関カレ初日は3選手が表彰台へ リレーも白熱

競泳

 厳しい暑さの中、関東学生選手権(関カレ)が開幕した。今大会は女子は2部、男子は4部に分かれており、上位9校に日本学生選手権(インカレ)出場権が与えられる。昨年インカレのシード権を逃した女子部は、1部校として参戦。初日は志賀珠理奈(スポ1=埼玉・武南)の優勝を含め3選手が個人種目で表彰台に。女子400メートルフリーリレーでも3位となり、1日目終了時点で総合4位につけた。

 女子200メートルバタフライに出場した田村美紅(スポ3=埼玉栄)と志賀。予選では田村が1位、志賀が2位となり午後のレースへと駒を進めた。「お互いに決勝ではタイムを上げよう」(田村)と話し合い、隣のレーンで迎えた決勝。前半は田村が先頭を維持し、体半分ほど前に出る。そこから徐々に志賀が追い上げ、150メートル時点でその差はわずか0.01秒。ラスト50メートルでの勝負となり、最後は今種目を得意とする志賀に軍配が上がった。他大を圧倒するワンツーフィニッシュを果たし、バタフライの層の厚さを顕示した今レース。あすの女子100メートルバタフライでも、熱い戦いと好記録に期待がかかる。

前半リードを奪う田村

 この日の女子最終種目・女子400メートルフリーリレータイム決勝。早大の第1泳者、第2泳者を任されたのは、伊藤愛実(社1=東京・早実)、志賀の1年生コンビ。頼もしいルーキーたちは4位で先輩へと引き継いだ。第3泳者の勝山晴海(国教3=静岡・浜松北)も4位をキープし、アンカーの田村へと勝負を託す。田村は女子200メートルバタフライの疲労もある中、前へと食らいつく。ゴールタッチをすると、表示された順位は3位。「こういう試合で上級生が頑張っている姿を見せないと後輩がついてこない」と上級生としての意地を見せ、目標としていた表彰台に上った。今後も競技は続いていくが、さらに上を目指すためには上級生の奮起とチームの団結が必要不可欠となるだろう。

3位に入ったリレーのメンバー

 『インカレでシード権獲得』を目標に掲げ、練習を重ねてきた女子部。それを達成するための舞台はあと1カ月ほどまで迫っている。インカレと同日程で行われる関カレは、本番に向けた良い腕試しになるはずだ。2日目は、各種目のエースが集う花形種目400メートルメドレーリレーなど楽しみなレースが多く待つ。全員の力を合わせ、1点でも多くの得点を狙う。

(記事 谷田部友香、写真 中安咲里)

結果

◇決勝

女子50メートル自由形

赤尾愉歩(社4=東京・早実) 27秒08【8位】

勝山 27秒26【9位】

女子400メートル自由形

友行由子(教3=東京・早実) 4分27秒14【9位】

女子200メートルバタフライ

志賀 2分12秒72【優勝】

田村 2分14秒45【2位】

女子200メートル背泳ぎ

山口真旺(スポ2=兵庫・須磨学園) 2分15秒60【3位】

女子400メートルフリーリレー

伊藤、志賀、勝山、田村 3分52秒73【3位】

◇予選

女子50メートル自由形

赤尾 26秒98【6位】

勝山 27秒20【9位】

石川真由(社1=東京・早実) 27秒80【16位】

男子50メートル自由形※オープン参加

吉野悠太(スポ4=和歌山北) 25秒38

女子400メートル自由形

友行由子(教3=東京・早実) 4分28秒28【9位】

男子400メートル自由形※オープン参加

阿久津直希(スポ2=埼玉栄) 4分02秒28

女子200メートルバタフライ

田村 2分14秒92【1位】

志賀 2分15秒41【2位】

女子200メートル背泳ぎ

山口 2分17秒03【3位】

赤木彩乃(スポ3=岡山・勝山)2分28秒91【19位】

岡本彩花(国教2=東京・早実)2分30秒86【21位】

女子100メートル平泳ぎ

滝本純子(社3=東京・早実) 1分14秒22【15位】

コメント

田村美紅(スポ3=埼玉栄)

――200メートルバタフライでは2位となりましたが、レースを振り返っていかがですか

200は自分では不得意なほうなのですが、得意の100につなげるために前半から積極的にいくことを心掛けました。

――どのようなレースプランを心掛けましたか

予選が終わった後にビデオを見返して、ターン後のキックを得意としているのですが、あすにつながるようにターン後のキックを必ず決めることと、自分の持ち味であるプルを前で水をつかむようにしたのですが、前半に力み過ぎてしまって後半もたなかったという感じはあります。

――予選、決勝と志賀選手と隣で泳がれましたが、意識はしましたか

(志賀)珠理奈は200メートルがすごく速い選手だというのは分かっていますし、きっと予選よりタイムを上げてくると信じていました。お互いに決勝では予選よりタイムを上げようねと言っていたので、私は自分の泳ぎを意識していました。その中でお互いちゃんとタイムを上げようと話していました。

――400メートルフリーリレーでは4位で引き継がれましたが、その時はどういう気持ちで泳ぎましたか

いまワセダは1年生が強くて、3、4年生が頑張らなくてはいけない状況の中3、4泳を3年生が任せてもらったので、絶対に3位以内に入ろうと言っていました。自己ベストも出せましたし、その時は行く気しかなかったです。

――実際に3位になった時のお気持ちは

きょうは2バタ(200メートルバタフライ)を2本泳いでいたので正直きつかったのですが、それでもこういう試合で上級生が頑張っている姿を見せないと後輩がついてこないと思っていたので3位という順位を見てほっとした気持ちはありました。ですがまだ1日目なので、これをあしたにもつなげていきたいと思います。

――関カレ3日間でのご自身の役割をどんなものだと捉えていますか

4年生の方々がいままでチームを引っ張ってくださっていて、もちろんインカレでもそれをやってくださると思うのですが、8月は4年生の方々は就職活動が忙しくて、そこで4年生の方々の存在が大きいものだということを3年生みんなが実感しているので、3年生で引っ張っていけるような発言や行動をしていきたいなと思います。

志賀珠理奈(スポ1=埼玉・武南)

――女子200メートルバタフライでは、最後の50メートルでの逆転で優勝となりましたが、そのレースを振り返っていかがでしたか

自分の得意な種目なので、最初からトップで優勝するつもりだったので、あまりいい出来とは言えないです。

――予選から田村選手と隣のレーンでしたが、そのことを意識していましたか

自分のレースと考えていたので特に意識はしていなかったのですが、同じワセダの選手ということで少しは意識していました。

――決勝の2分12秒72というタイムについてはいかがですか

最近200メートルを泳いでいなかったので、その割には良かったのではないかと思います。

――3日間、関カレではチームにどのように貢献していきたいですか

自分に残っている種目がまだいくつかあるので、その残りの泳ぎを頑張りたいです。

――あしたの女子100メートルバタフライではどういうレースをしたいですか

美紅さん(田村)もいるので、負けないように頑張りたいと思います。