春から実力を見せる、佐藤太一(社1=大分・楊志館)と橋本侑京(スポ1=東京・足立新田)の相撲強豪校出身の1年生ペア。インカレでも注目の2人に早大入学の経緯や、普段の生活、これまでのシーズンについてなどを聞いた。
※この取材は10月2日に行われたものです。
「ワセダすごいな」
笑顔を見せる佐藤
――まずは、お互いに他己紹介をお願いします
橋本 楊志館高校出身の佐藤太一くんです。高校時代から認識していて、真面目そうな印象だったのですが、入ってみて一緒に生活していると面白いやつだなと、思っています。でも真面目なところもありますね。
佐藤 足立新田高校出身の橋本侑京くんです。彼は高1ぐらいから活躍していたので早くから知っていました。性格は適当そうなイメージがあって、入ってみたらやっぱり適当でした(笑)。筋トレとかで「やろうぜ」と言ってくれて、同級生がいてよかったなと思います。
――部屋は同じですか
佐藤 いや、隣の部屋です。
橋本 隣なんですが、自分が太一たちの部屋に行くことが多いですね。一緒にいることは多いです。
――なぜ、ワセダで相撲をすることを選んだのですか
橋本 同じ高校の堀越先輩(豊輝、スポ3=東京・足立新田)がワセダに行ったので、以前から「ワセダすごいな」と思っていました。強い大学は、人数も多く上下関係も厳しいので、嫌でした。正直、大学で相撲を続けるかも悩んでいました。堀越先輩がワセダに行ってから、「ワセダいいな」と思うようになって、高1ぐらいから、大学で相撲をやるならワセダで、とは思っていました。受験するチャンスがあって、合格できてよかったです。
佐藤 自分は、クラブチームから相撲をやっていて、高校でも、ずっと上下関係が厳しいところでやってきました。それはそれで学ぶことは多いと思うのですが、自主性の部分は学べませんでした。大学でも厳しいところでやっていくのは、意味があるのかなと思っていました。ワセダの存在は、最初は知らなかったのですが、同じ高校の先輩がいて知りました。ここの稽古では、自主性を重んじていることを知り、いいなと思いました。あと、1部の大学では、稽古の時間は授業を絶対に開けろということが多いのですが、ワセダでは勉強も両立させてくれるので、いいなと思いました。
――相撲を始めたきっかけは何でしたか
橋本 自分は、堀越先輩と家が近く、小学生の時にわんぱく相撲の大会に誘われて始めました。先輩とはクラブチームも高校も同じです。
佐藤 自分は、地元の市町村ごとに大会があって、その大会に出てみないか、と父の知り合いからの紹介で出て勝って次の大会に進むことができて、それからですね。小4の時です。
――休みの日はどういうことをしていますか
橋本 結構ぶらぶらしています。最近はよく映画を見に行きます。「君の名は」とかですね。「四月は君の嘘」を見た時は泣いて帰ってきました(笑)。
佐藤 自分も映画が好きです。いろいろと遊んでいます。
――普段の食事で気を付けていることはありますか
橋本 ラーメンが大好きで、高校の時は、ひどい時は3食ラーメンの日がありました。ラーメン食べ過ぎだと思う時はさすがに塩分控えようと思います(笑)。
佐藤 寮のご飯がバランスがとてもいいので、意識してこれを取ろうというのはないですね。
――最近、はまっていることはありますか
橋本 huluという動画サイトに登録したので、アニメとか映画とかよく見ています。大学に入ってから時間が作れるようになったので、映画とかもよく見ています。
佐藤 映画見たりとかはありますが、これにはまっているというのはそんなにないですね。
――部員の方と食事に行くことはありますか
橋本 あります。特に日曜日は寮のご飯がないので結構連れて行ってくれます。
佐藤 よく先輩が「行くぞ」と言ってくれます。1年生は「ありがとうございます」という感じですね(笑)。
――普段、大相撲を見ることはありますか
橋本 高校の時は大相撲には全然興味がなかったです。ですが、同部屋の前川先輩(晋作主将、社4=東京・早実)が相撲大好きでずっとテレビで見ているので、最近はたまに見ています。
佐藤 自分はあまり見ないですね。ニュースで見るぐらいです。
――では、相撲以外で好きなスポーツや、やっていたスポーツはありますか
橋本 自分は中学までタッチフットをやっていました。アメフトの一歩手前、という感じのスポーツです。なので今のアメフト部には結構知り合いが多いです。あと、バスケが好きで高校時代にはバスケをしに代々木公園へ遊びに行くこともありました。
佐藤 小学校の時は、親が水泳をやらせてくれていました。見るのが好きなのはサッカーですね。やるのはしんどいですが、見るのは好きです。
自分の力をぶつけていくしかない
はにかむ橋本
――相撲についてお話を聞いていきたいと思いますが、まずこれまでの大会を振り返っていかがでしたか
橋本 最初、春の大会で全国大会に出たんですけれど、最初の方はある意味緊張しなかったです。上位校とはやはり惜しい場面まで行くんですけれど、ギリギリで負けてしまう感じで力の差はあるかなと感じました。でも春先が終わってケガをしてしまって、随分出られなかったんですけれど東日本で組んだ組もあって、見ている限りでも着実に力の差はなくなってきているなと思っています。リーグ戦がこの前あって、自分は最初全然ダメだったんですけれど、後半一番勝ってからのってきて、東農大の個人でも強い人にも勝てました。やっぱり飲まれている部分があって、強いなと思っていたんですがそれがなくなってきたら勝てるんだなと思ってきたので、最後インカレに向けて頑張ろうかな、弾みがついたので良かったなというシーズンでした。
佐藤 前期は自分は団体には選ばれていないんですけれど、宇佐は地元枠で出られて、そのように色々とついて回って全国のレベルを体感して、差を感じて、春の大会はそんな感じで終わってしまいました。夏の合宿を通して自分も含めてみんな大きくなったし、強くなった実感があって、リーグ戦でケガ人が多かったんですけれどそれでもやはりチームで取れて1部残留できて他のチームにも惜しい試合が多かったです。みんなのケガが良くなってまた稽古をしたら、もう一歩強くなる、さらに通用するなという実感はあります。自信を持っていけたらいいなと思います。
――インカレに向けていまはどのような練習をされていますか
橋本 インカレに向けて大きな変化をつけて練習しているわけではないんですけれど、やはり基本的に筋力トレーニングですね。左右のバランスが悪いと監督に言われているので、基礎的な四股をしっかり踏んで体のバランスを整えてという感じです。特に変えても1カ月しかないので大きな変化を入れたところでそんなに効果はないので、変に緊張しないようにいつも通りやっていますね。
佐藤 自分は少し前に足をケガしてしまっていまは練習ができていないんですけれど、その前までは考えて練習するようにしていました。高校の時はひたすらやるという感じだったんですけれど、ここに来てからは何が足りないのかを自分で考えて、体幹や出足が遅かったりを考えて、それに応じたトレーニングをやっています。いまはケガで上半身しかできないですが。
――みなさんにとってインカレはどんな重みのある大会ですか
橋本 高校で言うならインターハイ、大学で言うならインカレというように、1年で1番大きな大会なので、来年相撲部が100周年ということでまずは弾みをつけることが大事だなと思います。去年ギリギリ1部に上がることができなかったので、リーグ戦以外はまだ1部ではないので1部に上がって、インカレで勝ってこそワセダは1部のチームだと思われると思うので、それに向けて弾みをつける大事な大会だと思っています。
佐藤 自分もとても大事な大会だと思っています。自分は戦線離脱しているんですが、頑張ってもらいたいですね、1年生のホープもいますし。
橋本 全治3か月だもんな。骨が折れているので1か月は厳しいです。でもリーグ戦、骨が折れている中、試合に出てしっかり1勝取ってくれたので大きかったです。
――インカレまでの残りの日々、どんな予定で過ごされますか
橋本 学校も始まっているのでそんなにないですが、六大学合同稽古があります。明大や法大といったBのトップや同じくらいの強さのチームが集まるものがあるくらいです。そこで最後しっかり自信をつけて、調整をしていきたいなと思っています。
――インカレへの意気込みをお願いします
橋本 まだインカレのメンバーに選ばれるかわかりませんが、選ばれたら出られない人の分まで頑張るしかないと思います。1年生なので、もし出る機会が与えられたら気負わずに頑張るしかない、自分の力ををぶつけていくしかないかなと思います。選ばれなかったら選ばれなかったで、やることはたくさんあるので先輩たちが相撲を取りやすいようにサポートしていこうと思います。
佐藤 自分は厳しいですが、周りの先輩を見ていて先日の大会(東日本学生リーグ戦)で通用することがわかったので、自分のことではないですけれど自信があって実力が出せれば勝てるとわかっているので、自信を持ってやってもらいたいなと思っています。
――100周年への思いを教えてください
橋本 100周年ということである意味自分たちは2年目ですけれどそれまで100年間支えてくれた先輩方のおかげでいまの早大相撲部があると思うので、その先輩たちの期待に応える、結果を出すことが大事だと思います。100周年の時は形ある結果なり優勝カップなりをとれるように頑張っていきたいです。
佐藤 自分は100周年という実感があまりなくて、2年目ですし、元々早大相撲部を知っていたわけではないのですが、日々努力して100周年を迎える時に先輩方に恥ずかしくないようにするだけです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 平川さつき、元田蒼)
笑顔で相撲部について話す二人
◆佐藤太一(さとう・たいち)(※写真左)
1997年(平9)1月14日生まれ。168センチ、100キロ。大分・楊志館高出身。社会科学部1年。凛々しい顔立ちの佐藤選手。土俵でも堅実な相撲を見せてくれます。インカレ出場は厳しいということ、今後の活躍に期待です。
◆橋本侑京(はしもと・ゆきひろ)(※写真右)
1997年(平9)1月8日生まれ。178センチ、125キロ。東京・足立新田高出身。スポーツ科学部1年。チームメイトに適当と評される橋本選手。映画好きという意外な一面を見せてくれました。