17日間に渡って熱い戦いが繰り広げられたリオデジャネイロ五輪。夢の舞台でワセダ戦士が輝きを放った。男子200メートルバタフライでは坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)が銀メダルを獲得。注目が集まった瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)も男子400メートル個人メドレーで銅メダルに輝いた。
日本選手権での坂井。東京五輪こそは金メダルを目指す
今回のリオ五輪、早大勢の中で一番の輝きを放ったのは坂井だろう。男子200メートルバタフライ決勝。レースは序盤からマイケル・フェルプス(アメリカ)を中心に進んでいく展開となった。坂井は150メートルの時点で6位。しかし、そこから脅威の追い上げを見せる。残りわずかでトップに並ぶと、勢いそのままにゴール。レース後、坂井は何度もガッツポーズをつくった。結果は1位のフェルプスとわずか0秒04差の2位。自身初めての五輪で世界を驚かせた。
世界選手権覇者として臨んだ瀬戸は、思うような結果を残すことができなかった。表彰台の頂点を目指して挑んだ男子400メートル個人メドレー。予選から自己ベストを更新する泳ぎを見せ、期待がかかる中で迎えた決勝の舞台。序盤のバタフライから積極的に飛び出したが、予選よりもタイムを伸ばせず3位でレースを終えた。また、男子200メートルバタフライでも自分のレースができず、5位でフィニッシュ。今回味わった悔しさを、4年後の東京五輪につなげてほしい。
日本選手権での渡辺。大舞台で自己ベストを大幅に更新した
早大が誇る『ダブルワタナベ』にとっても、今回の五輪は悔しさの残る大会となってしまった。去年の世界選手権覇者であり、2度目の五輪となった渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)は2種目にエントリー。女子100メートル平泳ぎでは、予選でまさかの失格判定となったが、それが覆り準決勝に進出した。しかし、準決勝では持ち前の伸びのある泳ぎができず、次のステージに進むことができなかった。本命の女子200メートル平泳ぎでも調子を上げ切ることができず、この種目でも準決勝敗退。リオの地でも渡部の笑顔を見ることはできなかった。一方、リオ五輪で名を残したのが渡辺一平(スポ2=大分・佐伯鶴城)だ。男子200メートル平泳ぎの準決勝で、自己ベストを1秒61更新する五輪新をマーク。全体1位で迎えた決勝レースでも2分7秒台の泳ぎを見せたが、ハイレベルな混戦の中で惜しくもメダルには届かず、6位でゴールした。渡部、渡辺共にまだ10代の若きスイマーたちだ。4年後の東京五輪では、日本競泳界を引っ張る存在となるはずだ。
リオ五輪に出場した4人は9月2日から始まる全日本学生選手権(インカレ)に出場する。今シーズンの早大チームのスローガンは『PRIDE』だ。世界大会でワセダの『PRIDE』は十分に見せた。今度は背負うものを日の丸から『W』にかえ、チームのために力を尽くす。
(記事、写真 大森葵)
結果
瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)
▽男子200メートルバタフライ
決勝 1分54秒82【5位】
準決勝 1分55秒28【5位】
予選 1分55秒76【6位】
▽男子400メートル個人メドレー
決勝 4分9秒71【3位】
予選 4分8秒47【2位】
坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)
▽男子200メートルバタフライ
決勝 1分53秒40【2位】
準決勝 1分55秒32【6位】
予選 1分55秒79【8位】
渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)
▽女子200メートル平泳ぎ
準決勝 2分25秒10【13位】
予選 2分24秒77【13位】
▽女子100メートル平泳ぎ
準決勝 1分7秒43【15位】
予選 1分7秒22【16位】
渡辺一平(スポ2=大分・佐伯鶴城)
▽男子200メートル平泳ぎ
決勝 2分7秒87【6位】
準決勝 2分7秒22【1位】※五輪新記録
予選 2分9秒63【8位】
▽男子100メートル平泳ぎ
予選 1分0秒33【18位】