ギラギラとした照りつけるような日差しの下、田太隆靖(スポ1=東京・足立新田)と鳥居邦隆(社1=愛知・愛工大名電)の二人が靖国の土俵に立った。田太、鳥居どちらも2回戦敗退という結果に終わったが、1回戦ではそれぞれの持ち味を存分に発揮。今後の活躍を予感させた。
まず土俵に上がった田太は都立高校で唯一相撲部がある足立新田高の出身。橋本侑京主将(スポ4)、二見颯騎(スポ2)の高校の後輩に当たる。初戦では日大の仲里隆治と対戦。立ち合いから果敢に前へ攻めた田太。左のハズ押しで相手の上体を起こすと最後は頭をつけながら押し出した。「足が出ていたので良かった」と本人も納得のいく相撲内容。室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)も「良い相撲」と高評価した。しかし、続く2回戦では自分よりも体の小さな相手に懐に潜られてしまい、あっけなく後退。「良いところが一つもなかった」と反省を口にした。
渾身の押しを見せる田太
続いて土俵に上がった鳥居は高校時代に全国大会で個人ベスト8入りを果たした実力者。全日本大学選抜宇和島大会、全国大学選抜相撲宇佐大会では1年生ながら5人制の団体メンバーに選出された。室伏監督が「感覚で相撲を取る」と評する通り、初戦では持ち前の相撲センスを発揮。立ち合いで二本のぞかせると、体を密着させながら華麗にすくい投げを決めた。これは鳥居にとって記念すべき大学初白星。今後の活躍に向け、まずは大きな一歩を踏み出した。その後の2回戦では体格差のある選手を前に敗退。大会後には「大学相撲に合わせた取り口をもっと研究したい」と語っており、さらに強くなるための『向上心』は尽きないようだ。
華麗なすくい投げを決める鳥居(奥)
他校に比べ部員数の少ない早大相撲部にとって新人二人の活躍は必要不可欠。「貴重な戦力になれるように頑張ってもらいたい」と室伏監督も期待を寄せている。また、頼もしい新戦力は田太、鳥居の二人だけではない。この日は新人女子マネージャーが会場に訪れた。先輩女子マネージャーとともにサポーターズクラブの方々と笑顔で挨拶を交わしている姿が印象的だった。部員7人、女子マネージャー2人で新出発を切った早大相撲部。その旅路の先に歓喜の瞬間が待っていることを願わずにはいられない。
(記事、写真 望月清香)
結果
田太隆靖初段
初戦 ◯対仲里隆治初段(日大)押し出し
二回戦 ●由留部親吾初段(中大)寄り切り
鳥居邦隆弐段
初戦 ◯対森田啓太選手(拓大)すくい投げ
二回戦 ●対城間瑠正初段(日大)寄り切り
コメント
室伏渉(平7人卒=東京・明大中野)
――まず、田太隆靖(スポ1=東京・足立新田)選手選手の相撲内容はいかがでしたか
まだ1年生なので1回戦は良い相撲で勝てたと思うんですけど、2回戦はまだ中途半端というか思い切りが出ていないなというふうに感じました。
――鳥居邦隆(社1=愛知・愛工大名電)の相撲内容はいかがでしたか
彼はどちらかというと感覚で相撲を取るので、1回戦は良い相撲をとったんですけど、2回戦はあまり良いイメージでいけなかったんじゃないかなと思います。
――二人とも1回戦の相撲内容は良かったですね
そういった(良い)ところをコンスタントに一番一番出せるようになってもらいたいなと思います
――二人には今後どのような活躍を期待しますか
とにかくまずは体をつくって慣れてもらうこと、慣れてもらって今度の東日本でもそうですけど、貴重な戦力になれるように頑張ってもらいたいなと思います
田太隆靖(スポ1=東京・足立新田)
――きょうの試合に向けてどのような稽古をしてきましたか
今は基礎トレを重要視してやっていて、やっぱり他の先輩方に比べるとまだ全然体ができていないので体をつくる意味で基礎トレをメインとしてやっています。
――きょうの1回戦の勝った相撲を振り返っていかがでしたか
勝った相撲は結構足が出ていたので自分的には良い相撲だったなと思いました
――では反対に負けた相撲内容はいかがでしたか
負けた相撲に関しては良いところが一つもなかったので、この経験を生かしてこういう負け方はもうしないように、勝ちにつながる稽古をしていきたいと思います。
――これからどのような活躍をしたいですか
先輩方や早稲田に貢献できるように少しでも強くなって、先生や先輩方に恩返しをして、応援してくださるサポーターズクラブのみなさんのためにも頑張りたいと思っています。
鳥居邦隆(社1=愛知・愛工大名電)
――きょうの大会に向けてどのような稽古をしてきましたか
体が小さくて、大会に出ても全然(体が)小さいので、大きい選手にも勝てるように体のバネをつくるための筋トレとかをしています
――1回戦の勝った相撲内容を振り返っていかがでしたか
とりあえず大学初勝利できたので、ここからまた頑張っていきたいです。
――では反対に負けた相撲に関してはいかがでしたか
経験値が全然足りていないので、大学相撲に合わせた取り口とかをもっと研究して勝ちにこだわれるようにこれから経験値をためていきます。
――これからどのような活躍をしたいですか
経験をもっとためて表彰台に上がれるように頑張りたいです。