水上の早慶戦開幕!! 今年も競泳は記録ラッシュ

競泳

第96回早慶対抗水上競技大会 6月30日 東京アクアティクスセンター

 第96回を迎える水上競技の早慶戦が、東京アクアティクスセンターで幕を開けた。競泳は午前の部と午後の部に分けて行われ、その間に飛込競技が実施された。競泳終了後には、慶大水泳部葉山部門による日本泳法、早大水泳部AS部門によるアーティスティックスイミングのエキシビションが行われ、最後に水球が行われた。競泳は今年も大会新記録の更新が見られ、多くの選手が日本学生選手権(インカレ)の標準記録を突破。飛込には藤田優(商2=新潟)が登場。合計343.40点を記録し、個人成績では2位の慶大選手に大きく差をつけて1位を獲得した。ASでは、城戸穂夏(社1=東京・早実)、男子選手である横山正(スポ1=兵庫・甲南)ら1年生3名が、息の合った演技を披露。ダイナミックかつ繊細な表現で会場を魅了した。

スタートで飛び出す船越

★競泳は大会新記録が誕生

 大会記録が多く生まれた昨年に続き、今年もさらに大会記録が複数塗り替えられた。最初の種目は女子4×100メートルメドレーリレー。1年生の加藤心冨(スポ1=埼玉・春日部共栄)を加え各種目のエースで構成した早大女子チームが、いきなり大会記録を更新し会場を盛り上げた。パリ五輪代表に内定している松本信歩(スポ4=東京学芸大附)は、100メートルバタフライで大会記録を更新し、圧倒的な強さを見せつけた。100メートル自由形では船越彩椰(スポ3=東京・淑徳巣鴨)が積極的な泳ぎで、55秒96の大会新記録を樹立。100メートル背泳ぎでは、1年生の水野柚希(先理1=埼玉・栄東)が、最後まで速いストロークテンポを維持し、早大の女子背泳ぎをけん引してきた亀井涼子(スポ3=東京・淑徳巣鴨)のもつ大会記録を1秒以上塗り替えてフィニッシュした。

2種目で自己ベストを更新した松下

★ベスト更新も続々

 多数の選手が自己ベストを更新した今大会。200メートル個人メドレーでは高橋実花(教2=宮城・仙台二華)が前半のバタフライから積極的にレースを展開し、自己ベストを更新。100メートルで大会新記録を出し好調の船越は、続く50メートル自由形で自己ベストを塗り替え、笑顔を見せた。200メートル背泳ぎでは、序盤から最後まで村上汰晟(スポ3=兵庫・明石南)と接戦を展開した4年の村上賢之慎(スポ4=熊本西)が2分00秒80の自己ベスト。2人を追いかける1年の松下湊(スポ1=東京・駒場)も自己ベストを更新した。さらに松下は100メートル背泳ぎで、わずかに村上賢を上回る好タイムを記録し、この種目でも自己ベストを達成して勢いを見せつけた。男子100メートルバタフライでは、山口遼大(スポ2=東京・暁星)が52秒台に迫るタイムで自身のベストタイムを更新。4年の金直輝(スポ4=群馬・高崎)もオープンでの出場ながら、自己ベストを塗り替えた。

バタフライで自己ベストを更新した金

 最終種目の4×200メートルフリーリレーは、両大学の応援も最高潮に達し、1番の盛り上がりを見せた。女子の1泳は2年の松崎りん(人2=東京・日大二)。この前に200メートル、400メートルのレースを終えた松崎だが、疲れを感じさせない安定の泳ぎで松本につないだ。松本、続く船越も最後の力を発揮して泳ぎ切り、アンカーの4年・小原天寧(スポ4=東京・目黒日大)へ。女子の自由形中長距離を引っ張る小原が快泳を見せ、1位を獲得。「すごく楽しかった」と小原は振り返った。男子は1年生の増田莉蔵(スポ1=静岡・浜松市立)が1位で2泳に引き継ぐと、そのままリードを保って4泳の主将・長牛太佑(スポ4=京都外大西)へつなぐ。最後の意地を見せ、そのまま1着でフィニッシュした。松本の大会新、村上賢、金の自己ベストなど4年生の記録ラッシュも見られた今大会。4年生はコロナ禍でのスタートだったが、昨年に続き有観客で行われた今大会が最後の早慶戦となった。「インカレに向けて良い弾みになった」と長牛男子主将が振り返った今大会。個人、チームともにさらに磨きをかけ、その歩みを止めることなくインカレに向けて突き進んでいく。

(記事 神田夏希、写真 指出華歩、神田夏希)

結果

競泳男子

○早大58点-慶大16点

競泳女子

○早大42点-慶大2点

飛込

●早大3点-慶大3点

※同点により入賞者の数で勝敗を確定

競泳

女子4×100メートルメドレーリレー

早大(亀井、加藤、松本、船越) 4分06秒61 【1位】大会新記録

亀井涼子 1分03秒54 日本学生選手権突破

男子4×100メートルメドレーリレー 

早大(村上汰、松田、山本、原) 3分38秒87 【1位】

村上汰晟 55秒56  日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

男子1500メートル自由形 

金星洋将 15分53秒42 【1位】

女子200メートル個人メドレー

木崎京香 2分26秒24 【2位】

高橋実花 2分24秒13 【1位】自己ベスト

男子200メートル個人メドレー

長牛太佑 2分03秒18 【1位】日本学生選手権突破

女子200メートル自由形 

松崎りん 2分02秒90 【OP】日本学生選手権突破

二宮歌梨 2分05秒19 【OP】日本学生選手権突破

内田さくら 2分06秒50 【OP】日本学生選手権突破

男子200メートル自由形 

原空輝 1分50秒29 【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN突破

増田莉蔵 1分51秒47 【2位】日本学生選手権突破

林大輝 1分51秒96 【3位】日本学生選手権突破

女子200メートル背泳ぎ

亀井涼子 2分19秒19 【2位】日本学生選手権突破

水野柚希 2分12秒37【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

男子200メートル背泳ぎ 

村上賢之慎 2分00秒80 【2位】自己ベスト、日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

村上汰晟 2分00秒56【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

松下湊 2分06秒63【OP】自己ベスト

男子200メートルバタフライ 

山本拓武 2分01秒56【3位】日本学生選手権突破

新開誠也 1分58秒21【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

入江崇也 2分01秒21【2位】日本学生選手権突破

金直輝 2分04秒07 【OP】

女子200メートル平泳ぎ 

加藤心冨 2分32秒18【OP】日本学生選手権、JAPANOPEN突破

男子200メートル平泳ぎ 

松田藍青 2分14秒70【1位】日本学生選手権突破

女子100メートル自由形 

船越彩椰 55秒96【1位】大会新記録、日本学生選手権、日本選手権突破

内田さくら 57秒66【2位】日本学生選手権突破

二宮歌梨 58秒29【3位】

小原天寧 57秒75 【OP】日本学生選手権突破

男子100メートル自由形 

原空輝 49秒26【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

女子400メートル自由形 

松崎りん 4分15秒90【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

小原天寧 失格

男子400メートル自由形 

長牛太佑 3分56秒42【1位】日本学生選手権突破

林大輝 3分59秒91【2位】

増田莉蔵 4分01秒71【3位】

金星洋将 4分03秒94 【OP】

女子100メートル平泳ぎ 

加藤心冨 1分08秒70【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

熊谷奈津季 1分16秒00【2位】

男子100メートル平泳ぎ 

松田藍青 1分01秒66【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN突破

女子100メートルバタフライ 

松本信歩 58秒50【1位】大会新記録、日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

高橋実花 1分03秒07【2位】

男子100メートルバタフライ 

山本拓武 53秒04【2位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

山口遼大 53秒02【1位】自己ベスト、日本学生選手権!JAPANOPEN、日本選手権突破

新開誠也 53秒96【3位】日本学生選手権突破

金直輝 55秒28 【OP】自己ベスト

入江崇也 54秒33 【OP】日本学生選手権突破

村上稜芽 56秒03 【OP】

女子100メートル背泳ぎ 

亀井涼子 1分03秒86【2位】日本学生選手権突破

柴田菜摘 1分04秒13【3位】日本学生選手権突破

水野柚希 1分01秒57 【1位】大会新記録、日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

男子100メートル背泳ぎ 

村上汰晟 55秒64【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

村上賢之慎 56秒74 【3位】日本学生選手権突破

松下湊 56秒72【2位】自己ベスト、日本学生選手権突破

女子50メートル自由形 

松本信歩 25秒70【1位】日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

船越彩椰 25秒74【2位】自己ベスト、日本学生選手権、JAPANOPEN、日本選手権突破

柴田菜摘 26秒43【3位】日本学生選手権突破

熊谷奈津季 27秒88【4位】

男子50メートル自由形 

山口遼大 23秒01【1位】日本学生選手権突破

村上稜芽 23秒92【4位】

女子4×200メートルフリーリレー 

早大A(松崎、松本、船越、小原) 8分16秒37【1位】

早大B (水野、二宮、柴田、内田) 8分25秒34 【OP】

男子4×200メートルフリーリレー 

早大A(増田、原、新開、長牛) 7分25秒30【1位】

増田莉蔵 1分51秒85 日本学生選手権突破

早大B(林、山本、村上稜、金星) 7分36秒27 【OP】

コメント

長牛太佑男子主将(スポ4=京都外大西)

――最後の早慶戦でした。どんな気持ちで臨みましたか

1年目はコロナの影響でできなかったので3回目になるんですけど。やっぱり第一は勝利ということを目標に、個人がより内容の良いレースができるように、応援とかも取り組んでいました。

――ご自身の結果を振り返って 

僕自身の結果はよくなかったんですけど、優勝できたことはうれしいですし、これからインカレに向けて良い弾みになったかなと思います。

――最終種目の4×200mフリーリレーは盛り上がっていましたが、振り返っていかがですか

2チームが同じ早稲田から出ているということもあって、普段とは違う仲間の数というか、それはとても思い出に残っています。

――インカレに向けて意気込みをお願いします

個人としては、しっかり主将としてチームを引っ張ってメダルを取れるようにしたいということと、チームとしては、男子は総合4位を目標に、リレー種目でも早稲田は強いということを見せられるように、メダルを狙って頑張っていきたいと思います。

小原天寧女子主将(スポ4=東京・目黒日大)

――最後の早慶戦、主将として迎えた早慶戦でした。振り返っていかがですか

本当に何もわからないところから始まって、コロナ禍で人数も少なくてっていう早慶戦から始まったんですけど、最後はしっかり応援部の方にも、OBの方にも来ていただいてにぎやかな早慶戦を楽しむことができて良かったと思います。

――1,2年生の活躍も目立ちました。今大会の早稲田の選手の皆さんの活躍を振り返っていかがですか

久々のベストであったり、大ベストも見られたので私自身もすごく嬉しく思っています。

――リレー競技は振り返っていかがですか

インカレではしっかり戦わなきゃいけないので、課題の残るレースにはなったと思うんですけど、その前にみんなでしっかりリレーを泳げたというのはすごく楽しかったし、応援も盛り上がってうれしかったです。

――インカレに向けて意気込みをお願いします

競泳女子はインカレ総合優勝を狙っているので、それに向けて個人の競技力を上げるのはもちろん、チームの雰囲気もよりよくしていって、最高の状態でインカレを迎えられたらと思います。