新体制で迎えた初の大会。3選手が表彰台へ

競泳

 激闘の日本学生選手権をから約1カ月半。新体制となった早大は、初の大会を迎えた。海外勢も交えて行われた今大会。オフ明けということもあり本調子ではない選手も多い中、3選手が表彰台へと上がり強さを証明した。

★坂井、盤石の泳ぎで金メダル

表彰台での坂井(中央)

 男子200メートルバタフライには坂井聖人(スポ2=福岡・柳川)が出場した。先日行われた世界選手権では4位入賞を果たしている本種目。予選2位で危なげなく通過すると迎えた決勝、坂井は「なかなかスピードが出なくて、体がちょっと重かった」と話すように、隣のレーンを泳ぐ幌村尚(西脇工高)に一時先頭を譲る。しかし「ラストで差せると思っていた」という計画通り、前半は焦ることなく中盤以降にしっかりとスピードを上げ、150メートル地点では再び1位へ。その勢いを保ったまま、最後は2位に頭1つ分以上の差をつけ堂々のフィニッシュ。今回、坂井と共に先頭争いを繰り広げたのは16歳の高校生だったこともあり、レース後「ラストは(先輩としての)意地で泳ぎました」と笑った。

(記事 吉田麻柚、写真 寺脇知佳)

★中村、勝負強さを見せつけ優勝

レース前、集中する中村

 インターナショナル合宿明けで疲れが残る中臨んだ今大会。男子100メートル自由形に登場した中村克(スポ4=東京・武蔵野)は、予選を3位で通過する。迎えた決勝レースは外国勢や塩浦慎理(イトマン東進)ら強敵が名を連ねており、前半50メートルの時点で4位と遅れをとった。しかしここからが真骨頂。一掻きごとにスピードを上げ、ライバル選手たちを抜かしていく。後半が得意な中村は怒涛(どとう)の追い上げを見せ、1位でフィニッシュ。「後半へばってしまったのとストロークの乱れもあった」と振り返るようにタイムは49秒17と振るわなかったが、勝負強さを見せつけた。現在は呼吸動作の改善に取り組んでいるという中村。「目標をぶらさずに一日一日を大切にしていきたい」。リオデジャネイロ五輪に向け、視界は良好だ。

(記事 大森葵、写真 寺脇知佳)

★一歩及ばず悔しい2位に

惜しくも2位となった渡辺

 男子200メートル平泳ぎに登場したのは渡辺一平(スポ1=大分・佐伯鶴城)。予選を幸先良くトップで突破する。決勝レースは隣のレーンを泳ぐ高橋幸大(コナミスポーツクラブ)と競り合う展開。持ち前の大きなストロークで序盤はリードを奪うも、100メートル手前でかわされてしまう。「プラン通りのレースはできたが(高橋選手が)一歩僕を上回りましたね」と振り返るように、最後まで先頭を捉えることはできなかった。「優勝を狙っていたので悔しい」。目標としていた優勝には一歩届かなかった。しかしタイムは自己ベストに迫る2分9秒94。「タイム的には良かった」と語るように着実に成長を遂げており、今後もワセダのルーキーの躍進に目が離せない。

(記事 大森葵、写真 寺脇知佳)

結果

◇決勝

男子100メートル自由形

中村 49秒17【優勝】

男子200メートルバタフライ

坂井 1分55秒75【優勝】

男子200メートル平泳ぎ

渡辺 2分09秒94【2位】

◇予選

男子100メートル自由形

中村 50秒12【3位】

荒木優介副将(人3=三重・暁) 50秒95【18位】

女子200メートル自由形

伊藤愛実(社1=東京・早実) 2分04秒97【29位】

男子50メートル平泳ぎ

上野聖人主将(社3=神奈川・法政二) 28秒69【19位】

女子100メートルバタフライ

田村美紅女子主将(スポ3=埼玉栄) 1分00秒96【12位】

志賀珠理奈(スポ1=埼玉・武南) 1分02秒53【32位】

男子100メートル背泳ぎ

安田純輝(スポ3=千葉商大付) 57秒15【19位】

女子50メートル背泳ぎ

山口真旺(スポ2=兵庫・須磨学園) 29秒42【14位】

赤木彩乃(スポ3=岡山・勝山) 30秒07【23位】

男子200メートルバタフライ

坂井 1分58秒24【2位】

男子400メートル自由形

坂井 3分57秒12【14位】

井上奨真(スポ1=県岐阜商) 4分00秒50【23位】

阿久津直希(スポ2=埼玉栄) 4分02秒47【28位】

八木隼平(スポ3=京都外大西) 4分06秒43【32位】

男子200メートル平泳ぎ

渡辺 2分11秒51【1位】

加納雅也(スポ4=県岐阜商) 2分17秒78【32位】

コメント

中村克(スポ4=東京・武蔵野) ※囲み取材より抜粋

――レースを振り返っていかがですか

合宿明けですごく疲れがありました。タイムはもっと速いと思ったのですが、後半へばってしまったのとストロークの乱れで左に寄ってしまったので、そういうミスがタイムロスにつながってしまったと思います。次はこういうミスはしないように気をつけていきたいと思います。

――強化の中でのレースだったと思いますがどのような点を課題にして臨みましたか

きょねんのシーズンは呼吸動作が大きくて無駄な部分が多かったので、呼吸動作を今回は小さくするというところを意識しました。ですがまだ試している途中で、まだ癖は取り切れなかったのでそこはうまくいかなかったです。

――らいねんに向けてどのような強化をしていきたいですか

引き続き自分の持ち味は生かしながら、苦手なところをしっかりと強化していきたいと思っています。

――リオデジャネイロ五輪に向けて今のお気持ちは

やはり4年に一度の大きな大会なので、自分も出たいという気持ちもすごく強くなってきています。目標をぶらさずに一日一日を大切にしていきたいです。

坂井聖人(スポ2=福岡・柳川)※囲み取材より抜粋

――決勝はどのようなレースでしたか

予選をあまりいい感じに泳げていなかったので、一時はどうなるかと思ったのですが、一応55秒で泳げていい感じじゃないかなと思います。

――どんなレース展開を考えていましたか。また実際泳いでみてどうでしたか

できれば前半の100(メートル)から出たい気持ちはあったのですが、なかなかスピードが出なくて、体がちょっと重かったので、出られませんでした。ただ、ラストでさせると思っていたので、ラストだけしっかり意識して泳ぎました。

――ラスト50メートルで差せた要因は

ラストもあまり(スピードを)上げられなかったのですが、予選でのミスを決勝では修正できたので、差せたと思います。

――気持ちの部分で先輩の意地というのはありましたか

そうですね。ラストは(先輩としての)意地で泳ぎました。

――日本に若くて強い選手が多く出てきていますが、その選手の一人としてどのように受け止めていますか

世界的に見ても200メートルバタフライは日本人がリードしているかたちにもなっているので、これを生かしてもっとしっかり上に行けたらいいなと思います。

――あしたに向けて一言お願いします

あしたは僕が苦手な100(メートルバタフライ)なので、しっかりそこでも上の順位を狙って、頑張りたいと思います。

渡辺一平(スポ1=大分・佐伯鶴城)

――2位ということでいまの率直なお気持ちは

インカレ(日本学生選手権)よりはタイムはだいぶ良いのですが、順位がやはり優勝を狙っていたので悔しいです。

――レースを振り返っていかがですか

僕のプラン通りのレースはできたのですが、高橋さん(幸大、コナミスポーツクラブ)が僕を上回りましたね。

――ご自身の調子はいかがでしたか

おとといまでインター(ナショナル)合宿を行っていて疲れもある中でしたが、良いタイムが出ると思って臨みました。タイム的には良いので(調子は)良いのではないかなと思います。

――あすに向けて

きょうは悔しい結果だったので、あしたは少しでも良いタイムを出せるように頑張ります。