早大勢が大暴れ!3名がリオへの切符をつかむ

競泳

 大会五日目となったきょうは早大勢が会場を沸かせた。男子200メートルバタフライでは瀬戸大也(スポ4=埼玉栄)と坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)が、男子200メートル平泳ぎでは渡辺一平(スポ2=大分・佐伯鶴城)がそれぞれリオデジャネイロ五輪代表に内定を決めるなど大活躍。この日はOBたちも代表権を勝ち取り、辰巳の地で早大旋風が巻き起こった。

★ワンツーフィニッシュで共にリオへ

表彰台で笑顔を見せる瀬戸と坂井(左)

 男子200メートルバタフライ決勝。勝負の行方は最後のタッチ勝負までもつれこんだ。これまでも良きライバルとして、切磋琢磨(せっさたくま)を続けてきた瀬戸と坂井。レースの序盤、リードしたのは坂井だった。しかし瀬戸もそれに食らいついていく。100メートルの時点で二人と後続の差は体半分。優勝争いはこの二人へと絞られた。坂井は150メートルのターン時もトップを守り、最後の50メートルへ。ここで瀬戸が坂井に並ぶも、負けじと坂井も粘りを見せ、ほぼ同時にフィニッシュ。その差は0.07秒。わずかに先着したのは瀬戸だった。タイムに関してはそれぞれ納得していないものの、共に派遣標準記録を突破しリオ五輪代表に内定。「二人で表彰台を狙いたい」と坂井が語れば、瀬戸も「後輩ですけど誇りに思う。二人で頑張りたい」と語り、二人での活躍を誓った。互いにしのぎを削り、リオではダブル表彰台を狙いにいく。

(記事 大森葵、写真 笹澤桜)

★渡辺、大混戦のレースで2位!

レース後、隣のレーンを泳いだ北島と握手をする渡辺

 大激戦とされていた男子200メートル平泳ぎで、渡辺が快挙を成し遂げた。「本当に緊張しました」。前日の予選・準決勝共にトップ通過をし、臨んだ決勝の舞台。この日最後のレースということもあり、会場のボルテージは最高潮に達していた。レースは序盤から小関也朱篤(ミキハウス)が先行する展開に。それでも必死に食らいつき、前半の100メートルを3位で折り返す。残り50メートル、ここからが渡辺の真骨頂だ。一掻きごとに差を詰めていくと、ラスト10メートルで2位につけていた北島康介(日本コカ・コーラ)をとらえ、そのまま2位でフィニッシュ。リオ五輪代表の座を勝ち取った瞬間だった。「小関さんと一緒に日本のブレスト(平泳ぎ)界を引っ張っていかなければならない」と決意を口にした渡辺。東京五輪を目標としていた若き逸材は、4年早いリオの舞台でも輝きを見せてくれるに違いない。

(記事 大森葵、写真 笹澤桜)

★瀬戸、渡部共に決勝に駒を進める

渡部はあすの決勝に臨む

 きのう女子200メートル個人メドレーでまさかの代表落ちとなった渡部は、すでにリオ五輪の内定を決めている女子200メートル平泳ぎ予選・準決勝に臨んだ。「気持ちを切り替えることは難しかった」と語ったが、朝行われた予選を3位で通過する。準決勝も2分25秒27というタイムを残し、全体の4位で決勝に進出。世界女王のプライドを懸け、あすのレースに挑む。一方の瀬戸は男子200メートル個人メドレーに登場。直後に男子200メートルバタフライの決勝レースが控えていたため、余力を残すレースプランとなった。それでも萩野公介(東洋大)に次ぐ2位で通過。「公介が良い記録で泳いでいるので、あすは少しでも食らいついていきたい」と語った瀬戸。男子400メートル個人メドレーでは大差をつけられただけに、何とか競る展開に持ち込んでいきたいところだ。瀬戸はあす、三種目目のリオ五輪への切符をつかみにいく。

(記事 大森葵、写真 笹澤桜)

★安田、またもベストを更新

苦手とする200メートルで力泳する安田

 男子200メートル背泳ぎ予選には二名の選手が出場。男子100メートル背泳ぎで自己ベストを出した安田純輝(スポ4=千葉商大付)が、きょうもベストを大きく更新する泳ぎを見せた。「1.2秒近く縮めることができたので、大きな自信になりました」と語るように、タイムを確認すると力強くガッツポーズ。「これくらいの記録をコンスタントに出していきたい」。成長著しい安田は早大の背泳ぎ陣をけん引していく。一方、大芦知央(スポ1=大阪・関大北陽)も男子100メートル背泳ぎに続き、この種目に挑んだ。「(日本選手権では)大学デビュー戦としてど派手に爆発したかったが、思うような結果を出せなかった」と、レース後に反省点を述べた大芦。「4年後、早稲田大学に貢献できる選手になりたい」と語ったルーキーからも目が離せない。

(記事 大森葵、写真 大谷望桜)

結果

◇決勝

男子200メートルバタフライ

瀬戸 1分54秒14【1位】

坂井 1分54秒21【2位】

男子200メートル平泳ぎ

渡辺 2分9秒45【2位】

◇準決勝

女子200メートル平泳ぎ

渡部 2分25秒27【4位】

男子200メートル個人メドレー

瀬戸 1分59秒16【2位】

◇予選

男子200メートル背泳ぎ

安田 2分2秒79【17位】

大芦 2分6秒16【38位】

女子200メートル平泳ぎ

渡部 2分27秒15【3位】

男子200メートル個人メドレー

瀬戸 1分59秒40【2位】

コメント
決勝進出者

瀬戸大也(スポ4=埼玉栄) ※囲み取材より抜粋

――いまのお気持ちはいかがですか

しっかりとこの一発勝負の決勝の舞台で、派遣標準を切って内定をすることができてよかったなと思います。ですがまだまだこのタイムではオリンピックで戦うことはできないと思いますし、今回は53秒頭を目指してやったので、やはり54秒のカベは厚いなとかんじました。ですがすぐそこまで来ていると思うので、後半もう少し粘れるようにすることと、前半もっと気持ちよく楽に入れたら53秒台は出ると思うので、オリンピックの前にはしっかりと出したいですし、そうすれば世界と戦えるなと思います。

――レース展開について

決勝では最初の100メートルで後輩の坂井くんにリードを許すかたちになってしまったので、やはりリードをもらってターンしたかったので次への課題かなと思います。

――レース後は坂井選手と喜び合っていましたね

そうですね。かわいい後輩なので、一緒にオリンピックの舞台に立ちたいなと思っていましたし、聖人もこの一発勝負で入ってきたので強いなと思います。後輩ですけど誇りに思いますし、二人で頑張っていけたらなと思います。

――男子200メートル個人メドレーのレースを振り返って

準決勝はバタフライの決勝に備えてのレースとなってしまったので、ちょっと余力を残すかたちとなりました。ですが公介がすごく良い記録で泳いでいるので、あしたは少しでも食らいついていけるように頑張りたいです。

――決勝は何がポイントになってきますか

やはり前半ですごく差をつけられているのでしっかりと食らいついて、後半は平泳ぎにかかっていると思うのでしっかりとやりたいです。

坂井聖人(スポ3=福岡・柳川)※囲み取材より抜粋

――いまのお気持ちはいかがですか

リオを決めることができて嬉しい気持ちもあるのですが、53秒を狙っていたので悔しい気持ちもありますね。

――レース展開はいかがでしたか

前半から瀬戸選手の前に出てラスト粘ろうかなというプランだったのですが、見事にラストで抜かれて、まだ瀬戸選手には敵わないなと感じました。

――瀬戸選手と一緒に行けるオリンピックについて

昨年の世界選手権ではダブル表彰台とはならなかったので、リオでは二人で表彰台を目指して頑張りたいと思います。

――リオへの意気込みはいかがでしょうか

これは通過点として臨んだ試合なので、リオではメダルと言わずに優勝を狙っていこうと思います。

渡辺一平(スポ2=大分・佐伯鶴城)※囲み取材より抜粋

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

レースは北島さんと小関さんという本当に豪華なメンバーで泳がせてもらったのですが、本当に緊張がすごくて思うようなレースができませんでした。ですが、こういうメンバーの中で2位になることができて代表権を勝ち取ることができたというのは本当にうれしく思います。

――決勝のレースが課題でしたか

予選で良い泳ぎができて、準決勝も良かったのですが、決勝は少し力んでしまって思うようにレースができなかったところがあったので、本番ではさらに良い泳ぎをして自己ベストを更新できるように頑張りたいと思います。

――北島選手と一緒に泳げたというのはいかがですか

100メートルでは泳げなかったのですが200メートルでは隣で泳がせてもらって、その勝負強いところも見せてもらいましたし、刺激を受けたので、本番では日本のブレスト界を小関さんと引っ張っていかなければいけないので、上位に食い込めるようにしていきたいと思います。

――リオを決めてどのような思いですか

様々な人に支えてもらって、きょうも両親が来ていたのですが、本当に自分一人ではここまで来ることができなかったなと思います。

――早大の選手たちと一緒に行けるのは心強いですか

そうですね。ずっと合宿にも一緒に行っていて、克さんと古賀さんとみんなで決めようということだったので、本当にきょうはワセダが快進撃を見せたと思います。

準決勝進出者

渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野) ※囲み取材より抜粋

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

きょうの悪かったところを反省して、あすにつなげたいと思います。

――ご自身の中でどのあたりが反省点ですか

前半の入りからしっかりと良いペースで刻みたいと思っています。

――決勝での目標は

最低でも派遣標準は切れるように頑張ります。

――意気込みをお願いします

しっかり頑張ります。

予選後

安田純輝(スポ4=千葉商大付)

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

200メートルの方は苦手意識が強かったのですが、きょうのレースで1.2秒近く大幅なベストが出たのでひとつ大きな自信につながったのではないかなという手ごたえです。

――ベスト更新の要因などはありますか

二日目の100メートルの方でベストを出して、スピードに対する自信をつけることができました。そこから日数があいてしまったのですが、アップを入念にこなしてしっかりと落ち着いていこうというかたちで臨んだらうまくいきました。

――今後に向けてどのような目標がありますか

このくらいのタイムをコンスタントに出していって、最終目標はインカレ(全日本学生選手権)での勝負なので、そこでB決勝や決勝に進んでいけるような実力を今後着けていきたいと思います。

――次週に控える春六(東京六大学春季対抗戦)に向けての意気込みをお願いします

最上級生として背中を見せていかなければいけない立場なので、しっかりとここは最上級生としてのプライドを持って、後輩たちに良い泳ぎを見せて、これが最上級生なんだぞという姿を見せることができたらなと思います。

瀬戸大也(スポ4=埼玉栄) ※囲み取材より抜粋

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

速かったですね。

――それはご自身でも意識していたのですか

そうですね。前半から軽く速くはいって、後半は隣のレーンの選手を見ていたという感じなので、良い感じで泳ぐことができたかなと思います。

――午後に向けての意気込みを教えてください

朝気持ちよく泳げていて、体のキレもあるので、しっかりと200メートルの個人メドレーでは決勝に駒を進めて、200メートルのバタフライの方では自分の自己ベストを目指して頑張ろうと思います。

渡部香生子(スポ2=東京・武蔵野)※囲み取材より抜粋

――朝のレースでしたが泳ぎの感触はいかがでしたか

きのうのレースがあまり良くない結果だったので、気持ちを切り替えることが難しかったのですが、予選はまずまずのタイムだったかなと思います。

――気持ちの方は切り替わっていない感じでしょうか

いえ、この200メートルの平泳ぎの方は残すところ自分の種目では一種目なので、内定をいただいている種目でもありますし、しっかりと決勝まで調子を上げていって、決勝を目指して頑張りたいなと思っています。

――タイムについてはいかがでしょうか

3位で残れていることも、だいたい良いかなと思っています。

――準決勝での目標タイムを教えてください

23,4秒くらいで泳げれば良いかなと思っています。

大芦知央(スポ1=大阪・関大北陽)

――いまのレースを振り返ってみていかがですか

あまり調子も良くなくて、結構100メートルに比べて200メートルは苦手意識が強いので、気持ちの部分でまだ負けている部分があると思います。100メートルの方もタイムはあまりよくなかったですし、200メートルもダメなのかなというマイナスな部分から入ってしまったので、こういう結果になったのかなと思います。

――100メートルに続いて二種目目の出場となりましたが緊張感などはありましたか

そうですね。日本選手権自体は2回目なのですが、五輪選考会は初めてなので、その雰囲気にのまれてしまった部分というのは少しありますね。

――早大の一員として臨む初めての試合となりましたが

デビュー戦としてど派手に爆発したかったのですが、思うように結果が出なかったのでこれからしっかりとゼロからのスタートだと思って、4年後に早稲田大学の水泳部に貢献できるようにあしたから日々の生活を見直して成長していきたいと思います。

――次につながる課題がありましたら教えてください

やはり筋力不足もありますし、フォーム自体もまだ上のレベルを目指せるものではないので、そのあたりを監督さんと話し合いながら全ての部分をゼロから見つめ直していきたいなと思います。