【連載】インカレ直前特集『進化』 第3回 鬼谷智之×堀越豊輝

相撲

 2年生となり新たに後輩を迎え、先輩として早大相撲部を支えている鬼谷智之(スポ2=愛知・愛工大名電)と堀越豊輝(スポ2=東京・足立新田)。1年前の全国学生選手権(インカレ)では悔しい結果に終わった。しかし1部昇格を目指し、この1年間で確かな実力をつけてきている。インカレまで1カ月を切ったいま、今季の振り返りやインカレへの思いを伺った。

※この取材は9月27日に行われたものです。

寮での生活

楽しそうに私生活を語る鬼谷

――普段はどのような稽古をされているのですか

鬼谷 監督が土日しか来ることができないので、平日は自分たちで稽古をして、土日はしっかり稽古しています。時間帯は、土日は朝で、平日は授業があるので19時から21時くらいです。

――お二人にとって相撲の魅力とは

鬼谷 他のスポーツと違って勝負がすぐつくところです。一瞬の勝負ですね。

堀越 そういうことですね(笑)。日本の文化というところも魅力です。

――お二人ともスポーツ科学部ということですが、どのコースでどのようなことを学んでいるのですか

堀越 スポーツ教育コースです。教師を目指しているので、教師としてのスキルを学ぼうと思って選びました。

鬼谷 トレーナーコースにいっています。自分は中学3年のときに膝を怪我して、手術した経験があるので、怪我をしない体づくりをするために、トレーナーコースで学んでいます。

――一緒に授業を受けることもありますか

堀越  1年生の頃はみんなで授業を取ったりしていました。2年になってからはコースが違うので一緒に授業を受けることはあまりないですね。でも、教職の科目は一緒に取ったりしています。

――オフの日はどのように過ごしていますか

堀越 筋トレです。嘘です(笑)。

鬼谷 夏休みは時間があるときは外に出て、買い物をしたりしていました。

堀越 自分はほぼ部屋でゲームをしていました。

――同室とお聞きしていますが、二人部屋でよかったと思うことはありますか

鬼谷 いいところだけですね。

堀越 いいところいっぱいありますね。相撲に関しても、プライベートでも相談にのってくれます。

鬼谷 いびきかかないところですかね。

――では逆に大変なこともあるのですか

鬼谷 (堀越選手が)寝るのが遅いので早く電気とテレビを消してほしいです(笑)。

堀越 すみません(笑)。寝言がうるさくて、急に叫んだりクローゼットを叩いたりするのをやめてほしいです(笑)。

――先日のスポーツフェスタはどうでしたか

鬼谷 来てくれた人みんなが相撲教室や、ちゃんこを食べて楽しそうにしてくれていたので、大成功でした。

ワセダでの稽古

「立ち合いのスピードが課題です」(堀越)


――夏合宿ではどこに重きを置いた練習をしたのですか

堀越 夏合宿ではほとんど下半身ですね。湯河原に行ったのですが、急な坂道が多い所なので、坂道ダッシュや階段ダッシュをやりました。あとは近くのトレーニング施設で上半身のトレーニングをしました。下半身メインの練習です。

――現時点での課題は

鬼谷 自分は他の人に比べたら体が小さいので、大きい相手とどう戦っていくかが課題ですね。稽古も自分より大きい谷本やキャプテンとどんどんやって、克服していきたいです。

堀越 自分は立ち合いのスピードですかね。立ち合いがけっこう遅くて、一発で負けちゃったりするので、立ち合いのスピードを速くしたいです。あと、自分は足が細いほうなので、いなされたりしかれたりしないように足腰強化も課題ですね。

――ワセダの相撲部でよかったと思うことはありますか

鬼谷 少人数なので、監督も含め家族のようにみんな仲がいいところですね。

堀越 他の大学は決められたメニューをやるかもしれないですが、ワセダの相撲部は自分たちでこういう練習がいいんじゃないかと考えてできることがいいと思います。

――後輩が入ってきて、自分に変化はありましたか

鬼谷 自分は(若林選手と)東海同士で実力ある選手でもありますし、レギュラーは5人という限られた数なので、負けたくないと思っています。いい刺激になっています。

堀越 かわいくて生意気な後輩です。

――相撲において自分の強みはなんだと考えていますか

鬼谷 小さいころから押し一本なので、押しですかね。

堀越 身長があるのと、腕が長いので、まわしを取りやすいところがありますね。あとは、相手がやりづらいと感じるとか、そういったところは強みなんじゃないかと思っています。

いざ、インカレの舞台へ

――今の部活全体の雰囲気はどうですか

鬼谷 この前のリーグ戦を勝って終えることができたので、いい雰囲気で練習できていると思います。

――インカレに向けて個人として意識して練習していることはありますか

堀越 最近スピードを意識していて、立ち合いのスピードもそうですし、自分が止まらずにしかけていこうと思っています。

鬼谷 大きい相手に対して押し一本で戦うのは難しいので、前まわしを取って相手を動かすように意識しています。

――インカレの目標を教えてください

鬼谷 きょねんすごく悔しい思いをしたので、ことしのインカレはBクラスの上位を取って、東の7位以内に入って、4月の全日本大学選抜宇和島大会などの大会に出ることが目標ですね。

堀越 きょねんインカレに出て、5人制で大将を任されたのですが、白星黒星共に2つの大将戦で負けてしまって悔しい思いをしたので、そのようなことがないように、取れる星をしっかり取ってチームに貢献したいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 本田理奈)

◆鬼谷智之(おにだに・ともゆき)

1995(平7)年6月18日生まれ。170センチ、118キロ。愛知・愛工大名電高出身。スポーツ科学部2年。出身地である高知県への愛は誰にも負けません。小柄でも大きな相手に押し相撲で勝利する姿にご注目。

◆堀越豊輝(ほりこし・とよき)

1995年(平7)10月25日生まれ。187センチ、110キロ。東京・足立新田高出身。スポーツ科学部2年。昨年も披露してくださったニャンちゅうのモノマネで、ことしも場を和ませてくださった堀越選手。無茶ぶりにも答えてくださる優しさで、部のムードメーカーとなっています