2年に一度の短水路の世界選手権がカタール・ドーハで行われた。早大からは3選手が出場し、瀬戸大也(スポ2=埼玉栄)が男子400メートル個人メドレーで世界記録に0秒83まで迫る好記録で金メダルを獲得。男子200メートル個人メドレーでも3位に入ると、最終日の男子200メートルバタフライでも日本新記録で銀メダルを手にした。
ワールドカップ東京大会での瀬戸
今大会、日本勢の主役とも言える活躍を見せたのは瀬戸だった。男子400メートル個人メドレーで前回大会に続く大会連覇を達成。前半から飛ばした瀬戸は世界記録よりも速いペースでレースを展開した。世界新記録にはあと一歩届かなかったが3分56秒33という圧巻のパフォーマンスを披露。この種目の短水路日本新記録保持者に返り咲いた。さらに、萩野公介(東洋大)、ライアン・ロクテ(米国)らも名を連ね、ハイレベルな決勝となった200メートル個人メドレーでも粘り強い泳ぎで表彰台に上がってみせた。最終日には2冠目を狙って男子200メートルバタフライに出場。常にライバル視してきた五輪王者チャド・レクロー(南アフリカ)と抜きつ抜かれつの接戦を演じるも、わずか0秒31及ばず2位。それでも2種目で日本新記録を樹立し、出場全種目でメダルを獲得するなど強さが際立った。
距離、種目も様々な4つのリレー種目に出場した中村克(スポ3=東京・武蔵野)は多くの日本記録更新の原動力となった。男子400メートルメドレーリレーの予選では引継ぎタイムながら46秒台をマークし、国際舞台でも安定感が増している。また個人種目では、ワールドカップ東京大会を制した男子100メートル自由形にエントリー。予選を突破すると、準決勝でもしっかりとタイムを上げた。世界屈指のスプリンターたちとのレースで得たものは大きいだろう。一方でルーキー坂井聖人(スポ1=福岡・柳川)は予選でまさかの失格判定に。この悔しさをぶつけ、今後のレースへ生かしてほしい。
ことしの試合を終えて、今後は強化期間に入る選手たち。代表強化合宿や個々のトレーニングを通して鍛錬が続くが、さらなるレベルアップのためにはこの冬場が正念場だ。らいねんはついにリオデジャネイロ五輪の前年。まずは来夏の世界選手権代表選考会となる4月の日本選手権を見据え、熱い冬が始まった。
(記事 荒巻美奈、写真 森健悟)
結果
中村克(スポ3=東京・武蔵野)
※リレー種目の()内のタイムは中村選手のタイムです
▽男子100メートル自由形
準決勝 47秒11【10位】
予選 47秒32【9位】
▽男子400メートルフリーリレー
決勝 日本(中村、塩浦、坂田、萩野) 3分07秒79(47秒05)【7位】※日本新記録
予選 日本(中村、塩浦、萩野、川内) 3分09秒11(47秒25)【7位】※日本新記録
▽男子200メートルメドレーリレー
予選 日本(白井、小関、中村、坂田) 1分34秒99(23秒04)【9位】※日本新記録
▽男子800メートルフリーリレー
予選 日本(小堀、坂田、天井、中村) 6分59秒43(1分44秒06)【9位】※日本新記録
▽男子400メートルメドレーリレー
予選 日本(萩野、小関、藤井、中村) 3分26秒39(46秒65)【6位】
瀬戸大也(スポ2=埼玉栄)
▽男子400メートル個人メドレー
決勝 3分56秒33【優勝】※日本新記録
予選 4分03秒73【5位】
▽男子200メートル個人メドレー
決勝 1分51秒79【3位】
予選 1分53秒15【3位】
▽男子200メートルバタフライ
決勝 1分48秒92【2位】※日本新記録
予選 1分50秒82【1位】※大会新記録
坂井聖人(スポ1=福岡・柳川)
▽男子200メートルバタフライ
予選 失格(100メートルターン時、片手タッチの判定により)