加藤、竹澤が優勝、女子リレー金!メダル&自己ベストラッシュで、チームが活気づく一日に

水泳

日本学生選手権2日目 9月5日 東京アクアティクスセンター

2日目は早大の注目選手が続々登場。加藤心冨(スポ2=埼玉・春日部共栄)、竹澤瑠珂(スポ1=東京・武蔵野)、女子4×100メートルフリーリレーの優勝をはじめ、早大勢が多くのメダルを獲得。そして自己ベスト更新も相次ぎ、早大にとって追い風となる1日となった。

優勝した竹澤

2日目の決勝レースは女子800メートル自由形からスタート。昨日の予選でワンツーフィニッシュを果たした松﨑りん(人3=東京・日大二)、青木虹光(スポ2=群馬・明和県央)が登場。松﨑は直近の大会で自己ベストを連発し、青木は7月末のワールドユニバーシティゲームズ(ユニバ)で銅メダルを獲得するなど2人とも好調だ。真ん中のレーン、隣どうしで並び決勝が始まった。最初の50メートルから、今年の世界選手権に出場した梶本一花(同志社大)がリードし、青木、松﨑の順に梶本を追いかける展開に。200メートルを過ぎると松﨑が青木の前に出る。その後も青木がやや遅れながらも松﨑に食らいつき、大きくリードする梶本を追いかける。松﨑は止まらないキック、青木はテンポの速いストロークを武器に泳ぎ続け、ラスト100メートルへ。松﨑がさらに強いキックを打ち込み、追いかける青木もスパートをかける。梶本には届かなかったものの、後続に大きく差をつけて松﨑が2位、青木が3位でフィニッシュ。早大の2人が表彰台に登った。

レース直後、仲間の声援にこたえる松﨑(写真左)と青木

女子200メートル自由形に登場した竹澤瑠珂(スポ1=東京・武蔵野)。高校時代から世代のトップとして活躍し、ユニバでは銅メダルを獲得したルーキーだ。予選を4位で通過し、優勝を目標に臨む決勝。前半100メートルを3位で折り返すと、じわじわと前を行く選手との差を縮め、150メートル地点で1位に浮上。そこからさらに強いキックを打ち追い上げる。ラストイヤーの長尾佳音(明治大)が迫るなか、最後の50メートルで驚異的な強さを見せ、自己ベストを更新し1位でゴール。後半の100メートルのタイムは前半のラップタイム+0.62秒と、後半の強さが光った。今大会初となる早大勢の金メダルに、仲間たちも大きくわいた。

レース後、ガッツポーズをする竹澤

昨日の100メートル自由形では惜しくもメダルを逃し、悔しい結果となった原空輝(スポ4=東福岡)が、200メートル自由形決勝に登場。この種目の日本記録を持つ中央大の村佐達也がハイレベルなレースを展開する中、原は前半を4位で折り返す。この日すでに2レースを泳いでいたが、後半も疲れを感じさせない泳ぎを見せ後続を突き放す。自己ベストとなる1分48秒09というタイムで3位となった。200メートルはあまり得意ではなく、「欲を言えば表彰台」と語っていた原だったが、銅メダルという結果に笑顔を見せ、ともにレースを戦ってきた柳本幸之助(日大)と健闘を称えあった。

レース後、柳本(写真左)と健闘を称えあった原

今年の世界選手権に出場した加藤が臨む100メートル平泳ぎ決勝。昨年この種目で優勝し、今年は2連覇に加え、鈴木聡美(ミキハウス)のもつ大会記録の更新を目標に挑んだ。スタートから頭一つ抜けると、前半50メートルを1位で折り返す。得意とする後半の追い上げでさらに周囲を突き放し、1分06秒58で1着フィニッシュ。見事2連覇を達成した。しかし大会記録にあと0.26秒及ばず、自己ベスト更新も叶わなかったため、レース後は悔しさをにじませた。200メートルでは「2分23秒台での優勝」を狙う。インカレ2冠2連覇に向け期待がかかる。

表彰台に立つ加藤

男子100メートル平泳ぎに出場した松田藍青男子主将(スポ4=愛知)。これまでのインカレでは決勝進出を逃し悔しい思いをしてきた。しかし今季は早慶戦での自己ベスト更新をはじめ調子を上げてきており、チームメイトからの期待値も高いなか挑んだ予選。自己ベストを更新し5位で決勝進出を決めた。早大勢がいい流れをつくっていたこともあり、「いい緊張感で臨めた」という決勝、松田は前半50メートルを28秒50で4位で通過すると、そこから粘りの泳ぎを見せる。予選よりも速い31秒台で後半を泳ぎ切り、予選で記録した自己ベストをさらに0.33秒更新。銅メダルを獲得した。インカレでは初となる表彰台、明日以降に控える200メートルとメドレーリレーでもその活躍に期待だ。

決勝のレースを泳ぐ松田

2日目の最終種目は4×100メートルフリーリレー。リレー種目は得点が個人種目の2倍となるため、各チームの応援もさらなる盛り上がりを見せる。優勝を目標に臨んだ女子チーム、1泳の内田さくら(スポ3=和歌山・向陽)が56秒41で2番手へ。「55秒台で帰ってきたい」と思っていたという内田だが、全体3位で船越彩椰(スポ4=東京・淑徳巣鴨)につなぐ。100メートル自由形で4位入賞している船越が2位に浮上するが、後半わずかに競り負け変わらず3位で青木へ。「持久力を生かせた」という青木が後半追い上げて1位まで持ち上げると、最後を200メートル自由形を制した竹澤に託す。前半、後続をさらに突き放すが、ラスト50メートルは各校が猛烈な追い上げで、ほとんどその差がなくなった。タッチの差でわずかに竹澤が勝利し、早大女子チームが実に20年ぶりとなる優勝を手にした。

優勝した早大女子チーム(写真左から内田、船越、青木、竹澤)

女子に続き行われた男子の決勝。このリレーで優勝を狙う男子チーム。昨年は悔しい3位となり、「リレーで優勝することしか考えてない」とこのリレーに強い思いをもつ松井理宇(スポ2=東京・日大豊山)が飛び出していく。6位でこの日200メートル自由形で銅メダルを獲得した原へ。原がエースとしての力を見せて3位のチームを大きく突き放し、2位まで順位を押し上げた。続く新開誠也(スポ3=鹿児島情報)も、この日200メートルバタフライで自己ベストを更新し6位に入賞した実力者だ。疲労がたまる中だが2位を守り、48秒台でアンカーの村上稜芽(スポ2=東京・駒場)につないだ。村上は今大会リレーのみの出場であり、事前対談では「今年のリレーに懸ける思いは誰よりも強い自負がある」と語っていた。1位の中央大に食らいついていき、3位が迫ってくる中なんとか2位を守り切った。2年前に早大が樹立した大会記録にあと0.42秒まで迫るタイムで、銀メダルを獲得。レース後はメンバー全員が健闘を称えあい、仲間からの熱い声掛けが会場に響いた。

レース前、円陣を組む早大男子チーム

銀メダルを獲得した早大男子チーム(写真左から松井、原、新開、村上稜)

この日早大は8個のメダルを獲得する大躍進を見せ、ベスト更新者も相次いだ。予選から選手たちがいい流れをつくり、決勝でも最後までその勢いを維持し、チーム力を発揮する1日となった。この流れを明日につなげ、早大のさらなるメダル獲得と自己ベストの更新に期待したい。

銅メダルを獲得した原

銀メダルを獲得した松﨑(写真左)と銅メダルを獲得した青木(写真右)

(記事 神田夏希、写真 大竹瞭、金坂祥吾)

結果

予選

女子200メートル自由形

柴田菜摘 2分03秒88【13位】B決勝進出、自己ベスト

竹澤瑠珂 2分01秒94【4位】決勝進出

男子200メートル自由形

原空輝 1分49秒26【4位】決勝進出

林大輝 1分51秒01【19位】

木村佳華 1分52秒26【36位】

男子200メートルバタフライ

新開誠也 1分57秒21【4位】決勝進出

入江崇也 2分02秒01【30位】

女子100メートル平泳ぎ

加藤心冨 1分07秒29【1位】決勝進出

熊谷奈津季 1分14秒83【50位】

男子100メートル平泳ぎ

松田藍青 1分00秒78【5位】決勝進出、自己ベスト

髙井直人 1分01秒95【20位】

女子4×100メートルフリーリレー

早大(内田、二宮、亀井、水野) 3分46秒83【2位】決勝進出

男子4×100メートルフリーリレー

早大(松井、村上稜、増田、原) 3分20秒62【5位】決勝進出

B決勝

女子200メートル自由形

柴田菜摘 2分04秒19【6位】

決勝

女子800メートル自由形

松﨑りん 8分36秒30【2位】自己ベスト

青木虹光 8分37秒42【3位】

女子200メートル自由形

竹澤瑠珂 1分58秒36【1位】自己ベスト

男子200メートル自由形

原空輝 1分48秒09【3位】自己ベスト

男子200メートルバタフライ

新開誠也 1分56秒84【6位】自己ベスト

女子100メートル平泳ぎ

加藤心冨 1分06秒58【1位】

男子100メートル平泳ぎ

松田藍青 1分00秒45【3位】自己ベスト

女子4×100メートルフリーリレー

早大(内田、船越、青木、竹澤) 3分42秒96【1位】

男子4×100メートルフリーリレー

早大(松井、原、新開、村上稜) 3分16秒95【2位】

コメント

松田藍青男子主将(スポ4=愛知)

――自己ベストでしたが、レースを振り返って

前半予選と一緒くらいで入ったんですけど後半31秒台で来れて、気持ちで行けたと思います。

――決勝の舞台はいかがでしたか

早稲田のみんなが今日一日中最初から流れを作ってくれたので、いい緊張感で臨めましたし、チームメイトの応援が頭をよぎったので、そういう面ではチーム力が見せられたかなと思います。

――次のレースの意気込み

リレーは念願の金メダルと、200は1位も狙える範囲にあるので、最低でも表彰台を目標に、金メダルを目指して頑張ります。

松﨑りん(人3=東京・日大二)

――レースを振り返って

いつもより前半を積極的に入れたのがよかったです。後半はいつもより落ちてしまった部分があるんですけど、積極的に入れたのは次のレースに活かせるかなと思います。

――自己ベストでしたが

もうちょっと出したかったなというのはあるんですけど、まずは自己ベストを出せてよかったです。

――次のレースへの意気込み

明日の400は決勝に残ることがまず難関なので、予選からしっかり体を動かしていいタイムで泳げるように頑張りたいです。

青木虹光(スポ2=群馬・明和県央)

――レースを振り返って

個人的にはベストは出なくて順位も去年と同じだったので、悔しい部分はあるんですけど、最近の大会で1番楽しかったという印象です。りんさんが隣でずっと見えてたというのもありますし。本当だったら隣にいるの嫌なんですけど(笑)仲間意識というか、対決したいというよりは一緒に頑張りたいという思いが強くて、すごい楽しめたレースになりました。ベストが出なかったのは練習不足だと思うので、これからも向上心をもっていけたらなと思います。

――次のレースへの意気込み

このあと4×100のリレーと明日も朝から400があって、まずはリレーに選出してもらったのでそこでしっかり泳ぎます。(明日に向けて)疲れをしっかりとって、去年は9位でA決勝に行けなかったので、今年は絶対A決勝に残って、りんさんと一緒に表彰台にいけたらなと思ってます。

加藤心冨(スポ2=埼玉・春日部共栄)

――2連覇ですがいかがですか

2連覇できたのはうれしいんですけど、目標としていたベスト更新と学生新記録を狙っていたので、そこを達成できなかったのが悔しいです。

――ベストまで100分の2秒差でしたがレースを振り返って

予選と同じように前半は落ち着いて行けて、いい感じだったんですけど、後半が去年とあまり変わらずそこを上達させられなかったのがベストが出なかった要因かなと思います。

――200メートルの意気込み

2分23秒台を出して2冠したいです。

竹澤瑠珂(スポ1=東京・武蔵野)

――初優勝ですが

憧れの早稲田のガウンを着て、早稲田のポーズをして、いろんな選手の皆さんに応援していただいて、その中で優勝できたのはとても嬉しいです。

――レース中はどんなことを考えて臨みましたか

前半から行って後半は耐えるだけだと思って泳ぎました。

――仲間からの応援もすごかったですが

絶対勝ちたいという強い気持ちをずっと持ってて、最高のチームのみんなに応援してもらえてそれが力になってすごいうれしいです。