日本選手権(25メートル)も大会2日目を迎え、中村克(スポ2=東京・武蔵野)が男子100メートル自由形で優勝、瀬戸大也(スポ1=埼玉栄)は男子個人メドレー200メートルで優勝を飾った。女子も杉山沙侑南(スポ3=静岡・日大三島)が女子50メートル平泳ぎで4位に入るなど、日本選手権に向けての各々のトレーニングの成果と強化の進度を確認できた大会となった。
初優勝を果たした中村
熱い戦いを繰り広げ、観客の視線をくぎ付けにした男子100メートル自由形を制したのは中村だった。予選では48秒台をマークするも「身体が重く、(予選後には)表彰台に上れないかもと思う気持ちがあった」と語った中村。しかし決勝では自身が苦手とする前半に積極性を取り入れた。自身の強みとする後半でも首位を維持し、2位の塩浦慎理(中大)から終始リードを奪うレースを展開。日本記録更新まであと一歩及ばなかったが、自己ベストを大幅に縮め、自身の取り組んできた成果が実証されたレースとなった。
磐石の泳ぎを見せた瀬戸
他者の追随を許さぬ泳ぎで圧勝した瀬戸。男子200メートル個人メドレーではライバル萩野公介(東洋大)が不在の中、「自分との戦いのレース」と決勝に臨んだ。今季調子の良いバタフライで圧倒的な差をつけ、後半でも1位の座を譲らなかった。レースを通して改めて確認できたのは「前半に積極性を取り入れること」(瀬戸)の重要さ。3月のメキシコでのトレーニングでこの課題の改善を目指し、全日本選手権へとつなげる。
女子部を引っ張る杉山
一方で、他の選手も自身の課題を見つめ直すことができたレースを展開した。まず女子50メートル平泳ぎで4位と上位進出を果たした杉山。納得のタイムとなったものの、「50メートルのスピードを100メートルに持続させることが必要」と決して満足はしていない。多田邦徳(スポ3=埼玉・春日部共栄)は男子100メートル背泳ぎで6位となったが、コンディションは例年の2月に比べ良いようで「4月に向けて良い感じに踏み出せた」と前向きに捉えると同時に『力み』について改善方法を考えると語った。また、女子200メートル個人メドレーに出場した森川愛理(スポ3=東京・淑徳巣鴨)も決勝では8位に終わったが、「(苦手な)平泳ぎも強化しつつ、弱点も克服していきたい」と話し、それぞれの今後の改善方法に考えをめぐらせる良い機会となった。
それぞれの長所と課題を再確認できた今大会。選手が成長していくためには「具体的な目標を掲げて、それを絶対に達成するということが重要」と奥野景介監督(昭63教卒=広島・瀬戸内)は語った。「4月(日本選手権)に向けては2,3月が最後の強化期間」(奥野監督)となる。各々がトレーニングを行い課題を克服することが、日本選手権での好成績へつながるだろう。
(記事 種村春步、写真 上田密華、角田望、谷田部友香)
★深谷、ワセダとしてのラストレース!
ワセダのバタフライを引っ張った深谷
新チームが始動して以降もワセダで練習を続けていたという深谷皇(スポ4=愛知・知立東)。1日目には男子200メートルバタフライで決勝に進出し4位、2日目にも100メートルでB決勝8位という成績を残した。4年間を通して専門種目のバタフライだけでなく、リレーなどにおいてもチームをけん引。計り知れないほどの貢献でチームに欠かせない存在となっていたはずだ。深谷自身も「僕を強くさせてくれたのは早稲田大学なので感謝の気持ちを持って泳ぎました」と今大会を笑顔で泳ぎきった。大学での競技生活を通して培った最大の強みは「テンポが速くても後半バテない」(深谷)という体力。今後もワセダでの歩みを糧にさらなる輝きを見せてくれるにちがいない。
結果
決勝
▽男子100メートル自由形
中村 46秒99【1位】
▽男子200メートル個人メドレー
瀬戸 1分53秒32【1位】
▽女子200メートル個人メドレー
森川 2分12秒96【8位】
▽女子100メートルバタフライ
田村美紅(スポ1=埼玉栄) 59秒42【8位】
▽女子50メートル平泳ぎ
杉山 31秒20【4位】
▽男子100メートル背泳ぎ
多田 52秒48【6位】
B決勝
▽男子50メートル平泳ぎ
上野聖人(社1=東京・法政二) 27秒88【1位】
▽男子200メートル平泳ぎ
林和希(スポ3=愛知・豊川) 2分09秒27【6位】
▽男子100メートルバタフライ
深谷皇(スポ4=愛知・知立東) 52秒49【8位】
予選
▽男子400メートル自由形
八木隼平(スポ1=京都外大西) 3分49秒52【17位】
▽女子200メートル平泳ぎ
杉山 2分28秒37【25位】
▽男子200メートル平泳ぎ
林 2分08秒22【16位】
三島英彰(スポ3=千葉・市立船橋) 2分10秒86【37位】
加納雅也(スポ2=県岐阜商) 2分11秒79【41位】
▽男子100メートル背泳ぎ
多田 53秒29【8位】
安田純輝(スポ1=千葉商大付) 53秒99【21位】
大沼健(スポ1=宮城・東北) 55秒76【31位】
▽女子200メートル個人メドレー
森川 2分12秒79【7位】
滝本純子(社1=東京・早実) 2分14秒44【19位】
▽男子200メートル個人メドレー
瀬戸 1分56秒17【1位】
▽女子100メートルバタフライ
田村 59秒79【8位】
▽男子100メートルバタフライ
深谷 52秒42【15位】
▽男子100メートル自由形
中村 48秒93【5位】
▽女子50メートル平泳ぎ
杉山 31秒25【4位】
▽男子50メートル平泳ぎ
上野 27秒88【15位】
林 27秒89【17位】
三島 28秒39【26位】
コメント
奥野景介監督(昭63教卒=広島・瀬戸内)
――今大会を総括して
強化の一環で臨んでいたので、そんなに照準を合わせていた大会というわけではありませんでしたが、日本選手権に向けてどれくらい強化が進んでいるかということを他の選手と競争することで推し量るという意味を持った大会でした。成果からすると、まず各所属クラブでトレーニングしている多田(邦徳、スポ3=埼玉・春日部共栄)、瀬戸(大也、スポ1=埼玉栄)は順調に強化が進んでいるということは感じました。大学で練習している選手に関しては1年生も少しずつ良くなっていますし、2年生も中村(克、スポ2=東京・武蔵野)が全国大会で初優勝しました。しかもベストタイムで日本記録にも迫ったというところがかなりの成果でした。その他は課題も散見された大会でもありましたし、4月に向けては2、3月が最後の強化期間なのでそれに向けて課題が見つかる良い大会でした。
――特に印象に残った選手は
まず、1年生の八木(隼平、スポ1=京都外大西)です。いままで日本選手権(参加標準タイム)突破が果たせていなかったのですが、今大会に背水の陣で臨んで、少しずつ記録が上がってきていた中でチャンスをものにできたことは大きいと思います。あとはやはり中村克が競り合いの中でナンバーワンになれたことは明るい材料ですね。
――中村選手については感覚があまりよくない中での好成績だったというお話をうかがいました
オーストラリアでの遠征(BHP5カ国対抗戦)があって、そのあと山口での試合(きららカップ2014)をやって、2週間長水路での試合を緊張感がある中でやっています。先週もベストタイムを出しているので相当の疲労感があったと思います。日本選手権に向けてはトレーニングのし直しになるので、練習もハードになるし、ウエイトトレーニングもしっかりやってということになるので、2週間連続で抜けていたトレーニングのブランクを4月に向けて再開しなければならないです。そういう中でのこのタイムなので、感覚は良くないけどタイムが出るというのは実力がついた証拠だと思います。泳ぎのレベルもそうだし、技術的にもスタートやターンの部分もかなり改善されてきたことがこの結果につながったと思います。何より本人がモチベーションが高いので、どんどん上り詰める意識ができてきたのかなと感じます。
――監督が感じる中村選手の変わったところや成長した部分は
トレーニングに対してかなり積極的ですし、もともと頑張るタイプではあるんですが、目標が明確になって、高い目標が現実的な目標に変わってきているのかなという印象があります。充実しているのだと思います。
――杉山沙侑南選手(スポ3=静岡・日大三島)や森川愛理選手(スポ3=東京・淑徳巣鴨)といった上級生に加え、田村美紅選手(スポ1=埼玉栄)や滝本純子選手(社1=東京・早実)といった1年生の成長も見られましたが、女子の選手についてはいかがですか
森川が決勝に残り、田村、滝本もよかったですね。女子は人数が少ない分、総力戦になるので今回は自分の専門種目で頑張りましたが、インカレになると加えてフリーリレーで頑張らなければならないので、フリーを泳ぐことの責任を皆が負うことになります。いまからみんなには自分の種目だけではなく、「フリーリレーも頼むぞ」ということは言っています。タフに戦わなければならないので、自分の種目が今回良かった人は強化が順調に進んでいるということなので、そのまま突っ走っていってもらいたいです。
――今後シーズンを迎えていくにあたり、選手の皆さんにどのように成長していってほしいですか
具体的な目標を掲げて、それを絶対に達成するということが重要だと思います。これはきょねん良かった点で、それをことしもやっていきたいと思いますし、課題を克服するために共同作業になりますが、お互いにやりきることが大事ですね。2月の下旬に合宿にも行きますし、そこでより弾みをつけて4月に臨んで、日本代表の試合に出場する人はそういった経験を経て最後はインカレにつなげてもらって、きょねん以上の成績を残してほしいです。非常に先は長いですが、手ごたえを感じた試合ではありました。
――菅平合宿での強化ポイントは
標高が高いので心肺機能の向上と回復能力を高めるということです。わざわざ場所を変えて息苦しくなるところに行くわけですから、選手も覚悟しているとは思いますが、よりハードな練習を実施したいと考えています。
――いまのチームの雰囲気はいかがですか
今回出場した選手はよいと思いますが、この大会の参加標準記録を突破できていない選手が半分位います。そういった部分での底上げも必要になってくるので、もう一度チーム全体でワンランクアップできるようにやっていきたいです。
◇決勝進出者
杉山沙侑南(スポ3=静岡・日大三島)
――決勝のレースを振り返っていかがですか
久しぶりに5年前のベストと全く同じタイムで泳ぐことができて嬉しい反面、4番という悔しい順位だったので、まだまだできることはあるんじゃないかなと思います。
――予選の通過順位が4位ということで、表彰台を狙える可能性のあるレースでした
緊張はあんまりしなかったんですけど、自分の一番好きな種目なので自分らしくやれたらなって思っていました。
――タイムを見ても好調がうかがえます。理由はありますか
自分の中ではやっとここまであがってきたなって感じで、まだまだ自分の力は出し切れていないと思います。私のメインはインカレだと思っているので、そこでチームのために活躍できるように、これから段階を踏んで更に飛躍できるように頑張りたいと思います。
――50メートル平泳ぎと100メートルの平泳ぎの感触の差はありますか
私の中では区別してしまっている部分があるんですけれど、やっぱり100メートル(平泳ぎ)も50メートルのスピードで泳がないと通用しないと思いますし、きのうの100メートルの前半も私のいまの50メートルより速く入っている選手は何人かいるのでこの50メートルのスピードを100メートルに持続させることがいまの私に必要なことだと思います。
――日本選手権に向けての意気込みをお願いします
最後の日本選手権になるのでA決勝に残れるように頑張りたいと思います。
多田 邦徳(スポ3=埼玉・春日部共栄)
――きょうの泳ぎを振り返って
最後はガチャガチャになってしまったかなという感じです。ちょっと力みましたね。
――レース前半から厳しい展開でした
スタートから8番だったので、最悪8番でも同じなので、もう攻めていくしかないなと思ってやったのですが、逆にそれが力んでしまったかなという感じです。
――きのうも力みを課題に挙げられていましたが
そうですね。やっぱりそれが少し癖になってきてしまっているので、それをどうやって4月向けて直していくかというのが、大事になってくると思います。少し考えないといけませんね。
――スピードをつけている時期ということでしたが
やっぱり力んでしまうと泳ぎも固くなってしまうので、スピードも出にくくなってくるので。やっぱり力まないで大きく泳ぎで速く泳ぐというのが自分の中の理想なので、それには力んでしまうといけないという感じです。
――後半の泳ぎはいかがでしたか
やっぱり前半に力んでしまった分、ちょっと上手く体が動かなくなってしまったかなという感じです。あと、最後は焦ってしまった部分もありました。
――コンディションは良かったのですか
今までの時期に比べたら、一番です。毎年2月はタイムが出ないのですが、ことしは良く出たかなという感じで、4月に向けて良い感じに踏み出せたんじゃないかなと思います。
――これからは長水路ということになりますが
やっぱりみんな潜っているので。15メートルみんな潜ってタイムを出していて、自分は潜らないでタイムを出すというのが持ち味でもあるので、それを考えたら全然勝負できるなとは思っています。
――4月の日本選手権に向けて
今回は8番でぎりぎりで残ってしまっているので、4月はちゃんと上位で残ってメダルもとりたいです。パンパシフィック(パンパシフィック選手権)にも100、200メートル両方で行けるように頑張ろうと思います。
森川愛理(スポ3=東京・淑徳)
――決勝のレース、後半に体力面で苦しんだ部分があったように感じたのですが振り返っていかがですか
タイムを予選から落としてしまったのが、今後のインカレ(日本学生選手権)とかに出たときにタイムや順位を落としてしまうことは得点が絡んでくるので。そこが本当に1点が大事になってくるので。ラップはちょっと見てみないとわからないのですが、タイムを落としてしまったということがとても悔いが残るというか。久しぶりの決勝の舞台だったので、残ったことはすごく自分にとってプラスになったんですけれど、まだまだここでタイムを上げられない所は今後の課題だと思います。
――きのうは雪の影響でアップを十分にできず、実力を発揮できなかったという話をお聞きしました。きょうはその悔しさを晴らすレースができたでしょうか
きのうのアクシデントがあって、400(メートル)の方が得意としているので。そこで狙っていた分結構ショックだったんですけれど。それをうまく切り替えて、きのうの悔しさをバネにして決勝に残れたことは良かったと思っています。
――冬場の練習で強化してきた部分はありますか
きょねんというかずっと課題なんですけど、自分は背泳ぎを苦手としているので。そこを課題としてやっているんですけれど、まだまだということが今回の試合で痛感したので。今回で見つかった改善点を含めて、9月最後200でも400でも納得いくレースができるようにまた頑張っていきたいと思います。
――個人メドレーという種目ではワセダには瀬戸大也選手(スポ1=埼玉栄)、女子でも若い世代の選手たちに勢いがあると思うのですが、そういった選手たちの活躍は刺激になりますか
大也(瀬戸)は同じチームで同じ個メ(個人メドレー)としてきょねんから一緒に練習する機会もあったりしてすごい刺激になっていて。きょねんの先輩は個人メドレーの選手が2人いて、男女1人ずつ居たんですけれど。その先輩方はとても偉大で。自分もその2人の先輩方みたいにチームを引っ張っていけるように。大也からも刺激を受けたり、女子でも下の選手や同じ学年でも速い選手は多いので、自分も負けないように。そこは頑張りたいと思っています。
――決勝でも得意とされている平泳ぎのタイムはよかったように感じましたが、いかがですか
平泳ぎは決勝のタイムはどのぐらいかわからないんですけれど、予選はまあまあなタイムで泳げていたので。そこは自信持って、今後も練習を積んでいきたいです。短水だけじゃなく長水でも特に400メートルでは後半しっかり粘ってフリーで最後競れるように、そのためにも背泳ぎで同じぐらいでターンすればいい所までいくと思うので、平泳ぎも強化しつつ、弱点も克服していきたいです。
――森川選手自身も最終学年になると思うのですが、ことしの目標を聞かせてください
ことしは女子チームのスイムの目標としてシード権獲得っていうのを目標に掲げています。自分が最終学年でいままでインカレではB決勝までしか残れていなくて、いつも先輩方に助けられたりしていたので、自分が最後の年はしっかり2種目ともA決勝に残って、主将という立場ではないんですけれど、結果でチームを引っ張っていけるようになりたいです。
――新チームの雰囲気はいかがですか
チームの雰囲気は始動したときよりも良くなっていて、冬の六大学(アリーナ杯第21回東京六大学冬季対抗戦)では男子は優勝できたり、女子も準優勝ではあったんですが目標としていた点数を上回ることができたり、成績的にもいいかたちでスタートできているかなと思います。今回の試合でもベストを出したり、新たに日本選手権の標準記録を突破した人が結構いて。そういうチームメイトからも刺激を受けながら全員が今シーズン掲げている目標を達成するという強い気持ちを持って、9月に向けてより一層雰囲気よく、意識を高めていって、インカレで最後笑って終われたらいいと思います。
――4月の日本選手権に向けて、意気込みと目標を聞かせてください
4月は代表の選考となってきてみんな結構合わせてきて、ハイレベルな戦いになると思うんですけれど、400メートルでは今回思うような結果を残せなかった分、4月ではしっかり決勝に残って、インカレにつながるレースをしたいと思っています。200メートルも決勝を目標としたいんですけど、まずはB決勝には残るということを目標として、4月の時点でどこまでいけるかを200でも400でもチャレンジしていきたいです。決勝をどちらも目指して頑張ります。
中村克(スポ2=東京・武蔵野)
――レースを終えての率直な感想は
レース終盤までリードしていることはわかっていましたが、そのままゴールタッチできるとは思っていなかったですし、タイムも自己ベストを大きく縮めることができたのですごくびっくりしましたが、とてもうれしかったです。
――予選の時点でも5位ながら48秒台(48秒93)をマークするなど調子の良さもうかがえました
予選のときは身体がすごく重くて、ベストタイムを更新するのは厳しいかなと思っていました。(予選後には)表彰台も上れないかもという気持ちがあったので、まさか優勝できるとは思いませんでした。本当にうれしいです。
――予選のレース後、決勝に向けて修正した部分はありましたか
予選ではあまりスタートがうまくいかなかったですし、毎回のターンで失敗してしまったので、そういうところをビデオ観ながら修正していこうと監督と話しました。
――そのスタートについて、決勝のレースではうまくはまったという感じでしょうか
そうですね。まだまだ改善はできると思いますが、昨シーズンよりは良いかたちになってきていると思います。
――前半50メートルのラップが22秒72(1位)と序盤から積極性が見られました
短水路ではあまり22秒台で入れることはなかったですし、いつも後半に頼って前半は消極的になるレースが多かったので、今回前半を積極的に入れたことで今後につながるレースができたのかなと思います。
――前半の積極性に加え、後半の粘りも光りました。フィニッシュに向けてはどんなお気持ちで泳がれていましたか
前半から積極的にいったとしても、自分の持ち味が後半だということは変わらないので、ここでもっともっと(後続を)離していこうという気持ちで落ち着いてレースを運べました。
――47秒17で2位になった塩浦慎理選手(中大)からも終始リードを奪うレース展開でした
慎理さんは高校のときから自分にとって憧れの存在であり、今回もたまたま勝てただけだと思います。本番である4月に勝てるように、慎理さんを目標に鍛錬していきたいと思います。
――記録自体も日本記録(46秒85)に0.14と迫る好タイムでした
日本記録が出なかったのは悔しい部分ではあるのですが、調整をしてない中で記録に迫れたことはよかったです。次このような短水路の大会があれば日本新記録を出したいです。
――日本記録は狙っていたわけではなかったのでしょうか
3週連続でオフがない中での大会だったので日本記録は意識していませんでした。優勝できるとも思ってなかったくらいなので本当にびっくりしています。
――きょうは泳いでいてどんな気分でしたか
いつも何も考えず、レースを楽しもうという気持ちで泳いでいるのですが、きょうはレース自体も楽しかったです。
――長水路と短水路での意識の違いは
僕は長水路の方が得意で、短水路はちょっと苦手だったので、この短水路の大会で結果を残せたことは自信になりましたし、長水路でも同じような結果が出せるように頑張りたいです。
――きょうのレースに点数をつけるなら
きのうの50メートル自由形は30点と辛くつけました。今回もよかった面はありますが、よくなかった面もあるので60点くらいですかね。
――かなり厳しい自己評価だなという印象がありますが
ここで満足してしまうと結果を出せなくなってしまうと思うので、自分に厳しくいこうと思います。
――今後強化していきたいところは
自分の持ち味でもあるキックはもっともっと強化していきたいですし、苦手なスタートやターンといった技術面も向上させたいです。
――2月の後半は菅平での高地トレーニングに臨まれるそうですね
自分の限界を超えられるようにしっかり泳ぎこんできたいと思います。
――優勝を経験した上で日本選手権で目指されるところは
やっぱり慎理さんは目標の存在ではありますが、目標の選手に勝っていきたいという気持ちもあるので優勝を目指して頑張ります。
瀬戸大也(スポ1=埼玉栄)
――200メートル個人メドレーを振り返って
200メートルでも前半に積極的にいって、後半どこまで粘れるかと思ったんですけど、後半かなり浮いてしまいました。でも前半のラップのタイムを見てみたらすごく速いタイムだったので、今後につながる良いレースだったと思います。
――400メートルも200メートルもどちらも前半から積極的なレース展開でしたが、4月に向けてどのような目標がありますか
自分の持ち味である前半から積極的にいくということがここ最近できていなくて全部後半を頑張るというレース展開ばかりだったので今後世界で戦っていくにはそれでは通用しないと思いました。世界のトップレベルの選手のように前半から積極的にいく、自分の持ち味を生かしたレース展開をしていきたいと思ったので今回は前半から全て積極的にいきました。
――一番きつかったのはどの部分でしょうか
背泳ぎがいまうまく泳げていないのにプラス前半から積極的にいったのでそれらがきつかったです。
――4月に向けての抱負は
まず400メートルでしっかり勝ち代表権を勝ち取るというのと、そこから更にプラスアルファで200メートル自由形、リレーの代表選手にも選ばれるように貪欲に頑張りたいと思います。
――この先の夏の展望は
2013年は運よく金メダルが獲れましたが、いまは2014年なのでまた新たにチャレンジャーとして気持ちはリセットできているので、まずはパンパシフィックできょねんのタイムを超えるとともに勝負に負けないように頑張りたいと思います。
――アジア大会も含めて中国には同級生がいますが、そのあたりはいかがですか
400メートルでは勝っているが200メートルでは負けているので、どうにか200mでは自分のタイムを上げることを意識して、3月にはメキシコに行くので後半に粘れるようなトレーニングをして、前半に説教区的に行くことと併せて後半も粘れるようなプレーを頑張ります。
――400メートルと200メートルの顔を比較して緊張度が異なっているように見えました
400メートルでは萩野君が金メダルを狙っていて、今回200メートルでも来るかなと思っていて自分も照準を絞って種目数を減らしたのにいなかったので(200メートル)は自分との戦いになってしまって、この中でも自己ベストを更新したかったので後半粘れなかったのが今後の課題です。
――萩野選手がバタフライを最近とばしてきましたがそこは頭にあったのですか
そうですね。萩野君とはバタフライにおいては変わらなかったりもするので、でも自分の得意種目であるバタフライと平泳ぎがどうしても勝たなければいずれ大会で勝てなくなってしまうので、世界に行っても自分の得意種目で抜きんでてほかの種目でも負けないぐらいの気持ちでいきたいので、今回積極的に1位を獲ろうと泳いだので自分的には殻を一枚やぶれたのかな、と思っています。でも、まだまだ課題は残っているので、それを改善し次に繋げていきたいです。
――初の高地トレーニングを行う事になった経緯は
リオに向けてです。リオの前の年に行ったらきついなかと思ってことしからにしました。でも高さ自体は2000メートルもないのでお試し、という感じです。
――今大会を振り返って、たくさん優勝をしたが自分の成績に満足していますか
タイム的には満足していないですが、優勝をしたこととあとはやっぱり課題だった前半から積極的にいくことをできたので、すごくプラスになった大会だったと思います。自分では前半から積極的に行けたことは満足しています。
――では自分で今大会の自身に成績をつけるとしたら何点くらいでしょうか
80点ぐらいですかね(笑)。
――他に課題点は見つかりましたか
やっぱり平泳ぎですかね、そこでマイナス10点分くらいですかね(笑)。
――きのうも平泳ぎの調子がよくないと言っていましたが、きょうの調子は
やっぱり前半から積極的にいったので自分のいま得意な平泳ぎでやっぱりうまく泳げない部分があって、きつくなることがあったので平泳ぎは個人メドレーですごく重要なので今後の課題です。4月にしっかり照準を合わせて行きたいです。
――中耳炎になってあまり練習ができなかったと聞きました。大会に臨むにあたって不安はありましたか
3日前ぐらいからだったので逆にそのせいで前半が前半が少し軽くいけているということもあるかもしれないですけど、しっかりケガと病気には気をつけて4月にはしっかり代表を決められるようなコンディションで臨みたいと思います。
――メキシコでは何を中心としたトレーニングするのですか
後半に耐えられるような練習ベースと、やっぱり酸素が少ないので息が苦しくなってくるので後半でもしっかり潜れられるような心肺機能を身につけたいと思います。
田村美紅(スポ1=埼玉栄)
――決勝のレースを振り返っていかがですか
きのう100メートル個人メドレーでけっこうスピードが出てる感じがしたので、前半から突っ込もうと思って。いま不調なんですけど、4月につながるようなレースがしたいなって思って予選より決勝のタイムをあげようと思って頑張りました
。
――きのうの100メートル個人メドレーを終えてきょうにつなげようとしたことはありましたか
きのうは予選より決勝のタイムをあげるってことがこの試合の目的だったので、きょうの100メートルバタフライにつながる前半のバッタの入り、いかに楽に速く入るかっていうのをきのうは意識しながらやったので、きょうの前半につなげられたと思います。
――バタフライに力を入れたいとのことでした。100メートルバタフライに懸ける思いは特別だったのでしょうか
100メートルバタフライは私にとってバタフライは難しいんですけど、どんなに練習が嫌になってもバッタだけは泳ぎたいと思っているのでずっと200メートル(バタフライ)は得意ではないので、100メートルだけでも日本の上のレベルになれたらと思います。
――日本選手権ではどんなタイムを目指しますか
まずナショナル以上のインターナショナルの長水路で59秒30を、いまきょう短水路で同じくらいで泳げたので、まず決勝に残ることが前提で59秒3以内、自己ベストで6位入賞以内を果たしたいと思っています。
――その目標を達成するためには何が鍵になってくると考えますか
体の面で言うと上の筋肉、下の筋肉と腹筋をもう1回鍛え直したいなって言うのと、前半突っ込めるっていうのが今回わかったので後半をもたせる練習をしようと思います。
◇B決勝進出者
林和希主将(スポ3=愛知・豊川)
――レースを終えての感想をお願いします
悔しいの一言ですね。やりきれなかったです。
――午前の予選では50メートルが17位、200メートルが16位でした
レベルが高くなるとは思っていましたが、自分が調子悪い中でも結果を残さなければと思っていたので、きのうの100メートルが終わった後にいろいろと修正して泳ぐようにしました。うまくいった部分もありましたが、結果が出せなかったので残念です。
――具体的にどこを修正してきたのですか
泳ぎで内にかきすぎる傾向があったので、外に水を逃がすように修正していましたが、レースでは練習中のような泳ぎに戻ってしまいました。
――逆に「うまくいった部分」というのは
浮き上がりの部分やターン、スタートのところはきのうより良かったですね。こういった部分は試合に出ないとわからないところなので、その時々に合わせたターンや浮き上がりはまだまだ改善していけると思います。
――2日間を総括して
この大会は結構思い入れある大会で、結果を残したいという気持ちが強かったんです。高校生の時からずっとこの大会では調子が良くて、自信はあったのですが、ケガや体調を崩したこともあったので、もったいなかったなという気持ちはあります。昨年は決勝に残っていましたし、それ以上の結果を出したいと思って臨んでいただけに残念ですね。
――これから競技面ではどんな一年間にしていきたいですか
最上級生として、主将として結果でもチームを引っ張っていかなければならないと思います。まずは4月に結果を出せるように、残り1カ月半で泳ぎを直して、レースになっても泳ぎが変わらないようにすること、力が入ってしまうという傾向がきょねんから続いているので、水にうまくパワーを伝えられるようにすることという2つを重点的にやっていきたいです。それで4月に良い流れをつくって、9月のインカレ(日本学生選手権)で一番をとりたいと思います。
上野 聖人(社1=東京・法政二)
――きょうの泳ぎを振り返って
久々のB決勝だったのですが、そういうせいもあってか、無我夢中で泳いであまり記憶にないというか。そんな感じです。
――予選と比べてB決勝での泳ぎはいかがでしたか
予選に比べて、スタートがうまく決まったかなと思います。前半からいけたかなと思います。
――入学してから、このような大きな大会は初めてだったと思いますが、いかがでしたか
初めてでB決勝に残れて、いい経験ができたというのはすごい今後につながると思います。また、北島さんもいましたし、レベルの高い中でやれたので良かったです。
――今後の長水路に向けては
短水路より長水路のほうが得意なので、長水路でも同じように良い結果を出していって、インカレとかでチームに貢献できるように、これから頑張りたいと思います。
――六大戦でも林主将が、チームを盛り上げている一人として上野選手のことをあげていましたね
意識をしてチームのモチベーションを上げているという気持ちはないのですが、僕の応援とか声だしとかが少しでもチームのモチベーションアップにつながっているのなら、これからも続けていきたいです。また、林主将にそうやって認めていただけていることはすごく光栄だと思います。
――最後にこれからの抱負をお願いします
とりあえず水泳頑張ります。勉強もですけど。いろいろ大変なので頑張ります(笑)。
深谷皇(スポ4=愛知・知立東)
――ワセダで泳ぐラストレースになりましたが、どんな気持ちで泳いでいましたか
ワセダで出る最後のレースをA決(A決勝)で締めくくりたかったんですけれど、インター合宿(インターナショナル強化選手合宿)で泳ぎ込んでいた分身体のキレとかも無くて、調子とかもあんまり良くありませんでした。B決(B決勝)だとちょっとタイムを落としてしまうというか、今回もコンマ何秒か落としてしまったのですが、僕を強くさせてくれたのは早稲田大学なのでその早稲田大学に入れてくれた監督や応援してくれた家族、友人の皆さんに感謝の気持ちを持って泳ぎました。
――この4年間、ワセダのバタフライを引っ張ってきたのは深谷選手だと思うのですが、大学4年間で一番思い出に残っていることは何でしょう
みんなで戦ったインカレ(日本学生選手権)ですね。僕たちの代だけは1年目からいきなりシード落ちを経験して、2年生のときに関カレ(関東学生選手権)も戦わなければならないというのを経験していて。そこで本当にいろんなつらいこととかもいっぱいありました。でも同期が多かった分、喧嘩とかもたくさんしたんですけれど支え合っていけて。最後同期みんなで決めた男子は総合5位以上、女子はシード権堅守という目標を男女とも一歩越えて、4位と7位で目標を達成できたことが本当に一番嬉しかったです。
――新チームになってからは林和希主将(スポ3=愛知・豊川)が中心に立っていますが、下の学年の選手たちに関してはいかがですか
特に林和希に関しては、出身が愛知で同じなので小さい頃からずっと一緒にやってきていました。僕の最後の部屋っ子(同部屋)だったんですけれど、すごい水泳が大好きで。ちょっと周りが見えなくなっちゃう部分とかもあるんですけれど本当にキャプテンとしてすごくチームを引っ張ってくれています。僕はそこに練習にお邪魔させていただいている感じなんですけれど、本当に快く受け入れてくれて。チームも良い雰囲気で盛り上がっていて。これから多分インカレ3位以上という僕たちより上の目標を掲げていると思うんですけれど、是非達成して欲しいなと思います。
――深谷選手の今後は
社会人になっても水泳を続けて、4月の日本選手権ではパンパシ(パンパシフィック選手権)の代表を目指して頑張りたいと思います。
――最後に、大学4年間で深谷選手が磨いてきた武器を教えてください
テンポが速くても後半バテない、後半ラスト50(メートル)で一緒だったら絶対負けないという強い気持ちを持って、いままでずっとレースや練習に励んでいたので。この持ち味を伸ばしつつ、前半もっといければ絶対に負けないと思うので。そこを強化していきたいと思います。