【連載】『インカレ直前特集』 第5回 井上奨真主将×竹内智哉×福岡清流

競泳

 今回登場するのは早大の中距離種目をけん引する3人だ。今季幾度も自己ベストを更新する大躍進を遂げた竹内智哉(スポ2=神奈川・湘南工大附属)と、初めてシニアの全国大会出場を果たした福岡清流(スポ2=大阪・桃山学院)の2年生個人メドレーコンビ、そして主将として最後の日本学生選手権(インカレ)に臨む自由形中距離のエース井上奨真(スポ4=県岐阜商)。そんな3人に今季の振り返りや普段の生活、インカレへの意気込みについて伺った。

※この取材は8月21日に行われたものです。

             

「少しだけ自信は戻ってきた」(福岡)

個人メドレーでA決勝進出を狙う福岡

――夏休みに入り、授業もありませんが、現在の練習メニューはどのような感じですか

井上 朝練と午後練の時間も変わって、より水泳に集中できるようになっていて、今この3人は同じチームで一緒に競い合いながら練習しています。

――朝練と午後練は何時から始まりますか

井上 朝練が7時半で午後練が16時からです。

――期末テストはいかがでしたか

一同 (笑)。

福岡 自信はないです(笑)。

竹内 できてる気はしないです(笑)。

井上 先生にお願いするばかりです(笑)。祈るのみです。

――夏季休業期間に入りましたが、最近オフの日は何をされていますか

一同 ウイイレ(ウイニングイレブン)(笑)。

井上 休む時間が増えたので、その時間はみんなで今ウイイレにはまってて、みんなでやってますね。ここ(3人)はみんなやってますね。

――普段からゲームはされますか

福岡 最近ブームが来ました(笑)。

――他のゲームはされますか

井上 本当に(やるのは)ほとんどウイイレばかりです、ひたすらはまっちゃって。

――誰が1番強いのですか

井上 この中でいったら・・・、僕ですけど。

竹内・福岡 いやいやいやいや(笑)。

竹内 1番弱いですよ(笑)。2回最弱王決定戦して2回とも最弱でしたよ(笑)。

――ウイイレ以外に最近マイブームはありますか

竹内 結構引きこもってばかりで。

井上 サーフィンとか言っとけよ。

一同 (笑)。

福岡 埼玉に海ないのに(笑)。

井上 しゃれてること言っとけよ。

福岡 しゃれてることですか?インスタ映えじゃないですか。

――何を撮られているのですか

竹内 この間狭山湖に行って。

福岡 いろいろ映えそうなところに(行きます)。

井上 こいつらはヒマワリ畑に行ったり、かっこつけてるんですよ。

福岡 川越が良かったですね。川越に風鈴がめっちゃあるところがあるんですよ。すごく映えます。

――ここから競技の話になります。福岡選手は今年初めて日本選手権やジャパンオープンに出場されましたが、学生の大会との違いは感じられましたか

福岡 初めてシニアの全国大会に出させてもらいました。インカレでも(結構緊張したんですけど)、インカレはチームで戦う感じがある一方、日本選手権とかジャパンオープンは個人個人で頑張らないとみたいな雰囲気があって。日本選手権はそれこそ1回目だったので、タイムを気にしていなかったわけじゃないんですが、わくわくしてて、楽しもうという感じで臨めたので結構いいタイムが出ました。ジャパンオープンは、1回日本選手権でタイムが出てしまって緊張して、逆にタイムも悪くなって。いい経験にはなったと思います。

――緊張するとタイムに影響は出るものですか

福岡 緊張し過ぎるとタイムが大きく(下がります)。 去年のインカレも緊張し過ぎて、前半飛ばしすぎてタイムが悪かったので。

――日本選手権では萩野公介選手(ブリヂストン)や竹内選手と予選で同じ組でしたが、意識するところはありましたか

福岡 萩野さんと(竹内)智哉には絶対勝てないと思ってて、とりあえず周りに付いていこうと、後半勝負だと思って後半結構(ペースを)上げたら、まさかの萩野、竹内、福岡の順(笑)。

――先ほども少し話がありましたが、ジャパンオープンのレース後に後半少しバテてしまったというのをインタビューで聞いたのですが、それに対する対策は現在されていますか

福岡 自由形があまり泳げていなくて。僕のイメージなんですけど、個人メドレーって最後の自由形さえ持てばなんとかなって、自由形を泳げればバタフライも背泳ぎも泳げるし、最後の100(メートル)でしっかり(ペースを)上げることができればそこそこタイムが出るので、自由形を強化しようと思って、調子をまず戻していく感じですね。早慶戦の自由形は、自分の中ではまだ速いタイムで泳げたので、少しだけ自信は戻ってきたかなという感じですね。

――平泳ぎに関してはいかがですか

福岡 平泳ぎがちょっとだけ膝が痛くなってからどんどん遅くなって。7月の初めの東京都選手権で、400(400メートル個人メドレー)でベストプラス4秒かかったんですけど、平泳ぎだけで3秒遅かったんです。平泳ぎをしっかり(調子を)合わせて戻すことができればまたタイムも戻ってくると思うので、カギは平泳ぎとクロールになってくるとは思います。

――膝の調子はいつから悪いのですか

福岡 痛くて泳げないとかではないんですけど、ずっと違和感があるなという感じが4、5月からあって、そこから平泳ぎで足がかからなくなって進まなくなりました。

――それでは今は平泳ぎよりは自由形を強化しているのですね

福岡 自由形を取りあえず戻して、平泳ぎは膝がマシになればどんどんマシになると思うので、まず痛みを取るようにしています。

――竹内選手は高地合宿などもあり、春はかなりタイムが伸びましたが、その中でも新しく感じた課題はありますか

竹内 今回の春の日本選手権と5月末のジャパンオープンで泳いで思ったことは、後半平泳ぎとクロールは今まで以上にいいラップで泳げてたというのが一つの収穫で、それを踏まえて感じたのが、インタビューや取材で何回かお話ししてると思うんですけど、前半のバタフライと背泳ぎでだいぶ他の選手に遅れてしまって、萩野選手らに比べてしまうと、前半の2つでなかなか(タイムが)上がってこないと今後はきついというのが見えているので、前半もう少しラップを上げることが課題かなと思っています。

――早慶戦以降は主に個人メドレー前半の2種目ではどのような練習をされていますか

竹内 主に僕はバタフライが苦手というのがあるので、400の中だとバタフライの後半と、背泳ぎは満遍なく前半も後半も全体的にレベルアップするというのを意識して練習するようにはしています。

――井上選手は体調不良などもあって春の試合はあまりタイムが伸びなかったかと思いますが、その中でも課題は見つかりましたか

井上 体調管理とかは自分自身の甘さだと思うので、それはすごく反省していて、その中でもレース後半が毎回(タイムが)落ちちゃうというのが自分の中での課題なので、その課題に対しては今もそうですし、春からずっと取り組めているのかなと思っています。

――早慶戦では男子400メートル自由形で大会新記録、男子200メートル自由形でも優勝しましたが、感触としてはいかがですか

井上 春に比べるとどんどんタイムも上がってきていて、自分の中で少しずつ手応えも感じています。それに、早慶戦も結構タイムを狙った試合だったので、いいタイムで泳げたというのは自信になっていて、そこから今の練習にもいい流れで来ている感覚はあります。すごく調子はいいのかなと思います。

――早慶戦の話では、水球部門の応援はいかがでしたか

井上 今年は水球の応援もそうですし、結構みんな盛り上がっていたというのは感じてて、またライブ配信もあり、OBの方からも好評を頂いたというのもあったので、すごくいい早慶戦だったんじゃないかなと思っています。

――普段水球部門の選手との関わりはありますか

井上 男子は一緒に住んでいるので、同じ釜の飯を食ってるわけじゃないですか。一緒に暮らしててコミュニケーション取る機会も多かったりするんですけど、試合とか見る機会はないので、刺激になるというか、一緒に暮らしてるやつらがこんなふう頑張ってるんだと思うと、自分たちも頑張ろうという気持ちにはなりますね。

常に笑いの絶えない対談となった

――皆さんはいつ頃から現在の種目を専門にされていますか

福岡 僕は高校生までずっと自由形をやってて、そこまでタイムは出てなかったんですけど、ずっと自由形をやりながら個人メドレーもやってたみたいな感じで。で、たまたま高3の夏に全国大会に自由形だけではなく個人メドレーも出て、その個人メドレーでちょっとタイムが良くて、ワセダに入れてもらえて。そこから個人メドレー1本でやってて、その時とは逆に個人メドレーをやりながらたまに(大会に)自由形で出るみたいな感じですね。僕は個人メドレーをちゃんとやりだしたのは高3の冬ですが、高3中はまだクロールもやっていたので。高校の時は専門で練習することとかあまりなくて、クロールがメインでたまに他の種目も泳ぐみたいな感じだったので、本当に本格的に個人メドレーに取り組んだのは大学に入ってからになります。

――竹内選手も中学までは自由形を専門にしていたと伺いました

竹内 そうですね、中学校までは背泳ぎと自由形と個人メドレーの調子のいいのを夏とかに「これ調子いいから今年の夏はこれで」みたいな感じで選んで(試合に)出ていて。転機が、中学3年生のころにその時期自由形がすごく調子良かったんですけど、夏前にあたりに泳ぎを変えようとしたんですよ。それに失敗してしまって、思うようにタイムが出ないし、気持ちがあまり入ってこないという時期があって、その夏が終わり冬場に気晴らしではないですけど、個人メドレーで(試合に)出たら結構タイムが良くて。そこから個人メドレーの練習量を少しずつ増やしていって、高校生ではもう完全に個人メドレーを(専門に)始めたという感じですね。

――現在も自由形で試合に出られていますが

竹内 感覚が悪くなって1年ぐらいは結構自由形に関しては苦労していたんですけど、それも年々直ってきていて今も自由形は個人メドレーの中でも得意な種目ですね。

――高校時代はほぼ個人メドレーで試合に出られていたのですね

竹内 そうですね、夏の大きい試合はほぼ個人メドレーで(出場していて)、3種目出る試合の場合は、個人メドレーは2つしかないので、プラス自由形で出たり、平泳ぎで出たりしてました。

――井上選手はいつから自由形の中距離を専門にされていますか

井上 僕はずっとそれしかやったことないです。

――短距離や長距離もされていないんですか

井上 今でも大きな試合って2種目まで選べるんですけど、中学の頃からずっと200(200メートル自由形)、400(400メートル自由形)しか出てないのでそれしかやってないです。それしかできないですね。

――練習もその2種目しかやってないのですか

井上 そうですね、昔からずっと1番きついと言われているところの距離をやっています。

――竹内選手と福岡選手は4泳法で1番得意なのはどの種目ですか

竹内 自由形ですかね。

福岡 一応自由形にはなりますね。

――皆さん中距離種目を専門にされていますが、前半から飛ばすタイプですか、それとも後半まで温存するタイプですか

井上 僕はもう前半・・・。前半で先行逃げ切りじゃないですけど、ずっと昔からこういう感じなので、それしかないのかなと思いながらやっています。

――全然スタイルを変えていないのですか

井上 変わってないですね。これが得意なのもありますし、後半が苦手というのもありますけど、前半から攻めていくというのが僕の持ち味でもあるのかなと思っています。

竹内 僕はバタフライが苦手というのもあり、個人メドレーに変えた当初と今は後半に徐々に上げていくというのをイメージしているんですけど、これからは前半バタフライと背泳ぎから突っ込んでいくようなレース展開をしていきたいですね。調子の良しあしというか、その時のうまくいった、いかないとかでも結構僕は左右されることがあるかなと思います。

――福岡選手はいかがですか

福岡 僕はタイムがいいときのラップを見ると全部後半が伸びてきているので、後半が得意なのかなと思います。前半攻めたときとかは結構後半持たないことが多いです。ぎりぎり持ってということがなく本当に持たないことが多いので、前半そんなにいき過ぎずに泳いで、後半勝負をかけるのが自分に合っているのかなと思います。

――竹内選手はヨコハマSCにも所属しているようになっていますが、大学とどのぐらいの割合で練習されているのですか

竹内 (大学が)10対0です。

――所属しているだけなのですか

竹内 そうですね。結構他の人は(クラブを)スパッと切っちゃうんですけど、長年ずっと世話になっていたクラブでもあって、ここまできたら最後まで通そうかなと。国体(国民体育大会)でも神奈川(県代表)で出たり、国体予選に出るときもワセダではなくクラブから出ることがあるので、一応(籍を)置いています。

――高校時代はクラブで練習されていたのですか

竹内 ずっとクラブです。

――高校での練習はあまりされていなかったのですか

竹内 それも(クラブが)10対0ですね。

――今男子部で外部をメインに活動されているのは伊東隼汰選手(社1=東京・早大学院)だけですか

井上 そうですね。

――伊東選手は週に何回大学で練習をされているのですか

井上 最近は週3・・・。

――寮も一緒ですか

竹内 寮には普段いなくて、最近3泊4日ぐらいで泊まりに(来ていますね)。

福岡 朝練の前の日は泊まりに来てます。

――女子部の選手は

井上 男子しか寮はないので、女子とは月に1回みんなで集まって合同練習をするというのはあるんですけど、そういうときにみんなで集まって、コミュニケーションを取るという感じですかね。

「僕たちの学年は全体的にむちゃくちゃ仲いい方だと思います」(竹内)

今シーズンはずっと結果を残し続けてしている竹内

――話は変わって、井上選手は今井流星選手(スポ2=愛知・豊川)と大﨑威久馬選手(スポ1=神奈川・桐光学園)と同部屋だと伺ったのですが、他の2人は誰と同じ部屋ですか

福岡 僕は同じ個人メドレーをやってる1年生の高野(大祐、教1=東京・立教池袋)と2人です。あと、隼汰が泊まりに来るときはいつも(自分の部屋に泊まります)。奨真さんの部屋も智哉の部屋も3人なんですけど、僕の部屋が2人で広いので、そこに隼汰は泊まるときは泊まりに来ます。

竹内 僕と4年生の古川慎一郎さん(スポ4=長野・佐久長聖)が部屋長で、1年生の田中航希(スポ1=埼玉・春日部共栄)が同じ部屋です。

――1年生と同じ部屋ですがいかがですか

井上 僕は楽しいんですけど、自分が1年生だったころは先輩に気を使ったりしましたね。どの1年生も先輩と同じ部屋になるので、最初の方は気を使って、うまく休めなかったりとかあるんですけど・・・。

竹内・福岡 めちゃくちゃ休んでるじゃないですか(笑)。

井上 だからあいつらには気を使わせないようにしてたつもりなんですけど。

福岡 そのさらに上をいってますね(笑)。

竹内 大﨑やばいよな(笑)。

井上 気を使わせなさ過ぎたのかな、ちょっと反省してます(笑)。伸び伸びとやってます。

――高野選手と田中選手はいかがですか

福岡 1、2年生は結構仲いいというか、1個上で年も近いですし、ワセダでは1、2年生はお兄ちゃんみたいな感じで、ちゃんと先輩で敬わないとはいけないけど仲良くするみたいな感じの関係なので、僕の部屋はゆるゆるですね。

竹内 僕の部屋は、(田中)航希は結構真面目な子なので、多分威久馬ほどだらだらはしてないと思うんですけど、4年生の古川さんがすごくだらだらしてる人なので、古川さんがすごく軽い感じで、僕たちにグイグイいってますね。

――最近同部屋の人と遊びに行かれますか

井上 僕たちの部屋はロック・イン・ジャパン・フェスティバルに、プラス森本(健太、スポ3=東京・早実)で行ったんですよ。結構部屋で遊びに行くこともありますし楽しいですね。

福岡 部屋会ぐらいですかね。1回東京にご飯食べに行ったんですけど、プラス森本主務で(笑)。

竹内 僕も1回部屋会を開いてからは何もないです。

井上 部屋というより最近はみんなで集まって、同じ部屋の中で過ごすのではなく、普通に他の部屋に遊びに行ったりすることもあるので、結構部屋の行き来ではないですけど、そういうのはたくさんありますね。

福岡 外に遊びに行く機会ないですよね。一緒にずっと住んでて練習も一緒にしてるし、ずっといるからわざわざ遊ぶときまで一緒に遊ぼうとはそこまでならない。それこそ日曜日に何も予定なかったら寮で、当日に「どこか行かない?」ってなるぐらいはたまにありますけど、前もってどこか行こうとかはあまりないですね。ただ今週の日曜日・・・。

竹内 ここ(3人)と古畑海生(スポ1=兵庫・市川)のMDチームでお出かけを。

井上 みんなでご飯食べに行こうかなと。

――それぞれ仲のいい同期を教えてください

井上 これといって仲がいいのはいないんですけど、全体的にみんな同じくらいというか、1人と一緒にずっといるのもなあと思いますし、同期だけじゃなくて後輩とも満遍なく関わるようにしてますし、これといって誰かというよりは、全体的にみんなとたくさん話してコミュニケーションを取った方がいいのかなと思います。

――2年生の2人はいかがですか

竹内 取りあえず今井・福岡ペアが付き合っている。

一同 (笑)。

福岡 取りあえず付き合ってはない(笑)。

竹内 あそこが鬼仲という。比較的僕たちの学年は全体的にむちゃくちゃ仲いい方だと思います。まあそこの2人は鬼仲なんですけど(笑)。

福岡 けんかとかも何もないので。毎年けんかとかでちょっとだけ険悪な雰囲気になる時期があるらしいんですけど、僕らは1年間ずっと普通に仲いいし、同期で適当にどこかに行ったりとか・・・。

竹内 温泉に行ったりとか。

福岡 近場でですけど。結構仲いいですね。僕と今井は鬼仲なんですけど(笑)。昨日も寮でご飯をみんなで食べたんですけど、牧野紘子ちゃん(教1=東京・東大附中教校)が寮に行く足がなくて、歩いたら少しかかるので、誰か車で来てほしいということになったんです。で、今井くんが車を持っているので、「迎えに行ってやって」とお願いしたら、「いいけどおまえも行くぞ」と言われて、なぜか2人で5分ぐらいなのに付き合わされたという(笑)。

井上 なんやその話(笑)。

福岡 そんな感じで結構仲いいし一緒にいます(笑)。

井上 上から見てても本当仲いいなと思います。

――そんな仲のいい2年生の中でまとめる人はいますか

福岡 いなくね?

竹内 2年生の立場になって、何かしらの仕切る機会があるんですよ。たとえば早慶戦の打ち上げを早慶合同でやったり、今後だとインカレの打ち上げや慰安旅行など、そういうのを2年生が企画します。僕たちの代は「誰か仕切っていこう」じゃなくて、一つ一つのイベントで「今回は誰担当、次は誰担当」という感じで、仕切るというよりもみんなで一緒につくり上げるような代ですね。

――2年生は仲が良いという話を伺いましたが、自分の学年はどんなカラーだと思いますか

井上 4年生は結構個性的というか、個性的と言ったら表現は良くなるんですけど、一人一人の癖が強いのが集まっていますね。それは1年生のころから付き合っているので分かってきているんですけど、それも面白いところでありますし、主将としてやってると苦労するところもあるなと感じますね。個性的と言うのが一番ふさわしいですかね。

――その中でも誰が一番個性的だと思いますか

井上 古川というのは個性しかないです(笑)。面白いは面白いんですけど(笑)。

――2年生はいかがですか

井上 うまく合ってるよね、かみ合ってる。

福岡 尚(幌村、スポ2=兵庫・西脇工)とか智哉とか、水泳は真剣にやってるんですけど、水泳以外のところは結構みんな適当なので、適当に成り行きで全部いってる感じ。

竹内 本当に成り行き、ザ・成り行きの代。

井上 もっとかっこいい言い方しろよ(笑)。

竹内 じゃあ何ですか(笑)。

井上 柔軟なとかさ、うまく何事にも対応できるとかさ、成り行きとかやめろよ(笑)。

福岡 僕らは何も言わずに自分たちのやりたいこととかなんとなく分かって、最近はないんですけど、1年生の仕事してたときとかも全然喋らずに黙々と(仕事を)やって、(仕事が)空いてたら何も言わずに動くみたいな。何も言わずに分かっていた感じがあります。

竹内 唯一癖が強いのが丸山(優稀、法2=埼玉・大宮)。あいつは飛び抜けて癖が強いです。

井上 心が通じ合ってるということですね。

福岡 話さずとも分かります(笑)。

――竹内選手と福岡選手は2年生になって後輩ができて、普段の練習や生活で変わったことはありますか

竹内 仕事がなくなったというのが1番大きいかな。

――1年生の仕事はどのようなものですか

福岡 夜毎日30分ぐらいある寮の掃除と、プールの準備があります。あと細かいことがあるんですけど、主な仕事はそれですね。

――パンパシフィック選手権やアジア大会は見られていますか

井上 みんなでテレビの前に集まって見ています。

――寮に大きいテレビがあるのですか

井上 あります、あります。食堂で見たりとか、部屋のテレビで見たりとかします。会場まではあまり行けないんですけど、テレビの前でみんなで応援してます。

――幌村選手からアジア大会でメダルを取った報告などはありましたか

福岡 何もないです。

竹内 写真撮って「お疲れ!」ってLINEがあって終わり(笑)。

――水泳以外のスポーツも見られますか

福岡 野球は結構(見ます)。

竹内 最近は野球。

井上 最近はみんなで甲子園ですね。

竹内 野球の練習もしてますよね。

井上 野球動画見て、刺激を受けて「キャッチボールしに行こうぜ」(笑)。

福岡 でもワールドカップの後は「サッカーやろうぜ」(笑)。

井上 単純なんですよ。

福岡 ウエイトドライ終わった後にサッカーとかフットサルをやったり、すぐ感化されちゃうんですよ(笑)。

竹内 今は野球とウイイレですね(笑)。

――そういったブーム以外でやるのが好きなスポーツはありますか

竹内 バレーですかね。

井上 みんなスポ科(スポーツ科学部)の授業でバレーがあるので、それをやってる時はみんな楽しそうにバレーをやってるんですけど。

竹内 バレー熱がすごかったですね。

福岡 でも他のスポーツはそんなにやらないですよね。

井上 水泳やってると水泳以外できなくなるんですよね。

竹内 そんなことないですよ(笑)。

福岡 水泳やってる人、水泳以外全然できないよ(笑)。

井上 球技とか下手くそで、結構他のスポーツを嫌がっちゃってあまりやらないですよね。

竹内 経験ない人だけじゃないですか?

福岡 あまりできなくて遠ざけてどんどんできなくなっちゃう悪循環(笑)。結局できなくてやらない。

「大学に入る時に、絶対大学4年の時にインカレで優勝して引退しようと決めていた」(井上)

インカレに向け調子を上げてきている井上主将

――ここからはインカレの話になります。現在のコンディションはいかがですか

福岡 タイムだけ見たら先週の土曜日の練習でもそこまで遅くはないんですけど、調子が良かったときに比べて同じタイムでも体の疲労度が結構違っています。スタッフに「調子どう?」と言われてそれを答えたら、「今は追い込んでいてしんどい期間で疲労がたまっていてそうなっているだけだと思うから、疲労が抜けたら大丈夫だと思う」とは言われているんですけど、まだ自分の中の本調子ではないです。疲労が抜けて本当に(調子が)戻るならいいですけど。あとは感覚をもう少しずつ研ぎ澄ましていけば、調子は100までいってはないけどすごく悪いわけではないので、あと2週間半ぐらいでそんなに焦らずこつこつと調子を上げていければなと思います。

竹内 僕今肩を負傷して、そんなに痛みはないんですけど力が入りにくい状態で、感覚としてはかなり悪いです。それをトレーナーさんや梶川監督(悟、平17人卒=愛媛・松山北)、小島さん(毅コーチ)に話して、取りあえずがむしゃらに頑張るのではなくて、この時期は我慢の時期として、インカレに向けて感覚を取り戻していこうというスタンスでやっています。自分の中でももどかしくて、つらい時期ではあるんですけど、インカレで結果を残したい気持ちはあるのでそこは我慢しています。今の4年生との最後の試合になってしまいます。奨真さんも僕も多分8継(4×200メートルフリーリレー)に出ると思うので、奨真さんと一緒に最後の8継に出て、いい思い出をつくりたいと思ってます。

井上 僕はずっとすごく調子良くて、自分の中でもインカレに向けてモチベーションが上がってきて、それがうまく練習にもつながっている感覚があります。インカレに向けて自信もついているので、その調子の良さをこれからどんどん上げていって、自信を持ってインカレにいけたらなと。残りあと2週間ぐらいですけど、そこで合わせて、インカレではいい結果が出るのかなと自分の中では思ってます。

――個人での具体的な目標を教えてください

福岡 僕は200メートルのクロールと400メートル個人メドレーに出場するんですけど、専門である400メートル個人メドレーは、今年の自己ベストの中のランキングでいったら、11番ぐらいにいます。単純に考えてあと3人抜けば8番に入って決勝に残れるので、その8番を目標に、決勝で智哉と一緒に泳げるのを目標に頑張ります。200メートルはまだベストでは(決勝進出に)足りないのですが、800メートルのリレーにも出たいなという気持ちもあるので、それ(メンバー)に入れるぐらいのタイムで泳げればいいかなと思っています。

――リレーのメンバーはいつ決まるのですか

井上 前日です。前日に予選のメンバーが発表されて、予選や他の種目の結果を見ながら、決勝を決めるので、僕たちも最後まで分からないです。

福岡 800メートルリレーは最終日で、僕と智哉は400メートル個人メドレーが(同日に)あってきついんですけど、200メートル自由形が2日目にあり、そこでタイムをしっかり出せたらもしかしたら(メンバーに)選ばれるかなと思っているので、それを目標に頑張りたいなと思います。

――竹内選手の目標は

竹内 400メートル(個人メドレー)は去年同年代の伊藤くん(晃平、日大)に負けて悔しい思いをしているので。400は今年は優勝をつかみたいなと思います。200の個人メドレーはこれも同年代の明治の溝畑樹蘭が、冷静に見ると僕よりワンランク上なので、絶対勝つとまでは言えないですけど、なるべく置いてかれずに、チャンスがあれば刺すぐらいの・・・。

井上 それは目標は2冠にしとこう。いいじゃん、目標なんだから(笑)。目標は高く持とう、最低限のラインじゃ駄目じゃん。

竹内 目標は2冠です!

――井上選手はいかがですか

井上 僕は2冠は無理ですが・・・。

一同 (笑)。

福岡 目標は高くじゃないんですか(笑)。

井上 それはおまえ無理だよ(笑)。400メートルの自由形では優勝というのを狙ってて、それが目標です。で、400と200に出るんですけど、200は表彰台に乗れたらなというのを目標に・・・。

福岡 いいんですか、それで(笑)。

井上 だって無理だよ、カツオ(松元克央、明大)には勝てねえよ(笑)。

福岡 じゃあ、1位と2位ですね。

井上 1位と2位で。

――福岡選手にお聞きします。男子400メートル個人メドレーでは決勝に残りたいという話が先ほどありましたが、タイムはどのくらいを狙っていきたいですか

福岡 ベストが今(4分)23秒0を持ってるんですけど、恐らく21秒前半ぐらいが8番のラインになってきて、今20秒台を出したら確実に残れるぐらいになってくると思うので、2秒上げたらという感じですね。400で2秒(上げるの)って無理ではないので、狙っていきたいなと思います。

井上 20秒。

福岡 21秒50くらいかな、ライン。

井上 20秒にしてもらえよ(笑)。

福岡 (男子400メートル個人メドレーが)3日目の朝いちなので。

井上 いや関係ない、関係ない(笑)。

福岡 みんな疲労と、朝いちで体が動かない人を考えると少しだけ(決勝進出タイムのラインが)落ちると思うので・・・。

竹内 20秒ぐらいは見積もっていてもいいかもしれないな。

福岡 20秒だったら残ると思うな。

井上 じゃあ20秒にしよう。

福岡 目標は4分20秒台で。

――男子200メートル自由形は、男子400メートル個人メドレーに比べると試合に出ていないと思いますがいかがですか

竹内 (1分)50秒ぐらい。

福岡 50は出ないよ(笑)。

井上 いけるよ。50秒台にしとこう。

福岡 50秒台って速いですよ?

井上 いけるよ。

福岡 いや、きついです。51秒・・・。

井上 何でおまえ目標で弱腰になってるの、言うだけならいいじゃん(笑)。

一同 (笑)。

福岡 (自分は)言わなかったじゃん(笑)!

井上 いや、違う違う、おまえそれは無理じゃないじゃん!カツオに勝つとか無理じゃん!絶対に無理だから、それはしょうがない。でも50秒は不可能じゃないじゃん。

福岡 今ワセダの4番手の今シーズンのタイムが51秒5なので、それを切れたらいいなと思います。

――竹内選手は出場2種目で誰が1番のライバルだと考えますか

竹内 400はやはり去年負けているのもあるので伊藤晃平。彼は去年も日本選手権やジャパンオープンはそんなに速くなくて、インカレで急に(タイムが)速くなったので、そこが要注意かなと。200の個人メドレーは(溝畑)樹蘭が平均して結構速いです。最後のフリー勝負になったら向こうが100の自由形(男子100メートル自由形)は代表に入るぐらい強いので、その前に勝負を仕掛けられたらなとは思います。

――井上選手は昨年個人種目に加え、リレー3種目を泳がれていましたが、スタミナ面では何か対策はされていますか

井上 去年は本当にきつくて、最後まで(スタミナが)持たなかったというのがよくあったので、それに対しての練習もしっかり積んできてますし、泳ぐかは分からないですけど、リレーで泳げと言われたら、どんな種目でも全力で頑張れる準備はしてきているつもりではあります。

――昨年泳がれたリレー種目の中で印象に残っているのはどれですか

井上 メドレーリレー(男子4×100メートルメドレーリレー)は優勝したので(印象に残っています)。リレーで優勝したことが今までなかったので、リレーで優勝するということの快感は忘れないですし、最後引き継ぐ時の緊張感やプレッシャーもよく覚えているので、そういう経験を生かして、今年はもっとリレーで結果を出せればなと思ってます。

――竹内選手と福岡選手は昨年が最初のインカレでしたが、雰囲気はいかがでしたか

福岡 すごく緊張しました。僕は3日目だけの出場だったんですけど、1、2日目でみんないいタイムも出していて、それこそ同期の竹内が200メートル個人メドレーで3番取って、幌村が個人で1番と2番取っていました。1年生ながら頑張ってた同期がすごいな、自分も頑張らないと、と思い過ぎて、緊張しました。あと今まで全国的に強いチームにいたことがなく、ワセダって結構全国的に強いので、総合の順位も狙っていて、総合に貢献するには自分も点を取らないといけないというプレッシャーも自分の中で背負ってしまって、緊張してつぶれてしまいました。この経験を今年生かせられたらなと思います。

竹内 インカレは今までの試合と全然雰囲気が違うと聞いていて、雰囲気は確かに違うなとは感じたんですけど、清流ほど緊張したわけではなかったですし、思ったより平常心だったかなというふうには思います。

――日本高校選手権(インターハイ)とどのようなところが違いましたか

竹内 インターハイ・・・。うーん、難しいな。インターハイでも僕学校でもリレーとかいっぱい出て、優勝した経験もあったので、変わらないわけではないですけど、同じような感じではあると思います。

――大会としての雰囲気もあまり変わりませんか

福岡 大会として(の雰囲気は)全然違うと思うよ。

竹内 違いはある。雰囲気は大学の方が盛り上がりはあるけど・・・。

福岡 緊張感もあるし・・・。

井上 盛り上がりというか、言ったら狂気みたいなものを感じるところがあって、総合優勝を狙ってる大学がバチバチしてるのを感じるというか・・・。

福岡 シード校はプールサイドに控え場所があるんですけど、全部隣り合ってて。自分たちもシード校なんですけど、そこに行くときに他の大学がチームとして盛り上がっていて、そういうところでもチームチームの一体感が(インターハイとは)全然違うなと思います。

――応援はいかがですか

福岡 去年であったら僕たちのプールサイドの応援席の真上のすぐ近くで保護者も一緒に応援していたので、そういうところがインターハイとは違うなと思いました。

――井上選手はリレーと個人種目の緊張感の違いはありますか

井上 ありますね。でもリレーは結構楽しもうという気持ちが強くて。泳ぐ前にもみんなで頑張るぞって話して、チームの誰かと一緒だから楽しいなという感じがあるんですけど、個人は最終的には1人の勝負なので、自分自身がやらなきゃという気持ちが強くて、どっちかというと個人の方が緊張しますよね。

――井上選手は今年主将として、大学生活最後の試合に臨むことになりますが、どのような思いがありますか

井上 大学に入る時に、絶対大学4年の時にインカレで優勝して引退しようと決めていたので、その目標に向けてずっと頑張ってきて、それを絶対達成したいという気持ちが今は強いんですけど、きっとすごい寂しくなるんだろうなっていうのがあります。

――男子部の団体としての目標は優勝

井上 そうですね。

――インカレでの自分以外のキーパーソンを挙げてください

竹内 主将一択。

福岡 主将ですね。

井上 代表選手もいっぱいいるので、一平(渡辺、スポ4=大分・佐伯鶴城)か尚と言われたら・・・。でも一平も最後のインカレなので、きっとすごい記録で泳いでくれると思いますし、あいつも熱い男なので、最後のインカレということに対しての思いは強いと思います。どのリレーにも絡んでくると思うので、ワセダの中でのキーパーソンになるのかなと思いますね。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

福岡 去年の悔しさを晴らして、総合に得点というかたちでチームに貢献したいです。

竹内 僕も個人は去年より上の順位を目指して、なおかつリレーで去年よりも活躍するのを目標に頑張りたいと思います。

井上 主将としてチームを引っ張っていくのも大事だと思いますし、後輩に伝えられるものを伝えられればなというのは思っているので、結果だけじゃなくていろんなことを最後に伝えて、終われたらなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 宇根加菜葉)

 

とっても仲の良い3選手でした!

◆井上奨真(いのうえ・しょうま)(※写真中央)

1996(平8)年7月25日生まれ。176センチ、70キロ。O型。県岐阜商高出身。スポーツ科学部4年。インタビュー中、度々後輩2人とのコミカルなやりとりが見られた井上選手。親しみやすい主将の人柄を垣間見ることができました。

◆竹内智哉(たけうち・ともや)(※写真左)

1998(平10)年7月31日生まれ。177センチ、73キロ。A型。神奈川・湘南工大附高出身。スポーツ科学部2年。大舞台でもほとんど緊張しないという竹内選手。今年のインカレでも堂々と泳ぎ切り、そして個人メドレーでの2冠を達成できるか注目です!

◆福岡清流(ふくおか・せいりゅう)(※写真右)

1998(平10)年9月7日生まれ。173センチ、68キロ。O型。大阪・桃山学院高出身。スポーツ科学部2年。インカレ初日に誕生日を迎える福岡選手。当日こそレースはありませんが、2、3日目の種目で自らの誕生日を祝う活躍に期待です!