新年度まであと1カ月弱と迫る中、関東学生冬季公認記録会が行われた。4月に日本最高峰の大会となる日本選手権を控える競泳。今大会は主要大会の参加標準記録突破を目指す選手が多い一方で、春のレースに向け自身の状態を把握する最後の実戦の場となった。早大からは19名の選手が出場し、レース感覚を養う中で課題と収穫を手にした。
ジャパンオープン2014への出場を決めた久保
早大から新たに主要大会の参加標準記録を破ったのは1選手で、久保まりな(スポ3=東京・帝京大高)が女子100メートルと200メートル平泳ぎで自己ベストを更新し、ジャパンオープン2014への出場資格を得た。それでも、「日本選手権の標準タイムを狙っていたので、ちょっと届かなかったところが悔しい」と悔しさをにじませる。大学ラストイヤーに懸ける思いも人一倍。アリーナ杯東京六大学春季対抗戦では「3種目ともにベストを出して夏につなげられるようにしていきたい」と気持ちを切り替え、水泳人生の集大成に向けさらなる飛躍を誓った。
一方、安定感ある泳ぎを披露した杉山沙侑南(スポ3=静岡・日大三島)ら日本選手権への出場が決まっている選手たちも順調な調整段階にあることを示した。2月下旬に菅平で高地トレーニングを行った早大。男子100メートル個人メドレーで1位となった安田純輝(スポ1=千葉商大付)も「後半の疲れは感じなくなった感じはあり、今回は試しに前半から積極的なレースをしていこう」と臨んだ結果、好記録につながった。練習の手応えは十分と言っていいだろう。背泳ぎに出場する日本選手権では予選を通過し、B決勝での活躍が目標だという安田。成長を見せ続けた1年目を終え、今後はチームを引っ張る存在としての期待がかかる。
2種目で自己ベストを出した上野
4月の大会に向けて最終調整に入っている選手たち。日本選手権やアリーナカップ東京六大学春季対抗戦といった春のヤマ場での好成績を目指し、練習の強度を上げている。今季の最終目標となる日本学生選手権ではチームとして総力を上げた戦いが求められる。各選手のレベルアップが目標達成のカギを握る。
(記事 荒巻美奈、写真 建部沙紀、森健悟)
※写真に誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます
結果
▽女子800メートル自由形
友行由子(教1=東京・早実) 9分05秒49
▽男子100メートル個人メドレー
安田 55秒68
▽女子50メートル自由形
赤尾愉步(社2=東京・早実) 26秒27
佐藤恋(スポ3=東京・藤村女) 27秒11
▽男子50メートル自由形
荒木優介(人1=三重・暁) 23秒38
和田真(スポ1=東京・早実) 23秒91
小林豊(スポ2=東京・早実) 24秒41
▽女子50メートル平泳ぎ
久保 32秒92
▽男子50メートル平泳ぎ
三島英彰(スポ3=千葉・市船橋) 28秒74
▽女子200メートル自由形
森川愛理(スポ3=東京・淑徳巣鴨) 2分02秒47
佐藤 2分03秒08
▽男子200メートル自由形
柴田慎一郎(スポ3=愛知・豊川) 1分49秒15
八木隼平(スポ1=京都外大西) 1分49秒60
吉野悠太(スポ2=和歌山北) 1分50秒76
神山隼也(スポ1=東京・早実) 1分56秒17
▽男子200メートル背泳ぎ
大沼健(スポ1=宮城・東北) 2分08秒24
▽女子200メートルバタフライ
久保 2分27秒66
杉山 2分28秒12
▽男子200メートルバタフライ
上野聖人(社1=神奈川・法政二) 2分12秒95
浅田裕太郎(スポ3=東京・早実) 2分13秒58
▽男子200メートルバタフライ
天神翼(社2=神奈川・桐蔭学園) 2分04秒17
▽女子400メートル自由形
友行 4分23秒63n
▽男子400メートル自由形
神山 4分04秒74
▽男子100メートル背泳ぎ
安田 53秒92
大沼 55秒86
▽女子100メートル平泳ぎ
杉山 1分07秒95
久保 1分09秒18
▽男子100メートル平泳ぎ
三島 1分01秒10
浅田 1分02秒36
▽男子100メートルバタフライ
柴田 54秒64
天神 56秒35
▽女子100メートル自由形
赤尾 57秒02
佐藤 57秒22
▽男子100メートル自由形
吉野 51秒07
荒木 51秒39
八木 51秒68
和田 52秒52
▽男子200メートル個人メドレー
上野 2分05秒11
小林 2分07秒48
チャレンジレース
▽男子200メートル自由形
柴田 1分49秒41
コメント
久保まりな(スポ3=東京・帝京大高)
――レースを終えての感想は
個人的には日本選手権の標準タイムを狙っていたので、ちょっと届かなかったところが悔しいのですが、100メートル(平泳ぎ)と200メートルでベストタイムを更新することができたので、そこは評価できるかなと思います。
――きょうの記録でジャパンオープン2014の標準記録は突破したことになりますが
やっぱり日本選手権にこだわっていたので…。悔しいです。ただ初めて200メートルもジャパンオープンの標準を突破したということで、嬉しさ反面、悔しさ反面という感じですね。
――春に向けて最近はどんな練習をされていますか
冬の泳ぎ込みが終わってからはスピードを上げていくような練習をしています。つらい部分はありますが、夏に結果を出すためには頑張るしかないなと思っています。
――まず春頃の目標は
日本選手権(の標準記録)が切れなかったので、次の六大学(アリーナカップ第22回東京六大学春季対抗戦)で3種目ともにベストを出して夏につなげられるようにしていきたいなと思っています。
――ご自身としては大学ラストイヤーが始まりますが、お気持ちはいかがですか
やっぱり毎日、「あと半年…」という風に考えるとちょっと寂しいです。一日一日の練習を大切にあと半年間やっていきたいです。
――いまの女子部の雰囲気は
けっこう人数が少ないのでまとまりがあるなと感じています。今度、春には新入生も入ってきますし、新入生の数も多いということも聞いているので、上級生がまとまって引っ張っていけるようにしていきたいと思います。
――ことしの最終目標はどのように設定されていますか
日本学生選手権(インカレ)で2種目ともに2回泳ぐという目標を設定しています。
――具体的なタイムは考えていらっしゃいますか
(インカレで)2回泳ぐためにも200メートルで2分30秒台、100メートルで1分10秒台です。
――最後に今後に向けての意気込みをお願いします
チームとしても、個人としても最後の半年なので、一日一日悔いのないように練習して最高の水泳人生を終えられたらなと思います。
安田純輝(スポ1=千葉商大付)
――きょうのご自身のレースを振り返ってください
ワセダに入って初めて100メートル個人メドレーに出て、目標としていたタイムを大きく上回り、自分でも驚くような結果を出せてことは嬉しいですし、よかったですね。
――4月の日本選手権につながる種目についてはいかがでしたか
他に100メートル背泳ぎにも出たのですが、ベストまで0.2秒ほど届かなかったというのがあるので、そこは反省点として、一番大事な4月の日本選手権でしっかり結果を出せるようにしたいですね。
――ご自身の調子としてはどのように感じていますか
この1年間はずっとベストを出し続けてきたので、このまま上っていけそうな気はしています。しっかりと自分のコンディションを合わせて、もっとタイムを上げていきたいです。
――2月末には菅平で高地トレーニングを行ったと伺いました。きょうのレースでその効果を感じられる場面はありましたか
高地トレーニングということで、低酸素の状態でずっとトレーニングしてきた後、低地に帰ってきての試合だったので、後半の疲れは感じなくなった感じはあり、今回は試しに前半から積極的なレースをしていこうとしました。
――きょうのチーム全体を見ていて、思ったことはありますか
全体的に、切りたい基準の突破ができた選手が非常に少なかったので、これから僕としても、もっとチームの力になれるような選手になっていきたいと思います。
――早大水泳部に入って1年が経とうとしています。ご自身はこの1年の成長株だと思うのですが、振り返ってみていかがですか
先ほども述べましたが、1年生ながらベストがしっかり出せたということが僕にとってすごく自信になっているので、学年が上がっていってもしっかりベストを出し続けて、ユニバーシアードなどの大きな試合にも参加できるようにしたいです。
――日本選手権に向けて意気込みを
今まではB決勝も含めて(予選を突破して)2本目を泳ぐことがなかったので、しっかりとB決勝のラインを狙って、ベストを狙っていきたいと思います。