良かった点を教えてください
前半、70メートルくらいまではレースプラン通りでした。準決勝で改善したかったことはできました。
――ベストまであと少しのタイムでしたが、振り返っていかがですか
自己ベスト、57秒台を出したかったのが正直なところです。しかし57秒を見据えたレースはできましたし、課題も明確なので次につながる泳ぎになったと思います。
――200メートルバタフライに向けて意気込みをお願いします
200メートルをメインにこれまで練習に取り組んできました。ベストで優勝します。
浅羽栞(スポ3=東京・八王子学園八王子)
――まず、予選や準決勝の泳ぎを振り返っていかがですか
ベストを更新することもでき、キックがきちんと効いた泳ぎでよかったです。
――決勝はどのようなレースプランで臨まれましたか
0.01秒でもベストを更新できるように挑みました。
――予選、準決勝から修正した点はどこでしょうか
15メートルまでのタイムを上げられるようにスタートからを修正しました。
――決勝は7位という結果でしたが、振り返っていかがですか
決勝という舞台できちんと泳ぐことができ、決勝出場という目標を達成できたのでよかったです。
――決勝の泳ぎを振り返って、反省点や良かった点を教えてください
ラストで粘りきれず、泳ぎが立ってしまったところは反省点でした。
――ベストまであと少しのタイムでしたが、振り返っていかがですか
200メートルにつながる泳ぎはできたのでよかったです。
――200メートル平泳ぎに向けて意気込みをお願いします
派遣標準記録を突破するために、落ち着いて前半から攻めていきます。