コナミオープン2日目は、4選手が決勝に進出。渡部香生子(スポ4=東京・武蔵野)と牧野紘子(教1=東京・東大付中教校)の実力者2人は昨日に引き続き3位以内に食い込んだものの、両者とも納得のいくレースとはならなかった。一方、男子200メートル背泳ぎに出場した丸山優稀(法2=埼玉・大宮)は、決勝で自己ベストを1秒以上更新。その好調ぶりを見せた。日本選手権開幕まで、もう50日を切っている。おのおのが今大会で見つかった課題を修正し、万全の状態で大一番に臨みたい。
★納得いかずも、4月に向けての課題を見つける
女子100メートル平泳ぎ決勝のレースに入場する渡部
大会2日目は女子100メートル平泳ぎに出場した渡部。予選を2位で通過し、危なげなく決勝進出を決めた。決勝では最初の50メートルを4位で折り返すと、後半は追い上げを見せるも青木玲緒樹(ミキハウス)には1秒74及ばず。1分08秒60の2位でフィニッシュした。「もう少しタイムを上げたかったので残念でしたけど、4月への課題は見えたと思う」。納得のいかない表情を浮かべながらも、手応えをつかんだ渡部。泳ぎが固まっていないことやスピードのなさなどを課題に挙げた。日本選手権での目標は女子100メートル・200メートル平泳ぎの代表権獲得。今大会で見つけた課題を修正し、社会人1年目にいいスタートを切りたい。
(記事 宇根加菜葉、写真 馬塲貴子)
★万全な状態ではない中、牧野が3位入賞
レース後、電光掲示板を確認する牧野
女子200メートルバタフライには牧野が出場。前日に引き続き練習の疲れが出ている中、3位入賞と及第点の泳ぎを見せた。前半の50メートルは2位で折り返すが、長谷川涼香(日大)の追い上げにより3位に。そのまま長谷川が加速をする一方、前半ペースを上げすぎた牧野はその後失速をしてしまい、前2人との差を縮めることができず。長谷川、持田早智(日大)に次ぐ3位でゴールした。「万全な状態でなくて体が重かった」と振り返るように本来の調子が出ない中でのレースだったが、2分10秒は切り、牧野は「合格点ギリギリ」と振り返った。
「順位も2人(長谷川、持田)に食い込まなければならないので」。この種目で世界選手権代表を狙う牧野。その最大のライバルとなるのが、昨年のパンパシフィック選手権代表の同級生2人だ。2年ぶりの代表返り咲きへーー。今大会では両者に負けてしまったが、「全体的なアベレージ」を上げ、日本選手権では優勝を狙いたい。
(記事 江藤華、写真 馬塲貴子)
★丸山が自己ベストを更新!
力泳を見せる丸山
今大会調子の良さをうかがわせたのは、男子200メートル背泳ぎに出場した丸山だ。予選から「予選としては良かった」と語る2分03秒36を記録し、8位で決勝進出を果たした。迎えた決勝では、予選で課題だったレース中盤のラップタイムを改善。さらに余力を残したラスト50メートルでもギアを上げ、昨年の日本学生選手権同種目2位の内藤良太(法大)らを追い抜き、4位でフィニッシュした。そのタイムは、自己ベストを1秒以上も上回る2分01秒28。「隣の人(内藤)にも勝てたので良かった」と、レース後には笑顔を見せた。しかし一方、「A決勝に残るためにはまだまだ足りない」とも話した丸山。目標とする日本選手権ファイナリスト入りに向け、さらなる研さんを積んでいく。
また、男子100メートル自由形では伊東隼汰(社1=東京・早大学院)が決勝に進出。前日、「(男子100メートル自由形は)後半を今までより上げるようなかたちのレースプランにしていきたい」と話していた伊東だったが、想定通りのレースは展開できず。「(練習の泳ぎの)再現性を高めること」を今後の課題に挙げた。目指すは世界選手権のリレーのメンバー入り。日本選手権では実力を十分に発揮し、大舞台への切符を手にしてほしい。
(記事 宇根加菜葉、写真 馬塲貴子)
結果
◇決勝
男子50メートル自由形
伊東隼汰 50秒01【6位】
男子200メートル背泳ぎ
丸山優稀 2分01秒28【4位】
女子100メートル平泳ぎ
渡部香生子 1分08秒60【2位】
女子200メートルバタフライ
牧野紘子 2分09秒98【3位】
◇予選
男子100メートル自由形
伊東隼汰 50秒28【5位】
男子400メートル自由形
古畑海生 3分58秒06【12位】
男子200メートル背泳ぎ
丸山優稀 2分03秒36【8位】
女子100メートル平泳ぎ
渡部香生子 1分08秒93【2位】
女子200メートルバタフライ
牧野紘子 2分12秒08【4位】
コメント
決勝進出者
丸山優稀(法2=埼玉・大宮)
――決勝はどのようなことを意識して臨みましたか
予選50(メートル)と100と、100から150のラップが遅かったのでそこを上げようと努めました。
――実際に泳いでみていかがですか
うまくいったかなと思います。
――タイムは2分1秒28ですが、これに対していかがですか
1秒ぐらいベスト(より上)だったので良かったかなと思いました。
――最後タイムを上げたように見えました
ちょっと余力があったので上げられて良かったと思います。隣の人(内藤良太、法大)にも勝てたので良かったと思います。勝ちたいなと思っていたので勝てて良かったです。
――日本選手権へ目標をお願いします
このタイムでもA決勝に残るためにはまだまだ足りないと思うのでもっと練習していきたいです。具体的には2分00秒を出せるように頑張っていきたいです。
伊東隼汰(社1=東京・早大学院)
――後半を上げていきたいと昨日おっしゃっていましたが、いかがでしたか
そんなに(後半)上がってはいないですね。
――タイムはいかがですか
あんまり良くはないんですけど、選手権(日本選手権)まで40日以上あるので、そこまでに調整して、いいタイムを出せるようにしたいです。
――どういうところが課題でしょうか
練習中の泳ぎを試合でうまく再現することができていないので、その再現性を高めることが重要なのかなと思います。
――日本選手権の目標は
世界選手権の4番手でリレーを目指しているので、そこを一番大きな目標にしたいです。
牧野紘子(教1=東京・東大付中教校)※囲み取材を含む
――このレース振り返っていかがですか
久しぶりの長水路の2バタ(200メートルバタフライ)でジャパンオープン以来だったんですが、あまりこの大会万全な状態でなくて身体が重かったので、その中で10秒は切りたいなと思っていたので合格点ギリギリかなと思います。
――1番狙えそうなのは200メートルバタフライですか
そうですね、2バタですね。
――でも400メートル個人メドレーも練習をするというかたちですよね
2バタが良ければ4個メ(400メートル個人メドレー)もそれなりには泳げる自信があるので、とりあえず全体的なアベレージを上げなければきついかなと思います。
――日本選手権ではどのくらいの目標を持っていきたいですか
4月は世界選手権で代表に入ることが目標なので、タイムはもちろんあと2秒上げられるように、(そして)順位も2人(長谷川涼香、日大・持田早智、日大)に食い込まなければならないので。
――日本選手権に向けて具体的な修正していきたい点は
バッタ(バタフライ)だとキックが今回入っていない気がしたのと前半のテンポが上がりすぎてしまう部分があるので、そこをちょっとタイミングだったり、キックの入り方とか(を修正したいです)。昨日からきょうまで改善させることはできたと思うのですが、そこは日本選手権で改善しないとダメかなと思います。
予選後
丸山優稀(法2=埼玉・大宮)
――今大会はどういう位置づけでしたか
日本選手権に向けての最後の大会だったので、頑張りました。
――どのようなレースプランでしたか
前半はゆっくりめでいって、後半頑張るという感じでしたが、割とうまくいって良かったなと思います。
――2分3秒36というタイムについてはいかがですか
(自己)ベストには及ばなかったんですけど、予選としては良かったのかなと思います。
――次のレースへに向けて修正したい課題はありますか
もうちょっと予選から(タイムを上げたいです)。このタイムでもまだまだだと思うので、今回は良かったんですけど、次回はもう少しタイムを上げられるように頑張ります。
古畑海生(スポ1=兵庫・市川)
――どのようなレースプランでしたか
昨日のレースから後半が少し苦しかったので、前後半をそろえるように意識したんですけど、後半を思ったより上げられなかったので、そこが課題です。
――タイムが3分58秒06ということですが、いかがですか
目標は(3分)56秒台を狙っていたので、悔しいという気持ちです。
――日本選手権への目標はありますか
日本選手権でまだ決勝に残ったことがないので、特に1500(メートル自由形)になると思うんですけど、そこで決勝に残れるようにしたいなと思います。