橋本が3位入賞!若林とともに全国の舞台へ

相撲

 台風一過、蒸し暑い靖国神社相撲場で行われた、東日本学生個人体重別選手権(東日本体重別)。早大からは10人が出場した。このうち、昨年135㌔未満級で優勝を果たした橋本侑京(スポ3=東京・足立新田)が、今年も同階級で安定した強さを見せ3位入賞。さらに、若林魁主将(スポ4=岐阜農林)も115㌔未満級でベスト8に残った。二人は、9月に大阪・堺市大浜公園相撲場で行われる全国学生個人体重別選手権(全国体重別)へ出場する。全国の舞台での活躍にも、期待が高まる。

 昨年の東日本体重別で優勝、全国体重別も制覇し135㌔未満級で全国の頂点に立った橋本は、今年も満を辞して同階級に出場。一回戦、立ち合いから踏み込みで東農大選手を圧倒し白房下へ押し出すと、二回戦は二度の待ったの後、立ち合いで当たり負けることなく、最後は日大選手を右にかわして白星。相撲の重み、安定感を見せつけ、勝ち上がる。三回戦も冷静さを失わなかった橋本。中大選手のはたきを食うことなく、白房下へ押し出した。優秀8選手決勝トーナメントの初戦も勝利し、迎えた準決勝。ここで落とし穴が待っていた。相手の日体大選手が変化気味に立ち、その動きに対応しきれなかった橋本。最後は俵の外へ押し倒されてしまった。橋本は試合後に、昨年の覇者としての「違和感や緊張があった」と明かした。敗れた準決勝でも「気合いが入りすぎて冷静さを欠いてしまった」と振り返り、悔しがった。東日本での連覇は果たせなかったが、堂々の3位で全国体重別への切符をつかんだ橋本。全国での連覇達成に期待したい。

連覇は果たせずも3位入賞の橋本。全国大会でも連覇に挑む

 若林も、体重別の舞台で輝きを放った。初戦、日大選手を突き放しで圧倒すると、二回戦も日体大選手を目のさめるような一気の出足で白星を挙げ、強さを見せつけた。勝てば全国体重別への出場が決まる三回戦。相手は東農大選手だ。緊張感が高まるなか、相手がまず突っかける。二度目の立ち合い、若林は相手にまわしを取られ、苦しい体勢になったかと思われた。しかし、若林は左を深く差し込み、かいなを返す。休まずに前に出ると、最後は室伏監督(平7人卒=東京・明大中野)が勝負審判を務める向正面土俵へ寄り倒し。監督の目の前で持ち味のスピード相撲を見せ、全国体重別の切符を勝ち取った。決勝トーナメント初戦は敗れてしまったが、こちらも我慢して押し続け、室伏監督も「物言いがついてもいい」と振り返った土俵際での微妙な勝負だった。唯一の4年生である若林。東日本学生選手権では苦しんだが、選抜金沢大会、東日本体重別と、状態が上向きであることを感じさせている。一方、長谷川聖記(スポ1=愛知・愛工大名電)は無差別級に出場。強敵を前に連敗に終わり、全国体重別の出場権は獲得できなかった。

鋭い立ち合いを発揮した若林。昨年3位の全国大会では優勝に挑む

 室伏監督は、出場した正式部員7人の中で「半分ぐらいは全国体重別に」という思いがあったと言い「なかなか厳しかった」と振り返った。しかし、各選手がそれぞれに成長していることがうかがえる。今大会では初戦敗退に終わったが、佐藤太一(社3=大分・楊志館)のように明らかに今までとは体つきが変わっている選手もいる。次なる舞台は、全国の強豪が集う選抜十和田大会。少人数の早大相撲部だからこそ、持ち前のチーム力で強豪校のカベを突破してほしい。この靖国の土俵が、早大の成長につながることを信じて。

(記事 元田蒼、写真 吉岡拓哉)

結果

▽65kg未満級

高田優佑(教1=石川・金沢大附)

一回戦 ●対渡邉選手(大東大)押し出し



浅井優太(教2=千葉・稲毛)

一回戦 ●対山本初段(日大)寄り切り



松田凌人(基理2=愛媛・宇和島東)

一回戦 ●対高木弐段(日体大)寄り切り


▽75kg未満級

勝山烈(文構1=兵庫・葺合)

二回戦 ●対小暮弐段(東洋大)下手投げ


▽115kg未満級

若林魁参段(スポ4=岐阜農林)

一回戦 ○対宮里弐段(日大)突き出し

二回戦 ○対橋本参段(日体大)送り出し

三回戦 ○対山内弐段(拓大)寄り倒し

準々決勝 ●対衣笠参段(日体大)引き落とし

※8強入りで全国大会出場が決定



佐藤太一初段(社3=大分・楊志館)

二回戦 ●対勝呂弐段(拓大)はたき込み

浅田大介参段(社2=石川・金沢学院)

一回戦 ●対宇都宮参段(明大)寄り切り



二見颯騎弐段(スポ1=東京・足立新田)

一回戦 ●対片桐初段(日体大)寄り切り


▽135kg未満級

橋本侑京参段(スポ3=東京・足立新田)

一回戦 ○対真野参段(東農大)押し出し

二回戦 ○対五十嵐初段(日大)引き落とし

三回戦 ○対住木弐段(中大)押し出し

準々決勝 ○対北川参段(東洋大)押し出し

準決勝 ●対松園弐段(日体大)押し倒し

※3位入賞で全国大会出場が決定


▽無差別級

長谷川聖記参段(スポ2=愛知・愛工大名電)

二回戦 ●対深井参段(東洋大)上手投げ

※敗者復活戦へ

二回戦 ●対木崎参段(日大)上手投げ

コメント

室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)

――きょうは個人戦でしたが、チームの状態はどうご覧になっていますか

正式部員7人の中で、半分ぐらいは全国体重別に行ってもらいたいという思いがありました。なかなか厳しかったですね。

――橋本(侑京、スポ3=東京・足立新田)選手が3位に入りました。内容はいかがでしたか

内容は、最初は本当に良かったです。連覇させたかったのですが、本人がどこかで意識してしまって、気負ってしまったのが裏目に出たのかなと思います。

――それは、最後の負けた相撲のところでしょうか

まさにそうです。稽古場で練習していて、勝っている相手なのにも関わらず、ああいう負け方をするというのは、自分がどこかで「勝てるんじゃないか」と思っていて、気負ってしまったのかなと。その差じゃないかなと思います。

――若林(魁、スポ4=岐阜農林)選手もベスト8まで残りました

若林は、本当にいい相撲を取っていました。最後も、物言いがついてもいい微妙な一番でした。ただ、負けは負けなので、本人が自分で受け止めて、しっかり次に切り替えてほしいです。やってきていることは少しずつ出てきているかなと思います。

――長谷川(聖記、スポ2=愛知・愛工大名電)選手は悔しい結果に終わりましたが

長谷川はちょっとだけケガをしているところがあって、そこをどうしてもかばってしまったのかなと思います。ただ、そこさえ治れば、実力はある選手なので。悔しいとは思いますが、ここで勝てばまた次に試合に出なければいけないと考えれば、これをいい意味で休養ととらえて、体調を万全にしてもらいたいと思います。

――佐藤(太一、スポ3=大分・楊志館)選手は、かなり体格が良くなっているように見受けられました

太一も体が良くなっているのですが、まだ相撲を相手に合わせてしまうところがあります。自分のペースで相撲を取れれば、もっといい相撲が取れると思います。そこが少し足りない点ですね。

――全国体重別に出場する2人(若林、橋本)に、目指してほしいことは

上位入賞ですね。橋本は昨年は優勝しているので、東日本で負けた分、全国で優勝を狙えるように頑張ってもらいたいです。若林も実力はあるので、上位入賞を狙ってもらいたいです。

――最後に、選抜十和田大会で再び団体戦を戦う機会があります。抱負をお願いします

そうですね。十和田は、全国大会の選抜大会で、この夏自分たちがどこまで実力があるのかを試せる場です。全力投球をして、ベスト8に残って、それ以上を目指したいなと思います。

橋本侑京(スポ3=東京・足立新田)

――きょうはどんな気持ちで臨まれましたか

昨年この大会で優勝していて、連覇がかかっていたので、意識しないようにはしていたんですけど、やっぱり最初の方は意識してしまった部分はありましたね。緊張もしたし、今までは下からいく感じだったんですけど、今回は上から待ち構える感じで、それが初めてだったので、違和感や緊張はありましたね。

――その中で今回は3位という結果でしたがいかがですか

やっぱり悔しいですね。昨年優勝していたので。これが昨年優勝じゃなければ3位でも満足だったんですけど、やっぱりその分悔しいですね。

――きょう勝った相撲でよかった点はありますか

勝った相撲は基本的に前に出て勝てたし、準々決勝もこのあいだの選抜金沢大会で個人戦3位に入った相手だったので、そこに勝てたのは自信になりましたね。

――負けた準決勝の反省点はありますか

準決勝は日体大の選手だったんですけど、春先から日体大に出稽古に行かせてもらって、自分の中では相性は悪くない選手だったんですけど、個人戦になると連戦なので、準決勝になったくらいから勝手に高揚感が出てきて、気合が入りすぎて冷静さを欠いてしまったかなと思います。

――最後に、2週間後の選抜十和田大会、1ヶ月後の全国学生個人体重別選手権に向けての意気込みをお願いします

十和田大会は頑張って、団体戦が主になるんですけど、とにかくチームに貢献して、個人戦でもいい成績を残してアマチュア(全日本選手権)にも出たいですし、昨年優勝している全国大会も、3位通過なんですけど切符をつかむことができたので、挑戦者の気持ちで頑張っていきたいと思います。

若林魁(スポ4=岐阜農林)

――きょうはどんな気持ちで臨まれましたか

最後の東日本体重別ということで、優勝したいという気持ち一心で臨みました。

――その中で、ベスト8の結果はどう思われますか

もう本当に悔しいの一言で、例年に比べて強い人が早くから落ちていった感じがあって、8強に残ったところで優勝を狙えそうだったので、本当に詰めが甘かったなと思います。

――勝ち上がる中で、良かった点はありますか

体がまあまあ動いていたのと前に出る相撲が取れたのは良かったんですけど、やっぱりあと一つ土俵際の詰めというのが、ずっと課題ではあるんですけど、そこがきょう出た甘さで、また改善していかなければいけないなと思います。

――準々決勝で敗れた相撲も物言いがついてもよい惜しい相撲でしたが、感触はどうでしたか

自分の圧力が伝わって、土俵際まで持っていくという自分らしさの相撲が出たんですけど、さっきも言った通り土俵際の詰めが悪かったなと思います。

――最後に、2週間後の十和田大会、1ヶ月後の全国学生個人体重別選手権に向けての意気込みをお願いします

まず、体重別では昨年同じ階級で3位ということで、もう一回上に上がれるチャンスがるので、最後に優勝を狙って頑張っていきたいなと思っています。十和田大会を含め、今後の団体戦のある大会では、本当に橋本と長谷川強くて頼りがいのある後輩なので、それ以下が一致団結して勝ちにこだわって、ベスト8以上、あわよくばベスト4を目指して頑張っていきたいなと思います。