【連載】インカレ直前特集『TOP SPEED』 第2回 荒木優介×上野聖人

競泳

 今季自己ベストを連発し、日本トップレベルのスプリンターにまで成長した荒木優介(人3=三重・暁)と国内最高峰の舞台・日本選手権で決勝進出を果たした上野聖人(社3=神奈川・法政二)。過去の日本学生選手権(インカレ)では納得のいく成績を残せていなかったが、ことしはチームの得点源として大きな期待がかかる。来季を担うお二人に今季の振り返りとインカレへの意気込みを伺った。

※この取材は8月12日に行われたものです。

初めてくぐった大舞台の決勝ゲート

――日本選手権、ジャパンオープン2015(50メートル)でそれぞれ自己ベストを更新していましたが、春の個人戦を総括していかがですか

荒木 日本選手権では自己ベストは出たのですが、目標には届かなくて、ただベストが出たというだけだったので、特に100(メートル自由形)ではもう少し上のタイムを目指していたのでそこが残念でした。ジャパンオープンでは49秒台も出せましたし、国内主要大会の決勝に進めたので、100で全国で戦えるようになったということはすごく成長できた部分だったなと思います。

上野 (日本選手権では)50(メートル平泳ぎ)と100(メートル平泳ぎ)に出て、最低限の目標は達成したかなという感じです。インカレのレギュラーの選考が懸かっている試合だったので、100メートルで切らなければいけないタイムを切れて、一応ほんのちょっとだけベストだったので、必要最低限の目標はクリアできたので満足しています。それ以上を目指せという人もいるかもしれないですが、僕は大満足で日本選手権を終えました。ジャパンオープンは、時期的にも鍛錬の中で出るというスタンスで臨んでいたので、タイムを追い求めるというよりは、泳いだ時の疲れ具合だったりフォームだったりに重きを置いていたのでタイムはそこまで気にしていなかったのですが、あまりのタイムの遅さにショックを受けました(笑)。

――上野選手は日本選手権、荒木選手はジャパンオープンで決勝に進まれましたが、大きな舞台での決勝の雰囲気というのはいかがでしたか

上野 50メートルの種目はインカレにもオリンピックにもなくてそんなに決勝の数がない種目なので、そんなに変な緊張感もなく臨めました。日本選手権の決勝なので雰囲気は盛り上がってすごかったのですが、のまれるとかはなく純粋に楽しめたかなと思います。

荒木 僕はジャパンオープンの決勝に5位で残ったのですが、決勝に進む予選8位以内の選手のうち6位が小堀さん(勇氣、日大)、7位が丸山君(徹、明大)、8位が原田蘭丸さん(自衛隊)の三人で、三人とも僕より持ちタイムが全然速かったので、もし決勝で負けたとしてもこの三人ならいいやと。最低でも8位だし、残ったもん勝ちだと思って、そんなに緊張感もなくいけましたね。

笑顔で話す上野

――決勝ゲートをくぐる時にパフォーマンスをされていましたが、それは事前にやろうと決めていたのですか

荒木 そうですね。あのポーズ(最下部の写真参照)は練習や普通の寮生活や学校でもちょくちょくやっていることだったので、それを見てくれている人にも「こういう舞台でも僕はやります」というちょっとしたアピールです(笑)。

上野 ファンサービスの精神ですね。

荒木 上野も日本選手権の時やってたよね?(笑)すごいかっこ良かったよね(笑)。

上野 あれ(胸に手を当てるポーズ)はノータッチでいきましょう。

――上野選手はあのポーズをやろうと決めていたのですか

上野 そうですね。

荒木 いつから決めてたの?

上野 いつから決めてたんだろう…分からないですね、全然。僕は、僕の人生を振り返ってみると、将来何になりたいという夢は誰に影響されてきたかというと木村拓哉さんなんですよ。キムタクが『HERO』をやれば検事かっこいいな、『GOOD LUCK!!』をやればパイロットになりたいみたいな。そこで、木村拓哉さんの『プライド』というドラマでアイスホッケーの試合前にあのポーズをやるのですが、あれかっこいいなみたいな。これだ、という憧れですね。

――インカレでやりたいポーズはありますか

荒木 そういうのも楽しみにしていればインカレも楽に決勝に残れそうな気がするので、気持ちに余裕を持たせるためにもそういうのは考えるようにしていますね。

上野 僕はもう木村拓哉一本でいきます。里中ハル(役名)に憧れているので。

荒木 僕もあのポーズは使いますよ、もちろん。

――緊張はお二人共あまりされるタイプではないのですか

荒木 するときはするんですよね。僕は日本選手権が今回初めてだったので、すごく緊張しました。

上野 僕は予選とかのほうが緊張しますね。「これ残らなきゃな」とか思うので。決勝は泳ぐだけなので全然緊張しないです。最低限のやらなければいけないことがそこそこきつい時だと緊張しますけど、それ以外は全然緊張しないです。

荒木 1年生の時はインカレではそこそこ緊張しました。

――緊張をほぐすリラックス法はありますか

上野 歌を歌うことですかね。

荒木 いつもじゃん(笑)。

――どこで歌うのですか

上野 さすがに召集所では周りに選手がいるので歌えないので、荷物を持ってロッカーに行って召集所に向かう途中に歌ったりしています。あとは召集所の中で、頭の中で歌を歌っています。寮でも歌っているので、普段と同じようにするという感じですね。

荒木 特別なことは何もしないです。普通にしています。だから緊張する時は緊張して対処法は何もないです。召集所とかでは何もしないでぼーっとしています。

上野 周りの人とかと話す?

荒木 何も話さない。僕お友達あんまりいないもん(笑)。

上野 速い人たちはいかついんですよ、本当に。プレッシャーで気圧されないようにしています。

――荒木選手は昨年から自己ベストを連発していますが、その要因は何だと考えますか

荒木 単純に練習に向かう姿勢が変わったんじゃないかなと思います。

上野 それは見ていても感じますね。

荒木 過去を振り返ってみるとタイムが出ていなかった頃の自分は甘かったなと思いますし、いまでも甘い部分はあるのだと思いますが、昔と比べたらポイントポイントに対する姿勢が全然違うと思います。

――意識が変わったきっかけはありますか

荒木 100がすごく伸びたのは9月、10月の新シーズンからなんですけど、練習の後に克さん(中村副将、スポ4=東京・武蔵野)とお話しさせていただく機会があって、そこでまだ10月だったのですが次の年のインカレについてちょっと話して、そこで「400メートルフリーリレーで来年大会記録いけるかもしれないよ」という話をされて。僕はその時、100メートル自由形の持ちタイムでいったら克さん、大也(瀬戸、スポ3=埼玉栄)、一平(渡辺、スポ1=大分・佐伯鶴城)、雨谷さん(拓矢、スポ4=神奈川・桐蔭学園)、真(和田、スポ3=東京・早実)に次いで6番目ぐらいだったのですが、「そのメンバーにお前が入ってくるようになれば大会記録が狙えるぞ」というようなことを言われて、そこですごく具体的な目標ができたというか。すごくない?全国大会の大会記録なんてないだろお前?

上野 あるわけないだろ(笑)。

荒木 田舎者なのでそういうのにすごく憧れたんですよ。「それ絶対やりたい」と。そのためには100を頑張らなければいけないなと思って、100のタイムを上げるためには何をしたらいいのかを考えるようになったのだと思います。

成長著しい荒木

――中村選手の存在は大きいものですか

荒木 克さんと話すとやっぱり頑張らないとなと思います。一番影響を与えてくださる選手だと思います。

――加納雅也主将(スポ4=県岐阜商)たちのお話の中にも荒木選手はすごく努力をしているという話がありましたが

荒木 努力はしてますね。してるでしょ?

上野 まだまだだな。

荒木 まあね。でも前よりはしてるでしょ?

上野 してる。確実にしてる。

荒木 だそうです。もっと褒めていいよ(笑)。

上野 練習中だけじゃなくて、こいつは早く寝るんですよ。普段の生活から水泳に対してメリットになることを率先してやっていますね。

荒木 水泳中心の生活を送るようになりました。

上野 早く寝すぎると困るんですけどね。同期とかで集まる時とかに「いや、ちょっと寝るから」みたいな。意識高すぎるだろと。

――何時に寝るのですか

荒木 とりあえず11時過ぎには部屋の電気を消します。そこから寝付けない時は起きていたりもするのですが、11時半までに寝る態勢はつくってますね。みんなが遅いんですよ。

上野 夜型の人が多いんですよね。

――朝は何時から練習が始まるのですか

 授業がある時は6時10分から始まるので5時50分頃起きますね。12時越えて寝てたら全然寝られないじゃん。

上野 寮生活はすぐそばに仲間がいるのでいろいろ誘惑が多いんですよね。ゲームをみんなでしたりとか。こいつはそういうことを全て断ち切ってますね。

――上野選手は体力不足が課題だとおっしゃっていますが、それを改善するために何か行っていますか

上野 それは毎回言っていますね(笑)。体力不足は
僕の永遠の課題というか、体質というか…

荒木 そこで諦めちゃ駄目でしょ(笑)。

上野 諦めているわけではないんですけど、ちょっと練習を頑張ってちょっと体力アップしたぐらいではまだまだなので、いまはインカレに向けて練習を積んでいるのですがやっぱり他の選手に比べて体力が少なすぎて練習をこなせない時もあるので、日々努力しています。あんまり人がそこは頑張らないだろという練習を意識的に頑張ったりしています。メインの練習という一番きつい練習があるのですが、その前とかだと体を調整して自分で強度を落としたりする選手もいるのですが、僕はそういうところを逆に意識して、先に追い込んでおいてそこからきつい状態でメインにいきます。メインの途中で死なないように死なないようにと頑張っています。

――ことしはワセダの選手が世界で活躍していますが、それを見ていてどのように感じますか

荒木 昔日本の選手を応援していたのと同じ感じで「すげー」みたいな。ワセダだからとかではなく「すげー」という感じです。

上野 どちらかというと試合の結果とかいうよりも練習の取り組み方を見ていると、日本代表レベルの選手はそれなりの他の人と違う取り組みだったり、プラスアルファの部分がすごく大きいので、そういう部分をみていると自分に足りない部分も見えてきて、そういう部分を積極的に見習って、日々の練習を頑張っていこうという意識が生まれています。

それぞれのルーツ

レース前集中する荒木

――水泳を始めたきっかけは何ですか

荒木 僕は2歳ぐらいのときにお母さんに無理やりスイミングクラブのキッズコースみたいなところに入れられました。その理由は小学校とかの水泳の授業で泳げなくて困らないようにということみたいです。お母さんがそういうことで苦労したらしいので、僕はプールの授業が嫌にならないように、という程度です。

上野 大体一緒なのですが、家族全員が泳げて、お兄ちゃんもスイミングクラブに通っていて、家族一人で泳げないとプールとかに連れていけないとなって入れられました。最初はすっごい泣いていたらしいです。

荒木 俺も最初は泣いてたらしい。

上野 すっごい泣いていて、通わすのが間違いだったかなということもあったらしいですが、意外に慣れたらそんなに嫌がることもなくなって、ずーっと続けていまに至るという感じです。

――ではお二人共他にスポーツはやられていなかったのですか

荒木 幼稚園の頃体操みたいなことをやらされていたような気がしますが、それぐらいです。

上野 僕は1回テニスをやっていました。理由は特に無いんですけど、他のスポーツもやってみたいなというのがあって。サッカーとか野球とかそういうかっこいい系のスポーツをやってみたかったのですが、サッカーとかは小さい頃からやっていたほうが有利だから無理だなと。

荒木 テニスもそうだろ(笑)。

上野 サッカーは小さい頃からボールコントロールとかに慣れていたほうがいいらしくて。小学校の中学年ぐらいに一瞬テニスをやって、すぐに辞めましたね(笑)。僕は3歳から水泳を始めたのですが、選手になったのが年長ぐらいで結構練習漬けだったので、テニスをやってもそんなに行けないし体的にもきついなというのがあってすぐに辞めました。結構楽しかったんですけどね。まあでもやっぱり水泳のほうが自分に合っているなということを感じました。

――水泳をやっていて普段の生活で良かったことはありますか

上野 溺れないというのが一番ですね。いつプールとか海に誘われても行けます。あとは、運動していて他の人よりガタイがいいので…

荒木 ちょっとかっこいいって?(笑)

上野 話のネタになります。初対面の人とかに「何かスポーツやってるんですか」と聞かれて「水泳やっていて…」とつながります。本当にささいないいことですね。あと多少見栄えがいいかなというのもありますね。

荒木 そこを意識してやってるんでしょ。

上野 かっこいい体になりたくて日々筋トレしています(笑)。

――上野選手は社会科学部で早稲田キャンパスですが、大変ではないですか

上野 そうなんですよ。まず寮から駅が僕はいまだにチャリで、20分くらいかかるんですよ。

荒木 免許あるんだから原付買いなよ。

上野 そこは足を鍛えてるから。日々苦しい環境に身を置くというのが僕のモットーなので。馬場(高田馬場駅)からも馬場歩きするんですよ(笑)。それで結局1時間30分ぐらいかかって往復で3時間なんですけど、1日の8分の1を僕は通学にあてていてつらいです。

――練習はどうするのですか

上野 遅れて行きます。1年生のときは早朝練といって、本キャンで1限だと正規の時間帯だとちょっとしか練習時間が取れないので先に始めるのですが、それが5時半ぐらいに入水で、ここ(早大所沢キャンパス)の門が5時に開くのですが1年生の頃は自分で5時にカギを開けて4時40分くらいに起きて、プールに行って練習に行って授業に行って。4限まであると午後の練習にも遅れるので、授業が終わって寮に帰ってすぐに着替えて練習に行って、練習が終わって帰ってご飯食べて掃除して寝るという、本当に自分の時間がないやることずくめな毎日を送っていました。最近は午後は遅れていくことがあるのですが減りましたね。

――所キャンの学部に行っていたら良かったなと思うことはありましたか

上野 あっちの方が楽だったなと思うことはありますが、本気で後悔したことはないですね。スポーツ自己推の願書も出せたのですが、出してすらいなくて。僕は社学に憧れていたので。

荒木 でも所キャンに社学があったら良かったとは思うでしょ?

上野 まあまあな(笑)。でも本キャンに行くということはおもしろくて。全然違うじゃないですか。自然あふれる小手指と、ビルとかがいっぱいあったりする社学だと。その差を楽しんでいる部分があるので、後悔は全くないです。ただ朝が早かったりするとつらいなと思いますけど、後悔はないですね。

――どうしてワセダに進学しようと思ったのですか

上野 親父がワセダで、もっというとワセダの水泳部だったので、親父がやっていたのはどんなことだったんだろうと。親父の背中を追いかけてワセダに入りたいということがあって、そこから競技だけではなく色々勉強もしたかったので社学の勉強に魅力を感じました。

――荒木選手は指定校推薦で人間科学部を選んだ理由は何ですか

荒木 評定がそこそこだったら枠がもらえて、他の学部もいろいろあったのですが水泳がやりたかったので、(推薦枠に)スポ科がなかったので所沢キャンパスの人科にしました。

――その中でワセダを選んだ理由は

荒木 ワセダだから、田舎者だから。そんな感じですかね。

――ワセダの水泳部に入りたくて選んだのですか

 そうですね。1個上の学年の一番速い選手が克さんで、1個上の学年が同期を除けば一番長く一緒に練習できる学年なので、そこで一番速い選手と一緒に練習したら何か変われるかなとか、水泳を辞めたとしてもいい思い出になるかな、という憧れが強いですね。

――3年生の代の特徴はありますか

荒木 仲いいね。

上野 仲がいいと周りから言われるんです。僕らは普段つるんでいて、仲がいいのですが群れる感じではないのですが、特に上の代から「お前ら仲いいね」と言われて、確かに言われてみれば仲はいいかなと実感します。結構いろんな血が入っているというか、入学方法にしても早実のやつがいたり指定校のやつがいたり自己推がいたりスポ推がいたりトップアスリートがいたり。出身地もそれぞれバラバラで、いろんな個性溢れるやつらなんです。

荒木 元から知っていたというのがあんまりいないですね。他の学年を見ると関東で固まっていたり全国(大会)で上の方に残っていて知り合いだったというのが多かったのですが、僕らの代は元から知っていたのが少なくて。それが意外にうまくいっちゃったという感じです。

――3年生という上級生になって意識は変わりましたか

上野 やっぱり変わりましたね。1年生、2年生の時は上の人に付いていけばいいというか、僕たちに締まりがなくても上の人がバシッと締めてくれて引っ張っていってくれて、僕らが全然駄目でもある意味許されてきた部分はあったのですが、いざ3年生になってみると今度は逆の立場になって、僕らがバシッと締めて下の代を引っ張っていかなければいけない部分が多くなりました。まだ4年生がいるので随分負担は少ないのですが見られているという意識が多くなって、監督からも言われるようになって。そういうことで随分と僕の意識は変わりました。

荒木 選手としては後輩には負けてられないなという意識はすごく持っているので、後輩が入ってくるたびに頑張らないとなと思います。ことしは特に自由形短距離のチームで練習していて、古川(慎一郎、スポ1=長野・佐久長聖)というインターハイ2番の速いやつが入ってきて、相手が強ければ強いほど負けていられなくて、それは大会の結果だけでなく練習の取り組みとか普段の生活でも全部において負けていられないので、持っている才能は僕らより上ということもあるのでその辺から勝っていかないと、と。学年が上がることは常に選手として正しいことをできるように心掛けようと思えるきっかけにもなります。

自分のために、チームのために

上野は得点を獲得してチームへの貢献を目指す

――ことしは3回目のインカレとなりますが、臨むにあたってこれまでと気持ちに違いはありますか

荒木 僕は選手として出場するのは3回目なのですが、1年目は出るだけという感じで臨んで、全然タイムも良くなく緊張して終わって、そこで出るだけじゃなくて点を取らないとインカレでは意味がないということが分かりました。きょねんはB決勝に残って2点だけ取ったのですが、チームから求められていたことも自分が望んでいたことももっと上だったので、1種目だけでB決勝で2点取るだけでも駄目だと。そこで迎えることしは最初から高い目標を立てて臨むようにしているので、だんだんステップアップはできていると思います

上野 僕は1年目は出られなくて、2年目に出て点を取れなくて、徐々にステップアップはしていると思うので、ステップアップを続けようという感じです。

――荒木選手は、ことしは個人種目だけでなく400メートルフリーリレーにも出場することになりますが、リレーに出るということをどのように捉えていますか

荒木 リレーはチームを代表する4人ということもあるし、特に初日の最終種目で得点も倍という、初日のメインイベントということもあって、そこに出られるということはすごく光栄ですし、そこでも大会新記録で優勝という目標もあります。初日は50フリー(男子50メートル自由形)もあるのですが、どちらかというと僕はリレーのほうが楽しみなので、リレーで出し切りたいというか、リレーメインでいくという感じですね。

――個人種目よりもリレーには思い入れがありますか

荒木 チームから選ばれたということもありますし、チームの人は大体見ていますし、一番盛り上がる種目なので。ワセダのリレーの思い入れとしては、2年の春六(東京六大学春季対抗戦)のリレーで初めて泳いだのですが、そこで僕はベストだったので、リレーいけるかもしれない、僕リレー好きかもというのはあります(笑)。

――インカレ後からは最上級生となりますが、どういうチームをつくっていきたいですか

上野 ハッピーなチームですね。最後終わった時にこの1年良かったねと終われるように。いろいろ個人的な競技の目標はあると思うのですが、水泳部としてみんなでやっているからにはインカレの順位だとか、共通の具体的な目標を求めるのもあるのですが、その奥にある気持ち的な充実感とかが一番だと思うので、内的報酬を最終的に最高のかたちで。これは僕のわがままになるのかもしれないですが、最後笑って終われたらいいのが一番の思いですね。

荒木 いいと思うよ。

――荒木選手はチームにどのように貢献していきたいですか

荒木 個人が練習を頑張っていって試合で結果を出すということが重要だと思うので、後輩と話す時も練習についてどういった取り組み方をしていくかどうかという話もしていて、練習に対する意識などの面で下級生の選手たちをいい方向に向かわせていけたらいいなと思います。

――インカレに向けての目標を教えてください

荒木 どっちもA決勝に残って、どっちも表彰台に乗るということです。リレーもあるので4継(400メートルフリーリレー)で大会新での優勝に貢献したいです。あとは100メートル自由形でインターCという基準が49秒32で僕の持ちタイムが49秒56なので、それを突破したいという4つです。

上野 1種目なので初日で終わるのですが、初日でも満足できるように爆発して、その後はチームを盛り上げられるように応援やチームのサポートに回って。インカレは総力戦なので終わったらそっちをめちゃくちゃ頑張りたいと思います。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

荒木 インカレでインターを切るという目標が今後の水泳人生にとって大きな分かれ目になると思うので、1年の集大成であると同時に今後の水泳人生に大きな影響を与える試合なので頑張るしかないです。

上野 4年生との最後の試合で、一番長い付き合いで先輩たちの中で一番お世話になって良くしてくれた先輩たちなので、僕たち後輩ができることを最大限やって、最後4年生たちが最後笑顔で終わってくれることを願っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 谷田部友香)

お好きなポーズを取っていただきました!

◆荒木優介(あらき・ゆうすけ)(※写真左)

1994年(平6)8月31日生まれ。身長174センチ、体重66キロ。三重・暁高出身。人間科学部3年。専門種目は自由形。写真でもとってくださった荒木選手お気に入りのポーズは、お笑い芸人のギャグをアレンジしたものだそう。インカレでも決勝進出を果たし、おなじみのポーズで会場を沸かせてください!

◆上野聖人(うえの・まさと)(※写真右)

1994年(平7)5月7日生まれ。身長170センチ、体重70キロ。神奈川・法政二高出身。社会科学部3年。専門種目は平泳ぎ。写真の左手のポーズは上野選手考案の新しいワセダポーズだそうです。みなさんも普通のワセダポーズに飽きた時はぜひ使ってみてはいかがでしょうか